記者会見

副大臣会見記録(要旨)(平成24年4月)


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副大臣会見記録(平成24年4月26日(木曜日)17時45分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

米軍再編問題

【NHK 広内記者】米軍再編の見直し協議ですけれども、これについて米国との発表の日程についての調整状況はいかがでしょうか。もう、訪米前、平日だと明日しか残されていませんけれども、発表できる見通しはあるのでしょうか。

【山口外務副大臣】昨日、本当は共同文書を発表するということになっていたのが、米国の上院の3人の方、ウェッブさん、レビンさん、マケインさん、パネッタ長官に書簡が出たということを踏まえて、国務省、国防省でもっていろいろ対応しているという状況です。藤崎大使もいろいろと連絡はとっておられる。私的には、かなり本質的な指摘をこの3議員の方はされていると思います。そういう意味で、総理の訪米をひっくり返すつもりは全くないということも、この3人の上院議員さんははっきり言われているようなので、そういう意味では、今、広内さんが言われたように明日が平日の最後であれば、明日中には発表できるようにお互い思っています。
 ただ、本質的なことを議論しているわけですから、我々もメッセージとしてはきちんとその本質的な議論を指摘されたことについては受け止めて、それでこれから総理の訪米で全て終わるわけでは当然ないわけですから、いろいろな作業が残っていますから。特に3人の議員の方が言っておられるのは、具体的ないろいろな積み重ねがまだはっきりしていないじゃないかと、そういう全体像がはっきりしていないのに、なぜ話が先行するのだというようなことを言ってると思うのです。そういう意味では、その具体的な積み重ねという作業が当然これから必要になってくるので、そういう本質的な議論を踏まえて、これから我々は作業するべきだなというように思っています。

【共同通信 池田記者】当初、日米政府間で合意していた文言については、何らかの修正が加えられる可能性というのはあるのでしょうか。

【山口副大臣】文言自体は、私は自分の感覚的にはないと思うのです。3人の議員さんの言ってみれば共通点というのは、辺野古で本当に大丈夫なのかと、彼らは無理だと言っておられるようですね、その他の発言で。それで、彼らは嘉手納がいいと思っておられる3人でしょう。別にそういう意味で我々がその部分、特に辺野古に関する部分ということもあるかもしれないけれども、私は表現がこの段階で変わるということはないだろうと思っていますけれども。あとは、費用負担の話もいろいろ議論になっているみたいですけれども、それはグアムの協定の範囲内というようなことのように私は今のところ承知していますけれども。

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シリア情勢

【NHK 吉岡記者】シリア情勢ですが、国連の安保理が最大300人の監視団を送るという決議をしたわけですが、それを踏まえて日本側にも派遣監視団に参加してくれというような要請が来ているやに聞いておりまして、現在の政府の検討状況について教えてください。

【山口副大臣】事実関係としては25日に国連事務局からニューヨークの我々の国連代表部に対して、シリア国連監視団(UNSMIS)に軍事監視要員の派遣を検討していただきたいということで正式な要請があったようです。我が国のほかにも約70カ国に対して同様の要請がなされたと承知しております。これが事実関係です。
 我々、これをどうするかという話ですけれども、いわゆるPKO五原則の状況が当てはまっているのかどうか、紛争当事者間の停戦合意とか、あるいは受け入れの話も同じように成り立つのかどうかとか、その辺全部当てはまるような状況かどうかということですけれども、私的にはまだもう少しつらいのではないですかという気がします。
 ただ、趣旨はよくわかるし、これは欧米諸国が特にこの問題を気にしていることを我々はよくわかっていて、我々も当然気にしているわけですから、きちんと状況を把握しながら適切に対応、何ができるかどうか今後検討するということになっています。

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連休中の外遊について

【NHK 広内記者】連休に入りますけれども、副大臣として外遊等検討されていればその目的もあわせてお願いします。

【山口副大臣】国会の関係でまだもめているのです。もめているというのは、国対が一所懸命やってくれているから、この日にあそこに行って、あの日にあそこに行ってというのはまだ言いにくい状況です。私的には13日と14日に総理が北京に行かれて日中韓のサミットをされますから、そのことが大変気になっていますというところぐらいしか今申し上げにくいのかな。その際、私的にはポイントは日中韓のFTAという格好が成り立つのかどうか、その辺があるのですけれども。もちろんこの文脈では北朝鮮という話もあるかもしれません。

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副大臣会見記録(平成24年4月23日(月曜日)16時17分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

北朝鮮情勢

【NHK 広内記者】北朝鮮の核実験の可能性ですけれども、外務省として今現在どのようにご覧になっているかということと、それに備えて韓国の報道などでは2週間以内にもできるような状態になったという報道もありますが、この連休などどのような体制をとるお考えでしょうか。

【山根外務副大臣】この連休の体制については、大臣からも直接ご指示もございまして、どのような体制をとるかということの協議を既にしているところでございます。
 当然、前回のミサイル発射をしたときに緊急対策本部を招集したということがございましたので、それに準じるような形になっていくのかと思っていますけれども、いずれにいたしましても協議を詰めているところということがございます。
 核実験の可能性については過去2回、ミサイル発射後にそうした実験を行ったということがありますので、注意深く見守っていかなくてはいけませんし、そのことが行われる否かということについては予断を許さないというように思っています。

