記者会見

外務大臣会見記録(要旨)(平成23年1月)


INDEX









外務大臣会見記録(平成23年1月28日(金曜日)17時09分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)マルティ・ナタレガワ・インドネシア外務大臣の訪日について

【前原大臣】私(大臣)から1点だけお話をさせていただきます。2月2日(水曜日)から2月4日(金曜日)まで、インドネシアのマルティ・ナタレガワ外務大臣ご夫妻が外務省の賓客として訪日されることになりました。 滞在中、マルティ大臣と私(大臣)で、第1回日・インドネシア閣僚級戦略対話を開催いたしまして、二国間関係、地域・グローバルな課題での協力・連携について、戦略的パートナーシップを強化する観点から対話を行う予定でございます。また、マルティ外務大臣は、柏崎刈羽原子力発電所の視察、大学での講演、そして、我が国経済界との意見交換など(を行うことが)予定されておりまして、これらを通じて、日本とインドネシアの関係がさらに強化されることを期待しておりますし、確信しております。

目次へ戻る

米軍再編問題

【時事通信 吉岡記者】大臣は、明日、沖縄を訪問して講演を行われると聞いています。その講演の中では、沖縄の米軍基地負担の問題にお触れになると思うのですが、どのようなこと訴えていくお考えでしょうか。それと、もうひとつ、講演とは別に、仲井真知事と会談して、改めて普天間問題での政府方針に理解を求める考えというのはおありでしょうか。

【大臣】講演は沖縄JCからご依頼をされたものでありますので、お受けをいたしました。基地の問題についても触れることになろうかと思います。中身については、明日、講演をさせていただきたいと思います。せっかく沖縄に伺いますので、仲井真知事とは、お会いできればと思っております。

【琉球新報 稲福記者】昨日の総理の代表質問の中で、日米地位協定の改定について「普天間問題など喫緊の課題を踏まえ検討していく」とおっしゃっていたのですが、普天間問題が進展しない限り、地位協定の改定にも取り組まないというように受け止められるのですが、大臣のお考えを聞かせてください。

【大臣】普天間の問題と地位協定の問題は全く別個の問題でありまして、リンクをさせて考えるつもりは全く当初からありません。事件事故の防止、そして、環境の問題、そういった問題については、できることからやっていくということでございまして、まず、その地位協定の改定という大上段に構えるよりは、先般も、ルース大使、ロブリング前四軍調整官に沖縄に行ってお話をしましたように、騒音の問題、後は事件事故をゼロにするための努力の問題、あるいは、ダイバートの問題について、しっかりと米側と話をし、沖縄側のご要望にお応えをするために最大限の努力をしていきたいと考えております。

【琉球新報 稲福記者】では、今の話を聞くと、地位協定の改定と普天間(問題)の進展は全くリンクしていないというように受け止められるのですが、首相の発言は誤りがあったというようにお考えですか。

【大臣】総理の発言も読まれたら、別にリンクをしているような発言ではないと私(大臣)は思っております。また、政府全体として、リンクをさせるものではありませんので、そのように、私(大臣)は読めないと思います。

目次へ戻る

スタインバーグ米国務副長官との会談

【毎日新聞 犬飼記者】昨日、大臣が、米国から来ましたスタインバーグ国務副長官とお話しされて、主に19日の米中首脳会談について質問を受けたり、あるいは、北朝鮮の問題とか、いろいろと話したと聞いておりますが、どのような話をされたのか。また、なかなか詳細は言えないかもしれませんが、米国と日本の対中観というのは、齟齬はなかったのかということについて、おうかがいしたいと思います。

【大臣】国会の合間でしたので、十分な時間を取れませんでしたが、スタインバーグ国務副長官と話をいたしました。話の中身は主に3つありまして、1つは、この上半期に菅総理が訪米されることについてのテーマも含めての打ち合わせでした。2つ目は、ホワイトハウスのベーダー上級部長がスタインバーグ副長官から振られて、説明されておりましたが、米中会談の中身、やりとり、そして、米側の評価というものをうかがいました。そして、3つ目は、北朝鮮の問題で、南北対話、あるいは、六者会合といったものについてのお互いの考え方を意見交換して、改めて確認をしたということであります。

【毎日新聞 犬飼記者】要するに、対中観というのでしょうか、評価の部分に関わるので詳細には言えないかもしれませんが、日本側とは齟齬がないという認識だったということでよろしいでしょうか。

【大臣】齟齬というより、元々、米中関係の問題でありますし、私(大臣)の方からは、例えば、北朝鮮の濃縮ウラン開発計画について懸念を共有するということについて合意を得たことを踏まえて、非常にこの米中会談、あるいは、共同声明はよかったのではないかと、米側の努力を高く評価するということを、私(大臣)から申し上げました。

目次へ戻る

国会

【NHK 稲田記者】本日で衆参の代表質問がとりあえず終わりまして、通常国会冒頭、一つの区切りを迎えました。菅総理は熟議の国会ということを標榜しながら国会に臨みましたけれども、野党側からは冒頭から解散を迫られるなど、なかなか議論するようなムードではないというようにも見受けられるのですが、代表質問を終わられて、大臣の受け止めと、実際に動き始めてみて、今後、熟議の国会とどのように進んでいくという見通しを持っていらっしゃるのか、お聞かせください。

【大臣】代表質問というものは、基本的には意見の主張があって、それに答弁をするという一方通行的なものでありまして、本格的な論戦は予算委員会が開かれてからだと思っております。もちろん、各党・各会派、主張がおありになって、それを前面的に出されるということは大変結構かと思いますけれども、私(大臣)は、谷垣自民党総裁の、解散を前提としなければ協議に応じないということは、日本の政治のことを余り考えておられないという思いをいたしました。やはり長らく政権与党にいた自民党が本当に日本のことを考えるのであれば、堂々と自分の考え方を、御党の考え方を示した上で議論に乗ってくるというのが筋であって、解散を前提としなければ議論に応じないということは、私(大臣)は野党として本当にこの日本のことをお考えになっておられるのかなという思いを持ちました。
 また、簡単に解散、解散ということをおっしゃいますけれども、確かにいろいろな意見はあっていいと思います。しかし、今の日本の経済状況は本当に危機的な状況で、昨日も格づけが下がるということがありました。もちろん我々が今、政権におりますので、我々が経済成長と財政再建をどのようにしていくのかということについては、一義的な責任があるわけでありますが、ここまでの借金を膨らませた大きな責任は自民党にあるわけでありまして、その点をどう考えて、私(大臣)は予算の論戦に臨まれるのかという責任ある対応を求めたいと考えております。

【NHK 稲田記者】谷垣さんについて、「日本の政治のことは考えておられないと思った」ということでしたけれども、さはさりながら、議論のテーブルに載ってきてもらいたいという考えについては、変わりはないのでしょうか。野党側のリーダーがそういうことを言っているということでありますけれども。

【大臣】ねじれているのは、所与の前提でありますので、だからこそ我々はベストの予算案を出しているわけでありますが、議論に応ずるということを申し上げているのは、ねじれている以上、国民の生活に支障を来さないために、与野党の協議を広く呼びかけるということでありますので、当然ながら、私(大臣)は今後も最大野党である自民党さんの建設的な会議というものを是非求めたい、期待をしているということは申し上げたいと思います。

【読売新聞 向井記者】大臣は昨日のご自身のグループの会合で、衆議院の解散総選挙について、いつあってもおかしくないという発言をされたと報道されています。ねじれ国会の状況を見ますと、やはり解散は総理の専権事項でもありますけれども、なかなか国会運営が厳しいと思いますが、大臣自身は解散総選挙の時期をやはりいつあってもおかしくないと見ていらっしゃるのか、どのように思っていらっしゃるのかをお教えください。

【大臣】凌雲会で申し上げたことについては、今までも、私(大臣)はこういった場でお話をすることはございませんので、その質問については、お答えは差し控えたいと思います。

目次へ戻る

朝鮮半島情勢(六者協議の再開)

【日本テレビ 野口記者】朝鮮半島情勢についてお伺いします。韓国側から北朝鮮に対しまして、軍の高官協議の予備会合を2月11日に行うようにという提案がございました。これに関しまして、進展を疑問視する声も上がっているのですが、大臣はどのように評価されるかということと、六者協議再開に向けて、この会合がうまくいけば小さな一歩になるかもしれませんが、再開に向けた現実的な段取りといいますか、流れをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

【大臣】この南北の会談につきましては、韓国側が天安に対するけじめ、延坪島の攻撃に対する北朝鮮側のけじめも含めて、この2つについてテーマにしなければ南北会談に応ずることはできないという文脈の中で、北がこの2つについての考え方の説明をするという形で、韓国側が受け入れたという認識でおります。どのような協議が行われるかということについては、今から見通すことはできませんけれども、注目をしているということでございます。

【日本テレビ 野口記者】六者協議の再開に向けての基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。

【大臣】行われてみて、どのような状況になるかということでないと、明確なことは申し上げられないわけでありまして、現段階においては、この南北会談がどのような形で開かれるのか、その中身について注目をしているということでございます。

【共同通信 斎藤記者】今の問題に関連して、現時点で日本政府としては六者協議の再開に向けて何を条件としているか、前提としているか、どういう環境、条件が満たされれば始められるのか、北側への要求を含めてよろしくお願いします。

【大臣】去年12月の日米韓の外相会談において、六者協議に我々が臨む前提として、北朝鮮の具体的な行動というものを確認したわけでございまして、これについては北朝鮮には伝わっております。中身については3か国の了解の中で、申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

目次へ戻る

日米韓の合同軍事演習

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読します。米国のウィラード太平洋軍司令官は27日、都内で「日米韓3か国が将来的に合同演習することは十分あり得る」と語ったと報道されております。加えまして、3か国間でインテリジェンスの連携についても言及されたということです。大臣といたしまして、日米韓の合同演習について、どう思われますでしょうか。

【大臣】今までも日米の合同演習について、韓国側がオブザーバーで参加をしたり、あるいは、米韓について日本もオブザーバーで参加をするということがございます。自然な形で協力関係が進んでいくことが望ましいことではないかと思いますし、そういったものの中にも情報というものもあり得るのだろうと思いますけれども、これは日韓の外相会談でも累次確認をしておりますが、こういった安全保障面の協力については、歴史的な経緯、また、韓国国内の国民のご意見といったものを踏まえて、慎重にやっていくテーマだろうと思っておりますので、我々としては日韓間の協力というものはあらゆる分野で進めていきたいと思っておりますけれども、韓国側の立場も理解した上で、そういったものが進められていくべきだと考えております。

目次へ戻る

金星煥外交通商相との会談

【共同通信 橋本記者】韓国の金星煥外交通商相が2月中旬にも来日するという報道があるのですが、そのような事実はありますでしょうか。また、来日されたらどのようなテーマでお話をされるのでしょうか。

【大臣】この間、私(大臣)が韓国にうかがったときに、早期に日本を訪れたいという意向表明をしていただいておりまして、日程については調整をしているところでございます。仮に来られた場合においては、二国間の問題、関係強化の問題、朝鮮半島をめぐる問題、さまざまなグローバル、地域の問題についても意見交換をし、さらなる協力関係を強めてまいりたいと考えております。

目次へ戻る

中東情勢

【朝日新聞 山尾記者】中東で相次いでいるデモについてお伺いします。チュニジアを皮切りにアルジェリアやエジプトなど各地で長期の独裁政権の退陣を求める動きが起きています。中東の民主化を求めるこうした動きについて、どのようにご覧になっているかと、また、どのような結果になることが望ましいと考えていらっしゃいますでしょうか。

【大臣】エジプトをはじめ、中東アラブの国でデモが起きて死傷者が出ているということについては、憂慮すべき事態だと考えております。我々といたしましては、平和裏に現在の状況が解決されることを望んでおりますし、エジプト政府においては、多数の市民の声に耳をしっかりと傾けて、そして、国民の幅広い支持を得る方法で諸改革に取り組まれることを望んでおります。その中において、情報管理とか、情報統制の強化とか、デモ隊への鎮圧というものが行き過ぎた形で行われないことを、我々としては強く期待しております。

目次へ戻る

総理大臣の訪米

【毎日新聞 西田記者】本年前半とされる総理の訪米についてですが、国会情勢から予算関連法案の出口がなかなか見えないとか、TPPの交渉参加の結論とか、消費税とか、6月に向けていろいろなことがあるのですけれども、そういった国内政治の節目が総理の訪米時期の決定について何かしら影響を与えるかということについて伺いたいと思います。

【大臣】もちろん、総理は、外交問題のみならず、内政の諸課題について責任を持っておられるわけでありますので、さまざまな国会で行われる議論、こういったものをどのようにまとめていくのかということも総合的に勘案をして、総理の訪米時期というものは決められていくと認識しております。しかし、この日米同盟関係というのは大事でございまして、そして、日米両国の首脳の間で共同宣言を発出するということを確認しておりまして、我々はその中身について、今、作業を進めているところでございますので、上半期に総理の訪米が行われて、両国間での共同宣言がまとめられることを、我々としては期待しています。

目次へ戻る

日本国債の格下げ

【日経ビジネス 森記者】先ほど大臣が触れられた日本国債の格下げの問題ですが、その格下げという評価に対する評価と、今後の影響の見通しについてお聞かせください。

【大臣】政府の立場として、政府の一員として、民間会社の格付に対してコメントするという立場にはございません。しかし、日本が置かれている厳しい財政状況というのは明らかでありますので、私(大臣)が大事だと思っているのは、まず身を削る努力、無駄は徹底的に削る。国会議員の定数であるとか、マニフェストで約束をした公務員の総人件費2割、4年間で削減するということをしっかりやっていくということを、もう一度この内閣で確認をするということも大事でありますし、同時に、23兆円とも言われているデフレギャップを克服しないままに、単に増税だけやると、より景気の腰折れになりますので、そういったデフレ対策をどのような形でとるのかということも、財政面、金融面でも私(大臣)は大切ではないかと思います。その上で、そういったまず身を削る努力、そして、景気に対する配慮、特にデフレ脱却に対する具体的な措置、こういうものを講じた上で財政再建をしっかりやっていくという、工程表も含めて、菅内閣としての民主党政権としてのしっかりとした意思を示すことが大事だと思っておりますし、そのことを内閣一丸となって行ってまいりたいと考えております。

【フリーランス 上出氏】格付け。これは経済外交とは少し違うかもしれませんが、国会でこれが取り上げられて、少し揚げ足取り的なところもあったかと思うのですけれども、非常にクローズアップされたという意味について、何か今のご説明に付け加えていただければと思います。

【大臣】民間会社の格付けについて、政府がコメントすることはございません。昨日の菅総理のぶら下がりを、私(大臣)も映像ですべて見ましたけれども、「疎い」とおっしゃったのは、「そういう情報に接していない」という意味で疎いとおっしゃったのであって、国債の問題とか、ましてや財務大臣として厳しい日本の財政状況というのはわかっておられて、だからこそ参議院選挙で消費税増税をあえておっしゃったわけですから、この疎いという内容は、あくまでも本会議直後のぶら下がりで情報に疎かったということだと、私(大臣)は認識しております。

目次へ戻る

日露関係(北方領土における自由貿易構想)

