【毎日新聞 横田記者】政府軍が掃討作戦を行っているアレッポから、2日間で20万人が脱出をしたというようなことを国連が発表しております。内戦が極めて深刻な状況になっていますけれども、その中で、アサド政権による化学兵器の使用、過激派への流出という懸念も出ております。日本政府としての現在の現状認識と、あとこの問題を見ていると日本政府がどうコミットしているのか、できることがあるのかということがよく見えない部分がありますけれども、その点もあわせてお願いいたします。
【山根副大臣】この前も国際会議等で日本政府の思いというのは、それぞれ各国に伝えてきているという、こういう経過はございます。今回の化学兵器の使用ということについて、非常に憂慮の念というのを禁じ得ないものがございますけれども、これは、化学兵器を戦争で使用することを禁止をするジュネーブ協定書の締約国でもあるという客観的な状況もあるのですけれども、シリアについては。ただ、内戦ということになってくると、このジュネーブの議定書がどうなのかと、法的な問題はあるかとは思いますけれども、しかし、法以前の問題としても、やはり人道的な問題で、こうした懸念というものを払拭されるようにシリア政府には求めておきたいというようには思っています。
先般、ロシアに玄葉大臣が訪問をいたしまして、ラヴロフ外相にも積極的な役割を、シリアのこうした状況について、建設的に果たすようにということは求めているというところでございます。
【琉球新報 問山記者】週末に行われた日米の局長級会談ですけれども、そこで出た内容と、あとモロッコとフロリダの事故報告について、何か米国側から一部言及されたことがあるかどうか教えていただきたいと思います。
【山根副大臣】27日にワシントンDCにおいて、日米外務・防衛局長協議が行われまして、日米間の安全保障にかかわる問題について議論を行ったところでございます。
オスプレイの問題については、そのオスプレイの戦略的な意義・安全性・安全な運用を確保するための法則等について議論を行ってきているところでございます。
外務・防衛両省からそれぞれ事務方の幹部が出席しての協議でございますので、当然、両省とも外務大臣、防衛大臣にその報告をして指示を仰ぎながらオスプレイの問題も含めまして、今後米国側と協議を進めていくという予定になっているところでございます。
詳細については、協議中のことでもございますので、今、あまり多くを語れる状況ではありません。
【琉球新報 問山記者】フロリダの事故報告が7月下旬にでるということだったのですが、なぜか8月上旬に延期になっているという話もあるのですが、フロリダの事故について、何か断片的でいいですから結果報告等はございましたでしょうか。
【山根副大臣】様々な議論があったというようには承知いたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように、詳細については今申し上げられる状況ではありませんので、御理解をいただきたいと思います。
【山口副大臣】この間の火曜日(7月24日)に北東アジアの経済連携に関するトラック2の会合をやらせていただきました。国連大学で一日中やったのですけれども、これは環太平洋がTPPであれば、これから日本海を囲む北東アジアについて、経済連携を考えていきたいという大きな構想でもってやらせてもらいました。呼んだのは、もちろん日本はそうですけれども、韓国、中国、ロシア、モンゴル、それから米国からも来てもらいました。エネルギーに関する経済協力、あるいは経済連携そのもの、そして金融に関して、例えば、北東アジアの開発銀行というものをどう考えるか、そういうことについていろいろと専門的な議論を戦わせてもらいました。
ロシアからの参加者から、実は、私がロシアに行って、いろいろと話をしたことを受けて、非常に高いレベルで真剣にこれを取り上げているから、ロシアは今年、APECの議長国ですから、そういう意味ではこの9月のウラジオストックでの首脳会合でもって、どれだけ反映できるか、そういうこともいろいろ考えてくれていると思いますけれども、非常に、真剣にこれを取り上げたいから、日本としてもそういう気持ちを共有しておいてくださいというのが、会議中に私に話があったという一幕もありました。中身はそれぞれ、そこにお配りしているのは、まだコメントがこれから参加者から少し入るかもしれませんけれども、基本的にはそういう感じで変わらないと思います。
そういうことで、日本が今、5月には日中韓、それからEUのやつは、日・EUのEPA、少し時間がかかっていますけれども、あとTPPについては、今のところ動きは特にありませんけれども、全体の図柄の中では議論は進んでいると。進んでいるというか、みんなが議論してくれていると。賛否両論議論してくれているというような中での、まだ具体的なフレームワークになっていませんけれども、トラック2でやらせてもらいました。いずれこれ、政府の人間を入れて、私は今回、正式の参加者ではなくて、そこに一緒にいさせてもらって、発言は適宜やりましたけれども、ある意味で正式な形で政府の参加を得て、それが1.5、それからいずれは政府の協議ということで、トラック1のところまでもっていきたいなというように思います。
参加者の人の中から、いわゆる北朝鮮についてどう考えるのかという話もありましたけれども、私的には、最初はなかなか難しいと思うけれども、できるだけ、これを非常に魅力的な枠組みにすることによって、北朝鮮も、自分もぜひ参加させてほしいと。それだったら、もう少しビヘイビアをうまく整えてよというようなことで、やり取りができれば、非常にいいのかなというように思っています。
【共同通信社 斎藤記者】日朝関係でお伺いをしたいのですが、民間団体で全国清津(チョンジン)会という、日本国内にある団体で、第二次大戦の終戦前後に今の北朝鮮から引き揚げてきた方々で作る団体と、このように聞いておるわけですが、この全国清津会の皆さんが31日、国会内で集会を開くという予定を発表しているわけです。この点についてお伺いしたいのですが、一つがこの清津会の皆さんは、当時北朝鮮にいらっしゃった現地で亡くなられた御家族、親族、御友人の遺骨の返還、収集ということを非常に希望されている、あるいは慰霊、墓参りを非常に希望されていると。そのための政府支援、そして、実現に向けた日朝両国の良好な関係ということを期待されているわけですが、そうして会の皆さんのお気持ちを外務省としてどう受け止められているのか。これまでも陳情があったと聞いております、まず、どういうように気持ちを受け止められているのか。
もう一つは、皆さんの希望に応えられるような形で日朝関係の対話を、このタイミングで進められるのかどうか。もし、進められないとすれば、それはなぜなのかについて御説明いただければと思います。
【山口副大臣】この話が戦後未解決の人道上の問題だということに関しては、誰も異論がないと思います。
いろいろと言われているとおり、戦後の混乱した中でソ連から引き揚げてくる人、その中で家族それぞればらばらになりながら、場合によっては小さい子を置き去りにせざるを得なかった、そういう方がたくさんおられて、3万名くらいですか、よく言われていますけれど。ただ、実態はわかりません。そう言われているということで、これは何とか解決したいなと。ただ、北朝鮮との関係というのは普通の関係ではないわけですから、そういう中で2006年のミサイル発射以降、渡航自粛がおこなわれていると。これは、ある意味で今、北朝鮮と日本との間には国交がないわけですけれども、外交的なものでいったらルートはないにせよ、北京で大使館同士で接触するということはよくあるわけですから、向こうからきちんとそういう発信なりがもう少し欲しいなという気もするのですけれども、我々が勝手に行くわけにはいかないわけですから。そういう意味で家族の方の気持ちはこちらは受け止めているけれど、北朝鮮との話がうまくできるように、これは気持ちとして非常に用心をしながらという気持ちも若干ありますけれど、人道上の問題ですから、我々きちんと時期を見て、できるだけ早い時期にできればいいと思っていますけれども、向こう側と接触するのもいいのかなと。
ただし、やはり向こう側からもそういう発信がなされているように聞きますから、きちんとした形での発信があれば、なおいいなというように思っています。
【共同通信社 斎藤記者】今の点で、きちんとした話し合いができればいいなということですが、この件について日本側の方から何らかのルート、例えば北京の大使館ルートでもいいのですけれども、こちらの方から話を持っていくというお考えは現時点ではありますでしょうか。
【山口副大臣】まだ、向こう側がどういうように思っているかということも全くわかりませんから、家族の方と既に外務省はいろいろ接触していると思いますけれども、まずそれをきちんと把握させてもらいたいなと思っています。
【日本テレビ 菊池記者】本日、日米合同委員会が開かれましたが、本日の段階で地元の方が何かしら納得できるような、何か成果があったのかどうなのか、そこら辺、何か具体的に報告があれば、聞かせてほしいなと思っています。
【山口副大臣】この件に関して、私も非常に自分なりにフラストレーションを感じているところが多いのですけれども、やはり、国内の世論というものが、安全に対して、非常に心配しているというところが、まずひとつあると思います。理屈では、安全が確認されるまでは飛行しないというところで日米合意があると。理屈ではこうですよね。気持ちの上では、そうとはわかっていても、陸揚げされると、見えるだけでも心配だというところがあると思うのです。
本日の日米合同委員会では、じゃあどうするというところまでの結論があったとは聞いてません。だけど、これをどういうふうにするのか、私なりにいろいろと中で提案もしているのですけれども、やはり安全が確認されると。では、その安全はどう確認するのかということも含めて、あるいは将来の安全確認、もしされた後にどう運用するかということも含めて、議論することは非常に多いと思いますから、今は、最初の安全が確認されるまでの間という時期に当たるわけなので、その間、この12機なりのオスプレイをどういうふうにするのか、我々はとにかく置いたままという格好に今なっているわけですけれども、何か別の対応があり得るのかどうかも含めて、いろいろ検討しているところです。ただし、合同委員会では、それについての具体的な結論が得られたわけではないというように承知しています。