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ミャンマー大統領の来日

【朝日新聞 松村記者】週末、ミャンマーの大統領が来られて、山根副大臣もご同席になったと思うのですが、ご自身ミャンマーにもご関心をお持ちということで、何か会談にご同席になったり夕食会をご一緒されたりして、印象的だったことなどありますでしょうか、ご感想をお聞かせください。

【山根副大臣】会談、その後の食事会もございましたけれども、テイン・セイン大統領の非常に情熱と、そして、また、熱い日本への思いというものを感じました。
 冒頭発言等も、これは余談ですが、「ヤマネがヤマネが」と言われたので、みんな私の方を見られたのですが、それは「ミャンマーとどこどこの国という場合には、『ヤマネ』ということになる」と通訳から聞いて、私は訳されるまではかなり緊張して、行ったことはないのに、悪いこともしたことないのにという思いをしました。そんなことが個人的にはあったということは、印象深いものの一つでございます。

【記者】どういうところで、日本への熱い思いを感じられたのでしょうか。

【山根副大臣】具体的な日本との経済協力の問題等で、その期待というものを熱く語られたということでございました。

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副大臣会見記録(平成24年4月19日(木曜日)18時54分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

 【山口外務副大臣】私自身は昨日、李小林さん、中国の対外友好協会会長さんが来られて、中国側の省長さん、日本の知事さんでフォーラムをやるということで、これは今まで2年に1回、行ったり来たりしていたのをフォーラムという格好でやるということで、私も参加したのですけれども、とても中身がある良いフォーラムでした。
 その後の懇談会でも非常に盛り上がって、総理にも李小林さんはじめ省長さん方に会っていただきました。その間にいろいろ報道等あるようですけれども、もしも質問等ありましたら、答えさせていただくような形でさせてください。

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石原都知事の尖閣諸島発言

【朝日新聞 松村記者】今おっしゃった日中の関係ですが、石原都知事が尖閣諸島を購入すると。本日は、4月にも購入するのだというようなことをおっしゃっております。総理ですとか、官房長官も、会見ですとか、国会で「検討する」という発言をされてますけれども、実際、今後日中関係を刺激しかねない話だと思うのですが、どのようにご対応されていくおつもりでしょうか。

【山口副大臣】尖閣については、日本側の立場というのは今まではっきり言っているし、我々もきちんと実効支配をしている事実があるわけです。これは昔からの経緯の中で、我々は既成事実をきちんと積み重ねているという感覚はありますけれどもね。
 石原さんがどういうように事実関係がなっているのか、ちょっと正直言ってまだ私たちはわかっていません。本当に買えるのか、結果的にどうなるのかまったくわからない話ですから、私から今コメントすることはないのではないかと思っています。

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インドによるミサイル発射実験

 【朝日新聞 東岡記者】本日、インドが核弾頭を搭載可能な射程距離が5000㎞のミサイル「アグニ5号」の発射実験を行って成功したという発表をしています。日本も射程距離に入るわけですけれども、日本政府として、先日北朝鮮がミサイルを発射したばかりではありますが、どのように受け止められていますか。

【山口副大臣】我々、米国が同じことをやったからといって騒ぐことは全くないわけです。脅威という場合には、昔からよく「意図」と「能力」のかけ算をやっているわけですけれども、能力があるからみんな脅威かといったら、そうでもない。米国のことを誰も脅威とは我々は思っていないわけです。それは何故かといったら、米国と日本が戦争をするという意図がないからです。
 インドについて、核不拡散のことから我々もいろいろとインドと話をしているわけですけれども、いわゆるIAEA関係の措置をいろいろ執るとか、インドもきちんとやっているようなことなので、そういう意味では北朝鮮とは相当違うかなという認識を持っています。
 ただ実際、我々も映像しか見ていないから、どこまでどういう事実関係というか、実態なのかがよく分からないのです。そういう意味で、よく見ていかなければいけないと思っています。

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TPP

【北海道新聞 高橋記者】野田総理の訪米の関連ですけれども、訪米前にTPP交渉に参加するかどうか決めてから、それを訪米の際に持っていくという話がありましたが、それが結果的には見送るという報道がありましたけれども、その事実関係と、その受け止めを教えてください。

【山口副大臣】まず、訪米前に交渉参加についてどうのこうのということをやる予定には全くなっていませんでした。現実に、今、進んでいることとは事実関係が違うわけです。我々は今、交渉参加に向けて関係国との協議を行っている。6か国はOKということになりました。それで、あとの3つの返事を待っているわけです。例えば、ボールは米国にあるのです。あるいはオーストラリアとかニュージーランドからも返事を待っている。待っているときに参加します云々というのは成り立たないわけです。
 ですから、米国についてはまだ90日間の時計がスタートされていないわけですから、それが4~6月になるのか、5~7月になるのか、わかりませんけれども、したがって訪米がこの4月末にあるのであれば、その前に交渉参加を勝手に決めるという図柄にはなっていません。そういう意味ではもともとなかった話です。

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日中関係

 【NHK 吉岡記者】中国ですが、重慶市の書記だった薄熙来さんをめぐる一連の出来事が国際的・社会的に注目を集めているわけですけれども、日本政府としては一連の出来事をどう受け止めていらっしゃるかということと、もし日中関係に何らかの影響が今後あるのかどうか、その辺り、副大臣の所見を伺えればと思います。