【毎日新聞 犬飼記者】ロシアですけれども、昨日、ロシア地域開発省のトラブニコフ次官がメディアに対して、年末に報道が出ましたけれども、メドベージェフ大統領が日本に提案したと言われている自由貿易構想に関連しまして、そこへの第三国の投資を融資することに障害はないということを言ったと言っています。日本の立場と相反するとは思うのですが、大臣はどのようにお考えになるかお聞かせください。

【大臣】北方四島は我が国固有の領土でありまして、その法的立場を少しでも低めるものであれば、我々としては受けることはできないということが一般論であります。この領土問題について、マスメディア等を通じて論争するつもりは全くございませんので、一般論だけ申し上げておきたいと思います。

【毎日新聞 犬飼記者】大臣、今度2月に訪露されますけれども、ロシア側の提案、日本側は具体的な提案を受けてないという立場だと思いますけれども、そういったことも含めて経済協力などについて進めていくことについてお話することになるのでしょうか。

【大臣】領土問題は大変重要な問題でございますけれども、日露関係というのは領土問題がすべてではありません。私(大臣)は、大事なアジア太平洋地域の協力すべき二か国間関係だと思っておりますので、これをどう強化していくのかということについてもしっかりと議論していきたいと考えております。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月25日(火曜日)15時13分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)モスクワ・ドモジェドヴォ空港爆発事件について

【前原大臣】私(大臣)からは一点お話をします。モスクワの空港で起きました爆発事故でございます。ロシア側からの話によりますと、35名の方が亡くなられて、そして、100人を大幅に超える方が怪我をされいるということで、亡くなられた方々に対する心からのお悔やみを申し上げますとともに、怪我をされた方々にお見舞いを申し上げて一日も早いご回復をお祈り申し上げたいと思います。日本政府は、いかなるテロも断固として批判をいたします。我々はこの残忍なテロに対して、強く日本政府として非難表明をするとともに、ロシア政府およびロシア国民に対する連帯の意を表したいと思っております。総理からメドヴェージェフ大統領に対しまして、お悔やみ、お見舞いのメッセージ、また、テロとの闘いを連帯してやっていくというメッセージを発出したところでございます。

目次へ戻る

ハーグ条約

【時事通信 西垣記者】今現在、官邸の方でハーグ条約に関する副大臣会議が開かれていると思うのですが、この条約に関しては、鳩山政権時代からの懸案でもあると思うのですけれども、外務省としてはこの問題にどのように取り組んでいかれるお考えかということをお聞かせ下さい。

【大臣】子どもの親権、親の権利に対するハーグ条約に対して、我々がどのように取り組んでいくのかということは、今、真剣に考えているところでございまして、我が省と法務省、それから、与党の三者によるワーキング・グループを作って、このことについての鋭意、日本としての、政府与党としての回答を得るべく努力をいただいているところでございます。

【時事通信 西垣記者】与党の関係者の方の入った枠組みというのは、今現在開かれている副大臣会議とは別に枠組みを設けるという趣旨でしょうか。

【大臣】副大臣会合で議論していただいていると同時に、この問題については山花政務官が中心になって努力をいただいておりまして、法務省、そして、与党と密接に連携をとって、いろいろなご意見を承り、まとめていただいていると認識をしております。政務三役会議では、何度か進捗状況についてご報告をいただいております。

目次へ戻る

マルズキ国連北朝鮮人権状況特別報告者による表敬

【朝日新聞 山口記者】先ほど、大臣はマルズキ国連北朝鮮人権状況特別報告者とお会いになられていましたが、私どもも冒頭だけ拝見していた訳ですが、その後のお話し合いの中で、どのようなやりとりが行われたのかということと、大臣にとって、何か新しいニュースなり、お話しを聞くことができたのであれば、それについてご披露頂ければと思います。

【大臣】北朝鮮の人権状況に関する特別報告者ということで表敬の訪問を受けしまして、お会いしました。「新たな決議を出すために努力をしたい」ということで、日本政府に対して協力を求められましたので、私(大臣)は「全面的に協力したい」ということを申し上げたところでございます。同時に、スリランカの問題についても、フォローされておりまして、また、「日本政府との連携をとりながら、スリランカの問題についても対応していきたい」との協力の要請がありました。

目次へ戻る

拉致問題

【毎日新聞 西岡記者】北朝鮮についてお伺いします。先週、拉致被害者に関する情報が一部で報じられる一方で、一部週刊誌情報で恐縮ですが、大臣の訪朝の可能性について取り上げた週刊誌も2誌ほど出てきました。条件が整えば、大臣自らが北朝鮮の当局者にお会いになって、日本の立場を伝えるという選択肢というのはあるのでしょうか。

【大臣】週刊誌がそういう報道をされているということを耳にしましたが、事実関係を全く捉えていない報道だと思いますので、私(大臣)からすると、読むに値しないということでございます。現状において、訪朝するという予定は全くございません。いずれにいたしましても、こういったものについては、報道や様々な議論が繰り返される度にご心痛を感じられるのは、拉致被害者のご家族の方でございますし、私(大臣)から皆さん方に是非ともお願いしたいのは、あることないこと、ないことないことが書かれて、これは一般論でございますが、ご存命の方の身に、その報道がきっかけで何か起きた時には、我々としては、大変問題が大きいと思っておりますので、是非事実に基づいた報道なら、それは報道機関の自由でございますので、我々がとやかく言うつもりはありませんが、憶測記事とか、あるいは、噂の類を記事にして、その被害者の方々の立場に重大な支障が仮に生ずることが起きれば、これは取り返しのつかないことになりますので、是非そういった観点も含めて考えて報道するならしていただきたいと思っています。

目次へ戻る

BBCによる原爆の二重被爆者に係る報道

【共同通信 出口記者】数日前の話で恐縮ですが、英のBBCが広島と長崎で二重被爆された山口彊(つとむ)さんをクイズ番組で冗談まじりに伝えたということがありました。すでに大使館の方を経由して、日本政府としての抗議の意思を伝えられ、謝罪も来ていると承知していますが、大臣ご本人は、この問題についてどのように感じていらっしゃるでしょうか。

【大臣】大使館を通じて抗議をいたしました。今、林景一大使が帰国をされておりますし、その報告も受けたところでございますし、BBCが謝罪をしているということでございますので、ことさら、事を荒げるつもりはございません。ただ、あの報道を耳にしたときには、怒り心頭といいますか、強い怒りと不快感を持ちました。山口彊(つとむ)さんが広島、長崎で目にされた悲惨な光景は、想像を絶するものであったと思いますし、そういった経験をされながら生き残られて、そして、そういった自らの悲惨な経験というものを世間に伝えて核のない世界をつくるためにご努力をされてきた、あるいは、被爆者の方々に対する様々な施策の充実について訴えられてきた方を取り上げて、「世界一運の悪い男」ということで、しかもその番組のコメンテーター皆が笑いながら話していたと。極めて不愉快な思いをいたしましたし、日本の国民の皆さん方も同様の思いを感じておられたのではないかと思っております。是非、BBCの関係者の皆さん、特にテレビで笑いながらこのことを話しておられた方々においては、原爆の被害というものがどのように悲惨なものなのかということをもう一度認識していただいて、むしろ、これからコメンテーター、あるいは、報道関係者という立場で、核を二度とあのような状況に起こさせないための努力を、お詫びをされるのであれば、していただきたいという思いを強く持っています。

目次へ戻る

インフラ輸出(原子力発電)

【週刊金曜日 伊田記者】昨年12月28日の会見で、大臣がインフラ輸出について話をされて、それの関連ですけれども、原子力発電所について「日本の安全な、かつ、クリーンな原子力発電というものを、しっかりとこれから海外へ展開するための努力をしていきたいと思っているところであります」というように仰られました。今さら申し上げるまでもなく、事故を除いても、原発の場合は、定期検査のときの被爆レートの問題とか、低レベル、高レベルの放射線廃棄物の問題等がありますけれども、ここで大臣が述べられた、「安全な、かつ、クリーンな原子力発電」は何を意味しているのか、もう一度ご説明をいただけますでしょうか。

【大臣】まず、安全という面で申し上げますと、日本は今55基の原発が稼働しているわけでございますけれども、もちろん、さまざまな操業停止ということが今までもありました。しかし、地震国であり、世界の地震の約20%がこの近辺で起きているという中で、私(大臣)は極めて安全性の高いレベルでの操業が行われていると思っておりまして、そういう意味での安全性というものに言及をしたわけでございます。
 クリーンと申し上げましたのは、CO2の排出という意味でのクリーンエネルギーという意味で申し上げたところでございます。当然ながら、今ご指摘のありました核廃棄物につきましては、原発を持つ(ことを)判断をした国がどのように最終処分地、中間処分地をお決めになるかということは、それは当事国の問題でございますので、そういった観点に立って、我々として、できる限りの努力をしていくということを申し上げたわけでございます。

目次へ戻る

米軍再編問題

【琉球新報 滝本記者】本日は沖縄政策協議会の負担軽減部会がありまして、そちらで枝野官房長官のブリーフなどでも、前原大臣のお話として「訓練水域以外の排他的経済水域での米軍訓練の通報についての前後策」ということを、大臣がご説明なされたと官房長官のご説明がありました。その後、知事の方のぶら下がりで、知事は「訓練区域外での訓練というのは避けてほしい」ということを要望したら、大臣が「米側とは区域内での訓練ということを基本的に遵守するということで確認している」というお話だったのですけれども、訓練区域内の訓練と区域外の排他的訓練の通報ということは、どのような形でお話をされたのかを改めてご説明いただきたいと思います。

【大臣】米軍が行ったものというのは、我々に通知する前でございまして、具体的な地域は申し上げられませんが、その訓練設定区域には領海も入っておりまして、これについて、我々としては、米軍に対して改善を求めて、新たな区域を設定する中で、その区域の中で訓練をしてもらうということを徹底したところでございまして、今後そのことのないように事前通告の徹底と、通告をされた中での訓練というものを行ってもらいたいということを米軍には申し上げて、米軍もそれについては納得をしてもらっているということを仲井真知事をはじめ、(翁長)那覇市長、儀武金武町長に申し上げたところでございます。

【琉球新報 滝本記者】基本的に「訓練区域内での訓練を事前に通報する」というのは、元々のスキームとしてあったと思うのですが、それ以外に「訓練区域外で領海内のものをもしする場合も、きちんと事前に通報してください」と確認をされたということでしょうか。それとも「区域内だけできちんと留める」ということの確認をされたのかということを確認したいのですけれども。

【大臣】今まで日米間で確認をしていることに基づいて、訓練もやってもらうということでございます。

【世界日報 山本記者】沖縄の問題に関連してですが、先日、記者会見でルース大使と5年間の思いやり予算据え置きの後に、沖縄の犯罪をゼロに近づけてほしいということをお願いされたということで、これは沖縄の負担軽減の一環として、5年間の予算確保の見返りとして、そういう面を努力してほしいと言われたという政治的な発言かと思ったのですが、そういうことではないのですか。

【大臣】思いやり予算という言葉は使わないと申し上げたのは、米軍の駐留、また、それに対する接受国としての支援というものが、この地域の安定、そして、日本の安全保障の両方に役立っている公共財であるという観点から、思いやり予算ということはもう言いませんということを申し上げたわけであります。したがって、事件、事故の防止とこの5か年の接受国支援、ホスト・ネーション・サポートをリンクさせて申し上げたわけではございません。あくまでも、事件、事故をゼロにするように米側も努力してもらいたいということを、私(大臣)から強く申し上げたところでございます。

【世界日報 山本記者】リンクしているということをお聞きしようとしたわけではないのですが、沖縄の負担軽減ということで、そういう方向性でこういう問題を取り上げていらっしゃるのだと思うのです。それは非常に実現すべきことだと思うのですが、一方で今、ご説明のあったように、日米安保が非常に重要なアジアの安保の要であり、上手くいくことが、米軍の人たちにとっても日本にとっても重要なことだと思うのです。その意味で、犯罪とは別個にいろいろな美談も、米軍の方がいろいろと臓器を提供したこともあったというような報道もあるのですが、その点のことがあまり伝えられていないという状況もあると聞いております。そういう意味で、協調的な基地運営という意味では、逆にそういった方面での政府の何らかのそうした方の表彰とか、よりいいこともあるのだということを知らしめるようなことについては、何かお考えでしょうか。

【大臣】私(大臣)も様々な基地の視察に行きました。それぞれの地域で街を挙げて、例えば、お祭りを米軍と一緒にやったりという基地もございますし、いろいろな取組みをしていただいております。それは大変有り難いことだと思っておりまして、ご指摘のようなプラス面の広報、啓発活動というものもしっかりやっていかなくてはいけないと思っております。しかし、大事なことは、確かに米兵は何かがあったときには自らの命を捨てる覚悟で、日本の安全、あるいは、地域の安定のために任務に関わる訳でありますけれども、同時に基地周辺での事件、事故が絶えません。この事件、事故が多発をすればするほど、基地の存在そのもの、つまり、地域の住民の理解なくして基地の存続はあり得ないということでございまして、このことは、米国政府、あるいは、米軍も十二分に理解してもらっているところでありますけれども、それをしっかりと現場まで、一人ひとりの兵士まで下ろしてもらいたいということを、我々としてはお願いをしているわけでございまして、そのことを四軍調整官、あるいは、大使にお会いをしたときに、彼らのミッションの崇高さ、そして、何かがあったときには、命を顧みずに日本の安全、地域の安定のために努力をしてもらうことに対する敬意と同時に、そのことは徹底をしてもらいたい。そうでなければ安全の要である基地の存続というものが極めて脆弱になるということを、私(大臣)から申し上げたところでございます。

【フリーランス 上出氏】沖縄に関連して、名護市の稲嶺市長が先日、当選1周年ということで記者会見をしまして、その中で、こういう基地問題について「沖縄がだめと言っていることをしっかり受け止めていただきたい」という厳しいことを言っているのですが、名護市長さんとの外務省との関係だとか、そういった発言のものとか、そういうことをどのように受け止めていらっしゃいますか。

【大臣】名護市民が選ばれた市長さんでありますので、名護市長さんの言葉は極めて重いと、名護市の意向を反映したものであると、私(大臣)は受け止めております。同時に、我々は名護には新たな負担のお願いをしておりますけれども、このロードマップが進んでいけば、嘉手納以南の基地の返還を含めて、トータルでは沖縄の基地の負担軽減に必ずつながると考えておりますので、トータルで考えていただくためには、現在のところ、沖縄県民全体の意向を受けて知事という立場でおられる仲井真知事、あるいは、首長さんの会合で選ばれて出てきておられる那覇市長さん、あるいは、金武町の儀武町長さんと話をさせていただきながら、政府の立場、考えをご説明してお願いしているところでございます。

目次へ戻る

日米関係(日米同盟の共同ビジョン)

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読いたします。昨日の両院本会議で行われました大臣の外交演説についてお伺いします。演説の中で「菅首相の訪米の際に21世紀の日米同盟の共同ビジョンを共同声明のような形で出す」と表明されたと思いますが、21世紀のビジョンということで、これまでになかった日米関係の新たな観点、視点とはどのようなものになるのでしょうか。抽象的で済みませんが、改めておうかがいいたします。

