記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年10月25日(火曜日)8時52分 於:官邸エントランスホール)

ドゥテルテ・フィリピン大統領の訪日

【記者】フィリピンのドゥテルテ大統領がですね,今日から日本を訪問します。南シナ海の問題ですとか,これまでの過激な発言からですね,アメリカとの関係悪化も懸念されていますけれども,大臣としてはこれまでのドゥテルテ大統領の発言について,どのようにお考えになっていらっしゃるかということと,やはり日本役割というのが非常に大きくなってくると思います。今夕,夕食会を主催されると思いますけれども,この意見交換の場を使ってどのような成果を得たいとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】本日から27日まで,フィリピン・ドゥテルテ大統領,公式実務訪問賓客として訪日をされます。日本とフィリピンは今年国交正常化60周年を迎えます。また戦略的な利益を共有する大切なパートナーであると考えます。今回のドゥテルテ大統領の訪日,これはこうした両国の関係,あるいはパートナーシップ,これを深める意味で大変有意義な訪日であると考えていますし,期待をしています。その上でドゥテルテ大統領,米国との関係を含め,様々な発言をされておられます。是非,私(大臣)も今日,夕食会を用意させていただいておりますし,明日には首脳会談も予定されています。こういった機会を通じてしっかり意思疎通を図り,ドゥテルテ大統領の考えを直接聞かせていただくことが大切であると考えています。
 そしていずれにしましても,フィリピンと日本の関係は大変重要であり,そしてこの両国の関係を安定化させることは,地域や国際社会の平和や安定や繁栄にも直結する関係であると考えます。両国関係をしっかり確認し,安定化させることを通じて地域や国際社会の平和や安定や繁栄にも貢献をしていきたいと考えています。そういった観点から,ドゥテルテ大統領のお考えもしっかり聞かせていただきたいと考えています。

北朝鮮関連

【記者】北朝鮮の独自制裁についてお伺いしたいのですけれども,北朝鮮が取引をしている第三国の企業も制裁の対象にする案が検討されていると報じられているのですけれども,やはり北朝鮮の外貨獲得を止めるには,中国の企業などにですね,そういった取引を止めるということが一番大きな鍵を握ってくると思いますけれども,このような制裁が北朝鮮の外貨を止めるにあたって効果があるというふうにお考えになりますか。

【岸田外務大臣】まず,北朝鮮に対して国際社会と連携しながら強い圧力をかけていくことが重要であると考えており,安保理等を通じまして,今取組が進められています。そしてそれと併せて国際的な状況も見ながら,各国独自の措置も今検討されているということであり,我が国も独自の措置を検討している,こうした状況にあります。そしてその中身ですが,今様々なご指摘がありましたが,我が国としましては国際的な情勢も見ながら,内容についても今あらゆる可能性について検討を続けているところです。そしてタイミングについても検討しているという状況です。内容についてまだ決まっていませんが,あらゆる可能性について検討を続けていきたいと考えています。

慰安婦問題

【記者】慰安婦問題ですけれども,韓国に続いて中国でも,中国の上海の大学でもですね,慰安婦像,少女像が設置されました。日韓合意を行った韓国でもまだ依然として撤去がされていない状況の中で,このように中国でも展開されているという状況の中を,外務省としてはどのように対処していくお考えですか。

【岸田外務大臣】ご指摘の動きについては,日中関係の改善に資するものではなく,残念であると思っています。やはり過去の不幸な歴史に過度に焦点を当てるのではなくして,未来志向で国際社会が直面する共通の課題に取り組んでいく,こういった姿勢が重要であると考えています。中国に対しましても,引き続き我が国のこうした立場については,説明を続けていきたいと考えています。

北朝鮮関連

【記者】先ほど北朝鮮に対する独自制裁の中で,あらゆる可能性について検討を続けていると,これは例えば中国の企業に対する独自制裁についても,検討の対象だということでよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】この間も国会の委員会の中で,第三国に対する措置についても議論が行われました。そういったことも参考にしながらあらゆる可能性について検討を続けているということです。我が国は今現在も独自の強い措置を実施しています。そういった措置の拡充強化も含めて,様々な可能性を検討しているということです。いずれにせよ,今現在まだ何も決定はしておりません。検討中であります。

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