【山口副大臣】内政の一番の肝の部分でしょうから、それは日本政府として、良いだの悪いだの、好きだの嫌いだのというのは言えないと思うのです。向こうには向こうのお家の事情があると思うのです。ただ、大連の市長さんをやっておられたこともあるのですか。そういう意味では日本の方の友人も多いということを聞いていますから、そういう意味では、それをたどって重慶に行かれた会社もあるかもしれません。
 ただ、実際には何か、どの会社か私も失念しましたけれども、この間、オープニングも行われたみたいで、薄熙来さんがいなくても粛々と投資が受け入れられて、大丈夫ですということを中国は一生懸命言っているような気もしますから、そういう意味であまり1人の人間に左右されるような日中関係でないように我々もあってほしいと思いますし、現実にはそこまで、ある程度は成熟しているのだと思いますけれども。ただ、いろいろなことを通じて波風が立つのは今までのしようがない経過ですが、できるだけそれをないように持っていきたいと思っています。

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副大臣会見記録(平成24年4月16日(月曜日)17時16分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-アフガニスタンにおける同時多発的なテロ事案について

【山根外務副大臣】アフガニスタンにおける同時多発的なテロ事案の発生についてであります。昨日発生をいたしましたアフガニスタンでの同時多発的なテロ事案に関し、先ほど、外務大臣談話を発出いたしました。カブール市内各所での戦闘につきましては、今回の事案に関わる反政府勢力が全て制圧された旨の情報を得ております。
 また本日、我が国が把握するカブール市に滞在する在留邦人の安全について再確認を行い、全ての邦人の安全を確認をいたしました。本日のテロ事案により、大使館敷地内には新たに携帯式対戦車ロケット弾発射機RPGにより発射された一発の着弾があり、また大使館の外壁の破損等が見られました。
 なお、在アフガニスタン日本大使館からの最新の連絡によれば、昨日、大使館敷地内に着弾したロケット弾は4発ではなく、3発であったとのことであります。

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アフガニスタンにおける同時多発的なテロ事案

【朝日新聞 野上記者】反政府勢力がすべて制圧されたということですが、外務省としては一旦攻撃が途絶えると見ていらっしゃるのかということと、邦人の安全を再確認したということですけれども、今後どういった対応を考えていらっしゃるのか、2点お聞かせください。

【山根副大臣】引き続き、これは事態を注視していかなければいけないというように認識をいたしております。すでにアフガニスタンにおきましては、渡航等の延期の要請等は今日までもしてきているところでございます。現在、アフガニスタンにおられる方はJICAの方、あるいは我が大使館員・関係者の方、現地の方と結婚された方々というように承知をいたしておりますけれども、皆さんの安全が確認できたということでございます。

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北朝鮮情勢

【読売新聞 遠藤記者】国連安保理のほうの北朝鮮をめぐる議長声明の関係ですけれども、早ければ日本時間の本日深夜ないしは翌日未明に採択されそうだということですが、かなり厳しい内容が盛り込まれる見通しだということですが、現段階でどのように評価されているかお伺いしたいのですが。

【山根副大臣】現段階で出てきておりませんので、これを評価することはできませんけれども、今日までG8の外相会合等の場で、玄葉大臣が我が国の立場、思いというものを関係各国にお伝えもしてきたということでございまして、私たちはメンバーでは、残念ながらありませんので、注視しているところであります。

【NHK 広内記者】ミサイルの発射に関してですけれども、この発表をめぐって、防衛省と総理大臣官邸との間での情報伝達のあり方などについて検証チームもできているのですが、外務省と総理大臣官邸、あるいは防衛省の大臣とか、当日のそういった連絡についてはどのように整理されているのでしょうか。

【山根副大臣】今、官邸でもその辺の情報等を改めて整理もされているのだろうというように、検証しているというように承知をいたしておりますけれども、先般、私の最初の記者会見のときにもお答えをさせていただきましたけれども、我が省といたしましては13日の午前7時50分頃に報道のほか、米国側から在京米大使館等を経由して未確認情報として本省に一報があったということでございます。

【新華社通信 郭記者】1つ目の質問です。昨日、北朝鮮の新リーダー、金正恩氏の肉声が伝えられたのですが、日本側はこの金正恩氏の個人像を分析したりとかしていたのですか。

【山根副大臣】まだ、初めて肉声が聞こえたということ、それからマスコミ等では、本日も20分間に及んだ演説だったということで、その前の指導者の金正日氏との違いということが述べられていたわけでございますけれども、これらのことだけで、まだ情報としては十分なものでもありませんし、今後の発言等を注視していく必要があるだろうと思っております。
 私は政治家として、29歳の年齢ということを考えたとき、マスコミ等では非常に、もう少し威厳があってもいいのではないかということ等の批判というのはありましたけれども、これは29歳という年齢、私自身も政治家としての経験ということから考えてみると、まだそうしたことを判断するのには少し早いなと思っております。