【大臣】菅総理が総理大臣になられて以降、私(大臣)の記憶が正しければ、3回オバマ大統領と会談をされていると思いますが、その3回の首脳会談におきまして、日米を安全保障、経済、人的・文化的交流、この3分野でしっかりと、より強固なものにしていこうといった議論がなされておりまして、我々は外相レベル、あるいは、実務レベルでも、総理の指示に基づいて、今の3つの柱の中身を詰めているところでございます。
 21世紀という観点でいくつか申し上げると、1つはこの日米同盟の共通戦略目標。これは今まで二度にわたって見直しがされてきている訳でありますけれども、これをしっかりと、21世紀といいますか、現時点においてどういう戦略環境と見ているのかといったことを日米両国で確認をし、この共通戦略目標をバージョンアップする、アップデートするという作業が大事なことかと思っております。これが1つでございます。それと同時に、共同で対処することについては、その共通戦略目標について、具体的に様々な何かが起きたときに、すぐに行動できるような詰めを行っていかなければいけませんし、そういった作業も不断に行っていかなければいけないことになろうかと思います。
 さらに経済について言えば、環境問題、エネルギー問題、そして、お互いに、雇用、景気の問題、今、2011年におけるこの時点において、両国が抱える共通の問題に対して、お互いが協力できることについては協力をして、win-winの関係を築いていこうではないですかといったことも議論している訳であります。例えば、我々は、原子力発電所の協力とか、高速鉄道の協力とか、マグレブも含めて、そういったことについて米国の経済にも雇用にもつながるのではないかということを申し上げている訳でありますし、レアアースの共同開発ということについて言えば、現状に即して米国は日本に対してできる協力であるという確認をしていただいております。
 また、人的交流で申し上げると、今もJETプログラムというのがありますが、残念ながらこのJETプログラムというのは人数が減ってきております。私(大臣)もいろいろと海外に行かせていただいて、日本語を上手く話される米国人にお会いすると「実は私はJETなのです」という方が大変多いのです。これがやはり日米交流の原点ではないかと思っておりまして、JET、あるいは、逆JET、日本人が米国に行って、例えば日本語を教えるということも含めて、さらに人的交流を拡大させていく中で、お互いの絆をより強めていくことも、21世紀というよりは、現時点における日米同盟の関係強化に資するのではないかという思いを持っております。菅総理の訪米のときには、今、申し上げたことは一部でございますけれども、そういった点を確認をし、同盟関係をさらに強化したいと考えております。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月21日(金曜日)16時25分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)在日米軍駐留経費負担に関わる特別協定の署名について

【前原外務大臣】私(大臣)からは1点お話ししたいと思います。本日午前中に米国のルース大使との間で、在日米軍の駐留経費に関わる特別協定に署名をいたしました。向こう5年間の駐留経費に関わる協定を結んだ訳でありますけれども、一日も早く国会で承認されることを望んでおります。
 これの意義について改めてお話ししたいと思いますが、日米同盟というのは、日本の安全保障のみならず、我が国、あるいは、このアジア太平洋地域を取り巻く戦略環境が変化をしていく中で、日本の安全保障のみならず、この地域の安定のための公共財として極めて重要であるという観点から、厳しい財政状況でありますが、総額を5年間維持するとの決定をいたしました。もちろん、自らの国の安全保障は自衛隊を含めて、自らがしっかりと対応を一義的に行っていくということが基本でございますが、この日米同盟というものを使って、日本の安全保障、並びに、地域の安全のために活かしていくことが大事であると思っております。したがいまして、そういった観点を含めて、日本の安全保障、外交における戦略的な特別協定であるという観点から、もはや「思いやり予算」という言葉は適当ではないというのが、私(大臣)の思いでございまして、「ホスト・ネーション・サポート」という言い方を今後はさせていただきたいと考えております。
また、同時に、この中には、グアムへの訓練移転の経費の一部等も含まれている訳でして、そのことによって沖縄の負担軽減につながることを、私(大臣)としては期待をしております。
 さらに署名の後に、ルース大使と会談を行いまして、主に私(大臣)からは、米軍の事件・事故に関わる徹底した米軍自身の取り締まりというものを要請しました。ゼロにする努力をしていただきたいと。「米軍が、日本の安全保障のみならず、この地域の安定のための公共財として極めて有用であるということについては敬意を表するけれども、しかし、良き隣人として、米軍の兵士、あるいは軍人、軍属、家族の皆さん方にはふるまっていただきたい」と申し上げ、「この事件・事故をゼロにする努力をしてもらいたい」ということを、私(大臣)からお願いいたしまして、ルース大使からは「最大限努力する」というお話がありました。それと同時に、平成8年の普天間飛行場に関わる日米合同委員会の合意内容、つまり、飛行時間の順守であるとか、あるいはアフターバーナー、そういった騒音対策、これは私(大臣)が12月に、当時のロブリング四軍調整官に対して、個別すべての合意項目について、列挙をしてお願いをいたしましたけれども、本日は列挙はいたしませんでしたが、このことについての履行をしっかりと要請いたしました。同時に、ロブリング四軍調整官が6月から自らの発意で、夜間の、いわゆる飲み屋街の外出禁止、あるいは、米軍の車の中にステッカーを貼って、万が一事故を起こした場合にはこう対処をするのだというマニュアルの徹底、また、見回りをして、事件事故の抑止を行うということについては、今後も続けてもらいたいといったお願いをいたしまして、そのことについても、ルース大使からは「しっかりと努力をしていきたい」というお話
がありました。

目次へ戻る

南北軍事会談の動向

【共同通信 出口記者】北朝鮮からの呼びかけに応じて韓国が軍事会談に応じるという意向を示しました。
先般の日韓外相会談でも、南北対話がまず必要という認識で一致されていましたが、今回の軍事会談の実現をもって大臣としては、日朝交渉への道が開かれるというようにお考えでしょうか。もしくは、北朝鮮の南北会談で何らかの緊張緩和に向けた具体的行動を示さなければ、まだ日朝の対話の機運というのは生まれないというように感じられますでしょうか。

【大臣】今回の南北の軍事会談というものについては、私(大臣)が承知をしているものは1月10日に韓国側が哨戒艦「天安」への攻撃、また、延坪島への攻撃、こういったものも含めて、北朝鮮側からの誠意ある対応を求めるということに応えて、北朝鮮側からそれに対する見解を示したいという意思表示があって、韓国側も応じる姿勢に今あると聞いております。
 しかし、どのような会談が行われるか分かりませんし、前進するのかどうかも分からない状況でございます。我々として、明確に申し上げられることは、昨年の12月に日米韓の3外相会談で確認をしたとおり、対話に応じるためには北朝鮮が具体的な誠意ある対応、行動を取ることがまず先だということを確認をしておりますし、南北対話が先行されるべきだということも、我々の認識でございまして、今後の南北軍事会談の行方というものを注目をしてまいりたいと考えております。

目次へ戻る

日露関係(ロシア国防次官の北方四島訪問)

【産経新聞 酒井記者】昨日、ロシアの国防次官が択捉島に入ったということです。まず、このことに関する日本外務省の見解と対応、それと、大臣は今まで、ロシアが裕福になってクリル四島の社会経済開発が進んでいるから、大統領、副首相含め、そういう視察がきているのだという文脈でそれを分析をされていたと思うのですが、今回の国防次官の訪問というのは、どういう位置付けで見ていらっしゃるでしょうか。

【大臣】今までの北方領土への政府高官の訪問ということで申し上げると、2005年の6月には連邦保安庁長官、2005年の7月には当時のイワノフ国防大臣ということで、経済開発にかかわらず政府高官が北方領土を訪問しているケースはあろうかと思います。それについて、我々が言えることは、ロシア政府要人による北方領土訪問というのは、我が国の立場とは相容れずに遺憾であるということです。こうした我が国の立場というものはロシア側に累次の機会に伝達をしているところでございます。

目次へ戻る

米中首脳会談

【毎日新聞 犬飼記者】昨日、米中首脳会談が行われまして、大臣としてこれの評価をお伺いできればと思います。北朝鮮についてはウラン濃縮の懸念ということは初めてと思いますが、その一方で、人権とか人民元とかで、中国はその実、何も譲っていないのではないかという見方もあるかと思いますが、いかがでしょうか。

【大臣】米中両国の首脳が会談されて意見交換をされたということは、責任ある両国の首脳が両国の問題のみならず、さまざまな課題について議論をしようということで、会談が行われるということは、私(大臣)は前向きに評価したいと思っております。
 また、特に今回、中国が初めて北朝鮮の濃縮ウラン開発について懸念を表明したことについては、私(大臣)は注目をしております。こういう懸念を中国の最高指導者である胡錦濤国家主席が表明された以上、やはりともに力を合わせてこの濃縮ウラン開発を含めた、2005年の六者会合で合意をした開発を含むすべての合意した中身について、北朝鮮が廃絶に向けた具体的な行動を取るように求めたいと思いますし、懸念を表明した中国、六者会談の議長国である中国のより積極的な対応を求めていきたいと考えております。

【毎日新聞 犬飼記者】事前に一応日本としては米国側と今回の首脳会談についていろいろ情報交換をしたという話も聞いているのですけれども、今回の会談の結果自体は、日本としてはある程度日本側の考えが反映されたとお考えでしょうか。

【大臣】米中二国間の会談でありますので、我が国がコメントすることは控えたいと思います。

目次へ戻る

日中関係

【日本経済新聞 永井記者】中国に関して、2点お願いいたします。
  1点は、中国の名目GDPが世界2位になることが確実になりました。そのことについての受け止めをお願いします。
  もう一つは、世界第2位の経済大国になりながら、ウラン濃縮以外の人民元ですとか、対中、中国への企業の進出規制の緩和ですとか、そういった面については米中首脳会談でも進展は余り見られませんでした。
中国に対して大国としての振る舞いをどのように求めていかれるお考えでしょうか。

【大臣】まず、最初のお尋ねでございますけれども、中国のGDPが世界第2位になったということについては、報道で承知しておりますが、いまだ日本の今年度のGDPの確定数値を聞いておりませんので明確なことは言えませんけれども、日本の約10倍の人口を持つ中国が極めて短期間に目を見張るような経済成長を遂げているということについては注目をしておりますし、これはある見方から見ますと、日本にとってもチャンスでもあると思います。よく申し上げているように、日本の輸出の第1位は対中国でありますし、輸入の第1位は中国からであります。また、中国も輸出の第1位は米国でありますが、第2位は日本に対してでありますし、中国への輸入の第1位は日本からということで、この中国の経済発展というものが平和的に、また世界と協調して行われていくということであれば、その前提において日本にとってもチャンスであると私(大臣)は考えております。
 2番目のご質問は、今の前提条件にも関わってくると思いますけれども、私(大臣)は中国が2回の世界大戦を経て、今の国際社会に確立されているさまざまなルール、規範というものをしっかり守って、平和的な国家として台頭してもらいたいと思っておりますし、当然、中国にも直接、外交的にその都度、そういったメッセージを発出していきたいと思っておりますし、他の国々とも価値観を共有する国々ともそういった連携を図り、中国が世界の普遍的な価値、また築き上げられた基準に基づいて行動することをしっかりと連携してまいりたいと考えております。

【香港フェニックステレビ リー記者】昨日、菅総理の外交演説の中で中国の海洋進出に関して懸念を表明されたのですけれども、これも米中首脳会談の中で話題になっていまして、中国はあくまで領土維持、主権尊重というようにお話をしたみたいですけれども、これについて外相はどのように評価されますか。

【大臣】我々が懸念する1つは、21年間で約20倍もの軍事費を増加させている。その目的は一体何なのかということであります。仮に台湾の武力統一にしても、それを更に上回るような軍事力を増強しているのではないかという懸念がさまざまなところから持たれているわけでありますし、また公表数字というものはすべてを表していない。さまざまな分析では、公表数字の2倍、3倍という評価もございます。そういう意味では、これだけの軍事力を増強する意図と、そして透明性を高めるということが責任ある立場として中国が取るべき対応だろうと考えているところでございます。
 また同時に、海洋航行の自由というものは、2回の世界大戦を経て世界が確立したルールでありまして、そういう意味においては、この国際的なルールというものを中国もしっかりと守るということが大事なことではないかと思っておりますし、また、主権の争いというものをもし一般論として各国が抱えているのであれば、平和的な対話によって解決されるということが望ましいわけであって、決して力によってそれが既成事実として支配されるということであってはならないと考えています。

【共同通信 斎藤記者】漁船衝突事件が終わってから大分時間も経ちましたが、これまでの日中間の対話、交流の状況を見ると、必ずしも100%、従来のレベルに復帰したと言えるかどうかというと、いろいろな見方もあるのではないかと思います。国連に関する協議とか、昨日、外務次官級の安保対話もありましたけれども、まだペースとか頻度とか見るとまだもう一つな気もしますが、現在の日中の交流の状況をどのようにごらんになっているか、そして課題はどこにあるのか。この点についてお伺いしたいと思います。

【大臣】どの国との二国間関係においても、さまざまな懸案事項について話をするということは大事だと思いますし、現在、中国との対話というものがスローダウンしているとか、ましてや滞っているという印象は全く持っておりません。去年も、尖閣事案の後でも温家宝首相と菅総理が会われておりますし、APECでは菅総理と胡錦濤国家主席の会談も行われておりますし、私(大臣)も外務大臣に就任してから4か月余りでありますけれども、2回にわたって楊潔チ外相とお会いして会談していますし、また電話会談も1回しております。かなりの頻度で意見交換をしているのではないかと思っております。
 来年は国交正常化40周年ということで、この40周年をどのように日中環境を更に戦略的互恵関係という文脈の中で高めていくのかという意味において、その作業を進めていく大事な年だと思っておりますので、今でもそういう交流が低いレベルにあるとは思っておりませんけれども、来年のそういった節目の年に向けて、今後も交流をしっかりと行っていきたい。さまざまなレベルでの交流を行っていきたいと考えております。

【共同通信 斎藤記者】大臣が今おっしゃられたAPEC、菅総理は確かに温家宝首相に会われた、それから胡錦濤国家主席にも会われましたけれども、もう承知のとおりで、これは中国側は正式な会談とは発表していない。いわゆる立ち話とか、そういう会談という位置づけはしていないのですが、あれからまた時間が経って、中国側はもう既に日本の首脳と正式会談する準備が向こうにできているかどうか、あるいは向こうと言うと僭越ですので、日中間でそうした準備ができている、状況が整っていると認識されているかどうか、この点についてお願いします。

【大臣】日中の間には、さまざまなチャンネルの会談がございます。例えば今年の上半期で想定されているだけでも、日中韓3か国の外相会談、そして首脳会談というものが予定されておりますし、それはホストが日本であります。当然そういった場において、それぞれ3か国の外相、あるいは首脳の間でのバイ会談というものが行われると想定しておりますので、当然ながら日中間の首脳会談、外相会談も今年の上半期のいずれかの時期においては行われるのではないかと考えております。

【朝日新聞 山口記者】確認をしたいのですけれども、大臣冒頭ご紹介いただいたルース大使とのお話の中で、先日行われた米中首脳会談のご報告のようなものはあったのか。もしくは、大臣の方から中国とどんな話をしたのかということを、ルース大使の方に持ちかけられたようなことがあればお聞かせください。

