日本のエネルギー外交
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( 3日本のエネルギー外交廃棄】 よるものと言われています。2020年以降の気を契機として、よりクリーンな再生可能エネルー部門の脱炭素化が世界的に加速しています。 電単価を見ると石炭・石油・ガスといった化石日本は、個別の国や地域との間でエネルギー協力を進めると同時に、多国間のフォーラムや国際機関を通じた協力に参加することにより、エネルギー分野における重層的なパートナーシップの構築を進めています。今日の世界では、エネルギー分野に特化した複数の国際機関・フォーラムが互いに協力しつつ、エネルギーをめぐる国際協力を推進しています。また、G7、G20、アジア太平洋経済協ここまで見てきたとおり、世界のエネルギー情勢は大きく変化してきており、各国のエネルギー外交や、多国間の枠組を通じたエネルギーのグローバル・ガバナンスのあり方も変革期にあります。こうした中、資源の乏しい日本にとって、日本へのエネルギー資源の安定供給を確保することは引き続き非常に重要です。しかしそれだけに留まることなく、エネルギーをめぐる世界の諸課題の解決に積極的に貢献し、資源国との関係においても相互利益を強化するとの観点を持つことにより、世界全体のエネルギー安全保障の強化に向けて貢献し、同時に日本自身のエネルギー安全保障も強化していくことができると考えられます。日本のエネルギー政策の基本的な視点は、「3E+S」ですが、これらの政策目標を達成することは、世界の他の国々にとっても重要です。加えて、世界全体で見ると、すべての人に近代的でクリーンなエネルギーへのアクセスを提供することも大きな課題となっています。こうした課題の解決に向け、外務省では様々な外交的ツールを活用しながら積極的な取組を進めています。3E+Sの視点Energy Security : エネルギー安全保障(安定供給)の確保ビロルIEA事務局長と大江OECD日本政府代表部大使(2019年2月、パリ)力(APEC)などといった世界の様々な主要課題を扱うフォーラムにおいても、エネルギーは主なトピックの一つとして議論されています。外務省は、関係省庁と連携して、こうした機関やフォーラムへの積極的な参加を通じて、市場の安定化や緊急時対応の強化、クリーンエネルギーの普及促進などに取り組んでいます。IRENA第8回総会で演説する河野外務大臣(2018年1月、アブダビ)国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)2011年に正式に設立された、再生可能エネルギーの普及促進を目的とした機関です。太陽、風力、バイオマス、地熱、水力、海洋利用などといった再生可能エネルギーの普及を進めるため、再生可能エネルギー利用の分析・把握・体系化、政策上の助言の提供、加盟国の能力開発支援などを実施しています。日本は、IRENAの運営に積極的に参加しており、設立当初から連続して理事国を務めています。また、国内外における再生可能エネルギーの利用促進に向けて、様々な分野におけるIRENAの活動を支援しています。⑴ 国際的なフォーラムやルールの活用Economic Efficiency : 経済効率性の向上Environment : 環境への適合Safety安全性の確保エネルギー関連主要国際機関・フォーラム国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)第1次石油危機後の1974年に、石油供給途絶の際の緊急時対応を主な目的として設立された、経済協力開発機構(OECD)の枠内における自律的機関です。加盟国が石油を備蓄し、緊急時に協調して行動する仕組みを構築・運用しており、石油供給の大半を外国に依存する日本は、供給途絶の際、IEAの緊急時対応システムにより裨益するところが大きいと言えます。IEAは石油だけでなく、あらゆるエネルギー源、エネルギー政策全般にわたる知見で、高い国際的評価を得ています。OECD加盟国にのみIEAへの加盟資格がありますが、非OECD諸国にエネルギー需要の中心がシフトしていることなどを受け、近年は中国やインドなどといった非加盟国との協力強化も積極的に進めています。なお、2019年1月から、大江博OECD日本政府代表部大使がIEA理事会議長を務めています。

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