軍縮・不拡散 改訂
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Qカットオフ条約 核兵器用の核分裂性物質(高濃縮ウランやプルトニウム)の生産を禁止するための物です。新たな核兵器国の出現を防ぐとともに、核兵器を保有する国々の核兵器生産も制限することを目的にしています。1993年以来、国連総会はジュネーブ軍縮会議に対して交渉開始を勧告していましたが、交渉開始には至っていません。国連総会の決議に基づき、2014年及び15年に政府専門家会合が、2017年及び18年にハイレベル専門家準備グループ会合が行われました。日本も交渉開始のため、条約案に関する会合に出席し、議論に貢献しました。Qそれ以外に、核軍縮について日本はどのような取組をしていますか?● 日本は、唯一の戦争被爆国として、すべての核保有国による核軍縮を目指し、積極的な核軍縮外交を進めています。例えば、極東地域における退役原子力潜水艦の解体協力事業を実施する等、大量破壊兵器及び関連物資・技術の不拡散を目指すG7 グローバル・パートナーシップにも貢献しています。● 広島・長崎の被爆の実相を世代と国境を越えて語り継ぐべく2010年9月に「非核特使」制度を創設し、被爆者の方々が自らの実体験に基づく被爆証言を世界各地で発信しています。更に、被爆者の高齢化が進む中、2013年6月には、新たに若い世代を対象とした「ユース非核特使」制度を創設し、当活動の次世代への継承にも重点を置いています。●「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」は、核軍縮に向けて様々なアプローチを有する国々の信13包括的核実験禁止条約 (CTBT)核兵器のない世界を実現するためには、何よりも核兵器を保有する国々が核兵器を減らす「核軍縮」に取り組まなければなりません。国際社会は、国同士の話し合い、世界の国々が集まっての交渉、そして条約の作成や決議の採択を通じて核軍縮の実施を目指しています。また、核兵器以外の大量破壊兵器や通常兵器についても軍縮に向けた話し合いが行われています。核兵器禁止条約 核兵器禁止条約は2017年7月に,国連において賛成多数で採択されました。日本は唯一の戦争被爆国であり,核兵器禁止条約の目指す核兵器廃絶という目標を共有しています。一方で、この条約には安全保障の観点が踏まえられておらず、核兵器国も核の脅威に晒されている非核兵器国も参加していません。日本政府としては、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に核軍縮を追求することが必要であり、国際社会における橋渡しに努めながら、現実的かつ実践的な取組を粘り強く進めていく考えです。頼関係を再構築し、核軍縮の実質的な進展に資する提案を得ることを目的とする有識者会議です。2017年11月に広島で、2018年3月に東京で、核兵器国と非核兵器国双方の有識者を招いて会合を開催し、核軍縮の実質的な進展に資する提言を得ました。河野外務大臣は、NPT運用検討会議第2回準備委員会において、現在の国際社会にとって有益な提言としつつ、透明性、検証や対話型討論といった取組を紹介し、国際社会に具体的な行動を呼びかけました。2018年11月には、長崎にて第3回会合が開催され、安全保障と軍縮の関係に関する困難な問題等について議論が行われました。コ、UAEの12か国がメンバーです。また、2014年には広島で外相会合が開催され広島宣言が採択されました。NPDIは2015年NPT運用検討会議に計19本、2020年運用検討プロセスにおいてはこれまで計10本の作業文書を提出するなど、NPT運用検討プロセスに積極的に貢献を行ってきています。監視体制の整備が進んでいます。 すべての核爆発実験を行うことを禁止する条約です。実験を禁止することで核兵器の開発や質的な向上を防ぎ、核軍縮と核不拡散を強化します。一部の国が批准しておらず条約は発効していませんが、核実験を24時間監視する©UN Photo/Eskinder Debateジュネーブ軍縮会議第3回非核特使フォーラム軍縮・不拡散イニシアティブ(Non-Proliferation and Disarmament Initiative:NPDI)2010年NPT運用検討会議を受け、同運用検討会議の合意文書である行動計画の着実な実施を後押しすべく、日本とオーストラリアが主導して2010年9月に立ち上げられた地域横断的な非核兵器国グループです。日本とオーストラリアの他、オランダ、カナダ、チリ、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、フィリピン、ポーランド、メキシこれまで、どのような核軍縮が行われてきましたか?Q二国間での取組 日本は、核保有国を含めた主要な国との間で二国間協議を開催し、核軍縮・不拡散に関して密接に意見交換を行うとともに、必要に応じて個別の働きかけも行っています。 国際的には、世界で存在する核兵器のうち、圧倒的な数を保有している米国とロシアの両国が、NPT第6条の核軍縮交渉義務に基づいた実質的な核兵器削減に向けた交渉を重ね、これまでに多くの核兵器を廃棄してきました。2011年2月には、戦略攻撃兵器の更なる削減及び制限のための米国とロシアの間の条約(新START条約)が発効し、米露両国の核軍縮における重要な進展を示しました。しかし、依然として多くの核兵器が存在しており、今後も核軍縮交渉が継続される必要があります。核軍縮に向けた条約の制定や批准の動きがありますか?多国間での取組 国際社会では核軍縮に向けて各国の代表による話し合いが行われています。「ジュネーブ軍縮会議」は多国間で軍縮の交渉を行う唯一の国際機関で、これまでに核兵器不拡散条約、生物兵器禁止条約、化学兵器禁止条約、包括的核実験禁止条約など重要な条約を作成してきました。 また、国連を通じた取組として、日本は1994年以来毎年、核兵器廃絶決議案を提出しており、2018年は162か国の賛成を得て採択されました。核軍縮について…

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