2 ● 重点課題
(3)国際的な開発目標の達成への貢献
 地球温暖化をはじめとする環境問題などの地球的規模の問題は、国境を超えて個々の人間にとって大きな脅威となっており、国際社会は直ちに協調してこれらの問題への対応を強化する必要がある。
 日本政府は、環境保全をODAによる協力の最重要課題の一つとしており、2001年度の環境ODAは、全援助額の約23%を占めている。日本政府の環境ODAは、2002年8月~9月に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)」に先立って発表した、「持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ(EcoISD)」に基づいて行われている。このイニシアティブは、人間の安全保障、自助努力と連帯、環境と開発の両立を理念として、(1)地球温暖化対策、(2)環境汚染対策、(3)「水」問題への取組、(4)自然環境保全を重点分野としており、2002年度から5年間で5000人の環境分野での人材育成、環境案件への円借款の譲許的な条件での供与、地球環境無償資金協力の充実、国際機関などとの広範な連携、環境ODAの評価手法改善などに取り組むことにしている。なお、2001年度に新設された地球環境無償資金協力によって、2001年度には7カ国で8件(約45億円、約束額ベース)の無償資金協力を実施した。
ゴミ堆積場を調査するJICAの専門家:メキシコ
環境分野における日本のODAの実績とODA全体に占める環境分野の割合
世界のCO2排出量の推移