【大臣】私からルース大使に伺っておりませんし、ルース大使から、そのようなご説明もございませんでした。

【時事通信 西垣記者】先ほどお話にあった漁船衝突事件の絡みですけれども、会見中に速報が入ってきたのでお耳に届いてないかもしれませんが、中国漁船の船長を那覇地検が起訴猶予処分にしたという速報が流れてきたのですけれども、このことについてご見解があれば教えてください。

【大臣】司法の判断ですので、我々がコメントすることはございません。

【共同通信 橋本記者】時事さんと似通った質問になるのですけれども、同様に書類送検されていました元海上保安官も起訴猶予処分になったのですが、それについての受け止めをお願いします。

【大臣】これも法的な手続ですので、私(大臣)がコメントする立場にはないと思います。

目次へ戻る

政務三役会議の在り方

【東京新聞 竹内記者】政務三役会議の在り方についてお尋ねしたいのですけれども、今日も行われたそうですけれども、本日、総理が事務次官への訓示の中で、政務三役を中心とした在り方について、若干行き過ぎた面もあったというご発言をされたり、あるいは昨年末に当時の仙谷官房長官が、事務次官も政務三役会議に同席してほしいという趣旨のご発言をされていまして、現在の外務省の政務三役会議の事務次官との関連というか、事務当局との関係はどうなっているのか。それから、政権発足以来の政治主導のありようについて、大臣のご見解をお尋ねしたいと思います。

【大臣】その点については、私(大臣)は全く政権交代後、国交大臣、外務大臣をさせていただいておりますけれども、考え方は変わっておりません。よく政治主導をはき違えているとか、誤解をしているという話がありますが、私(大臣)はそういう人が全くいなかったかというと、うそになるかもしれませんけれども、役人を排除することが政治主導であるということを、もし前提としているなら、それは大きな間違いであって、政治家だけで行政がすべて行われるものでもないし、特に外交の執行機関としての外務省の仕事は、政治家が代替できるものでは全くありません。そういう意味において、政治家、特に議院内閣制においては、与党になった政治家と役所が連携しながら日本の課題について解決したり、あるいは政策を前に進めていくことが大事であり、そもそも対立構造で見ること自体が政治主導の間違った定義だったのではないかと思っております。
 そういう前提の下に立って、私(大臣)は国交大臣のときの政務三役会議と外務大臣としての政務三役会議は、同じスタイルで持たせてもらっています。どういうスタイルかといいますと、政務三役プラス私(大臣)の政務秘書官、このメンバーで話をしておりまして、そしてテーマにおいて必要であれば、その都度役所の担当の人たちに入ってもらって、意思疎通をしっかりやるということでございまして、政務三役会議が全く役所の人が入らずに行われるということではありませんし、また政務秘書官が中身について伝えるべきところはしっかりと外務省に伝えてくれているのではないかと思います。変えるつもりはありませんし、今でもそれについてはうまく機能しているのではないかと確信をしております。

目次へ戻る

在日米軍駐留経費負担に関わる特別協定の署名

【フリーランス 上出氏】一番最初の日米に関係して、この中で、これからは「思いやり予算」という言葉は使わないということで、「ホスト・ネーション・サポート」というちょっと難しい言葉を使っています。
これは、ある意味でいろいろな立場の人がいるのですが、(思いやり予算は)非常に言い得て妙な言葉だと私は思っているのですけれども、積極的にマスメディアなどにも使わないように呼びかけていかれるつもりがあるのか。それから、「ホスト・ネーション・サポート」という言葉をいろいろなところで使っていこうとされているのか。NHKの番組で、わかりにくいということ、後で聞いたらそうらしいのですけれども、なるべく思いやり予算を使わないようにと日曜討論番組でありまして「えっ」と思ったのですけれども、その辺、表現の自由とも関係してくることですから、踏み込んだことはしないとは思うのですけれども、その辺のご見解をお願いします。

【大臣】ホスト・ネーション・サポートを和訳すれば、接受国支援という言い方になるのではないかと思いますが、それでも私(大臣)はいいと思いますけれども、この日本語も漢字が5つでなかなか難しいと思っておりますし、とにかく、先ほど申し上げたように、この米国のプレゼンスというものについては、日本の安全保障のみならず、この地域の安定の公共財として極めて有用であるという観点から、根本になっているのは日米安保条約の第6条です。第5条は、日本が他国から攻撃を受ければ、米国は自国が攻撃されたものとみなして、日本の支援をするという集団的自衛権の行使が書かれていて、そして6条については、極東という言葉が書かれていますけれども、この地域の安定のために米軍は日本国内に設備を持つと、その中で我々としては必要な支援というものを行っていくということでございますので、別に皆さん方に日本は言論の自由な国でございますし、こう言わないと、この会見場に入ってはいけないとか、そういうことを言うつもりは全くありませんが、私(大臣)の気持ちとして、思いやりという言葉とはニュアンスが違うということです。つまりは米軍が駐留し、ある程度の必要な経費を日本が負担するということは、日本の国益に資するのだと、両国の国益に資する戦略的な判断なのだという点から、思いやりという言葉はずれているということを申し上げて、ホスト・ネーション・サポートという言葉をそのまま使わせていただきたいということを申し上げているわけでございます。
 ご理解をいただいた方には、是非それで使っていただきたいと思いますが、夕刊の見出しを見ると、みんな思いやり予算と書いているので、余り徹底できてないなという気がいたします。

【琉球新報 稲福記者】グアムへの訓練移転に関してご質問させていただきたいのですけれども、最大20機、二十日間ということで合意したと思うのですが、一体これはどれくらいの頻度で実現していくのか。抑止力という観点もあると思いますし、一体どれだけ実現可能なのかという考えをお聞かせください。

【大臣】この点については、運用に関わる話でもございますので、外務省として皆さん方にお話をすることはございません。防衛省が米軍との関係の中でお話ができるのであれば、その中身についてお話をされるでしょうし、運用上、話ができないということであれば、防衛省としても話ができないということではないかと思います。少なくとも我々から申し上げることはございません。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月18日(火曜日)14時33分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づきアメリカ合衆国政府により日本国政府に対し提供される統合攻撃戦闘機F-35航空システム及び関連附属任務機器に関連する秘密情報の秘密保持及び保護に関する書簡」の交換について

【前原大臣】本日、閣議請議を行いました統合攻撃戦闘機F-35航空システム及び関連附属任務機器に関連する情報の供与を受ける際の秘密保持及び保護に関する書簡の交換というものの交渉を行ってまいりましたけれども、今般交渉が妥結を致しましたので,同書簡の交換を行うことにつき閣議決定を求めたものでございまして、本日、私(大臣)とルース駐日米国大使の間でサインをいたしまして、持ち回りで、この書簡の交換を行う予定でございます。

(2)日本・ベトナム原子力協定について

【大臣】次に、日本とベトナムの原子力協定についてでございまして、閣議決定が得られましたので、20日にハノイに於きまして、在ベトナムの谷崎大使とティエン科学技術副大臣が署名を行う予定でございます。

目次へ戻る

日朝関係

【毎日新聞 西岡記者】北朝鮮問題についてお尋ねします。大臣は、南北対話優先という条件下で日朝対話の再開の必要性を示しておられますが、一方で拉致問題担当大臣の中野大臣が菅総理の言葉を引用するような形で、北朝鮮を不条理の塊のような国家というぐあいなことを発言して、北朝鮮側が強く反発している状況です。北朝鮮とどう向き合うかというのは、閣内での考え方の違いがあるようにも思えますが、この点について、大臣はどのようにお考えになっているのでしょうか。

【大臣】(考え方の違いは)全くないと思います。一日も早い拉致問題の解決を拉致被害者のご家族の方を含めて望んでおられると思いますので、それに誠心誠意応えていくというのが菅内閣の閣僚全員の意志でなければいけないと私(大臣)は思います。

【共同通信 斎藤記者】前回の大臣会見で前原大臣は、六者協議との絡みの中で、六者協議が進まなくても、日朝(協議)をバイで進めていくという可能性に言及されて、その後、韓国で南北対話を優先するとおっしゃられました。ここで、プライオリティを確認させていただきたいのですが、つまり六者協議が動かなくても日朝(協議)は進める、しかし、日朝の前に南北対話が優先されるという順番で整理して考えてよろしいのでしょうか。

【大臣】交渉事ですから、全て皆さん方に細かく説明する必要はないと思います。今まで言ったことが全てです。

目次へ戻る

チュニジア情勢

【テレビ朝日 花村記者】チュニジアについてお伺いします。チュニジアの日本人の脱出がかなり進んでいるようですけれども、別の経済外交の観点から、大臣は(昨年)12月にチュニジアにも行かれて、話をされていらっしゃいましたけれども、チュニジアはアフリカ、アラブの経済外交、インフラ輸出を進めていく上で拠点となるようなところだと思いますけれども、当時12月の段階では政治的には安定していると思われた国がこのような状態になっていて、今後この日本の進める経済外交への影響はどうお考えでしょうか。

【大臣】このチュニジアにつきましては、若者の焼身自殺がきっかけになって、全土に長らくベンアリ大統領の府政の下で、さまざまな問題が蓄積をしたことに対する不満が爆発して、結果的にベンアリ大統領が国外に亡命をするという形になりました。
 早くから外務省では邦人の保護に対する対策室を立ち上げて、また、緊迫の度を増してきたことを受けまして、総理の指示の下、我々としては対策本部を立ち上げて、邦人の保護をどのような形で行うかということを現地の多賀大使とも連絡を取りながら行ってまいりました。政府専用機の活用も含めて検討いたしましたし、チャーター便の活用も含めて、我々はさまざまな手を考えて、交渉してまいりましたけれども、幸いにしてコマーシャルフライトが飛び始めましたので、昨日については2便で合計119名の方々が国外に脱去をされて、残りの方についても本日夜のカタール航空でほぼ全員の皆さん方が退出をされます。残った方についても万全を期したいと思いますし、また、観光客以外の在留邦人につきましても、JICAのメンバーの約20名は国外に、いわゆる待機を完了しておりますし、他の皆さん方についてはチュニジアの方と結婚をされている方もおられまして、その方々については安全確保をしながら、対応策をきめ細かに相談をさせていただきたいと、このように考えているところでありまして、我々の使命というのは、とにかく邦人保護というものをしっかりと行ってまいりたいと思っております。
 経済外交についてのお尋ねでございますけれども、今回はもちろん23年間、大統領が変わっていなかったと。安定をしていたと結果的には言えると思いますし、それなりの経済レベルにもチュニジアはあるということであります。今回この問題が早く解決することを望んでおりますし、また逆に言えば、民主化が進むことによって、更にチュニジアというのは発展の可能性もあると、このように考えております。今までの日本とチュニジアの友好関係というものを考えたときに、我々は人権、民主主義、自由、こういった我々が大切にする価値観を共用する国家が生まれることは一般論として歓迎をいたしますし、是非経済的に発展をしていく可能性のある地域とは今後も、それはどの国だっていろいろなリスクが全くないという国はないと思いますけれども、経済外交を進めていくという方針には全く変わりはございません。

【テレビ朝日 花村記者】チュニジアの周辺には専制的な政治を行っている国がいくつかありますけれども、そのような国への波及というのは心配されませんでしょうか。

【大臣】これはそれぞれの国によって統治の在り方、あるいは国家元首の立ち位置、国民感情、千差万別の状況があるのだと思っております。したがいまして、一概にそういったことを申し上げるということは避けなければいけないと思っておりますけれども、いずれにしても、それぞれの国においての発展段階というものがあると思いますけれども、日本として大切にしているのは、民主主義、法治、基本的人権の尊重、自由、こういった価値観というものは、我々としては大切にしてまいりましたし、そういった国が一つでも多くなることは、我々としては歓迎をいたします。

目次へ戻る

内政

【NHK 藤田記者】内政問題で2点お聞きしたいと思います。今日の閣僚会見で野田財務大臣と玄葉大臣が消費税率の引上げに向けた法整備を23年度中に終えるのが望ましいという考え方を示されたのに対して、海江田大臣はデフレ克服が先で消費税率を引き上げるのであれば、衆議院の解散総選挙を行うべきではないかということを言って、閣内で意見が分かれていますけれども、これについての大臣の所管は如何ということと、年金制度改革に関連して、与謝野大臣は民主党が掲げています最低保障年金を創設して、その財源に消費税を充てるという考え方に否定的というか、懐疑的な見方を示されていますけれども、これについては、大臣はどうお考えになるか。この2点をお願いします。

【大臣】まず消費税についてでございますが、私(大臣)の立ち位置、原則論から申し上げますと、去年の参議院選挙で消費税率10%というものを一つの目安にして、消費税の議論は行っていくということは、国民の皆さん方にお約束をしましたけれども、その際に実際に導入をするということになれば、国民に対して信を問うと言って参議院選挙を戦いました。私(大臣)はそれはしっかりと守らなければならないと思っております。したがって、実際に上げるという判断を政府与党全体としてしたときには、私(大臣)は国民に信を問うというのが、7月の参議院選挙の我々の公約であったということだと思います。
それと同時に生き物である経済の観点からすると、財政ということを前面に打ち出しての税制改革ありきというのは、私(大臣)は疑問であります。やはり経済成長というものを担保した上で、どのような税制改革、財政再建をやるのかという一体論でなければ、税収が足りないから消費税を上げてその分に充てるのだということになれば、むしろデフレを加速化させてしまって、より税収が落ち込んで、日本の経済全体もおかしくなる可能性があるので、成長をいかに確保する中で、税制の抜本改革、そして財政再建の道を、成長を担保した上で行っていくのかという順序でやらなければ、私(大臣)はいけないと考えております。
 それから、年金制度の改革についてでございますが、これは前回の衆議院選挙で、我々1つのモデルを出して選挙を戦いました。しかし、これについては、消えた年金の問題も含めて、任期をいただいた4年間で更にこの制度設計については、しっかり詰めていくという話をいたしました。
先般の枝野官房長官の記者会見でも、与野党で議論していくためには、4つ程度の考え方を示していかなければいけないのではないか、これは社会保障全体だったと思いますけれども、そういう考え方を示されておりますので、現段階において、マニフェストに何がなんでもこだわるという必要性はない。それは、選挙のときには、こういうモデルでいきたいけれども、実際に4年間で、更に制度設計を詰めていくということで、選挙を戦いましたので、さまざまな意見を入れていって、そして、具体的な制度設計に、与野党協議に臨むための案が複数出てくることについては、私(大臣)は何ら問題ないと考えております。

目次へ戻る

米軍再編問題

【毎日新聞 西田記者】米軍普天間飛行場の移設問題について伺います。代替施設の位置・配置・工法について、昨年の8月に専門家協議で出た、そこで併記したV字案とI字案という2案があると思うのですが、これをどのように絞り込むかということで、昨年8月に報告書が出た際は、当時の岡田大臣は、沖縄の理解なく結論を出しても前に進まないとおっしゃっていますが、この沖縄の理解をどのように得るかということも含めてお願いします。

【大臣】5月28日の合意、また、8月の専門家による両論併記というものを受けて、どのように詰めていくのかということについては、今後の議論かと思います。
 2+2をいつやるかということにも関わってまいりますけれども、ある程度の、我々としての具体的な作業の進展というものを図っていかなければいけないと思います。それと同時に、沖縄の理解なくして、この問題の解決はないわけでございますので、まずは、我々としては、5月28日の日米合意というものを沖縄の皆さん方に、このロードマップを全体として進めていけば、名護には、辺野古には、新たな施設のお願いになるけれども、トータルとして考えれば、施設区域の減少、そしてグアムへの移転になるということでお願いを続けるということが、今、我々としてやらなければいけないことではないかと考えております。