【山根副大臣】明日の24日(火曜日)午後2時より、外務省及び文部科学省の共催で、「大学とODA-援助の担い手の拡大に向けた新たなフロンティア-」と題するシンポジウムを外務省新庁舎7階の講堂で開催をいたしまして、私も冒頭出席をさせていただきます。
玄葉大臣が、本年2月の政策演説におきまして、今日のグローバルな課題を解決していくためには、我が国のあらゆる分野、様々な担い手の力の結集が不可欠であるとして、国内の様々な担い手が連帯して国際協力に貢献する「フルキャスト・ディプロマシー」を提唱いたしましたが、知の集合体、地域の知的ネットワークの中心である大学には、国際協力、中でもODA事業の重要な一翼を担って頂くことを期待しています。
本シンポジウムでは、大学によるODA事業への参画を質・量ともに拡大していく目的で、大学がODA事業に参加する方法や大学にとってのメリットに関する情報を提供いたします。また、既に行われているベストプラクティスについての情報共有も図る予定でございます。
同シンポジウムを通じて、より多くの大学がODA事業に関心を持ち、国際協力やODAの重要な一翼を担って頂くことを期待いたしているところであります。
【毎日新聞 横田記者】オスプレイにつきまして、本日、地元が反対する中で岩国基地に搬入されました。その受け止めをひとつお伺いしたかったのと、外務省として日米合同委員会で、安全運航について協議するということを米国側と調整していらっしゃると思いますけれども、スケジュール感として事故調査結果がでる前の開催ということもあり得るのか、その辺をお願いします。
【山根副大臣】午前中に荷揚げ作業が終わっているのかというように思っておりますが、いずれにいたしましても、陸揚げの後も調査結果が日本政府に提供されて、飛行運用の安全性が再確認されるまでの間、日本においていかなるMV-22の飛行運用も行わないということにしているところでございます。
また、日米の合同委員会についてでありますけれども、オスプレイの安全性等について地元に懸念が広がっているということについては、重く受け止めさせていただいているところでございますが、その懸念を払拭するために今後具体的に何ができるのか、さまざまな検討を行わせていただいております。その一環として、米国に日米合同委員会の開催というものを、申し入れをさせていただいているというところでございます。まだ、具体的な日程等については確認がされておりません。
【毎日新聞 横田記者】飛行の安全管理ということを日米で決めて、それを踏まえてオスプレイを運用するということであれば、当然ながら普天間の搬入前に日米合同委員会で何らかの結論を得なければならないと思いますけれども、そういうスケジュール感で動いているという認識でよろしいでしょうか。
【山根副大臣】当然、日本国民の思いというものもしっかりと米国にも更に強く認識していただけるように伝える必要があるかと思いますし、そういう思いも込めて、この日米合同委員会の開催というものの要求を申し入れしているわけでありますから、今のお尋ねのような思いを持っているということでございます。
【毎日新聞 横田記者】一部の報道で、丹羽中国大使を国会閉会後に交代させるというような報道がでておりますけれども、事実関係の確認をお願いします。
【山根副大臣】そういった、具体的には事実というものはございません。
【毎日新聞 西田記者】普天間飛行場に配備予定のオスプレイが、23日に岩国基地に搬入されるというぎりぎりの状況ですけれども、前原政調会長や国民新党の下地幹事長などが連日、配備計画を見直すべきだというような主張をされています。こういった政府与党の足並みの乱れが米国大使館側もちょっと困惑しているようなことのようですが、こうした足並みの乱れをどう受け止めておられるかということと、もう1つ、配備計画の見直し等、その辺を米国側に要請することは制度上、なかなか難しいと思いますけれども、そういったことができるのかどうかお願いします。
【山口副大臣】まず、安全が第一だから、今進んでいるのは安全の確認のための政府のチームをつくって、その中には航空の専門家も国土交通省から入ってもらってというところだと思います。安全確認されるまで飛行はないというところまでは日米で合意できているわけですから、そこは、まず第一だと思います。これはきちんとした確認の仕方をしようとしていますから、おざなりとか、あるいは米国側から結論をそのまま受け取るとかそういうことにはなりません。そういう意味では、きちんとした安全の確認をした上でということだと思います。もしもそこで安全確認されなければ、それはちょっと話が次に移っていくと思いますけれども、その際に配備計画の変更云々とかいうのは、まだ今の段階では私がコメントすべきではないのかなと思います。
よく私、吉田茂の話をしますけれども、吉田茂が米国側から、いわゆるサンフランシスコ平和条約、これをダレスが上院で批准しているときに、ユニファイド・コマンドと言ってきて、それを蹴ったわけです。要するに、米国が日米の両方を指揮するというやつ、今から思ったら本当によく蹴ったなと思うけれども、米国がもしもそれを受け取らないのだったら、サンフランシスコ平和条約を批准しないよと、日本はまた占領国に戻ったらと、そこまで言ってきたわけで、でもそれを吉田茂はしっかり蹴り通したわけです。
そういう意味では、安全が第一であるとすれば、米国側に対して、やはり、相当きちんと話をしなければいけないなと。その中で安全確認ということが、今、話ができたわけですから、この安全確認というラインに沿って、これからも話を続けていくのだと思います
【産経新聞 杉本記者】先日、丹羽中国大使が一時帰国されましたけれども、これについて、まず自民党側から大使がいろいろと問題のある発言をしたのであるから、国会審議で参考人招致に応ずるべきだというように言っておりますが、これに応じなかった理由は何かということと、発言等々で更迭論がいろいろ出ておりますけれども、政府の方針と違う発言を外国メディアにしたにもかかわらず、現段階でも更迭しない理由というのをお聞きかせいただいてもよろしいでしょうか。
【山口副大臣】丹羽大使が、日本の尖閣問題についての立場をよく知っているというところは全く我々も疑いを持っていません。
その中で、これを平穏かつ安定的に維持・管理というのをどういうように確保していくかということが我々の一つのポイントだと思うのです。丹羽大使もそれにのっとって丹羽大使なりの反応をされたのだと思いますけれども、政府の基本的な方針は、尖閣の平穏かつ安定的な維持・管理。それについて丹羽大使と政府との間に齟齬は全くありません。ということで、参考人招致の話とか、あるいはこの更迭という話は、また私たちは別の次元から考えさせてもらいたいなと思っています。
【共同通信社 斎藤記者】今の尖閣の関係ですが、東京都の上陸申請の件で、これまでも官房長官も玄葉外務大臣も、今、副大臣がひかれた平穏かつ安定的な維持・管理という観点から内閣で総合的に判断したいと述べられているわけですが、総合的に判断するのはいつの時点になるのかと、一定程度期間をおいて熟慮して決めるのか、それとも申請があればすぐに政府としての判断を下すのか、この辺の見通しについて副大臣の所見をお伺いしたいと思います。
【山口副大臣】私が内閣を全部代表して言える立場ではないから、今、その話を端的にピンポイントでお答えするのは難しいのですけれども、基本的にまだ東京都から上陸申請の話があるということでもないので、そういう意味で今すぐですとか、あるいは時間をおいてからやりますというのは言いにくいのですけれども、今、斎藤さんがおっしゃっていただいたようなラインで我々統一して答えているので、内閣で総合的に判断していくと、その際の判断基準は平穏かつ安定的な維持・管理ですというところまでしか、本日、すみません、私は応えることができなくて。
【山口副大臣】私の方はさらに暑い国にこの月曜日から(7月)10日火曜日の会議に出席するために、9日の夜中に出て飛行機の中で、それで朝着いて、10日にカンボジアに着いて、プノンペンでASEAN+3と日・メコンの外相会議に出てきました。10日にはもうすぐ発って昨日の朝にはこっちに着いていたので、0泊三日みたいな格好で大変だったですけど。
私もASEAN知っているつもりだったけれども、いろいろ、いわゆる事務的に、例えば日・メコンについてはアクションプランとか、かなり詳しくすり合わせをしてもらっていたということも改めて確認して。それを、カンボジアが今回のASEANの議長ですから、日・メコンの外相会議では、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、こういう国とやりました。カンボジアと私で共同議長という格好でやらせてもらいました。
それに先だって、ASEAN+3、向こうでAPT、APTと言うから、最初何かなと思ったら、ASEAN・PULS・THREEの略でした。ASEAN+日中韓、これが15周年を迎えるというところで、非常に意味を持っているというようなこともありました。私もそういうところに行ったのは、正直、初めてだったのですけれども、日中韓、今回、世話役は中国だったから、最初にカンボジアの副首相が発言されて、すぐ中国、それから順番で韓国、それから私という格好でしたけれども、全員、英語でやったので、私も意地でもヘッドホンを持たずに英語で全部やったのですけれども、非常に有意義な会合でした。むしろ日中韓の出席を大事にして、それとASEAN側との意見交換という形でした。
話題的にはいろいろありますけれども、もちろん金融協力、食料安全保障、そういうところを話をしました。この金融協力については、チェンマイ・イニシアティブの話とか、例のいざというときのために枠をぽんと倍増したとか、そんな話がありました。それから、食料安全保障ではASEAN+3で緊急米備蓄(emergency rice reserve)というのを、ASEAN+3のemergency rice reserveということで、APTERRと呼んでいるらしいですけれども、この協定が本日、発効しているはずです。そういうことも話題になりました。