【新華社通信 郭記者】北朝鮮が第3次の核実験を行う可能性についてどういうように分析していらっしゃって、そのとき日本側が独自の制裁を行う可能性はあるのでしょうか。

【山根副大臣】過去に照らして、ミサイルを発射した後、90日とか2か月という後に核実験を行ってきたということが過去にあるということをもって、私たちもその点については非常に懸念を持っていることは間違いございませんけれども、今後、そのようなことのないように注視していきたいと思いますし、引き続き、いろいろなルートをもって私たちの思いというものも伝えていきたいと思っております。
 それによって、仮定の話でありますので、対応としてどのような措置をとるのかということについては、今、お話しできる段階ではないと思います。

【NHK 吉岡記者】副大臣は、今、金正恩氏が29歳というようにおっしゃっていましたが、年齢については、まだ我々のレベルでは不確かな部分もあるのですが、外務省としては金正恩氏の生年月日等、あるいは現在の年齢を確認する情報に接しているということですか。

【山根副大臣】今、ちょっと言葉足らずでありましたけれども、マスコミ等で伝えられている年齢としての29歳であってみればということでございます。

【テレビ朝日 花村記者】北朝鮮のミサイルの第一報の件に戻って恐縮ですが、先ほどおっしゃったように、第一報が7時50分ごろということでしたけれども、外務省の中でそこからの情報の伝達やその後の対応など、あと、大臣との連絡などで特に課題・問題点はなかったという認識でよろしいでしょうか。

【山根副大臣】我が省といたしましては、7時50分ごろに第一報入手後、直ちに防衛省と連絡をとらせていただきました。その際、防衛省からは、ミサイルの発射については現在確認中であるといった回答を得たところであります。その後、防衛省からは、8時25分に危機管理センターを通じて文書で連絡を受けまして、7時40分ごろ早期警戒情報を確認した。そして、発射場所等々についての内容が文書で連絡があったということでございます。
 御承知のように、大臣が海外におられましたけれども、外務省といたしましては、正確に申し上げますと、日本時間の4月13日8時09分、ワシントンからロサンゼルスに向けた機中におきまして、本省の方から飛行機会社のオペレーションルーム及び機長経由で、未確認情報として大臣にはお伝えさせていただいているところであります。

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副大臣会見記録(平成24年4月13日(金曜日)14時20分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)について

【山根外務副大臣】今回の発射は、飛翔体が洋上に落下し、不成功に終わった模様でありますが、発射が行われたこと自体、我が国を含む地域の平和と安定を損なう行為であり、これまで北朝鮮に対して、国連安保理決議1695号、1718号及び1874号といった一連の安保理決議、とりわけ北朝鮮に対して弾道ミサイル技術を用いた、いかなる発射も実施することなどを禁じた同決議1874号に違反することから、発射を行わないように自制を強く求めてきたところであります。
 それにも関わらず、今回北朝鮮が発射を強行したことは、誠に遺憾であり、非難をいたします。発射後ただちに、北京の我が方大使館経由で北朝鮮側に対して、厳重に抗議を行いました。我が国としてはこうした事態を受け、米国、韓国、中国及びロシアをはじめとする関係諸国と連携して、対処していく考えであります。
 私は、ルース在京米国大使と電話会談を行いました。先方から発射前後から日米間でスムーズな連携がとれていることを評価する旨のご発言がありました。私のほうからは、今後の対応について、我が国の立場を説明した上で、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
 玄葉大臣も12日まで関係国と緊密に意見交換を行っていたところでございまして、ロサンゼルス空港に着いてから、まず韓国などとの間で外相電話会談を行っているところであります。
 また、国連安保理での対応については、発射を受けて、議長国である米国常駐代表に、西田大使から安保理会合の迅速な開催を求める書簡を発出をしました。日本時間13日23時、現地時間13日10時に安保理会合を開催する予定というように承知をいたしております。
 国連安保理決議の明白な違反である今回の発射に対して、国連安全保障理事会が然るべき対処を取るよう、議長国・米国をはじめとする関係国に引き続き働きかけを行っていく考えであり、米国、韓国、中国及びロシアをはじめとする関係国及び国際社会との連携をさらに進めていきたいと思っているところであります。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【NHK 吉岡記者】2点教えてください。安保理での対応ですけれども、もう少し具体的に、日本としてはどういった形式で、あるいはどういった内容を求めていくご所存でしょうか。 もう1点は、中国ですけれども、すでに事務レベルで発射後協議をしていると思うのですが、安保理決議違反だという日本の考えの対応を含めて、中国側がどういう考えを示しているのか、今の時点での状況を教えてください。

【山根副大臣】これはすでにご承知のように、G8の外相会合がございました。ここで我が国が主導をして、北朝鮮の今回の発射に向けた準備の段階から、批判をする内容の発射を想定した時のいろいろな議論をしてきたところでございまして、G8の外相会合の声明も既に、この北朝鮮部分では、まだ発射する以前でありましたけれども、今回のこうした北朝鮮のミサイルの発射という問題について、国連安保理決議の明確な違反だということを各国共有をするということの確認がされましたし、外相会合としては、北朝鮮に対して、発射を行わないよう要求をするということも事前には確認がされていたところでありますし、細かしいところの日本の思い、考え方というのを玄葉大臣のほうから既に各国の首脳にはお伝えをして、理解をいただいているというように承知いたしております。
 中国に対しましての今のご質問でございますけれども、中国も含めて、韓国、ロシア等とも、米国は当然でありますけれども、事務レベルでも連携をしておりますし、現在、ロサンゼルスで恐らく外相も韓国との間でいろいろな話、意見交換をしているというように思っております。
 中国に対して、どのような働きかけをということでございますけれども、これについても、事務レベルでも当然お話し合いをしておりますし、また外相会談が行われるように今外交努力もしている、外相同士での話ということも努力をしている最中ということでございます。