【毎日新聞 西田記者】そうしますと、日米で何らか、どちらかの案に絞り込むという先に、沖縄との案についての話し合いというのがあってしかるべきだということでしょうか。

【大臣】現時点において申し上げられることは、5月28日の日米合意を沖縄県に真摯にご説明をして、受け入れていただくように努力をするということで、それから先のことは、また、沖縄がどのような反応をされるかということを見据えながら考えていくことになろうかと思います。

【琉球新報 稲福記者】本日の朝日新聞の方に、V字案で調整ということで、I字案は断念ということで載っているのですけれども、その真偽のほどをお伺いしたいのですが。

【大臣】そのような事実はございませんので、朝日新聞に聞いていただければと思います。

【時事通信 西垣記者】同じく普天間基地のことについて、先ほど毎日新聞の西田さんが質問したのと似ているのですけれども、沖縄に理解を粘り強く求めていくということを再三おっしゃていますけれども、その理解を求めていくプロセスと並行して、日米間の交渉も進めていくと、そういうお考えということでよろしいのでしょうか。

【大臣】日米間の交渉というものは、例えば沖縄県知事から要望を受けております5項目、例えば与那国島の上を通っていた防空識別圏、これについては、沖縄の要望というのは解決をしているわけでありますが、ほかのご要望のポイントについては、まだ日米間で協議をしているところでございまして、そういったもろもろのことを含めて、日米間で今後協議をしていって、プロセスを少しでも前に進めていくという努力をしていきたいと考えております。

【NHK 市原記者】先ほど大臣は、2+2を開催する時期がいつになるかにも関わってくるがとおっしゃっていましたけれども、2+2を開催に当たっては、どの程度まで沖縄の理解を得られている必要があると考えていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】先ほどお答えいたしましたように、まず、今、我々としてやるべきことは、沖縄に理解を求めるために真摯にお願いをするということに尽きると思っています。それから先のことは、また、先に考えるということであります。

【NHK 市原記者】その2+2を開催する条件として、米国から、沖縄からどの程度の合意を引き出しておくようにというような話は出ているのでしょうか。

【大臣】これは北澤大臣が本日、記者会見でお答えをされておりますように、防衛大臣同士でお話をされていることだと思っておりまして、そこはお互い意思疎通をしっかり図りながら、日米で連携してやっていくということになろうかと思います。

【フリーランス 上出氏】先ほどの大臣のお言葉の中に、そういう交渉、全体として普天間問題のやったことが進めば、グアムの移転なども進むというような趣旨のことを言われたと思うのですけれども、そうは言っておりませんか。

【大臣】そうは言っていません。

【フリーランス 上出氏】そうしたらいいです。全体の交渉を進めるということは、要するに日本の立場に立って、本来払わなくてもいい、いわゆる思いやり予算、そういうことを少しでも減らしていくとか、やはり日米の交渉の中で日本の国益になるようなことをどんどん進めていくという点が、どうも一つ物足りないような気がするのですけれども、単に米国の言い分だけを聞いているというような、大体そういう進み方になっていきそうなご説明なのですが、いかがでしょうか。こちらからもちろん切り返して、全体として、国民が願っている部分として、やはり税金の有効な使い道という点で、本来、米国が払うべきものは、米国に払ってもらうと、そういう説明をもっと強くしてもいいのではないかと思うのですが。

【大臣】いや、そういう交渉でホストネーション・サポートについても中身の組替えの議論をしてきたということですので、ご指摘の点は当たらないと思います。

【フリーランス 上出氏】現実的には減るというようなことが、何かあるのでしょうか。

【大臣】総額については、我々は維持するという政治的な判断をしましたけれども、それは戦略的な環境の変化というものの中で、日米安保というのは、一義的には日本の安全保障の問題、そして、この地域の安定の問題、ひいては、日本のみならず、この地域の経済活動、繁栄にもつながってくる問題だということで、トータルとして物事を考えないと、一方的に米国の言い分がどうのこうのという意見は、私(大臣)は極めて独善的、一方的ではないかという気はいたします。

【時事通信 吉岡記者】昨年5月の日米合意の中で、次回の2+2までに代替移設の位置・配置・工法について、検証・確認を行うというようになっていたと思うのですけれども、これは実際に次回の2+2のときに、例えば沖縄県との調整状況によっては、検証・確認をやることをしないとか、要するに前回の合意を変える、次の2+2で変えるとか、そういうこともあり得るのでしょうか。

【大臣】皆さん方はいろいろなテーマにおいて先を知りたがられるお気持ちはわかりますが、繰り返しのお答えになって恐縮でありますけれども、現時点において我々が今、真剣にやっていることは、沖縄のご理解をいただくために真摯にお願いをするということでございますので、その先のことについてはまたその時点で物事を考えていくということになろうかと思います。

【沖縄タイムズ 前田記者】関連して2点ほど確認をしたいのですけれども、先ほど知事から要望のあった5項目についても協議を進めていくのだというお話がありましたが、その中では移設に関する協議の中で、例えば飛行経路の問題なども積み残しになっていたかと思いますけれども、そういう点も含めて日米の協議を改めて進めていくのかという点が1つです。
 もう一つは、これも確認ですけれども、次の2+2までの段階で、沖縄側の両案に対する意見を聞くというプロセスが想定されているのかどうか。この2点をお願いします。

【大臣】日米協議については、沖縄から要望をいただいたことについても、実務者レベルで現在も議論しております。
 それから、2+2については、しかるべき時期に行うということでございますけれども、全体としては5月28日、また8月の専門家の合意というものを前に進めていくということで作業しておりますけれども、現時点において最も我々が力を入れているのは、5月28日の日米合意を履行するために、沖縄にご理解をいただくために、真摯にお願いをするということを今、懸命にやらせていただいているところでございます。

【琉球新報 稲福記者】V(字)かI(字)かに決める過程で、先ほども質問が出たのですけれども、沖縄側の意見を聞く余地はあるのかどうかという点について、また、聞くとしたら、それは県なのか、名護市なのか、どういったレベルの方々から聞くのかという点をお伺いします。

【大臣】ご意見はさまざまな方からお伺いするということでございますが、しかし、一番の窓口になる方は知事でありまして、知事におかれましては、そういう話に入る以前に、5月28日の日米合意というものについて今お願いをしている最中でございますので、しっかりそれをお願いするという作業を今後も真摯に続けてまいりたいと考えております。

目次へ戻る

ODA改革

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読いたします。ODA改革についてでございます。確認も含めてですが、援助計画の対象を現在の28か国から120か国すべてに対象を広げるとの報道がございます。これに関しまして、有識者会議も立ち上げまして、国別援助方針も出して、その国の資源埋蔵量に関する情報も盛り込むとの報道もございますが、もう一歩進みまして援助の見返りの見通しといいますか、開発援助した国から日本が何がしかのメリットを得ていく戦略的なODA改革であるという認識でよろしいでしょうか。その際、受け得るメリットも具体的に想定されていくのでしょうか。

【大臣】まだトータルとしてODA改革の全体像が固まったわけではありません。このODAというものは、さまざまな観点から考えられるべきものだと思います。
 1つは、人道的な観点からであります。私がこの仕事に就かせていただいた直後に、ニューヨークの国連総会に行きましたけれども、菅総理が菅コミットメントということで、MDGsという、いわゆる目標を決めて資金援助することについてプレゼンテーションされましたけれども、その中心は保健と教育というものでございました。
 とにかく、やはり開発において大事なことは、貧困の撲滅です。貧困の撲滅というのは何をしたらいいのかということになれば、それはやはり根本になるのが教育であろうということで、こういった問題については見返りがあるかないかにかかわらず、やはりしっかりと行われるべきものであると。これはまさに人道的、普遍的な人類の、ある程度経済成長が先行している国が等しく責任を負って行うべき問題だと思います。
 また、生まれてすぐ亡くなられる子どもさんが多いところ、あるいはまだまだ医療体制が不十分なところ、そういったところに対して我々はある一定の医療、あるいは保健体制を持っている者としては、そういったものについてもしっかりと支援をしていくことは大事なことではないかと思っております。
 それと同時に、ODAを供与する国の経済レベルはいろいろあると思います。では、その経済レベルというものを考えたときに、どのような援助をしていくのかということは、先ほどご指摘がありましたように、国別にきめ細かにフォローすることも大事なことではないかと思っております。
 その中で、普遍的な問題、例えば環境の問題とか、そういう問題もあれば、あるいは我々が経済外交を進めていく上で、例えば資源がある。資源の開発にはお互いで合意をした。しかし、そのアクセスがなかなかできない。では、そのアクセスについてもODAを受ける側から、例えば高速道路の開発については円借款でお願いしたいということであれば、それはともに利益を享受できるような形になるわけですから、そういったものも考えていくということになろうかと思います。
 結論から申し上げると、見返りを求めてすべてのODAを行うということでありません。やはり普遍的な価値に基づいて、等しく他の国に対して行うべきODAというのは、これからもしっかりやっていく。しかし同時に、国民の税金をいただいて行う政府開発援助でありますから、日本の資源外交、あるいは経済外交、こういったものに資するものとしては、国際ルールに則って、我々としてはそれを関連づけていくことも一部としてはあるということで、両面大事なことではないかと考えております。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月14日(金曜日)21時25分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)再任挨拶

【前原大臣】私(大臣)からは、どういう指示書が総理から渡されたかということをまずお話しさせていただいて、ご質問にお答えしたいと思います。
 菅総理からは、7点に渡って指示書がございました。皆さん方には全部読ませていただきます。
「1.二十一世紀にふさわしい形で日米同盟を深化させる。普天間飛行場の移設と沖縄県における基地負担の軽減については、平成22年5月28日の日米合意及び閣議決定に基づき、関係大臣と連携して必要な取組を速やかに進める。
 2.世界の平和と繁栄の実現に向けて、国際協調の下、核軍縮・核兵器廃絶、国連平和維持活動などの諸課題の解決に全力で取り組む。
 3.包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルのEPA・FTA実現のために必要な施策を実施する。TPP協議については、包括的経済連携に関する基本方針に基づき、必要な取組を加速・推進する。
 4.強固な日米同盟を基盤として、アジア太平洋地域における連携を強化し、将来に向け、東アジア共同体の構築を目指す。
 5.テロの脅威を除去するため、アフガニスタン等の復興支援や貧困の克服に対する、積極的な支援を行う。
 6.北朝鮮の核、ミサイル、拉致等の問題の解決に全力を尽くす。
 7.地球温暖化対策を政府全体で推進するとともに,日本が国際的に主導的な役割を果たせるよう、関係大臣と緊密に連携をする。」
以上が総理からの指示書でございました。
 私(大臣)としましては、引き続き、同じ政務三役で、経済外交の推進、インフラ輸出、より自由な貿易体制の確立、EPA、FTA、またTPPに関する協議、多角的な資源、食料外交の展開、それから観光、特にインバウンドを増やして、日本の経済や雇用に資するような形を作っていく、このことをしっかりと中心に据えてやっていきたいと思っています。他方で、もう一つ大事な柱は、日本の安全、この地域の安定、またひいてはそれが、この地域の、世界の成長センターとしてのアジアの発展に繋がるということで、日米同盟関係をより強固にして、深化をさせる。そのための努力をして、また様々な国とのそれぞれの連携強化、特に価値観を共有する国々との関係強化、連携を更に強めていくために努力をしてまいりたいと思っています。引き続き、皆様方からのご指導をよろしくお願い申し上げます。

目次へ戻る

内閣改造

【ニコニコ動画 七尾記者】内閣改造に伴い、仙谷官房長官が退任されました。在任中、さまざまな外交上の問題も発生しまして、前原大臣とともに対応されてきたわけですが、一連の連携の中で、あるいは一政治家としまして、仙谷前官房長官への思いというものは、どういったものがありましたでしょうか。よろしくお願いします。

【大臣】私(大臣)が政治活動をしている中で、今、最も信頼をし、尊敬をする議員の一人でございまして、その方が閣内におられなくなるということは極めて寂しい思いがいたしますし、要の役割を果たしておられた仙谷長官に心から改めて、任期中のご努力に私(大臣)は敬意を表したいと思っております。
 中国の漁船の問題がありましたときに、さまざまな批判を一手に受けられるというようなところもございましたけれども、連携を取って、いかに日中関係を改善させるかといったところに共に尽力をしてまいりましたし、仙谷長官の果たされた役割は極めて大きいと思っております。
また、皆さん方は日中関係のみと思っているかもしれませんが、さまざまな他の国の人脈、例えば韓国では昔から人脈をお持ちでありますし、そういった人脈を生かして、日韓関係の強化に努力をされましたし、我々も助けてもらいました。また、米国との関係についても、ご本人のみならず、仙谷長官のブレーンの方々がたくさんおられて、貴重な情報もいただいて、日米外交を進める上でも極めて重要な役割を果たしていただきました。
 仙谷長官は代表代行というお立場になられますが、恐らくあの方の性格でございますので、おとなしくされているとは思っておりません。また、いろいろな形で、陰に陽に連携をして、すべては民主党のためではなくて、日本のため、日本外交のため、そのために、またご指導をいただければと思っております。

【NHK 稲田記者】今、最も信頼して、尊敬する仙谷さんが閣内を去られたとおっしゃられましたけれども、それに入れ替わるような形で、同じく親しい枝野さんが官房長官という形で入閣されました。今回の新しい菅内閣を振り返って、どのような内閣であると大臣はご認識していらっしゃるのか。
 また、改造前の菅内閣というのは、野党への対応、そして政治とカネの問題ということで非常に苦しんでいましたけれども、新たにここでスタートを切るという形で、閣内の一員として、そういった2つの大きな問題を、菅内閣としてどういうように歩んでいくべきかとお考えでしょうか。

