ブックタイトルMOFA-外務省-2016

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概要

MOFA-外務省-2016

 気候変動や、生物多様性の損失を含む地球環境問題は、人類の生存・存続にとって深刻な脅威です。日本は、公害の経験や優れた環境技術の普及を進めながら、環境分野での途上国支援や国際的ルールづくりなどに取り組んでいます。環境・気候変動問題への取組 日本の優れた科学技術・宇宙開発技術を活かして、地球環境、資源エネルギー、保健、防災、食料等に関する国際的な課題解決に貢献するとともに、二国間の協力関係強化を進めています。 労働は社会を形成する人間の根本的な営みの一つです。しかし、現在、世界の失業者は約2億人に達するなど、厳しい雇用情勢が続いています。日本は、アジア地域における技術協力や国際労働機関(ILO)の理事国としての取組などを通じて、世界の労働問題の解決のために貢献しています。 2015年9月の国連サミットにおいて、経済・社会・環境の各分野を統合した2030年までの国際的な開発目標である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。これは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、MDGsで残された課題と、この15年間で顕在化した環境問題や格差の拡大などの新たな課題に対応するものです。 新しいアジェンダには、開発から取り残される人々が生まれないよう、人間一人ひとりに焦点を当てる人間の安全保障の考え方や保健分野のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、防災など日本が重視する要素が盛り込まれました。日本は今後アジェンダを着実に実施し、目標の達成に向けて積極的に貢献していきます。FOC U S 持続可能な開発のための2030アジェンダの策定科学技術・宇宙分野の外交推進労働問題の解決に向けて 世界では毎年2億人もの方々が被災し、自然災害による経済的損失は年間平均1,000億ドルを超えると言われています。日本は、東日本大震災をはじめとする多くの災害の経験を持つ国として、災害に負けない強靱な社会の構築に向け、2015年3月に仙台市で第3回国連防災世界会議を開催するなど、開発のあらゆる段階に防災の視点を導入する「防災の主流化」に積極的に取り組んでいます。 また、日本の提案により、国連で11月5日が「世界津波の日」に制定されました。防災への取組 従来、開発途上国が抱える保健医療の課題は、日本とは異なっていましたが、今日では、感染症、生活習慣病、高齢化など、共通かつ緊急の課題が数多く生まれています。こうした課題への対応や持続可能な開発のための2030アジェンダ(下記FOCUS参照)達成のための多くの知見を有する日本は、2015年に策定された「平和と健康のための基本方針※1」の下、国際保健を外交の重要課題と位置づけ、国内外の様々な関係者と協力しながら、各種の取組を進めています。特に、全ての人が負担可能な費用で基礎的な医療サービスを受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進や、エボラ出血熱や三大感染症をはじめとする感染症への対応と中長期的な支援、母子保健、非感染性疾患及び栄養といった保健分野の様々な地球規模課題への支援を通じて、人間の安全保障の理念の実現に向け、世界の人々の健康向上に貢献しています。保健医療課題への取組国際宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり」2号機(HTV2)cJAXA/NASA6※1 【平和と健康のための基本方針】:「開発協力大綱」の保健分野の課題別政策として、2015年9月、健康・医療戦略推進本部において決定。公衆衛生危機・災害などにも強い社会の実現、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(全ての人が負担可能な費用で基礎的な医療サービスを受けられること)の推進と日本の知見・技術・医療機器・サービスの活用を掲げています。