それから、例の東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Eeconomic Partnership)、その作業部会、貿易、サービス、投資、それぞれについて、いつごろワーキンググループができるとか、いろいろな話もありますから、その辺についても位置づけ、これは全体で我々が例のFree Trade Area of Asia-Pacific、FTAAP、これを我々、アジア太平洋で目指しているわけですけれど、この道のりがいくつかある中で、我々、日中韓というものを年内に合意しましたし、それからRCEP、アールセプと呼んだりしているかもしれません。ASEAN+3なり、+6なり、こういう枠組みがこれから実態を持ってきている。あるいは、TPPというものもそのうちの一つでしょう。そういうことで全体の、いろいろな経路を辿って、今、FTAAPというところに向かっているという発言もさせてもらいました。
その後、日・メコン外相会議ということで、先ほど申し上げた行動計画を中心に話をさせてもらいました。日本とメコンで会議をやって、その後すぐ韓国とメコンもそれぞれの国とも同じように会合をしているみたいなので、メコン地域としたら、このASEANの中で、やはり発展について、少し遅れているのかなという気持ちがあるのかもしれません。それをどうやって取り戻すかというので、日本と協議をやったり、韓国と協議をやったりしているという図柄だと思います。
その中で、我々が、いわゆるコネクティビティ、どういうように道とか、あるいは通信のことも入るのでしょう。連結性の強化、あるいは貿易投資の拡大、あるいはもちろん人間の安全保障とか環境ということで、国境を越えたいろいろな協力の可能性、そういうものをいろいろと議論をさせてもらいました。
こういうことが進むにつれて、あとでいろいろと発言があった中でプライベート・セクターからのいろいろな協力もほしいなということを言っていましたので、それが彼らの正直な気持ちだと思います。我々としてはインフラストラクチャーをできるだけ整えていければと思っています。
その中で、地域情勢についていくつか話がありましたけれども、南シナ海の話、それから朝鮮半島の話、あるいは国連改革の話。私が印象的だったのは、南シナ海とかいろいろと報道もされていると思いますけれども、国連の改革、要するに安全保障理事会、安保理をどういうように拡大をして、特に日本がどういう役割をするのがいいかということについて、メコンの国々、私が思う限り、全員、日本が安保理の常任理事国になることに我々は支持しますと、ぱしんと言ったから、そういうものなのかなと、非常にありがたいなというように私は受け取らせてもらいました。南シナ海については、まだ引き続き議論をされていると思います。
【北海道新聞 安藤記者】北方領土に関して少し伺いたいと思います。択捉島で来週から予定していた元島民の墓参ですが、ロシア側からの申入れで日程を調整したいということで事実上延期という形になったのですけれども、その受け止めを伺いたいのと、ロシア側からはどういう理由をお聞きになっているか。丁度メドヴェージェフさんが国後に行くような行動もとられている中なので、政治的な背景があるのではないかという声もあるのですが、その辺はどういうようにお聞きになっているでしょうか。
【山口副大臣】ロシア側から日程変更の要請があったというように我々は受け止めているのです。詳しいことはわかりません。わかりませんけれども、ここは単純に日程変更の話だなというように、平静を装っています。
【北海道新聞 安藤記者】お盆前の墓参なので元島民の方は行きたいという思いを非常に強く持っていらっしゃったのですが、調整となるとどちらにしても後の日程になると思うのですけれども、その日程調整はいつ頃を目途にどういう形でというようにお考えでしょうか。
【山口副大臣】こういう具体的なことを通じて日本とロシアの間の信頼が醸成される、あるいは協力の可能性がいろいろ議論されると。ロシアの方でも、プーチンさんがこの間の野田総理との間での話の中で経済協力の話というのはたくさんされたわけですから、経済協力の話というのは政経不可分ということで、領土問題の話が一体となって議論されなければ進みません。だからそういう意味で、日程変更の要請ということでロシア側にはロシア側の事情があるのでしょう。だけれどもお互いの関係が更に増進されることになるように、ロシア側にもいろいろと気を遣ってほしいと思います。
【共同通信社 斎藤記者】日米韓外相会談に絡めて、バックグラウンドをお伺いしたのですけれども、現状で今、日本政府として、この北朝鮮の核問題にどのように取り組むべきだと考えているのか。基本的なこと、つまり非核化に向けた具体的な行動を求めると言いますけれども、実際にどの程度のことを求め、そして、何をクリアすれば話し合い、例えば六者協議の舞台に戻って話し合いできるのかどうかと。現状での基本的な立場について説明いただきたいと思います。
【山口副大臣】一番クリアなシンプルな答えは、六者協議にまず戻ってくださいというところだと思います。その前提としてはいろいろとあるでしょう。それは例えば具体的なアクションも欲しいと。それはいろいろ今まで六者協議とかやってきたことですよね。
この間、ミサイルを4月13日に打ち上げたと。これはたまたまかどうか失敗したわけだから、私的には核実験の話がこれまで二度あったけれど、今回ひょっとして核実験がもしも行われないのであれば、それは一つの北朝鮮としてのメッセージの出し方かもしれないという気はしています。だったらその後で、我々はどのように、この北東アジアの平和と安定、更には繁栄というものを持っていくかというところのきっかけとしては六者協議というところだと思います。
他方、我々は日米韓でいろいろと連携をとっていますけれども、もう一つは中国という存在、この日米韓という大きな枠組みと共に我々は中国ともいろいろと話をしながらやっている。この間の5月12日、13日の日中韓のサミットの時でも、この北朝鮮を含む朝鮮半島のことで、いわゆる共同宣言みたいなところが書き方いろいろと我々意見がまとまらなかったわけですけれど、ただし、日中韓がいろいろと協力して、北朝鮮による更なる挑発行為というものを何とか防いでいこうというところでは一致していますから、それに対してどういう道筋がそれに結びつくのだろうということで、我々日本とか韓国はどちらかというときちんとピシッとやった方がいいのではないかと。中国はあまりそれをやりすぎるとかえってよくないのではないかという根本的な発想の少し色の違いはあるかもしれません。ただし、結論的にはそれは望ましくないなと、更なる挑発行為というのは望ましくないなというところでは、はっきりしたメッセージを中国も北朝鮮に出しているようですから、それは変わらないと思うのです。
具体的にどういうものが次の第一歩かというと、やはり六者協議が実現できるように、北朝鮮の方でもその話に乗ってくださいというところではないでしょうか。
【共同通信社 斎藤記者】そうしますと確認ですけれども、いろいろ北朝鮮は、この前ミサイルの発射もあったと。それから三度目の核実験の情報もいろいろと取沙汰されたと。そうした中で、日本としては六者協議には、そうした状況であっても無条件で戻っていいと。北朝鮮もそこに入ってくるのであれば、現在の懸案問題が解決しなくても、北京の六者協議の席上で北朝鮮と話し合う用意はあるという認識でいいのかどうかと。
【山口副大臣】斎藤さんがいろいろな懸案条件と言う場合には、どういうことをイメージされているのですか。
【共同通信社 斎藤記者】つまり現状で、要するに非核化に向けたコミットというのを北朝鮮はしていないわけです。そうした中で、しかもミサイルも打ち上げたと。この問題は今、宙ぶらりんになっているわけです。更に三度目の核実験の可能性も指摘されたという状況の中で、何もクリアしない状況の中で日本と北朝鮮が北京の六者協議の席上で一緒に座って話ができるのかどうかと、それはそれでOKなのかどうかという点の確認です。
【山口副大臣】対話のない外交というのはありません。米国も北朝鮮ときちんと対話は続けています。対話ができなくなったら、後は次の手段に移らなければいけないわけですから、日本としては外交でできるだけ北朝鮮に我々の懸念を共有してもらいたいし、それから場合によっては、それに向けての具体的な行動をきちんとやってほしいということだと思います。
六者協議についたから北朝鮮の行動がすべて許されるわけではありません。それは皆、いろいろな気持ちを持ちながら、でも話をしなければ始まらないでしょうというところだと思います。
日本としたら、ミサイルの発射というのは国連の決議、いろいろなものに違反しているわけですから、だから、そういう意味では、そこは変わらないですね。だけれども、話をしないということはあり得ないですから、そこは気持ちも伝えながら、だけど、最終的な解決に向けてやっていきたいと。日本は、特に拉致問題もありますから、2008年の8月には例の再調査に合意、金正日さんの時代にしていたわけですね。それが自民党時代ですけれども、総理が急に代わった9月に北朝鮮の方から、どちらかというと一方的に例の再調査の話はなしにしましょうと言ってきた。そこから途切れているわけです。だから、いろいろな道筋はあると思いますけれども、拉致問題については再調査の合意というのが一つの大きなポイントだと思っています。
今の金正恩さんが当時北朝鮮にいたのかどうか、少なくともまだ幼少だったでしょうから、ある意味でお父さんがいろいろされたことについて、したことについてどこまで知っていたのか、それはわかりません。だけど、それをはっきりさせるための一つの手段は再調査の合意ではないのかなというように思っています。だから、そういうものもいろいろと進めながら、最終的には小泉総理の2002年の平壌宣言、これが一つの基本になるのかなと。政権交代がありましたけれども、我々はそれを引き継いでやっているつもりです。