【NHK 吉岡記者】中国の反応については。

【山根副大臣】これはまだ明確にお伝えできるような段階ではないと思っておりますので、少し差し控えさせていただきたいと思います。

【産経新聞 杉本記者】北朝鮮に対して厳重な抗議をしたということですけれども、どのような文言で抗議をされたのかということと、ロサンゼルスでの電話会談ですが、韓国とやっているということですが、ロサンゼルスで電話会談する相手国、今のところどのような国があるのか、教えていただいてもよろしいでしょうか。

【山根副大臣】まず、後段のところからでありますけれども、ロサンゼルスでの電話会談というと、まずは韓国ということが確認をされているところであります。この他、中国、ロシアにもいろいろと接触を取っているところでございますけれども、現在、国際会議がモスクワで行われるというところがありまして、なかなか直接の担当者である外相等との連絡が取りにくい状況もあるということもあります。時差の関係もありますので、今、連絡が取れるように事務当局で少し汗を流しているところであるというところでございます。
 北京の日本の大使館のほうからの申し入れの内容については、今私は詳細なものを持っておりませんけれども、これは明確な安保理の決議違反であるといったことを中心とする内容を伝えているということでございます。

【朝日新聞 松村記者】まず、基本的なところから教えていただきたいのですが、外務省が発射を確認した時間、ルート、あと、どういった状況で失敗と判断したか、その後の対応といったところをご説明いただけますか。

【山根副大臣】時系列のところでお答えをいたしたいと思いますが、7時50分頃、米国側より我が方の在米大使館を経由して、未確認情報として本省に第一報がございました。既に本日、私の副外務大臣の部屋で協議を行っていたところでございまして、7時45分から関係者と協議を行っておりましたけれども、こうした事態を受けまして、外務省として緊急対策本部の第一回の会議を8時1分に行ってきたというところでございます。

【朝日新聞 松村記者】発射が失敗したというのはどういうところで判断されたのでしょうか。

【山根副大臣】外務省として、これは防衛省等からの情報、官邸からの情報の中で、私たちは確認をしていくということで、外務省自身でこれを確認するという立場にはないかと思います。

【朝日新聞 松村記者】今回、発射が失敗したということの評価をどういうように考えていらっしゃいますでしょうか。北朝鮮がこういう事態を受けて、ますます追い込まれて、より緊張が高まるのではないかという見方も伝えられていますけれども、どういうように評価されるか、また、金正恩体制への影響というものをどういうようにお考えになっていますか。

【山根副大臣】これは北朝鮮自身が失敗であったということを認めて、公表もしたということもございますので、後日、失敗の原因というものが発表されてくるのだろうと思っておりますので、その内容について注視をしていきたいというように思っておりますけれども、その内容の発表のあるところで、さまざまな事実というものも付随して明らかになってこようかとも思いますので、それらも含めて注視をしていきたいと思っております。

【北海道新聞 高橋記者】北朝鮮がミサイルを軌道に乗せることを失敗したと自ら認めましたけれども、北朝鮮が自ら失敗を認めたことを副大臣はどのように受け止められたかというのが一点と、日本の対北朝鮮外交のひとつの究極的な目的は拉致問題の解決だと思うのですが、拉致問題の解決に今回の一連の騒動がどのように影響したとお考えか、聞かせてください。

【山根副大臣】第一点の失敗したことについて発表が行われたことについて、どうなのかというご質問でございますが、この点については、前回の対応と異なっているということについては留意しているということを申し上げたいと思っております。
 それから、拉致問題との関連のお話がございました。G8の外相会合の声明の中でも、この拉致問題については既に触れておりまして、外相会議や北朝鮮における人権侵害に対する懸念を表明して、南北関係改善の重要性を強調し、拉致問題や離散家族の再会を含む人道問題に対処する必要性を強調したというところでの声明を発表させていただいているところでありますけれども、今回の失敗を踏まえて、さらにどのように思うかというお尋ねかと思いますけれども、さまざまな情報を収集する中で、今回の失敗の原因、そして、それに付随してくるさまざまな情報というものをしっかり受け止めながら、これが拉致の問題にどう影響するのかということについても注視していきたいと思っております。

【NHK 吉岡記者】発射が行われる前から、発射された後に国連でどういう働きかけを行うかということについて、日本政府内で相当議論されてきたと思いますけれども、今回発射が失敗したことが、今後、安保理で協議を行う上で、どういう影響を与えるとお考えでしょうか。

【山根副大臣】これは各国それぞれ声明が出されておりますので、それらもしっかり分析をしていかなくてはいけないと思いますけれども、その中から国連の安保理決議等々、決議になるかどうかも分かりませんけど、安保理でどのような話が展開されるかということは注目していかなければいけないと、注目していきますけれども、私たちの思いというものは、先ほども申し上げましたように、G8の外相会合でお話ししておりますし、 玄葉大臣の方からも自分の思いというものを電話会談でもお話になられますので、影響力が行使されるように期待をしているところでもあります。