【大臣】政権交代から1年と約4か月余り経ちまして、私(大臣)は国土交通大臣をちょうど1年やらせていただいて、そして外務大臣をほぼ4か月やらせていただきました。この1年4か月の経験からして、私(大臣)が思うのは、やはり政権与党というものは、掲げた政策というものを実現しなくてはならないと思っています。
 私(大臣)は、まだまだ足らざるところもあるし、また、お約束をしたことで変更すること、例えば象徴的なのは、普天間の移設先の問題でありますけれども、選挙のときには「少なくとも県外」、そしてまた「できれば国外」と言っていたにもかかわらず、最終的には5月28日の(日米)合意で辺野古に戻ってきたわけであります。
 したがって、申し上げてきたことをお詫びして、国民に説明をして変えるということもあると思いますけれども、やはり大事なことは、結果を残していくということで、私(大臣)は有言実行内閣というものを、引き続きこの政権では、閣僚がその責務をしっかり認識して、結果を出していかなくてはと思っております。
 国交大臣のときを思い出しますと、法改正の要らないものについては、ある程度、すぐに結論が出るものもあります。例えば観光客が増えたとか、あるいは私(大臣)が引き継いだときには年率換算67万戸の住宅建設戸数が、例えば住宅版エコ・ポイント、建築基準法の見直し、あるいは贈与税の非課税枠の拡大、こういったものを導入して、私(大臣)が辞めるときには、つまり1年後には約84万戸にまで増えました。羽田の国際化というものもできました。いろいろ批判をされましたけれども、自民党政権でずっと先送りをしてきた日本航空の解体的な出直しというものに手をつけて、そして今、うまくいっている面もあります。
 他方で高速道路の無料化の問題については、まだ最終型は決まっていませんし、また八ッ場ダムを含めて河川の在り方の見直しについては、これはある程度、時間のかかる問題でありますし、また公共事業の見直しということで「選択と集中」、126あった重要港湾というものを私(大臣)はかなり絞り込みましたけれども、それを民の力で経営をしていこうと思ったら港湾法の改正をやらなければいけない。つまりは法律の改正も含めてやろうと思ったら、やはり1年ではなかなかできない。まとめるのに1年かけて、法案を通して、そして結果が出始める。4年でやるということをやはり、もう一度、国民の皆さん方にしっかりとご説明をして、しかし約束した以上は結果を出していくということが大事であると思います。特に私(大臣)は経済外交というものをこの立場についてお約束をしていますので、結果が見えやすいと思います。本当にうまくいくのかどうか、EPA・FTA、あるいはインフラはどこが取れるのか、観光客がどれだけ増えていくのか、あるいは資源外交は多角的にどれだけやれたのか、結果を示していく中でそれが日本の経済に資する形にしていく。あるいは2国間関係もそうです。ある国との関係がどう変わっていったのかということは、これは逆に国民の皆さん方はシビアに定点観測できるわけでありますから、そういう意味での厳しいチェックというものを受けながらやらせていただく。そういう意味では私(大臣)は第二次菅内閣というのは、まさに有言実行内閣として申し上げたことを形にしていく、その内閣でなければいけない。私(大臣)もそういう決意で臨んでまいりたいと考えております。

【NHK 稲田記者】野党対策と小沢さんの問題についてですけれども、改造前の内閣の足を引っ張っていたものに対しては、どういうように新たなスタートを切るべきだと思われますか。

【大臣】野党対策というのは参議院で数が足りませんので、根本的な問題として我々は対処しなくてはなりません。現時点においては政策ごとに協議を呼びかけるという形になるのでしょうけれども、我々が野党のときにそんなに簡単に協議に応ずるということはしなかったわけでありますから、今の野党も乗ってくれるかどうかわからない。
 しかし、その先にどういう日本があるのかということと、また、この内閣がどういう使命を帯びているかということを、やはり菅総理を先頭に閣僚や政務三役、あるいは412名の国会議員が、みんなしっかりと国民に対して説明をして、野党も動かすような気迫でもって、この国会に臨んでいくということが大事なことではないかと思います。
 小沢さんの問題については、岡田幹事長を中心に党として役員会で結論を決めて、小沢さんご自身も代表選挙のときには、自ら国会で説明をすることはやぶさかではないとおっしゃっていたわけでありますので、堂々とご説明をいただき、国民からはしっかりと前向きな議論ができる民主党、結果を残していける民主党として、やはりこの年は再スタートを切らなければいけない。そういう思いを持っております。

【フリーランス 上出氏】今のに関連しまして、最初に首相から7つの指示があったということですけれども、自民党と比べて、振り返って、この点は進んだと言えることはどんなことなのか、国民の皆さんに向けてのアピールとしてご説明いただければと思うのです。

【大臣】外交問題ですか。

【フリーランス 上出氏】そうです。優先順位はもちろん1.から7.が優先順位でしょうが、付け加えることがあったらそれも加えてください。

【大臣】経済外交を前面に打ち出した自民党政権というのは、私(大臣)は余り記憶にございません。それは自民党政権のツケとして、人口が減ってきた。つまりは少子化対策に何ら万全の対策を打てなかったから、ここまで人口が減るような状況になってきた。また、少子高齢化というものはだんだん進んできた。同時に、莫大な財政赤字をこれもまた自民党政権の下で生み出してきた。
 しかし、そういった状況があったからこそ政権交代が起きたのであって、それを今から我々が批判をしても仕方がない。それを変えるために政権を与えられたわけでありますので、我々はそれを所与の前提として、では日本の経済はどう復活をさせて、そういう制約要因がありながらも、日本が本日よりも明日、明日よりも明後日と、希望の持てる社会にするためにどうしていったらいいか。私(大臣)は、その根本は1つは経済だと思います。経済を元気にしなければいけない。成長と言い換えてもいいかもしれません。政府全体で新成長戦略というものをやっていきますけれども、この中にあって外務省としてやれることについてはしっかりやって、結果として税収も増える、雇用も増える、経済の活力が増えて国際社会からも一目も置かれる、そういう状況にすることが大事なことであり、その経済外交という方は進められているのではないかと私(大臣)は思います。
 具体的には、EPAで言うと、インド、あるいはペルー、また資源外交で言えば、私(大臣)がこの職に就いてから以降でも、インド、ベトナム、米国、オーストラリア、モンゴル、こういった国々とのレアアースの共同開発というものが生まれてきた。また、ベトナムの原子力発電所の受注の話、あるいは今まで停滞をしていたEPA・FTAの交渉の再活性化。そういう意味では、問題を先送りしてきたものについて、やはり政治決断をしてしっかりやっていこうという気運が生まれてきたし、結果も出始めている。これをしっかりと、我々としてはやり遂げていくのが大事なことではないかと思っております。

目次へ戻る

韓国訪問

【読売新聞 穴井記者】先ほど日米同盟は公共財であるということと、価値観を共有する国との連携を重視していくというお話がございました。明日の極めてタイトな日程で韓国を訪問されますけれども、そうした文脈で明日の訪韓に期待する成果というのは、どういったものでしょうか。

【大臣】1つは、日韓関係のきずなをさらに強化する。去年が日韓併合100年でありました。本日、ウォン韓国大使とお話をいたしまして、「今年は新たな100年の元年ですね。スタートの年にしていきましょう。未来関係を更に進めていくための年にしていきましょう」という話がございまして、人的交流、あるいは経済交流、さまざまな面での交流を更に加速化させるための確認をしていきたいと思っております。
 2つ目は、北朝鮮の問題、韓国自身が挑戦を受けた問題として、去年は天安号の撃沈、そして延坪島への攻撃というものがございました。我々は韓国の立場にしっかり立って、そして日米韓で連携をする中で、朝鮮半島の安定というものを図っていかなくてはなりません。また、同時に、朝鮮半島の核の問題、そしてミサイルの問題、そして日本にとっては拉致の問題、こういった問題を抱える北朝鮮と、韓国、あるいは米国と連携をしながら、あるいは中国、ロシアと連携をしながらどう取り組んでいくのかとの確認と、また、しっかりとした腹合わせも行っていかなければいけないと、このように思っているところであります。
 いずれにいたしましても、この地域の平和と安定のために、まさに同じ価値観を共有し、そして、新たな100年の協同の第一歩を踏む年として、しっかりとその協力の分野の中身、そして、具体的な懸案事項に対する歩調、こういったものをしっかり確認をする中で、日韓関係を更に強めてまいりたいと考えております。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月11日(火曜日)16時17分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)訪米報告について

【前原大臣】私(大臣)の方から3点、お話をいたします。
 1つは訪米の報告でございますけれども、6日から昨日まで、ワシントン、そしてフロリダのタラハシーという州都に行ってまいりました。クリントン国務長官、バイデン副大統領、スタインバーグ副長官、そしてホワイトハウスのドニロン安全保障補佐官、また、上院議員が結果的には9名、そして下院議員は1名と、多くの方々と有意義な意見交換をさせていただきました。
 主要な目的というのは、1つは今年前半に予定されている菅総理の訪米の中身について、三本柱それぞれの具体的な問題設定、そしてそれの方向性についてしっかり議論をするということを行ってまいりました。あとは、北朝鮮を含めてアジア太平洋地域の戦略環境に関する意見交換と今後の方針、日米協力して行っていくということについて確認をしたところでございます。
 それから、フロリダでは高速鉄道計画がございますので、慎重な公約で当選されたスコットさんという知事と話をしましたけれども、日本の新幹線の安全性、そして地域の経済に関するプラスの面、こういったものについての理解は深まったのではないかと思っておりまして、引き続きJR東海を含めてご理解いただけるような努力を政府もバックアップして行っていきたいと考えております。

(2)韓国訪問について

【大臣】 次に2つ目でございますけれども、本日の閣議で、14、15日と韓国に行くことについてご了解をいただきました。金星煥外交通商部長官との会談、そして李明博大統領の表敬などなど、議論をしてきたいと考えております。
 基本的には、大変良好な日韓関係を更に発展させるための諸課題について意見交換をしていくということと、北朝鮮問題始め周辺環境に関するしっかりとした戦略対話を進めていきたいと、このように考えているところでございます。

(3)2015年安保理非常任理事国選挙への立候補について

【大臣】 最後に3点目でございますが、2015年の安保理非常任理事国の選挙について日本が立候補するということを皆さん方にご報告させていただきます。
 我が国は2009年から2010年の間、安保理の非常任理事国として国際の平和と安全の維持に貢献してまいりました。とりわけ北朝鮮の問題については、安保理理事国としての決議や議長声明の作成に貢献し、その役割を十分に果たしたと考えております。
 去年で安保理の任期が終わりましたけれども、引き続き北朝鮮、イラン、あるいはスーダン、さまざまな問題がございまして、やはり日本は安保理のみならず国連に対する多大な貢献をしてきた国で、そういう意味でもしっかりと責任を果たしていくことが日本のみならず世界の平和と安定のためにも重要であろうということで、2015年の非常任理事国選挙に立候補することを決定した次第でございます。

目次へ戻る

日朝関係

【共同通信 出口記者】年末と年始の大臣の記者会見で、北朝鮮との対話について積極的な考えを述べられたことに対して、北朝鮮の朝鮮中央通信が肯定的な動きとして評価する論評を出しました。こうした北朝鮮側の動きに対して、大臣はこれからどういうように応えていかれるおつもりでしょうか。
 あと、この週末の韓国訪問で、日朝協議についてどういった考えを韓国側に伝えられるおつもりでしょうか。

【大臣】まず韓国に今、伝えられる段階ではないということであります。具体的な日朝間の協議が始まっているわけではありませんので、具体的に始まった段階で韓国にはしっかりとお話をすることになろうかと思います。
いずれにいたしましても、2002年の日朝平壌宣言で、両国間で諸懸案が解決をされれば、日朝の国交正常化を行っていくということが書かれているわけでありまして、我々としては特に拉致、核、ミサイルの問題、こういった懸案事項を解決していくということが我々の強い思いでございます。2002年の日朝平壌宣言をお互いに確認をし合いながら、直接的な対話をしっかり進めていきたいと考えております。

【読売新聞 向井記者】日朝協議の関連ですけれども、米国のクローリー国務次官補が10日の会見で、北が呼びかけている南北対話について、北朝鮮は具体的な行動を取るべきだと、現段階では韓国も北朝鮮との対話に応じるのは難しいのではないかという考えを示しています。大臣のおっしゃる日朝の交渉というのは、六者協議のように、開催する場合に何か条件はあると考えていらっしゃるのか。その場合の条件は六者協議と同じものになるべきなのか。その辺りを詳しくお聞きしたいです。

【大臣】六者協議というのは核の問題を取り扱うフレームワークでありますし、日朝間には核のみならず、拉致の問題、ミサイルの問題等、他の問題もあるわけでありまして、そういう意味では六者協議の開催の是非にとらわれずに、日朝の話し合いというものは行われるべきだと考えております。
クローリーさんが言われたように、この六者協議の再開については、北朝鮮の具体的な行動というものがなければいけないということは、今回の日米の外相会談でも再確認をしたところでございますし、南北の会談につきましても、話し合いをされることは我々も望ましいところでありますが、韓国の立場に立てば、挑発を向こうがしておいて、何も具体的な行動のないまま対話をと言われても、なかなか難しいという今の韓国の事情には十分に理解ができるところでございます。

【読売新聞 向井記者】大臣が日朝交渉で主に取り上げたいと考えていらっしゃるテーマは、年末の会見では、核、ミサイル、拉致とおっしゃいましたけれども、拉致を主眼に置かれると理解してよろしいでしょうか。

【大臣】3つです。

【読売新聞 向井記者】その中で核は六者協議で主に取り扱うものだとして、日朝交渉の場合、その順番としても、核、ミサイル、拉致なのでしょうか。

【大臣】順番というより、どれも大事なテーマでありますし、それをどう軽重を付けるかということは、余り意味がないと思います。3つの主要なテーマについては、必ず取り上げるということです。

【毎日新聞 犬飼記者】大臣は野党時代に安倍首相とか福田首相にこの日朝のことについて国会で質問されていて、要するに北朝鮮の支援をめぐって、拉致問題が進まなければ何も支援しないということは、むしろ外交の裁量を狭めるのではないかと。また、拉致にこだわり過ぎるべきではないというようなことをおっしゃって、こだわり過ぎると六者協議の枠組みからどんどん発言権を日本が失うことにならないかというようなことをおっしゃっているのですけれども、これは今でも考え方にお変わりはないのか。今、野党時代のこの発言に対してはどのようにお考えになっているかということについて、お聞きしたいと思います。

【大臣】基本的な考え方は全く変わっておりません。しかし、日朝間の交渉の問題になった場合においては、さまざまなことを考えて行っていかなくてはいけないということでありますので、どういうように進めていくかということについては、現時点では白紙であります。

【毎日新聞 犬飼記者】基本的な考え方は変わらないということをおっしゃっていますけれども、ということは例えば現在において、当時いわゆる六者の第2段階措置ということで経済支援をどうするかということがあったと思うのですが、日本の場合はなかなか安倍政権、福田政権時代は、拉致(の解決)がなければ進展しなかったということが実態としてはあったと思うのですけれども、それについてはもう少し柔軟に考えるというお考えに変わりはないという意味でしょうか。

【大臣】具体的な進展があったときに具体的に考えます。そのような状況に今ないときに、余り仮定の議論をしても意味がないのではないかと思います。

【毎日新聞 西岡記者】クリントン長官との会談で大臣が日朝実務協議を目に見える形でやりたいというお話を何らかされたのか、また、何らかの立場を表明されたのかをお聞かせください。

【大臣】話をしておりません。

【時事通信 西垣記者】今の日朝協議のことについて確認ですけれども、そうすると六者協議、中国が呼びかけている六者協議の首席緊急会合、あるいは南北間の対話が再開される前に、それに先行して日朝間の対話をするという可能性も大臣としてはお考えになっているのでしょうか。

【大臣】その前提が整えばということでありまして、まだそのような段階ではございません。

【共同通信 斎藤記者】日朝間では2008年の夏に実務者合意がありまして、実務者合意を北朝鮮側は反故にする発言を繰り返してきたわけですが、つまり再調査委員会の件です。この再調査委員会の扱いについて、我が方が仮に日朝協議を呼びかける、あるいは応じるという局面において、再調査委員会をめぐる扱いを北朝鮮側が現在の姿勢を変えないという場合は、応じられるのか応じられないのか。その点については北朝鮮側に善処させるということが協議の土台になるのかどうか。この点についての大臣の現時点でのご認識をお伺いしたいと思います。