【NHK 池川記者】民主党のPTで米国との事前協議、特に自動車問題を念頭に具体的な事前協議の中で譲歩しないように求める決議がまとまって、近く政府に提出される見通しになっているわけですけれども、これが今後、米国政府との事前協議に与える影響、足かせになったりしないのかとか、具体的に影響等何かあるのかないのか、副大臣のお考えをお聞かせください。
【山口副大臣】現実に党の方でいろいろと議論していただいていることを我々もきっちり踏まえながら進めてきているし、進めていくつもりです。自動車については、米国の方でこれは条件というよりも私的にはmumbling、独り言を言っているようにしか聞こえないけれども、いろいろなことを言っています。韓国との例を引いてみたり、いろいろしています。その中で、韓国との例ということでいったら、報道に出ていると思いますけれども、韓国との関係での米韓FTAでは米国の安全基準をパスしたものは韓国でも1メーカー当たり25000台という枠の中で認めて欲しいと。それを例に取っている場合もあると思いますけれども、それは我々の感覚では受け入れられないわけです。
そういう意味では、これは国と国との交渉の話ですから、全部日本の言うとおりにやってくれ、あるいは米国の言うとおりにしろということはないわけなので、どこかで折り合いを見つけていく話ではあるのですけれども、そういう安全基準を米国でパスしたものを日本で無条件に認めろというのは、さすがに難しいでしょうと。日本は日本なので、米国の51番目の州ではないわけですから、米国で決めたものと日本で決めるものというのは自ずと違いはあるのでしょう。ですから、将来的にそういうものがコーディネーションされるというか、統一されるということはあり得るかもしれないけれど、今の時点で米国の基準が日本の基準だと言われてもつらいものがあるな、受け入れられないのではないのというところは、はっきりしていると思います。それは、いろいろな機会に米国側にも伝えているところです。
ここで何度も言わしてもらっていますが、なかなか私の真意というものが閣僚の皆にも共有されていない面があるかもしれないけれども、去年のAPECのハワイに野田総理が行かれる時に、党の方でもいろいろ議論してもらっていて、結局、交渉参加ということの後に向けての「関係国協議」という言葉が入ったわけですよね。そのことが原因になって、いろいろな見解の違いが出ているのでしょうけど、交渉参加ということを我々が言っても9ヶ国が、当時は9ヶ国ですね、今はメキシコとカナダが加わるかもしれないけれど、OKしなければ、交渉参加しますと我々がいくら言っても向こうがOKしなければ、その交渉参加は成り立たないので、したがって、それに向けての関係国協議かなと私は取ったのです。ただ、反対の気持ちの方は交渉参加の前にもう一回意思表示するのだなと取られたように思いますけれども、それは現実とは正直違います。
ただ、国会答弁でいろいろ、総理も含めてされる中で、やはり国民的議論を踏まえということで、私も神戸に行ったり、副大臣が札幌に行ったりどこ行ったりして、だいぶ例のフォーラム的なこともやったのですけれど、そういうことも踏まえ、国民的議論も喚起しながら、我々も広報させてもらいながら、どこかでもう一回はっきり言うというところに、今、国会答弁とかいろいろなことを総合するとなっているかもしれません。
それは、私的には最初こう言っていたのです。それは9ヶ国が、今は6ヶ国がOKになっているのですけれども、あとの3ヶ国、米、豪、ニュージーランドが交渉参加にどうぞとOKになった時点で、それはもう一回、総理としてきちんと談話なり、意思表明をされると。そういう時には、どんとやっていくよりも慎重に交渉を進めさせますという趣旨のことを言ってもらう方が良いなと私は思っていましたから、そういうことが改めてのことだろうと思ったのですけれども、最近は交渉参加に向けて決断するのだということにどうもなっているから、それは正直言って、去年の11月に決めた話とは少し違っているなという気持ちがします。
だから、最近、よく報道でもう一回そういうことをやるのだと出ていますけれども、そういう話は一切ありません。今そういうことをやる状況ではないです。まずは定数削減、場合によっては景気刺激策、経済振興策ということを議論した上で、消費税の一体改革の採決を参議院で行うと。これが全てですから、これに加えてTPP、あるいは集団的自衛権、集団的自衛権の話も全体の中で出てきているけど、今、我々がいかにもこれもやるぞあれもやるぞということではありません。というのが実態です。
【NHK 池川記者】今後の政府部内の論議のスケジュール等見えているものがありましたら、あわせて教えてください。
【山口副大臣】それは、特に3ヶ国残っている中で、米国が大統領選挙を抱えているということで、特に9月以降は大統領選挙が熱を帯びると思いますから、そういう意味では夏休み前の今月中に進められるものは進めておきたいというのが、我々の本音ではあります。
他方、向こうで一番引っかかっているのは自動車だとは思いますけれども、ここで申し上げたことはあるかもしれませんけれども、自動車業界が理屈というよりもemotionalyにcharged、感情的になって、トヨタとかダットサンとか言ったら、それだけでアウトというぐらいのことのようですから、それはどこまで話をできるか分かりませんけれども、しかし、米国全体、あるいはアジア太平洋全体、あるいは日本全体を見てみれば、やはり大きな市場になるほど繁栄も大きくなるということは言えると思いますから、そこは一方的に日本がマイナスにならないように、プラスもあればマイナスもあるけれど全体としてプラスになるようにという趣旨でいろいろやっていきたいと思うので、自動車業界の人についても、オバマ大統領から全体のことをやっていこうよというリーダーシップを発揮していただきたいなという気持ちはありますけど、大統領選挙を抱えておられて、自動車業界全部を敵に回して大統領選をするのは少ししんどいだろうなという気持ちも分かります。
日本政府として、これをやったら進むだろうということは必ずしも見えていないので、米国の自動車業界とどういうように、我々が直接話をすることはないでしょうから、何か意思疎通ができればいいなとは思っています。具体的には、自動車業界についてどういうようにするかということは我々はまだ具体的には持っていません。
【山根副大臣】私は、AU(アフリカ連合)閣僚執行理事会及びギリシャ政府との協議等のために、11日(水曜日)から15日(日曜日)までエチオピア及びギリシャを訪問することとなりました。
エチオピアでは、第21回AU閣僚執行理事会に我が国代表として出席をいたしまして、明年6月1日から3日、横浜にて開催予定のTICADⅤに関する各国の協力と首脳の参加を呼びかけてまいります。また、日本とアフリカ諸国との協力関係を強化するために、多くのアフリカ各国外相と会談を行います。
ギリシャにおいては、アブラモプロス外務大臣、クルクラス外務副大臣及びストゥルナラス財務大臣と、二国間関係、日EU・EPA等の日EU関係及び欧州債務危機等について意見交換を行ってくる予定でございます。
【朝日新聞 東岡記者】10日(火曜日)からASEAN外相会合に山口副大臣が出席されるという発表が先週ありました。本来でしたら、玄葉外務大臣ご本人が出席をしてASEAN+3や日メコン外相会合に出席をすべきところですが、国会審議の都合上、やむを得ず山口副大臣が出席されるということです。こうした対応について、ASEAN諸国からは、日本がASEANを軽視しているのではないかといった声も出ているようです。一方で、国会審議の都合上、出られないという事情もあろうかと思いますが、こうした対応について副大臣はどのようにお考えでしょうか。
【山根副大臣】政府としては、ぜひ直接玄葉大臣が行っていろいろな意見交換、バイ会談も含めてしてきたいという強い思いを持っていたところでございます。しかしながら、ご承知のような国会の状況がございますので、やはりこの選択については、政府が国会か外交かという選択を事実上するということ以前に、やはり国対の中で与野党協議の中で決まった結論に従っていくということはやむなしというところがあろうかと思います。各国いろいろな、このASEANだけの問題ではなくて、国会開会中に国際会議があった場合、外務大臣の足が結果として止められるということについては、実は私たちも与党という立場でありますけれども、野党の時代等もございました。そういうことでは、今後、自民党も民主党も、与党も野党も経験しましたので国益というようなものをお互いに考えて、議論して、意見統一をして国益ということを鑑みてどうなのだろうというのを今後議論するという機会もあればなという期待を、私としては持っているところであります。
【朝日新聞 東岡記者】副大臣がおっしゃった点で、少し確認をしたいのですけれども、民主党としても野党時代に、自民党政権が海外に閣僚を派遣したいといった場合に足を止めてしまったという反省点があるということでしょうか。
【山根副大臣】私自身、国対の責任者を行ったわけではありません。ですから、いろいろな細かしい国対のやり取りの中で、決められたことについて逐一コメントするということではなくて、全体の中で、そういった場面もあったかなというように私自身は認識をいたしております。
【共同通信社 池田記者】昨日開かれましたアフガニスタンに関する東京会合で、副大臣も大臣に代わられて議長役代行みたいなことをされていましたけれども、この間準備にも携われてこられたかと思うのですけれども、昨日東京宣言が採択される等の結論となりましたけれども、この評価と今後残された課題、注目されているところの御所感を伺えればと思います。
【山根副大臣】本日も外国の要人の方ともお目にかかっていろいろなお話、意見交換をさせていただきましたけれども、非常に今回の東京会合については高く評価していただいているということがよくわかりました。
私たちとしても、主催国、議長国としてもアフガニスタンと一緒に今回の成果については十分に満足のいくものだったというように思っております。