【NHK 吉岡記者】その日本側の思いの中には、安保理の場で制裁を強めるべきだということも含まれているのでしょうか。

【山根副大臣】その内容については、私たちが安保理常任理事国のメンバーでもないし、現在は安保理のメンバーでもないということでございますので、何とも言いにくいところもございますけれども、具体的な措置等についてのお尋ねでありますけれども、それらについても思いをお伝えしておりますので、期待したいというところでございます。

【TBS 西川記者】今回の失敗を受けて、外務省の方でも特別な体制で今回臨んだと思うのですが、明日玄葉大臣が帰ってくるまではこの体制が続くのでしょうか。それとも今回の失敗が確定したことで、何らかの体制がまた変わるのでしょうか。

【山根副大臣】緊急対策本部というものはそのまま存続し続けるということでございます。

【TBS 西川記者】大臣が帰ってきて何か変わるのかということについては。

【山根副大臣】大臣とは、今はロスで乗り継ぎの時間の中でございますので、ゆっくりと連絡をするということもちょっと今できない状況でございますので、大臣のご指示を受けながら今までやってきましたし、これからもやっていきたいと思っていますので、連絡が取れれば、またそのご指示に従って対応していきたいと思っています。

【朝日新聞 松村記者】前回の米朝合意がずっと進む中で、これが順調にいけばそのうち六者協議、さらには日朝交渉というところまで何となく視界が開けていたのかなという時点もありましたけれども、その後、今回の発射を受けて、日本が目指す日朝協議は一層難しくなったのではないかと思いますけれども、見通しはどう持っていらっしゃいますでしょうか。

【山根副大臣】これも、日朝だけでことが運んでいくものでもございませんので、安保理の協議を見て、そして更に情報収集する中で、日朝の協議を目指したいと思っておりますけれども、しかし少し時間がかかるということ、これによって時間がかかってくるだろうということは間違いないことだと思います。

【NHK 吉岡記者】今回の政府の対応についてですが、発射の一報を受けて、米国の衛星の情報等受けて、それは米国や韓国に比べても、国民への発射に関する情報の提供が遅かったという批判が既に出ているのですが、この点については山根副大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

【山根副大臣】これは、官房長官が記者会見でお話をされていたかと思いますけれども、情報を得て、そこからまたさらにそれをどう国民の皆様等々にお伝えするかということについては、その善し悪し含めて検証する必要があろうというご発言ありますけれども、政府として、全体でこの問題について改めて検証していくことになるのだろうと思っております。

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副大臣会見記録(平成24年4月12日(木曜日)17時30分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

【山口外務副大臣】本日は朝起きてから、とにかくミサイルが飛ばないほうがいいなと私は思って、ここまで来させてもらったのですが、本日は、とりあえず飛ばなかったと言っていいのではないかと思います。昨日もそうですけれども、政府として万全の対応をきちんとということでやってきています。今、玄葉外務大臣はワシントンのほうにいるわけですけれども、このことも含めて、いろいろと連絡を密にしてもらっています。
 昨日、私は竹島に関する東京集会に長島(総理)補佐官と一緒に出させてもらいました。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【朝日新聞 東岡記者】本日、結果的に発射はなかったわけですけれども、その理由について外務省としては、どのように分析しておられるかお聞かせください。

【山口副大臣】一番の理由は北朝鮮に聞いてもらわないとわかりませんけれども、我々、そこで分析するのも、あまり意味はないと思います。というのは、向こうだっていろいろ考えてやっているのでしょうけれども、これが発射されるということがいかに不利益になるかということを、我々、メッセージとして非常に強く言ってきたつもりです。
 特に、新しい権力承継というものが今行われている中で、やはり今までとは違った北朝鮮になり得るかどうかということを、我々はじっくり見つめているわけですから、そういう意味でミサイルが発射されないことが、いろいろな意味でこれからの展開には、お互いにいいだろうなというようには強く思っています。
 発射されれば、国連の安保理決議18745号を始め、昔のものも含めて弾道ミサイル技術を使用した、いかなる発射も行ってはいけないということに、明確に違反するわけですから、そういう意味では発射されないほうがいいと思うのです。
 あと、いつにするかどうかというのは、我々、分析してもしょうがないのですけれども、私的には、今G8をやっているから、G8が終わってからやろうとしているのかどうか、いくらそんなことを考えても、あまり意味がありませんから、詳しいことは北朝鮮に聞いて下さいといういくらいの気持ちです。

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日韓関係

【日本テレビ 野口】先ほど、昨日、竹島に関する東京集会に出席されたということですが、副大臣と長島補佐官が出席したことに関して、政府の関係者が初めて出席したということで、韓国のメディアを中心に批判の声があがっておりますが、どのようにお答えになるでしょうか。

【山口副大臣】今まで地元のほうでされていたと思います。今回、東京ですから、我々、出させてもらいました。そういう意味で韓国は韓国の立場があるでしょうけれども、我々としては、きちんと交渉をして、さらに交渉していくつもりですし、譲れないものは譲れないというように、きちんとメッセージを出させてもらって。
 ただ、集まっておられる方にとっては、きちんとした具体的な成果を早く出してくれという気持ちだと思いますので、それは受け止めさせてもらって。昨日、出ていたのは、内閣の中に担当の部署をしっかりつくるべきだとか、あるいはリーフレットについても、もっときちんとつくれとか、いろいろな声もありました。私もそれを受け止めさせてもらって、官邸のほうに持っていかれるということですから、それを受けて、また検討すべきこともあると思いますから、それは検討していきます。

