世界一周「何でもレポート」

パースで日本祭りを!

平成25年5月17日

  • 会場となるフォレスト広場
在パース総領事館 首席領事 高木昌弘
 「日本祭りはもう開催できない・・・」
 パース日本人学校で生徒の舞台発表や日本食などの屋台を中心に例年賑やかに開催され,通称「日本文化祭」としてパースの日系社会に親しまれてきたお祭りが,会場側の負担能力の限界を超えてしまい,来年以降は継続できないとの決定に追い込まれたのは今から一年ほど前のことでした。確かに何千人もの人々が集う行事の準備と実施は並大抵なことではなく,有志やいずれか一つの団体・機関に引き受けてもらうのは難しい状況となっていたのです。
 
 パースはオーストラリアの西海岸にあり,気候の良い大変に美しい都市ですが,シドニーその他,国の東側にある都市ほどには知られていないかもしれません。しかしアジアとの結びつきは大変強く,日本にはここ西豪州から鉄鉱石が輸出されて日本の高度経済成長に重要な役割を果たしてきましたし,最近でも東日本大震災で電力不足のおそれがあった際には天然ガスの輸出を急遽増やしてもらって大いに助けられ,西豪州官民からの震災義援金もたくさん寄せられました。さらに私たちの日常で身近なところでは,窓ガラスや日本車エンジンの鋳型に始まり,日本の有名銘柄のうどん,焼酎,天塩まで,西豪州からの極めて品質の良い鉱物,農産品のおかげを被っているということを,私自身も実はここへ来てはじめて知りました。在留日本人数もすでに8,000人を超えて更に急増中で,日本企業の投資や事務所開設も進み,総領事館もこれからますます忙しくなると思われます。
 
 このように日本とのつながりが深く日系社会も発展しつつあるこの地で,このままお祭り行事が何もなくなってしまって本当に良いのか,様々な日系団体の力を合わせて何かできないものか,旗振り役はぜひ総領事館にお願いしたい,との声が強まったため,2012年7月に様々な日系団体が総領事館に集まって相談を始めました。日本祭りの趣旨,規模,ネーミング,対象者,会場,開催時期,準備・実施体制など調整は多岐にわたり,私が議事進行役を務めて参加者の間で熱の込もった話し合いが何度も行われました。この間,有志として参加してくださる個人や企業もあって,最初はささやかでもよいから皆で日本祭りを開催しようというムードがようやく少しずつ盛り上がってきました。
 
 2013年4月の会議では,「日本祭り」の概要について,来年2月にパース市内のまさに中心部にあるステージ付き広場で開催するということを含めた基本合意ができました。日本関係諸機関・団体・個人からなる「日本祭り委員会」が祭りを主催することも決まり,私は調整役の委員となりました。祭りの会場となる広場を管理するパース市役所から全面的な協力を取り付けることができたことは,関係者を大変に勇気づけるものでした。日本の伝統文化紹介や日本食屋台などに加えて最新のポップ・カルチャーも祭りに欠かせない要素ですが,幸いにこの面では日本のアニメーション企業が協力を約束してくれています。祭りの一環としてビジネス交流夕食会を開催するプランもあり,経済交流への貢献も期待されます。
 
 まだまだ予算計画,許認可手続き,協賛団体・企業の募集など詰めなければならない点はたくさんありますが,大人も子供も楽しみながら日系社会の親睦を深め現地社会との絆を強めることができるような「パース日本祭り」を将来にわたって続けていくために,これからも多くの人々と協力していきたいと思っています。
  • フォレスト広場のステージと噴水

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