東京宣言、ぎりぎりのまとめの段階の中では、さまざまな議論があったということでございますけれども、一つには女性の地位向上についての文言というものが加えられたということ、そして、また日本政府の方としては、特に文化や教育という問題についてもこれを文言に入れるというところも、一つ苦労、汗をかいたところでございますけれども、この文言も入れられたということでございます。
ともすると、治安ということに重点を置いた国造りということは当面、致し方ないところもあるわけではありますけれども、そこに議論が終始しがちだったところを、将来の国造りの展望・未来というようなことを踏まえた時に文化であるとか教育という文言を入れられたということは、非常に今後に大きな意味のあることだったろうというように、自ら評価を私としてはしているところであります。
【毎日新聞 横田記者】日本として、概ね5年間でこれから30億ドル出しますということを表明されましたけれども、これは2009年にコミットした50億ドルの内数として消化しない分を出すという判断をされたと思いますが、日本政府としては、財政が厳しい中での増額は難しいという判断も一つあったということでよろしいでしょうか。
【山根副大臣】ぎりぎりのところで日本政府としては、支援の額ということを数字として出させていただいたということでございます。
各国政府の皆さんにもご協力をいただいて、160億ドルという非常に大きな数字を挙げさせていただけたことについては、非常に良かったなということで安堵しているところでございます。
【山口副大臣】私は、昨日、7月4日(水)の米国の独立記念日で、乾杯の音頭をしてくれということでやらせてもらいました。あれを見ていると、海兵隊の人がしっかり儀式に関わってやっているのを見て、大使の方からトモダチ支援の話、あるいは日米の絆の話、いろいろ受けて、新渡戸稲造さんが、私の米国の研修先のジョンズ・ホプキンスというところの先輩でもありますけれども、「我、太平洋の架け橋とならん」という言葉を残しています。英語で言ったら、「It is my wish to serve as a bridge cross the Pacific」、そうことを引用させてもらいながら話したのですが、やっぱり日本と米国というのは、ものすごい特別な関係だなということを改めて感じた次第です。いろいろ懸案も世界経済とか、いろいろある中で昨日はそういうことを感じました。
【北海道新聞 髙橋記者】日露の首脳会談、6月にメキシコでやったものですけれども、午前中の官房長官の会見で「再活性化」という言葉が実際には使われていないということが明らかにされましたけれども、副大臣、たしか首脳会談、一緒に行っているはずですけれども、実際、「再活性化」という言葉が適切だったかどうかという受け止めをお聞かせください。
【北海道新聞 髙橋記者】日露の首脳会談、6月にメキシコでやったものですけれども、午前中の官房長官の会見で「再活性化」という言葉が実際には使われていないということが明らかにされましたけれども、副大臣、たしか首脳会談、一緒に行っているはずですけれども、実際、「再活性化」という言葉が適切だったかどうかという受け止めをお聞かせください。
【山口副大臣】私もロシア語ができないから、ロシア語で「再活性化」に当たる言葉を言ったかどうか、それはわかりません。通訳の人がそういう言葉を言ったかどうか、正直なところちょっと記憶がありません。しかし私のメモにはありません。ちなみに、だけど「再活性化」ということよりも、もっともっと深く和やかに会話をされたというのが私の認識です。むしろ、「再活性化」という言葉にまとめちゃったのかなというのが、私の認識です。だから、プーチンさんのほうも、この間も少しお話しましたけれども、柔道だけではなくて、もっと深いレベルで関わっていきたいということを話されているぐらいですから、むしろ、私的には、ただ単に「再活性化」という言葉で、これは事務的にまとめたのだと思いますけれども、実態はもっと深かったというのが私の認識です。
いろいろ今まで、日ソ共同宣言とか、田中・ブレジネフとか、いろいろな経緯をずっと振り返っていただいたら、そこでの深いやりとりというのは、申し訳ない、紹介しにくいですけれども、それをずっと振り返っても、決しておかしなものを「再活性化」という言葉で膨らましたのじゃないかというのは、むしろ逆ですね。もっと実態的には和やかな雰囲気であったなというのが私の思うところです。ただ、メドヴェージェフさんが行って、どうしてなのかなというのは、それは私にもわかりません。どういう連絡を取っているのか取っていないのか、わかりません。そこら辺を考えると、あの会談のことだけで言わせていただくと、むしろ「再活性化」という言葉というのが、事務的にはそういうことでまとめたんでしょうけれども、実際にはもっとそれより深かったというところです。
【フリーランス 安積氏】メドヴェージェフ首相の国後の上陸についてですけれども、上陸以外に、やはり当地での発言が非常に日本政府ないしは日本国民をばかにしているような発言があったというように報道がありました。これについてはどのようにお考えでしょうか。
【副大臣】外交ですから、あまり感情的にならずにきちんとやらなければいけないでしょう。我々の目的というのは、日本の領土ですから、それをどのようにこの問題を解決していくか。それは、ロシアも昔はその問題すらないというところを、それは未解決の問題もあるということで認めているというのが今の状態だと思っています。そういう意味では、メドヴェーフェフさんが大統領のときというのはもうほどんど解決不可能かなと思った方々も多いと思うのですけれども、プーチンさんになって「引き分け」という言葉が出てきたり、ただ、引き分けの意味というのは、まだ我々わかりません。だけれども、少なくとも未解決の問題があるという認識に立っているなということはわかるので、そういう意味ではメドヴェージェフさんとプーチンさんとの距離がひょっとしたらあるかもしれない。我々は別にばかにされたとかいう気持ちは、また、少し深いこの次元とは異なるのかなと思っています。
【東京新聞 五味記者】「再活性化」の単語にあまりこだわるのも何かと思うのですが、 一部の報道ですと、外務省が用意した応答要領の中にこの言葉があったという報道があります。これが正しいとすると、事務方での事前の折衝では、この部分について合意ができていたとも受け取れるのですが、この点についてはいかがでしょうか。
【山口副大臣】ロシア側と「再活性化」という言葉でいいかと。
【東京新聞 五味記者】ただ、現実の首脳会談では出なかったと。
【山口副大臣】現実の首脳会談で事務方の言ったとおりに議論するかというのは、全然違う話だから、私はどのように事前の打ち合わせをしたかというのはよくわかりません。五味さんの言われるとおり、普通は首脳会談をやるときには、いろいろな事前の打ち合わせをやりますから、その中にそういうのがあったのかどうか、それは私にはわからないし、あるいは言うべきでないと思うから、そこはちょっとそのままにさせておいてください。
実際に事務方の作業を考えてみたら、そういう言葉をどこかで使って、その場合、自分がまとめるときにもそれを使ったんだろうなと、私は勝手に想像しますけれども、先ほど申し上げたように、「再活性化」という言葉以上に首脳のやり取りは深かったというのが実態だと思います。
【北海道新聞 髙橋】本日、自民党がメドヴェージェフさんの国後訪問に対して、政府としても厳しく対応するようにという申し入れがあったかと思いますけれども、実際に、これから新たに何らかの対応とか、対抗措置をとる考えというのはありますでしょうか。
【山口副大臣】きちんといろいろなものに対しては対応しなければいけないというのは、全くそのとおりだし、佐々江次官が(駐日ロシア)大使を呼んで、いろいろときちんと申し入れを行っているということを始めとして、玄葉大臣も事前に少し意見交換を大使としたようです。だから、いろいろな形で我々は予防しようとし、あるいは起こったことに対して申し入れをし、究極の目的は文句を言ったということが目的ではなくて、そういうことをきちんとやりながら、領土を解決するというのが究極の目的ですから、それに対して、我々は言うべきことは言うというのはもちろんです。そのことが最終的な解決につながるように、気を配ってやっていきたいというように思っています。
【フリーランス 安積氏】先ほど、メドヴェージェフ氏とプーチン氏の両者の関係がわからないというようにおっしゃっいましたけれども、前回、2010年のときは、たしか河野大使を召喚されて、ロシアに対しての意思表示と事情を聞くというようなことをされていました。この両者の関係ということとか、国内的な政治的事情とか、そういったところを聞くために大使の召還というのはお考えになっていますか。
【山口副大臣】大使は別にモスクワにいたままでも、我々はきちんと情報を取れます。今のITの時代ですから、大使が目の前にいなければわからないということでは全くありません。そういう意味では、この状態で何をするのが一番いいのかは、これからきちんと検討していきたいと思っています。
【NHK 吉岡記者】メドヴェージェフ首相が、もしかしたら北方領土を訪問するかもしれないという話がある中で、日本側としてはどういうレベルで、ロシア側に対してどのような働きかけを行っていたのか、差し支えない範囲で教えていただければと思います。
【山口副大臣】詳細は、ちょっと申し訳ないけれどもそこは触れない方がいいと思いますけれども、玄葉大臣が大使に対して、よくいろいろなところで接触しているわけですけれども、そういう会話もさせていただいたということです。
【産経新聞 杉本記者】副大臣の話ですと、再活性化という言葉よりももっと深い話が首脳間で行われたということですけれども、それでその具体的に深い話というのはどういうような言葉でどういうようなやり取りが行われたかというのを、差し支えない範囲で教えていただきたいと思います。
【山口副大臣】杉本さんにしてみたら一番そこが胆なのだと思いますけれども、これもどうしても具体的なやり取りになってしまいますから、そこは申し上げにくいところなのです。
ただ、「はじめ」ということに対して合意というやり取りよりもかなりきちんと具体的に話されているというところはあります。ただ、具体的にといってもどこをどうとかいう話ではありません。