【大臣】2つのことを申し上げたいのは、政権交代がありましたけれども、我々としては2002年の日朝平壌宣言を踏襲すると、これに基づいて協議をするということでございます。また、同時に政権交代がありましたので、もちろん2002年の日朝平壌宣言というものは踏襲をしながらも、どのような形で今後議論に臨むかということについては、白紙で臨みたいと考えております。

目次へ戻る

EUの対中国武器輸出解禁

【香港フェニックステレビ リー記者】EUに対して中国は武器の輸出解禁を求めているのですけれども、これに関してはEUの中でも一部支持をする声があります。日本はこれまで反対してきましたが、今でも同じように無条件反対なのか、それとも何らかの条件を満たせば立場を変更するのか、大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】これにつきましては従来からの姿勢は変わっておりません。やはり21年間で20倍もの軍事費を拡張して、一体何のための軍拡なのかということが極めて不明確でありますし、公表数字以外にも一般の国において軍事費に占められるものについて、計上されていないという懸念もあるわけでありまして、透明性を高めるよう求めているわけでございます。そういった説明責任、何のための軍拡なのかということと、そして他の国がスタンダードにしている透明性を確保することが大事であって、それが果たされていない以上は我々が考え方を変える条件には至っていないということであります。

目次へ戻る

TPP

【時事通信 鈴木記者】TPPに関してですけれども、13、14日にワシントンで日米協議が開かれますが、目的と期待するところをお願いします。

【大臣】この日米貿易フォーラムというのは、別にTPPに限った話をするわけではなくて、会議の名前どおり、日米間の貿易、経済全般について議論することであります。ただ、その中で、我々は昨年閣議決定をいたしました「包括的経済連携に関わる基本方針」で、TPPの参加について、参加国と協議をするということが書かれておりますので、日米貿易フォーラムの中で協議をしたいと考えております。

【時事通信 鈴木記者】期待するところはございますか。

【大臣】我々は今、この問題について何らかの決定をしているわけではありませんので、情報提供を受ける、また我々の「包括的経済連携協定に対する基本方針」について説明をして、米国側の理解を得るということに主眼が置かれることになります。

目次へ戻る

2015年安保理非常任理事国選挙立候補

【日本テレビ 野口記者】大臣は、先ほど国連安保理の非常任理事国は2015年にまた立候補されるということをおっしゃいましたが、間違ったら申し訳ないのですけれども、非常任理事国というのは2年連続の選出が禁止されているだけで、早ければ次は2013年に立候補できると思うのですけれども、2013年に立候補されない理由というのは何かあるのでしょうか。

【大臣】ご承知のとおり、この非常任理事国というものについて選ばれるかどうかというのは選挙でございますので、かなりの準備期間がないと、なかなかすぐに選挙というものにならないということで、国連の安保理のみならず、さまざまな国際場裡での選挙においては、相当程度の時間をかけて準備をするということが一般的になっておりますので、2015年の非常任理事国を目指すということで準備を始めようとしているところでございます。

【時事通信 西垣記者】非常任理事国のステータスをめぐっては、その立場が不安定になるということで、常任理事国入りに向けた取組みというのも日本外交の大きな柱であると思うのですけれども、その間、この常任理事国入りについてはどういうように取り組まれるかということと、あと非常任理事国には「日本なり過ぎ論」というのがあると聞いているのですけれども、そういった懸念を払拭するために日本政府としてはどういうように取り組んでいかれるお考えかという2点を教えてください。

【大臣】「なり過ぎ論」というのがあるのですか。私(大臣)は直接聞いたことはないわけでありますが、我々G4で、つまり、ドイツ、インド、ブラジルで協力して安保理改革を行おうということの背景には何があるかというと、国連ができたときは、まさに枢軸国と連合国で、戦勝国は連合軍ということで、それがそのまま国際連合という形になっていて、英語ではユナイテッドネーションで何も変わっていないです。そして、敗戦国側である国に対する、いわゆる敵国条項なども入っているわけでありますし、そういう意味での抜本的なメンバーシップと、在り方が65年経ってゴロッと変わったと。P5だけで常任理事国はいいのかということについては、多くの国々が65年経って世界の状況は変わったから、今まで貢献をしてきた、また世界第2位の経済大国である日本についての支援がたくさん来ているというのはご承知のとおりであります。
 その意味において、常任理事国になる資格があると言われているわけでありますけれども、だからこそ非常任理事国で、国連改革がなされるまでの間、我々としては責務を果たしていこうということでありますので、なり過ぎとか出過ぎとか、そういうご批判は当たらないと思っております。
 いずれしても、国連改革は目指す。その国連改革が成し遂げられるまでの間は、できる限り非常任理事国として役割を果たしていくという考え方でございます。

【日本テレビ 野口記者】2013年に立候補されないのは、選挙の準備の期間が必要だということなのですが、省内で2013年に立候補されないことに関してデメリットを主張する意見というのはなかったのでしょうか。

【大臣】省内でさまざまな意見交換をする中で、2015年の非常任理事国の選挙を目指そうということを決定いたしました。

目次へ戻る

内政

【NHK 稲田記者】参議院の問責(決議)の重さというものについて、少しお伺いしたいのですが、参院の問責について西岡議長とかは、当然参院の問責は非常に重いと、
問責を受けた閣僚を替えなければ場合によっては開会せずということも、その時は決定するけれども、ゼロでないということも、本日官邸でおっしゃっています。その一方で当然与党側からすれば、問責を受けたら替えなければならないという前例を作ってしまうことは、それはそれでたいへんだと思うのですけれども、大臣としては問責の重さ、衆議院の優越性ということを仙谷さんはおっしゃっていますが、問責を受けたから替えるべきだ、もしくはそれとはまた別の問題だという意見、大臣としてはどちらのスタンスを、またどういった考えをお持ちなのでしょうか。

【大臣】まず、事実から申し上げると、我々が野党だった時に問責が可決をされましたけれども、当時の福田総理大臣、あるいは当時の官房長官である町村長官は、参議院で問責が可決されたといって、必ずしもそれに従う必要はないということをおっしゃっていたというのは事実であります。しかし、自分たちが野党になったら、問責が可決されればそれは直近の民意だから従うべきだというのは、極めてご都合主義であっって、言ってみれば自分自身の確固とした定見がないと言われても仕方がないのではないかと思います。ただし、問責が可決されたということの意味が私(大臣)は全くないということは申しません。しかし、その時の政治状況をどう判断をする中で決定をするかということであって、問責イコール必ずしも辞任と、あるいは内閣であればそれで辞職をするということが法的に担保されているかと言えばそうではないし、自民党も与党の時はそう言っていたので、あまりご都合主義的な言い方をされるべきではないのではないかと思います。

【NHK 稲田記者】その時の内政状況をどう判断するかということが大事だとおっしゃいましたけれども、今の現状というものについては大臣はどのように、現状としては馬淵国土交通大臣、仙谷官房長官というものが上がっていますけれども、それについても必要ないということなのか、それとも、当然予算を通すというのは国民生活が大事だという立場だと思うのですが、そういった辺りを踏まえてどのようにお考えでしょうか。

【大臣】私(大臣)個人の意見を申し上げれば、問責を受けたからといって辞めるべきではないと思っています。ただ、人事は総理の総合的な判断ですから、問責を受けたから替えるという意味で替えられるのであれば、それについては私(大臣)は反対であります。

目次へ戻る

日米関係

【フリーランス 上出氏】訪米に関して、基本的なことを改めてお聞きします。クリントン長官と今後の安保条約、その他についていろいろ踏み込まれて話したのではないかと思いますが、今の基本的な状況を見ていますと、米側からいろいろと誤解をされていた面もあるのではないかと、ある意味ではギクシャクした面があったということは否めないということを前原大臣はテレビでおっしゃっていましたけれども、そういった失地回復するための、この一年間の外交だったのではないかと思います。確かに外交は国益ということを考えて、超党派でやるというのが一般論でしょうけれども、むしろ後退してしまって、国民新党の亀井代表の言葉を聞いていると、米国の言いなりになってしまうような状況ができて、普天間問題などの解決のため、米国に対して対等で働きかけていくということが出来なくなってきているのではないかという状況にも国民からは見えるのですが、どのようにその辺りを捉えておられますでしょうか。

【大臣】それは、一部の国民のうがった見方ではないですか。我々は米国に対し、しっかりものを言うことは言っているし、同盟関係というのはボランティアでやっているわけではないですから。お互いの国益に基づいて同盟関係を結んでいって、お互いの利害が一致しているから同盟を深化させるということで議論をしているわけです。

【琉球新報 稲福記者】大臣訪米時に、クリントン長官から2+2の開催時期について、首相の訪米前にというような話があったと一部報道に出ていたのですが、それに関して事実かどうかというのと、あと、今回の訪米自体が首相の訪米前の準備ということもあったと思いますが、大臣としてはこの2+2を菅総理の訪米前に行うべきかどうか、どのようにお考えなのか、お聞かせ下さい。

【大臣】2+2に関しては日米間で完全に認識は一致しております。そして、クリントン長官が記者会見でもおっしゃっていたように数ヶ月以内にと、私(大臣)はしかるべき時期にということを申しあげた。それ以上でもそれ以下でもありません。

目次へ戻る

2011年度予算案

【共同通信 橋本記者】2011年度の予算案についてお伺いします。岡田幹事長は、通常国会がまだ召集されていない時期なのですが、野党から求めがあれば修正に応じるというような考えをにじませているのですが、この時期にそういう話がでてくることについて、どのようにお考えでしょうか。

【大臣】岡田幹事長も出したものはベストであるという確信はお持ちの上で、しかし、ねじれていて参議院では多数を握っていないという状況の中で国民生活に支障が生じないようにおっしゃった発言だと私(大臣)は認識をしております。

【共同通信 橋本記者】大臣は、どのようにお考えでしょうか。

【大臣】ですから、今申し上げたとおりです。出している予算案はベストのものを出しております。ただ、幹事長として、現実に参議院では多数を握っていない中で、衆議院で通れば、予算案はそれは通りますが、しかし、予算関連法案というものが通らなければ執行が出来ない状況になる可能性が高いという状況を踏まえて、私(大臣)はおっしゃったことではないかと理解をしております。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成23年1月4日(火曜日)14時30分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)今年の外交にかける考え方

【前原大臣】あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。新年ですので、一言ご挨拶をさせていただきたいと思います。
 本日午前中に、政務三役会議と省議をそれぞれ1時間ずつ行いまして、私(大臣)の今年の外交にかける考え方についてお話をして、また、意見交換をさせていただきました。私(大臣)が省議で申し上げた話を少しご紹介しますと、ダーウィンの「種の起源」の中に、どういう種が生き残るのかという件がありますが、「強い種が生き残るのではない。賢い種が生き残るのでもない。生き残れるのは変化に対応する種である。」という件があって、我々日本は変化に対応できる種でければいけない、そのための外交をしっかりとやっていこうという話をしました。つまりは変化に対応しうる主体的な外交を今年はやっていこうと皆さんに申し上げたわけです。
 具体的に申し上げますと、日本の変化は人口が減って、少子高齢化が進んでいって、莫大な財政赤字がある。しかし世界は人口が増えていて、特に成長のセンターはアジアであるということを考えるならば、やはり日本が取るべき外交の大きな柱というのは経済外交であろう。日本の得意分野であるものづくり、あるいはサービス、こういった物が、どんどん海外に自由に出て行けるような自由貿易の環境をより作っていくことが大事であるということを確認しました。例えば、今回ブラジルの大統領の就任式には、麻生元総理に政府特使としてお出ましをいただきました。韓国はキム首相自らが行かれた訳ですが、ブラジルの新大統領との話の中では、メルコスールとのFTAなども視野に入れるとのことですし、また、ブラジルが入っているメルコスールについてはEUとのFTAを考えているということでした。やはり我々は、日本の得意分野を生かすために、競争力を生かすために、より自由な貿易体制をしっかりと作り上げていくということが大切でありまして、そういう意味では総理がおっしゃった平成の開国元年というのにふさわしい、FTA、EPA,あるいは多国間の自由貿易の取組について、議論するだけではなくて、結果を出していく、結論を出していくという年にしていきたいと思っておりますし、またインフラの輸出を徹底してやっていく、また資源外交、そしてインバウンド観光というものを今年こそは1千万人を超えて、3千万人に向けての取組をしっかりやっていくということが大事であります。
 それからもう一つは、経済も大事ですが、国の安定、安全保障というのが経済活動を行う上でも極めて大事であり、日本は自ら、その安全を確保するとともに、日米の同盟関係というものをより強化をして、そしてこの日米の同盟関係の強化は日本の安定のみならず、地域の安定のための公共財であるという観点から、米国との同盟深化というものをしっかりやっていかなくてはいけないと思っているわけです。その上で、例えば同じ価値観を共有する国々との連携強化、近隣国で成長著しい中国、ロシア、インド、インドネシア、ベトナム、こういったところと、もちろん韓国やオーストラリアはいうまでもありませんが、関係強化をしっかりと図っていきたいと考えているところです。とにかく様々な問題はありますが、大きな2つの柱、「経済外交の推進」、そして「日米同盟の深化」を軸とする、それぞれの外交課題へのチャレンジというものをこの1年しっかり行ってまいりたいと考えているところです。

目次へ戻る

日韓関係

【共同通信 出口記者】日韓関係について、お伺いします。昨日、韓国紙の報道で少し前原大臣の発言が誤った形で引用されたと思うのですが、今後、韓国との間で安保面での協力はどういったものを考えていかれるおつもりでしょうか。

【大臣】韓国との安全保障面での協力というのは、これからもしっかりやっていかなければいけないと思います。北澤防衛大臣が近く訪韓をされる予定だと伺っておりますけれども、物品役務の相互融通、あるいは情報面での協力といったことを議論されるやに伺っておりますし、そういった面の協力というのは大事なことなのではないかと思います。ただ、私(大臣)はやはり、韓国との安全保障面での協力というものを進めていく場合、韓国側から、そういったものが湧き起こっていくような状況というものを、日本はしっかりと見守るということも大事なのではないかと思っております。つまりは、昨年が日韓併合100年でございまして、終戦から65年は経っているわけでありますけれども、やはり、我々の日韓の安全保障面での協力というものを進めたいという思いと韓国の方々の思いというのは、私(大臣)は当然ながら見え方は違っているのかもしれないと思います。そういう面での繊細さというものを日本は持っていなければいけないと、このように考えておりますので、そういう面も含めて緊密に日韓で議論をしながら、あらゆる面での協力というものを進めていき、特に重要な二国間関係でございますので、今年は更に発展をする年にしたいと考えております。

【朝日新聞 山口記者】今の質問に関連してですが、まだ、韓国とは時期尚早というか、そういう環境が醸成されてないというというお話でしたけれども。

【大臣】そうは言ってないですよ。向こうの立場をしっかりと踏まえた対応が必要であるということで、お互いが認識をする中でじっくり進めていくということが大事だということを申し上げたわけです。「時期尚早」という言葉は一言も使っておりません。

【朝日新聞 山口記者】すみません。いずれにしても、大臣の頭の中にあるイメージとしては、今、オーストラリアや米国とやっているような、いわゆる2+2みたいな将来ビジョンを頭の中では描かれていらっしゃるのか、それとの違いがあれば教えていただけないでしょうか。