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日米関係

【朝日新聞 東岡記者】既に一部報道で出ていますけれども、4月29日から総理が訪米をして、5月2日まで滞在をしてオバマ大統領と会談をすると。加えて、一部報道では在日米軍再編計画の見直しの中間報告の目処が立ったため、今、訪米している玄葉大臣とクリントン国務長官の間で合意したということがありますが、あわせて事実関係をお聞かせ下さい。

【山口副大臣】日程のことは、まだ調整をしているでしょうから、最終的には決まっていないと思います。ただ、桜の時期というように総理が言われて、我々もそれを受けて調整しているわけですから、大分、桜も散ったみたいだけれど、まだ何とか間に合うようにとは思っています。
 米国のほうで5月18日、19日にサミットがあるわけですから、それまでに二国間できっちり心あわせをしておきたいというのが、根本的にあります。米国もそのことはよくわかっていて、今、その方向で調整をしてくれているように思います。
 あと、普天間というか、グアムの関係ですが、中間報告ですけれども、まだ具体的に、最終的にこうだというところは決まっていません。というのは、敢えてそこはもう少し時間をかけたいという気持ちもあります。部隊構成とか、それは大体煮詰まってきているので、費用負担についても、それだったら話してもいいというように申し上げたところです。それを受けて、ある程度、話はしたわけですけれど、まだ最終的なところは決まっていません。
 米国との関係では、オバマ大統領との間で、4つの課題を擦り合わせていた訳です。
普天間、TPP、牛肉、ハーグ条約。そういう意味では、TPPもある意味で経過中ですけれども、少しずつ理解も進んでいるのではないかと思いますし、牛肉についても委員会のほうに付託するということで、米国側としては前に進んでいるという意識を持っていると思いますし、ハーグ条約については、国内法を、今回、国会に提出させてもらっているわけですから、そういう意味では進んでいると。普天間についても、この間、切り離しということで、普天間が辺野古に移るということとは少し切り離して、できるところからやっていこうというように日米間で今やっているわけですから。
 かなり、4つの課題について、きちんと実務的に進んでいるなというところを思っていると思います。先日も話しましたけれども、3月23日、24日とサンフランシスコで安保関係のセミナーがあって、国務省からもキャンベルさんとか、いろいろな関係者が行っています。私自身も行って、あと民主党から中林さん、自民党から小泉進次郎さんが行ったときに、いろいろな、ある意味で腹蔵のない意見交換をしたのですが、誰がということはありませんけれども、米国側の人たち、一様に野田総理に対する、極めて高い評価・言及があったので、正直、心強かったです。
 その背景は、やはり4つの課題を含めて、きちんと仕事が前に進んでいるという認識があるのだと思います。そういう意味では、この訪米、その4つについてのひとつの区切りというものはつけたいと思っていますから、玄葉大臣とクリントン長官との間で、まだ最終的な結論には至っていませんけれども、総理が行かれるまでには、きちんとした区切りをつけるべきだというように、大臣も、私も、スタッフの人はみんな思っています。

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TPP

【NHK 池川記者】今お話にありましたTPPの関係ですけれども、本日、幹事会も開かれたと思います。その中で昨日、大臣とカーク通商代表とのやりとりの中で、カーク通商代表の方から、例外品目の扱いについて、これは交渉の中で決めることであるという発言がありましたけれども、これはこれまでの米国の示していた態度から一歩、日本側に譲歩といいますか、歩み寄りがあったものと理解してよろしいのでしょうか。その辺り、副大臣の考えをお聞かせください。

【山口副大臣】私は今までと全く同じだと思っています。それはごく当然のことながら、もしも参加する場合には交渉するわけですから、交渉次第だというごく当たり前のことを言ったにすぎないと思っています。そういう意味で一番のポイントは、個別品目について例外が認められるかどうかということだと思いますけれども、それも含めて、これからもしも交渉に参加する場合には、その交渉の結果次第、あるいは成り行き次第だということを言ったにすぎないと思っています。
 ただ、米国の、日本側のいわゆる慎重な方中心に出されているいろんな懸念に対しては、できるだけ応えられるものは応えたいという気持ちを持っていることは確かですから、例えば医療に関して、慎重な方からは国民皆保険制度がなし崩し的にがたがたになるのではないかという懸念に対して、TPPでは公的医療保険の仕組みについてはやりませんとかということを、この間、ウェンディ・カトラーさんが東京ではっきり言ったわけです。
 そういう意味で、我々といいますか、日本側でいろいろな意見が出ていることに対して、歯がゆい思いをしているところもあると思います。いや、そんなことを言うつもりは全くないのだけれどもとか、それは応えられるものは応えていっているということだと思うのです。これについても、交渉次第だからと、最初から全くあり得ないということではありませんというごく当たり前の話をやったにすぎないと私は受け止めています。