【共同通信社 斎藤記者】改めてお伺いします。今、副大臣がおっしゃられた日露の首脳会談でもっと深い話ができたというその側面と、それからメドヴェージェフ氏がインタファクス通信の報じたところでは、日本側が今回の国後島訪問について遺憾の意を表明したことについて「全く関心がない」とか「どうでもいいことだ」と訳されて、日本で報道されたことは御存じだと思うのですが、その側面と、もう一度言いますが、日露首脳会談でもっと深い話ができたという側面と、それからメドヴェージェフさんが全く関心がないとか、どうでもいいと訳されるような発言をしたという側面と、これはどう考えてもこれは整合性はとれない、矛盾していると思うのですけれども、副大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
【山口副大臣】もっと深い話という趣旨は、私は和やかな雰囲気ということも含めてもっと深い話ができたと。別に具体的に、例えば国後をどうする択捉をどうする、歯舞、色丹、そういうことではありません。
先ほど申し上げたように、引き分けというのはどういうことかというのは、一切入っていません、だから、そういう意味では深い話というのは具体的にそういうことということではありません。むしろ、再活性化という言葉で済まされるよりも、もう少し和やかな雰囲気の中で、これからお互いにこの問題も議論していこうということがきちんと話されたということが私が深いというように言っている意味です。
それからメドヴェージェフさんの言葉、私はロシア語が分かりませんから、具体的にどう言ったかはわかりません。日本語で伝わっていることが正確かどうか私はわかりません。だけども、いろいろな人のいろいろな交渉スタイルがあるわけですから、それを我々がある意味で一つ一つ怒ったり憤ったりしていては話にならないと思うのです。それは我々はしっかり受け止めて。孫子の言葉にこういうのがあります、「墳を以って戦を致すべからず」、憤って戦をした奴は必ず負けるのだと。だから、普通に我々が聞いたら、普通の日本人の人は私も含めて、ネガティブな気持ちを持つのは当然ですけれども、だけど、外交交渉で必ず成果を得るためには、そこは「墳を以って戦を致すべからず」という孫子の言葉も大事にして、最終的な解決というものをきちんとやっていきたいなというように思っています。
【朝日新聞 松村記者】首脳会談のブリーフ、長浜副長官がブリーフをされた際に再活性化という言葉はどちらが使ったのかという質問に対して、日本側の発言だったというようにおっしゃっていたのですね。深いやり取りがあったというのだったら、このブリーフは明らかにミスリードだったと今になって思うのです。それで、以前、横浜APECの時に菅さんとメドヴェージェフ大統領が会談をした時の会談でも副長官のブリーフで、非常に中のやり取りとは全く違うようなブリーフがあったことを記憶しているのですけれども、このブリーフのあり方ということについて何か反省点はありませんでしょうか。
【山口副大臣】ブリーフというのはいろいろなやり方があると思うのですね。バーベータムに一語一語その通りに、他方その通りと言ったって、ロシア語でやるわけではないのだから、ロシア語の通訳の人が言っている日本語をバーべータムに、それは決して正確だとも思わないのですね。非常に若い通訳の方で、別に若いことが悪いことでも何でもないのだけれども、もう少し通訳がびしっとやって欲しいなというのは、私は申しわけないけれども、その現場で思っていました。例えば、いろいろなことを言うにしても、これはその言葉を言っているのだろうなというのを私の頭の中で翻訳しながらノートをとっていたところですから、そういう意味ではバーベータムに言うのがいいのかどうかというのは若干疑問があるのです。
特に長浜副長官のブリーフも事務方がいろいろサポートさせてもらってそれでされたわけですから、そういう意味では今までの経緯を事務方が把握していて、その経緯の中できちんと把握した格好で言っているわけですから、その紙に基づいてブリーフされたと思うので、そこは私は正確だと思います。
ブリーフというのが、大局的に見てこういうことなのだということができるだけ理解していただけるようなブリーフというのが、一番私はいいと思うのですけれども、他方、どういう言葉を使ったのだというところが時間が経てば非常に興味がある方も当然出てこられるわけだけれども、それの意味でこの再活性化というのはちょっと今一人歩きしているのかなという気が私はしています。
【山口副大臣】私もロシア語ができないから、ロシア語で「再活性化」に当たる言葉を言ったかどうか、それはわかりません。通訳の人がそういう言葉を言ったかどうか、正直なところちょっと記憶がありません。しかし私のメモにはありません。ちなみに、だけど「再活性化」ということよりも、もっともっと深く和やかに会話をされたというのが私の認識です。むしろ、「再活性化」という言葉にまとめちゃったのかなというのが、私の認識です。だから、プーチンさんのほうも、この間も少しお話しましたけれども、柔道だけではなくて、もっと深いレベルで関わっていきたいということを話されているぐらいですから、むしろ、私的には、ただ単に「再活性化」という言葉で、これは事務的にまとめたのだと思いますけれども、実態はもっと深かったというのが私の認識です。
いろいろ今まで、日ソ共同宣言とか、田中・ブレジネフとか、いろいろな経緯をずっと振り返っていただいたら、そこでの深いやりとりというのは、申し訳ない、紹介しにくいですけれども、それをずっと振り返っても、決しておかしなものを「再活性化」という言葉で膨らましたのじゃないかというのは、むしろ逆ですね。もっと実態的には和やかな雰囲気であったなというのが私の思うところです。ただ、メドヴェージェフさんが行って、どうしてなのかなというのは、それは私にもわかりません。どういう連絡を取っているのか取っていないのか、わかりません。そこら辺を考えると、あの会談のことだけで言わせていただくと、むしろ「再活性化」という言葉というのが、事務的にはそういうことでまとめたんでしょうけれども、実際にはもっとそれより深かったというところです。
【フリーランス 安積氏】メドヴェージェフ首相の国後の上陸についてですけれども、上陸以外に、やはり当地での発言が非常に日本政府ないしは日本国民をばかにしているような発言があったというように報道がありました。これについてはどのようにお考えでしょうか。
【副大臣】外交ですから、あまり感情的にならずにきちんとやらなければいけないでしょう。我々の目的というのは、日本の領土ですから、それをどのようにこの問題を解決していくか。それは、ロシアも昔はその問題すらないというところを、それは未解決の問題もあるということで認めているというのが今の状態だと思っています。そういう意味では、メドヴェーフェフさんが大統領のときというのはもうほどんど解決不可能かなと思った方々も多いと思うのですけれども、プーチンさんになって「引き分け」という言葉が出てきたり、ただ、引き分けの意味というのは、まだ我々わかりません。だけれども、少なくとも未解決の問題があるという認識に立っているなということはわかるので、そういう意味ではメドヴェージェフさんとプーチンさんとの距離がひょっとしたらあるかもしれない。我々は別にばかにされたとかいう気持ちは、また、少し深いこの次元とは異なるのかなと思っています。
【東京新聞 五味記者】「再活性化」の単語にあまりこだわるのも何かと思うのですが、 一部の報道ですと、外務省が用意した応答要領の中にこの言葉があったという報道があります。これが正しいとすると、事務方での事前の折衝では、この部分について合意ができていたとも受け取れるのですが、この点についてはいかがでしょうか。
【山口副大臣】ロシア側と「再活性化」という言葉でいいかと。
【東京新聞 五味記者】ただ、現実の首脳会談では出なかったと。
【山口副大臣】現実の首脳会談で事務方の言ったとおりに議論するかというのは、全然違う話だから、私はどのように事前の打ち合わせをしたかというのはよくわかりません。五味さんの言われるとおり、普通は首脳会談をやるときには、いろいろな事前の打ち合わせをやりますから、その中にそういうのがあったのかどうか、それは私にはわからないし、あるいは言うべきでないと思うから、そこはちょっとそのままにさせておいてください。
実際に事務方の作業を考えてみたら、そういう言葉をどこかで使って、その場合、自分がまとめるときにもそれを使ったんだろうなと、私は勝手に想像しますけれども、先ほど申し上げたように、「再活性化」という言葉以上に首脳のやり取りは深かったというのが実態だと思います。
【北海道新聞 髙橋】本日、自民党がメドヴェージェフさんの国後訪問に対して、政府としても厳しく対応するようにという申し入れがあったかと思いますけれども、実際に、これから新たに何らかの対応とか、対抗措置をとる考えというのはありますでしょうか。
【山口副大臣】きちんといろいろなものに対しては対応しなければいけないというのは、全くそのとおりだし、佐々江次官が(駐日ロシア)大使を呼んで、いろいろときちんと申し入れを行っているということを始めとして、玄葉大臣も事前に少し意見交換を大使としたようです。だから、いろいろな形で我々は予防しようとし、あるいは起こったことに対して申し入れをし、究極の目的は文句を言ったということが目的ではなくて、そういうことをきちんとやりながら、領土を解決するというのが究極の目的ですから、それに対して、我々は言うべきことは言うというのはもちろんです。そのことが最終的な解決につながるように、気を配ってやっていきたいというように思っています。
【フリーランス 安積氏】先ほど、メドヴェージェフ氏とプーチン氏の両者の関係がわからないというようにおっしゃっいましたけれども、前回、2010年のときは、たしか河野大使を召喚されて、ロシアに対しての意思表示と事情を聞くというようなことをされていました。この両者の関係ということとか、国内的な政治的事情とか、そういったところを聞くために大使の召還というのはお考えになっていますか。