【大臣】どういう形にするかということも含めて、やはり韓国側の思い、そして、向こうからすると韓日関係をどのように進めていかれたいと思っておられるのかということをしっかり腹合わせをしながら行うことが大事でありますので、こちらの思いだけを一方的に言うのではなくて、阿吽の呼吸でしっかりと対話をしながら日韓関係をより深めていきたいと考えております。

【朝日新聞 山口記者】今月中にも大臣は韓国に行かれる可能性があるとお聞きしていますし、隣国のことですから、年内に何回かお会いになる機会もあるかと思いますが、お会いになった中で、大臣、もしくは日本側の方から、この案を持ちかけるということは今のところは想定されていらっしゃらないということでしょうか。

【大臣】先ほど、お話をしたように北澤防衛大臣が訪韓されます。当然ながら防衛大臣同士で話をされるので、安全保障面での協力の在り方についてはご議論されるのではないかと思います。私(大臣)は外務大臣として、全体的な日韓関係をどうマネージメントしていくのか、強化をしていくのかということが大事なテーマだと思っておりますので、やはり韓国側の意向というものをしっかり承って、そして、我々の考え方も伝えながら、そして、よくマネージメントしていく、より協力関係を強めていくということが大事なのではないかと考えております。

目次へ戻る

北朝鮮情勢

【フリーランス 岩上氏】北朝鮮が年頭の共同社説で、対話とか、あるいは協調といったような空気を醸し出すような社説を掲載しました。これは見方はいろいろあると思うのですけれども、日本の外務省として、あるいは前原大臣として、この北朝鮮の姿勢のある意味で変化、砲撃事件以来の変化をどのようにとらえていらっしゃるか、どのように分析されているか、ご見解をお聞かせください。

【大臣】昨年の1月も、非常にやわらかいトーンの社説であったと思います。つまりは休戦協定を平和協定にということで北朝鮮側は世界に対して投げかけをしているわけであります。他方でウランの濃縮の開発を進める、あるいは延坪島への攻撃を加える、あるいはその前には天安に対する撃沈事件もございました。そういう意味では、もちろん、我々は朝鮮半島の平和、非核化、安定を望んでおりますけれども、北朝鮮の真意と今までの行動パターンがどのようなものなのかをしっかりと検討した上で、慎重に対応していかなくてはいけないと思っております。
 いずれにしても、我々としては、国交はまだありませんけれども、今年の一つの大きなテーマとしては、余り活性化されていなかった日朝間の話し合いを、やはり他国任せ、あるいは六者協議、あるいは多国間の場のみで北朝鮮の問題を扱うのではなくて、拉致問題という日本の主権に関わる問題もありますので、拉致、ミサイル、核、そういった問題を直にしっかりと二国間で話ができるような状況をつくり出すことが大事なのではないかと考えております。

【読売新聞 向井記者】今おっしゃった日朝間の協議について少し伺いたいのですけれども、現実問題として、これまで日朝間の協議というものは六者協議が中断している間は行われてこなかったと思います。そのタイミングについてですけれども、やはり大臣のお考えとしては、日朝間の交渉というものは六者協議とそれなりにタイミングを合わせるべきなのか、そこら辺のタイミングというものはどう考えていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】政権交代が起きまして、私(大臣)は自民党政権下でどのような外交が行われていたかということを知る立場になりました。ただ、すべて我々が知る立場になったので、今までのそれぞれの国との外交交渉を明らかにするということは、慎まなくてはいけないと思います。外交安全保障は超党派で日本の国益のために行うことでございますので、その点は我々は節度を持たなくてはいけないと思っております。
 過去の日朝間でのやり取りについては詳しくは申し上げませんが、我々としては、今年は少し直接的に話ができるというものをより強化をするという形で、マルチの場だけではない話し合いができる環境というものをつくっていきたいと考えております。

【読売新聞 向井記者】先ほどご指摘があったように、自民党政権下では与党の政治家が直接北朝鮮を訪問するなどをして交渉に当たってきたような経緯があります。大臣はその与党の政治家、外務省以外のチャンネルを使って対朝交渉をしていくことについては、どうお考えでしょうか。

【大臣】さまざまなチャンネルは、どの国との外交交渉でもあって、私(大臣)はしかるべきだと思います。議員外交というのはその象徴だと思います。ただ、やはり外務省は一元的に外交を担っているという形が大事であって、二元外交、三元外交にならないような形でのとりまとめというのは必要ではないかと思います。

目次へ戻る

日中関係

【香港フェニックステレビ リー記者】昨年、日中関係が尖閣問題で大分悪化してしまっているように見受けられますけれども、今年、日中関係の改善に向けて、大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】確かに尖閣の問題でぎくしゃくをした面はあったと思いますけれども、私(大臣)は長い目で見れば、日中関係は極めて重要で、お互いが経済的にも人的交流の面でもさまざまな面で相互依存関係がより強まっていくだろうと考えております。そういう意味では、来年がちょうど国交正常化40周年でございますので、40周年にお互いの国の重要さを確認できるような、そういったさまざまな分野での協力関係がより進むような年にしていきたいと考えています。

【香港フェニックステレビ リー記者】一部の報道によりますと、大臣が今年の春に訪中されるというような報道があったのですけれども、これは事実でしょうか。もしお考えがあれば、訪中されるタイミング、その条件についてもお聞かせください。

【大臣】一部報道でそのような記事が流れていたというのは承知をしておりますけれども、現時点において固まったものはございません。
 しかし、大事な隣国でありますし、3月、4月辺りに、まだ決まっておりませんけれども、日中韓の外相会談というものを開くことになろうかと思いますが、今年は日本が当番の国でございまして、3か国の外相が日本でお会いをするということは、そう遠くない時期にあるのではないかと思っております。
 また、政府の高官の訪来というものも、より多く、私(大臣)はあるべきだと思っておりますので、そういう意味においては、いろいろなレベルでの交流が進むように、今後、中国側とも話し合いを進めていきたいと考えております。

目次へ戻る

内政(小沢問題)

【NHK 稲田記者】国内の話になるのですけれども、菅総理大臣が本日の年頭の会見の中で、小沢元代表について、強制起訴された場合には、そちらの問題に専念をされるべきだと、場合によっては、議員辞職ということも念頭にということを発言されました。
それに対して小沢さんの方は、総理は自分なんかに関わっていないで、とにかく国民との約束を守るべく、頑張るべきだと述べていて、菅総理をけん制しています。
 この小沢元代表の対応について、今後非常に難しい国会対応を迫られる中で、民主党としては、どのように小沢さんが対応されるのがベストな方法であると大臣はお考えでしょうか。

【大臣】この問題は、岡田幹事長が中心となって、党の役員会で決めたことについてやりとりがなされていると承知をしておりまして、党の役員会の責任ある立場の方が、今後やられることについて、一党員として、また一閣僚として、バックアップをしていきたいと考えております。
 私(大臣)も三が日、地元に戻りまして、それほど多くの方々とお話をしたわけではありませんけれども、私(大臣)自身が思うのは、もちろん、政治とカネの問題をしっかりと決着をつけるということは大事なテーマでありますし、国民の多くの方々もそれを望んでおられると思いますけれども、しかし、我が政権が信頼をされて、そして政府、与党一体となって、この国の国家経営をしていくために大事なことは、やはり政策の中身であり、そして、前回の衆議院総選挙で訴えたマニフェストを、どこを貫き通していくのか、どの点を変えるのか。変えるとすれば、どういった理由なのか。そういった説明責任を果たすことの方が、むしろ私(大臣)は、この国の国家経営を担っていく上で大事なことなのではないかと思っております。
 もちろん政治とカネの問題にけじめをつけると同時に「信なくば立たず」でありますので、信頼をしてもらえるような環境をつくると同時に、しかし、要は政策の中身、国家経営の運営の在り方や中身、最後は総理のリーダーシップ、決意だと思いますので、その点を菅総理が年頭の所感で述べられたわけでございますので、しっかりと閣僚の一人として、菅総理のそういった思いをバックアップして、私(大臣)も自分の立場で行えることを、目いっぱい努力をしていきたいと考えております。

【NHK 稲田記者】今、大臣は信頼してもらえるような環境をつくると同時にとおっしゃられましたが、菅総理は政治とカネの問題にはいい加減、長年の宿痾を乗り越えるべきだということで、議員職も辞さずという形で発言をされましたけれども、そういったかつて党の代表を務められた方に対して議員の辞職までをも迫った総理の思いというのを、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

【大臣】報道でしかそれを見ておりませんし、明示的にそれをおっしゃったかどうかというのは私(大臣)は確認しておりませんけれども、先ほどの繰り返しになりますが、この政治とのカネの問題、小沢元代表の問題については、岡田幹事長を中心に党の役員会で決められたことについて取り組んでおられますので、一党所属の議員として、また、閣僚として、しっかりと党の考え方をサポートしていきたいと考えております。

【フリーランス 岩上氏】関連して、私も総理の会見に本日、出席してまいりました。今、大臣がお話になったこと、「けじめ」という言葉をおっしゃいましたけれども、どこからどこまでがけじめになるのか。どういうことをすればけじめになるのか。延々と政治とカネという文言だけで、抽象的な文言なので、一体事実関係のここのこの点が明らかになればそれでおしまいという、何か線引きがなされないと話にならないと思います。そうしたものを明示されないままこの問題を振りかざされる状況に、いささかうんざりしている国民もいることだろうと思います。
大臣がお考えになるけじめとは何かということと、もう一点それに関連して、挙党態勢という言葉を代表選のときに菅総理もおっしゃいました。挙党態勢をつくられているとは到底思えません。この矛盾といいますか、この点に関して重要閣僚のお一人として、なぜ挙党態勢という形で築くことができないのか、この点についてもご見解をお述べいただきたいと思います。

【大臣】小沢元代表の政治とカネの問題については、ご本人は潔白だとおっしゃっているわけです。しかし、多くの国民は説明が足りないと、説明が足りない上に疑念を持っていると(いうことです)。したがって、ご本人が代表選挙のときに、あれだけ明確に国会に出て説明することはやぶさかではないとおっしゃっているのですから、しかるべき場に出て、自らの立場を明確におっしゃることが私(大臣)は1つのけじめだと考えております。
 挙党態勢についてですが、私(大臣)は別にマスコミの方を批判するわけではありませんが、小沢問題が民主党のすべてなのかと、決して私(大臣)はそうは思いません。例えば代表選挙で小沢元代表を応援された方々の中で、私(大臣)が親しくしている議員はいっぱいいます。では、小沢、非小沢で分けて、その人たちは亀裂が入っているのかというと、その人たちの間で亀裂が入っているとは全く思いませんし、協力して政策テーマで努力していることもいっぱいあります。
 つまりは切り口で、物事を固定的にとらえてしまうということで民主党に亀裂が入っているということの方が、むしろ私(大臣)は一面的な見方ではないかと思っています。さまざまな政策面で、例えば小沢元代表を応援された方々、あるいは小沢元代表の新年会に行かれた方々も、与党の一員としてあの暑い夏の選挙で訴えたマニフェストを実行するために内閣の中に入っている人もいるし、党の中で頑張っている人たちもいるし、みんな一丸となって頑張っていると私(大臣)は思いますので、小沢元代表を切り口に党に亀裂が入っていると見られるのは、実態からすると心外でありますし、それだけがかなりクローズアップされ過ぎているのではないかと。むしろそれを卒業することの方が、マスコミも含めて今の日本の政治、危機的な日本の置かれている状況において大事なことではないかと思います。

【フリーランス 岩上氏】この小沢問題を卒業するということは、先ほど「けじめ」は国会に出ての説明、政倫審なのかもしれませんが、その出席をもって小沢氏に対する追及というのが一段落決着を見るということを意味するのか、それとも、本日の総理の会見、総理が確かに議員辞職をにおわせるような発言がありました。つまり、国会だけではなくて、小沢さん個人を排除した上で小沢派と言われるような人たちとの大同団結を図っていくという意味なのか、どちらの意味でおっしゃっていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】国会の場に出てこられて、どのようなお話をされるか、その中身に説得力があるかないか、国民がご理解をされるかどうか、そこがポイントではないでしょうか。
 私(大臣)の申し上げているのは、マスコミが特に小沢か非小沢かで民主党に亀裂が入っているかのような報道があります。それは確かに一面ではそういう面もありますけれども、それ以上に我々は政権交代を訴えて国民の信託を得て、政権与党、そして内閣を形成させてもらっているわけです。その責任を果たすことに何派とか非何グループとか関係なく、みんな一緒になって頑張っていると思っておりまして、そういう点での民主党の一体性を私(大臣)は感じながら、今も仕事をしております。外務省の政務三役だって、菅総理を応援した人もいれば、小沢元代表を応援した人もいる。では外務省に亀裂が入っているのかというと全く入ってなくて、政務三役が本当に6人力合わせて今、日本の外交を推進しているわけでありますので、余りそういう小沢主観で物を見る見方を今年こそは卒業を、マスコミもしてもらいたいし、そのための説明責任を小沢元代表はしっかり果たしてもらいたい。それが私(大臣)は日本の政治が一歩前へ出る大きなけじめではないかと思います。

目次へ戻る

日米同盟深化

【ニコニコ動画 七尾氏】視聴者を代表しまして、本年もよろしくお願いします。
 日米同盟の深化についてでございます。昨年のAPECの首脳会議で、菅総理とオバマ米大統領は、日米の同盟深化に向けた協議を加速させるという点で合意いたしました。1月6日から10日まで大臣も訪米いたしますし、春にも予定されている総理の訪米で、安全保障をめぐる日米共同声明の発表を目指しているとの報道もございます。例えば同盟深化の根幹を成すとされる共通戦略目標の見直し作業の前提としまして、それまでに普天間問題の決着、あるいはそこまで行かなくても進展というものは、前提として必須だとお考えでしょうか。

【大臣】先般のAPECでの日米首脳会談において、日米同盟の深化というものを両首脳によって確認をされました。それは三本柱がございまして、安全保障面での協力、2つ目は経済面での協力、3つ目は文化・人的交流の協力、こういう3つの分野で更にさまざまな柱立てをつくりまして、それをより共通の作業として進めていく。そのための1つの作業として私(大臣)が6日からワシントンへ行かせていただくことになろうかと思っております。
 普天間の問題ですが、我々は5月28日の日米合意というものを遵守していきたいと考えておりますが、沖縄は県外移設を公約に訴えられた仲井真知事が再選をされました。我々はお願いをする立場でありますし、何よりも前回の衆議院選挙で「少なくとも県外、できれば国外」と言いながら、最終的には辺野古に戻ってきたという意味で、我々から期限を区切って沖縄にお願いをするというのは失礼であろうと思っております。やはりその公約を果たせなかったお詫びをすると同時に、真摯にこのプロセスを進めていれば、辺野古には新たな基地建設にはなるけれども、沖縄全体の負担軽減には必ずつながるのだということをしっかりご説明させていただきながら、ご理解をいただきたいと思っております。したがって、普天間の移設に関わることについての期限を区切ることはございません。ただ、やはりそれに向けての不断の努力というものは、私(大臣)どもは必要だと考えておりますので、米国との間で行える作業、あるいは沖縄県から要望がなされている、例えば訓練の移転、あるいは先行返還できるものがあるのかないのかといったことについては、5月28日のプロセスを進める前提として、我々は前進をさせていきたいと考えております。

目次へ戻る

このページのトップへ戻る
前月へ戻る |  目次へ戻る