092013年の日・ASEAN特別首脳会議では、日本は防災協力の必要性を改めて強調し、ASEANとの防災ネットワークの拡充、防災関連対話の実施、防衛当局間での人道支援・災害救援における協力強化を柱とする日・ASEAN防災協力強化パッケージを打ち出しました。また、日本は、日・ASEAN統合基金(JAIF)を活用して、AHAセンターの設立当初から、域内の災害状況をモニタリングするICTシステムの構築や、緊急援助物資を備蓄して被災地に支援を行うシステム(DELSA)の構築等を支援してきました。設立以来、AHAセンターは、15以上の大規模災害に対応していますが、その全てにおいてDELSAやICTシステムが活用されています。これからも、AHAセンターが地域の防災ハブとして十分機能するよう、運営面を含め全面的に協力していきます。災害情報をモニターするAHAセンター職員(写真提供:AHAセンター)近年、ASEAN諸国は著しい経済成長を遂げていますが、それに伴い、環境、都市化、保健・医療、高齢化、エネルギー問題、防災等様々な問題に直面しています。日本は、同様の問題を克服しながら経済成長を遂げてきた経験があり、ASEAN諸国がより良い暮らしを実現していくために協力しています。例えば、省エネルギーや高効率石炭火力発電などのクリーン・エネルギーに関する知見は、日本がASEANの暮らしの向上に貢献できる分野です。また、世界第一位の健康寿命達成国である日本の知見を生かし、母子保健や感染症対策等の基礎的保健サービスの拡充、救急救命、高齢化や非感染性疾患等保健・医療分野での協力も進めています。さらに、女性の輝く社会の実現のため、女性の活躍推進・能力向上などでも、ASEANとの協力を追求しています。防災協力自然災害の多い日本とASEANにとって、災害対応は日・ASEAN共通の課題であり、日本は、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)の能力強化を支援するなど、災害から人々の生命、財産を守るための協力を長年進めてきました。日本とASEANより良い暮らしのためのパートナー(新たな経済・社会問題)
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