【山口副大臣】大使は別にモスクワにいたままでも、我々はきちんと情報を取れます。今のITの時代ですから、大使が目の前にいなければわからないということでは全くありません。そういう意味では、この状態で何をするのが一番いいのかは、これからきちんと検討していきたいと思っています。
【NHK 吉岡記者】メドヴェージェフ首相が、もしかしたら北方領土を訪問するかもしれないという話がある中で、日本側としてはどういうレベルで、ロシア側に対してどのような働きかけを行っていたのか、差し支えない範囲で教えていただければと思います。
【副大臣】詳細は、ちょっと申し訳ないけれどもそこは触れない方がいいと思いますけれども、玄葉大臣が大使に対して、よくいろいろなところで接触しているわけですけれども、そういう会話もさせていただいたということです。
【産経新聞 杉本記者】副大臣の話ですと、再活性化という言葉よりももっと深い話が首脳間で行われたということですけれども、それでその具体的に深い話というのはどういうような言葉でどういうようなやり取りが行われたかというのを、差し支えない範囲で教えていただきたいと思います。
【山口副大臣】杉本さんにしてみたら一番そこが胆なのだと思いますけれども、これもどうしても具体的なやり取りになってしまいますから、そこは申し上げにくいところなのです。
ただ、「はじめ」ということに対して合意というやり取りよりもかなりきちんと具体的に話されているというところはあります。ただ、具体的にといってもどこをどうとかいう話ではありません。
【共同通信社 斎藤記者】改めてお伺いします。今、副大臣がおっしゃられた日露の首脳会談でもっと深い話ができたというその側面と、それからメドヴェージェフ氏がインタファクス通信の報じたところでは、日本側が今回の国後島訪問について遺憾の意を表明したことについて「全く関心がない」とか「どうでもいいことだ」と訳されて、日本で報道されたことは御存じだと思うのですが、その側面と、もう一度言いますが、日露首脳会談でもっと深い話ができたという側面と、それからメドヴェージェフさんが全く関心がないとか、どうでもいいと訳されるような発言をしたという側面と、これはどう考えてもこれは整合性はとれない、矛盾していると思うのですけれども、副大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
【山口副大臣】もっと深い話という趣旨は、私は和やかな雰囲気ということも含めてもっと深い話ができたと。別に具体的に、例えば国後をどうする択捉をどうする、歯舞、色丹、そういうことではありません。
先ほど申し上げたように、引き分けというのはどういうことかというのは、一切入っていません、だから、そういう意味では深い話というのは具体的にそういうことということではありません。むしろ、再活性化という言葉で済まされるよりも、もう少し和やかな雰囲気の中で、これからお互いにこの問題も議論していこうということがきちんと話されたということが私が深いというように言っている意味です。
それからメドヴェージェフさんの言葉、私はロシア語が分かりませんから、具体的にどう言ったかはわかりません。日本語で伝わっていることが正確かどうか私はわかりません。だけども、いろいろな人のいろいろな交渉スタイルがあるわけですから、それを我々がある意味で一つ一つ怒ったり憤ったりしていては話にならないと思うのです。それは我々はしっかり受け止めて。孫子の言葉にこういうのがあります、「墳を以って戦を致すべからず」、憤って戦をした奴は必ず負けるのだと。だから、普通に我々が聞いたら、普通の日本人の人は私も含めて、ネガティブな気持ちを持つのは当然ですけれども、だけど、外交交渉で必ず成果を得るためには、そこは「墳を以って戦を致すべからず」という孫子の言葉も大事にして、最終的な解決というものをきちんとやっていきたいなというように思っています。
【朝日新聞 松村記者】首脳会談のブリーフ、長浜副長官がブリーフをされた際に再活性化という言葉はどちらが使ったのかという質問に対して、日本側の発言だったというようにおっしゃっていたのですね。深いやり取りがあったというのだったら、このブリーフは明らかにミスリードだったと今になって思うのです。それで、以前、横浜APECの時に菅さんとメドヴェージェフ大統領が会談をした時の会談でも副長官のブリーフで、非常に中のやり取りとは全く違うようなブリーフがあったことを記憶しているのですけれども、このブリーフのあり方ということについて何か反省点はありませんでしょうか。
【山口副大臣】ブリーフというのはいろいろなやり方があると思うのですね。バーベータムに一語一語その通りに、他方その通りと言ったって、ロシア語でやるわけではないのだから、ロシア語の通訳の人が言っている日本語をバーべータムに、それは決して正確だとも思わないのですね。非常に若い通訳の方で、別に若いことが悪いことでも何でもないのだけれども、もう少し通訳がびしっとやって欲しいなというのは、私は申しわけないけれども、その現場で思っていました。例えば、いろいろなことを言うにしても、これはその言葉を言っているのだろうなというのを私の頭の中で翻訳しながらノートをとっていたところですから、そういう意味ではバーベータムに言うのがいいのかどうかというのは若干疑問があるのです。
特に長浜副長官のブリーフも事務方がいろいろサポートさせてもらってそれでされたわけですから、そういう意味では今までの経緯を事務方が把握していて、その経緯の中できちんと把握した格好で言っているわけですから、その紙に基づいてブリーフされたと思うので、そこは私は正確だと思います。
ブリーフというのが、大局的に見てこういうことなのだということができるだけ理解していただけるようなブリーフというのが、一番私はいいと思うのですけれども、他方、どういう言葉を使ったのだというところが時間が経てば非常に興味がある方も当然出てこられるわけだけれども、それの意味でこの再活性化というのはちょっと今一人歩きしているのかなという気が私はしています。
【フリーランス 安積氏】延期されました日韓軍事情報包括保護協定についてお伺いいたします。
韓国側の国会の事情もあると思いますけれども、だいたい目途として向こうの方の国会も正常化されているようですので、どのあたりで署名されるのかという見込みと、あとは最近また再燃化された話ですが、鄭夢準氏の発言ですけれども、盧武鉉政権の時に米国に対して日本を仮想敵国としたらどうかという提案があったというような報道がありました。2005年の米国の国防長官も同席している会議の上での発言だというように聞いておりますが、これも含めて軍事情報包括保護協定を結ぶことの意味について、どのようにお考えになっているのかお伺いしたいと思います。
【山口副大臣】この間、私もこのGSOMIA云々というのはもうこれでうまくいくのだなと思っていたのは正直なところですね。それが与党含めてということで、韓国の国会は、この間選挙が行われて召集、新しいメンバーに相当代わっていますよね。メンバーの入れ替えが相当ありましたよね。だからそういう新しいメンバーでもう一回議論するということだったと思うのですけれども、与党も含めてもう少し待とうということだったようなので、これが延びたというのが実態です。
私は別にいつという見込みはわかりませんけれども、これはできるだけ早い方がいいなというように捉えています。
それから、日米韓のこの関係について、例えば日米、それから米韓と少し状況は違うと思うのです。日米の場合はこの間少しお話ししたこともありますけれども、例えば51年に安保条約ができて、52年に行政協定というものを日米で議論したわけですけれども、米国からユニファイド・コマンドという議論があったのですね。それは当時で言えばリッジウェイ、その前で言えばマッカサーさん、米国の司令官がユニファイド・コマンドとして米日両方を全部指揮するというのを言ってきたのです。それは49年にNATOでは当然のこととしてユニファイド・コマンドでアイゼンハワーが全軍指揮するということだったから、米国は当然のことにように言ってきたのだけれど、吉田茂は頑として「だめだ」と、そういうことになったら日本の国民は米国の駒として使われるのではないかと勘違いするから、それでは日米同盟というものが健全な形ではないと。だから、ユニファイド・コマンドはだめだということで、ずっと指揮権が米国の指揮権、日本側の指揮のライン、全く違っていたわけですよね。だから、ガイドラインも必要になり、共同作戦計画というものも作り、そうでなければ米国の司令官が言うとおりに右、左と言ったらそれで済む話ですから、それを敢えてそういう格好をするということで、どういうように同盟を深化させるかといろいろな工夫がなされてきたと思うのです。
米韓の方ではむしろ、統合司令部というのが当時はありましたから、だから日本とは大分違うのだけれども、日米韓をどういうようにこの溝、溝というか気持ちの溝も含めて埋めるかという一つの工夫がこのGSOMIAだと思うのです。
先ほどの発言があったどうか、それは私は確認できません。これも外交というのは鏡みたいなものですから、我々がそう思えば向こうもそう思う、向こうが万が一そう思っていたとしても我々がそれに応えてしまうよりも、日米韓というのは友達以上の付き合いなのだと、もっともっと深い仲なのだという気持ちで私たちは接した方が結果はずっと良いだろうというように思っています。
【フリーランス 安積氏】先ほどの韓国の国会の件ですけれど、この種の協定は国会の了承を得るというものではなくて、韓国の国内法の規定では国会に報告すれば足りるということらしいのですけれども、この件について報告がなかったので今回もめているわけなのですが、この件についてどのようにお考えでしょうか。
【山口副大臣】韓国の国会議員の方もそれぞれ国民の代表をしてこられているわけですから、国民の支持なくしてこういう軍事的な話というのは成り立たないと思うのです。だから、その国会議員の人が異論があるということであれば、政府としたら安全にこれはきちんと意見をまとめてからやりたいなと思ったのではないでしょうか。
【日経新聞 桃井記者】韓国政府が東シナ海での大陸棚延伸を国連の大陸棚限界委員会に申請したという報道があるのですけれども、これの受け止めと日本政府としてどう対処していくかということをお願いします。
【山口副大臣】私も報道を少し見させていただいたのですけれども、こういうことだと思うのです。領海というものがある、その向こうに排他的経済水域、基本的に200海里がある、その向こうに大陸棚がずっと続いているのであれば特殊なケースではむしろ延長したい、その一つとして韓国は捉えているのでしょうね。どうもこれは96年に韓国は海洋条約を結んで、本当は10年くらいの間にこういうことで申請しますというのがなければいけないみたいだけれども、途中で99年頃に、10年経って深海を測るのはいろいろな国によっては技術的に難しいし、時間もかかるだろうから、ちょっと10年では短いのではないでしょうかという議論もあったらしくて、99年からこれから例えば暫定申請という格好で、こういうところについて自分の思うこういう区域については、暫定申請で時効を打ち切るみたいなような仕組みができたようですね。
その中に、今回報道にでているような区域について韓国が暫定申請していると。ところが、これは韓国がもしも申請を正式にすると大陸棚限界委員会とかいうものにかけられるみたいですけど、ただ、そこにかけるのにあたっては、韓国の意向だけではなくて、韓国と日本の間で境界線がきっちり定まっていないわけですから、その意味では日本の同意も必要だというのが仕組みのようです。
日本として、このことに同意するつもりはありません。
【朝日新聞 松村記者】昨日の朝、尖閣諸島の近海に台湾の遊漁船が接近しまして、日本側の領海内に入ったと。その時に日本の海保の船と接触したということですけれども、このことについての受け止めと日本側がどういう対応をとっているのか、最近中国船だけではなくて、台湾船に関しても尖閣周辺に出没というか、侵入しているケースがよく散見されるように思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
【山口副大臣】台湾のこういう動きというのは確かに昨日あったようですね。現実には我々の対応ということに対しては我々の交流協会を通じて台湾側に申し入れたと。これは我々の立場、国際法上も日本国有の領土なのだと、歴史上もそうなのだということには疑いがないのだし、有効に支配しているのだし、解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないということを申し入れて強く抗議して、再発の防止を求めた、これが我々の対応です。
受け止めについては、確かに今までこういう台湾の動きというのがなかったわけです。それが少しこういう形ででてきているなということですけれども、我々はそういう領有権の問題というのは存在しないという立場ですから、しかも有効に支配しているのですから、それはそういう形での対応にしたいと思うのです。
他方、接触ということで、どうも海上保安庁の右舷後部に向こうの船が接触したと。あのあたりは波がきついからかもしれませんが、状況はビデオがあったら一番よくわかるかもしれないけれど、いろいろ波もあったし、そういう意味でぶつかってきたわけでは必ずしもないだろうなという気はしているので、そういう意味では申し入れはきちんと行っているということで、この対応をしたいと思っています。
【フリーランス 安積氏】慰安婦について、お伺いいたします。
2007年に米国の下院で慰安婦決議、これを提出しました市民参与センターという組織が国連での慰安婦決議を目指すということで、米国の国務省に働きかけをやったり、当時賛成してくれた米国の国会議員に対して働きかけをやったりしておりますが、こういうような動きについて日本政府、外務省としてはどのようにお考えでしょうか。
【山口副大臣】韓国の民間の方がそういう格好でいろいろやっておられるわけですね。確かに、米国の中で韓国系の人の増え方というのはすごい数増えていて、この間も一つ碑ができたものも半分以上が韓国系の人だという中で、その議会で云々だから、いろいろな事情を重ね合わせて考えなければいけないと思うのですけれども、ただ日本政府としてきちんと郡の人たちにも申し入れをしたりしているところです。ただ、これはそれで済む問題ではないと思います。申し入れをしたからなくなるかと、民間の人がどっとそうやってやっているわけですから、どこかで我々気持ちの心合わせというのをやらなければいけないと思っていますけれど、我々の立場というのは政府としての立場はもう完全に解決は法的にもすべて行われているということですから、それは変わりません。だけども、どういうようにそれを心合わせできるかというのは、まさに知恵の問題でしょうけれども、必ずしもその今民間の方がいろいろやっておられることが心合わせにつながるかなというところは、少し私は違和感があります。そんな中で、我々は歴史から逃げているかというと、そんなこともないと思うのです。韓国の方にとってみたら、なかなか日本というのは歴史から目を背けているなと思っている方もおられるでしょうけれども、我々の、例えば私の中でそういう歴史が風化しているということは全くありません。だから、そういうことを韓国の方にもわかっていただければ有難いなと思っています。
【共同通信社 斎藤記者】アフガンの会議の関連でお伺いします。
今度の会議で国際社会からいくら集まるかということもありますけれども、一方でホスト国の日本がどれだけ支援できるかというのがポイントではないかと思うのですけれども、一方で日本国内では非常に財政状況が厳しいと、消費税増税の話もあると、こうした中で外務省としてどのような形でそのアフガン支援、どういう形で積み増していくのか、現状と意欲といいますか決意といいますか聞かせてください。
【副大臣】このアフガンをどういうように解決するかというのは、この間のシカゴの会議で、これは治安の問題というのはその部分でかなり話を詰めたと。今度は開発のことをどういうようにしていくかという位置づけが、この週末の東京会合です。額だけではないと思うのだけれども、ただ、額の話は今最終的な調整中です。
日本としては、やはり東京会合というのを開くのみならず、これは米国が中心になってISAFとかいろいろ組みながら、あそこでテロリストの温床になっていたというような受け止めも全部ひっくるめて、どういうようにその物事を正常化していくのかなというところで日本としたら米国ができるだけ早く撤退できるようにという気持ちも込めて関わっていることです。そういう意味では東京会合ですべて解決するというよりも、一つの一里塚ではありますけれども、これが成功するようにというところで最終的な調整を行っています。
明日が金曜日ですよね。だから、今週中にそれぞれ何らかの機会でブリーフさせてもらえればなと、私というよりはむしろ直接の担当の人からこの会合の状況についてブリーフさせてもらえればなと私は思っています。それは担当の課の方にも伝えてありますので、ぜひまた詳しいところをお聞きいただければと思うのですけれども、その意味というのは、日本が国際社会の、あるいは国際世界のこういう戦争とか、あるいは紛争解決とか、あるいはその根っこに横たわっている貧困の問題とか、そこから出てくるテロの問題とか、それをどのように解決するというところにどう関わるのかというところでの話ですから、これはどうしても成功と言われるようにもっていかしていただきたいなと。その位置づけというのは、これからどういう開発をすることによってその問題に関わっていくのかという方向性を出せれば非常にいいなと思っています。
だから、額の問題というよりも私にとっては方向性の問題というようなところがあるのですけれども、額については最終的に今調整中です。
【山根外務副大臣】7月10日(火曜日)から7月12日(木曜日)にかけまして、東京において、島嶼国向けの気候変動政策対話を開催いたします。この対話には、太平洋やカリブ地域より23か国の気候変動交渉担当者等が参加する予定であります。
この対話では、気候変動に関する我が国の政策について、外務省、JICA等から説明を行うとともに、COP18に向けた気候変動交渉に関して意見交換を行う予定であります。
また、対話の参加者には、東京近郊の淡水化技術や排水処理技術関連施設等を視察していただきまして、我が国の気候変動・環境問題への取り組みと最新の環境技術を紹介する予定でございます。
【朝日新聞 東岡記者】先日、国連安保理の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの報告書が公表されました。
この中で中国による違法な武器輸出も指摘されているところですけれども、外務省として、この報告書についてどう評価するのか、とりわけ中国の関与について、どのように分析されておられますでしょうか。
【山根副大臣】全体といたしましては、この報告書の公表というのは対北朝鮮措置の実効性というものを向上させるものとして有益であると、我が国としてはこれを歓迎するという立場でございます。
したがいまして、本報告書のフォローアップも含めまして、関係国と連携をして対北朝鮮措置のさらなる実効性の向上に取り組んでいくというのが、基本的な考え方であります。
中国の問題でございますけれども、我が国といたしましては、中国を含む国際社会が国連安保理決議を着実かつ全面的に実施していくよう、引き続きまして関係国と緊密に連絡を取り合っていきたいというような考え方であります。
【朝日新聞 東岡記者】実効性向上に向けて非常に有益であると、更に言うと中国を含む関係国が着実かつ全面的に取り組むよう関係国と連絡をとっていくと。具体的には中国に対して何をどうするのでしょうか。
【山根副大臣】具体的なことでは、今少し重なりますけれども安保理北朝鮮制裁委員会及び専門家パネルがこの報告書をフォローアップすることを期待するということがございまして、我が国としても引き続きこれに協力をしていくということでございます。
中国に対して働きかけを行うべきかというような御趣旨の御発言かと思いますけれども、インテリジェンスの関係もありまして、詳細は常に控えさせていただきますけれども、中国に関しては我が方の強い関心をさまざまな問題で持っているということは伝えてきておりますし、これからも伝えていきたいという考え方でございます。