【NHK 池川記者】総理の去年11月のTPPについての発言が、いまだに賛成派・慎重派との両面にとられていると。米国側は、ある意味、日本側にもっとはっきりとした態度表明をしてほしいという考えも併せて示していると思うのですけれども、これは総理訪米前に何らかの一つの決着を図るべきであるか、副大臣はいかがお考えなのか、お聞かせください。

【山口副大臣】「交渉参加へ向けて関係国と協議する」、これがすべてであるという答え方を今までしているわけです。それは、その表現が、確かに交渉に参加しますというものと比べると、交渉に向けて関係国との協議という点でいろいろな解釈を呼んでいるのだと思いますけれども、方向性としてはどちらにベクトルが向いているかというのは余りにもはっきりしているわけですから、私はそういうようにとっています。
 ただ、池川さんがおっしゃるように、9か国ありますけれども、米国が一番経済的には大きなところです。その米国でどういうルールがあるかといったら、例の90日間ルールというものを向こうは考えているわけでしょう。そうしましたら、90日間、まだスイッチが押されていないわけですから、それではスイッチが押される前に日本が改めてというのは、私は必要ないと思っています。はっきりベクトルは示しているのですから、米国の90日間の時計がチンと鳴り終わったときに、改めて総理として決意なりを述べられるということは当然あることであると思っていますけれども、今、訪米するから言わなければいけないかといいますと、私はその必要は全くないと思っています。
 できるところまで準備をして、そして臨めば、十分いろいろな意味で、日米間の信頼をお互いが強固にしているというところは来ていますから、そんなに訪米前にTPPについても何かということではないと思っています。もちろん、その前にいろいろな、国内的に、「そうか、そういうことだったらいいか」という話になるのであれば、私はそれは非常に歓迎するべきことだと思っています。

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オスプレイの沖縄配備

【沖縄タイムズ 比屋根記者】今年にも普天間基地に配備が予定されているオスプレイが、モロッコの方で墜落事故があったのですけれども、このオスプレイはいろいろ開発中から事故も相次ぎましたが、現時点でのオスプレイ自体に対する安全性への考え方と、それから、もともと地元の懸念が強い中で予定どおり配備されるとしたら、その配備計画そのものに対してどのように認識されているか、教えてください。

【山口副大臣】どういう原因で事故が起こったかということは、米国からできるだけ早くもらわなければいけないと思っています。それなしに、今、結論を言う必要も私はないと思いますけれども、地元の方の理解を求められるように、できるだけきちんとした報告が得られるように持っていきたいと思っています。
 ちなみに、まだ、いわゆる接受国通報というのですか、そういうものもありませんから、我々としてはそういうところが精いっぱいです。ただ、今の機種から新しい機種にというのは、基本的には米国の方で決めることでしょうけれども、安全について心配がないようにしてくださいというところは我々としてもきちんと確保していくつもりです。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【新華社通信 郭記者】今日は北朝鮮の人工衛星発射の予告の初日で、日本側はいろいろ対応しているのですが、何か反省点がありましたら、また、中国側とのやりとりがもしありましたら、教えていただければと思います。

【山口副大臣】反省点は、我々は特になくて、やはり北朝鮮に、そういうように世の中を騒がせていることを反省してもらいたいと思っていますけど。中国とのやりとりというのは、この間、玄葉大臣と楊潔篪外交部長の二国間、それから、金星煥さんを交えた中での日中韓外相会談、いろいろやっています。それぞれ、もちろん、いろいろな考え方は当然あると思うのですけれども、ただ、このミサイルが今回もしも行くとしたら、調子悪いなということでは、みんな認識が一致しています。
 あとは、あってほしくないし、あってはいけませんけれども、万が一、打ち上げられた場合にどうするかということについては、今、いろいろなすり合わせを行っています。それが今の現状です。

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副大臣会見記録(平成24年4月9日(月曜日)15時00分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-パキスタンにおける日本人旅行者の保護について

【山根外務副大臣】パキスタンにおける日本人旅行者の保護についてお知らせをいたします。パキスタン北東部の治安情勢の影響により、同地域から移動できずに留め置かれていた日本人旅行者77名の方々につきましては、パキスタン政府の協力を得まして、現地時間8日午後4時15分(日本時間同日午後8時15分)に、首都イスラマバードに無事に到着をいたしました。旅行者の方々におかれましては、大きな健康上の問題もなかったと伺っており、非常に安堵しているところでございます。
 この件については、玄葉外務大臣より関係部局に対し、万全の対応を行うようにとの指示がございました。これを受けまして、在パキスタン日本国大使館を通じ、現地に留め置かれた日本人旅行者の方々の無事と安全について、随時確認を行ってまいりました。また、現地及び在京パキスタン大使の双方を通じて、パキスタン政府に対して、旅行者の方々の安全な移送を含む支援を要請するなど、最大限の支援を行ってまいりました。
 旅行者の方々が無事首都に到着されたことを受けて、現地時間8日夜、玄葉大臣からパキスタンのカル外務大臣及び関係大臣に対して、緊急移送への協力について、心からの謝意をお伝えをしたところでございます。

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鳩山元総理のイラン訪問

【朝日新聞 松村記者】イランを訪問中の鳩山さんが、大統領と会見されたということですけれども、現地で発表されておりますが、まず、外務省の方には会談についてどのような情報が入ってきているのか。また、この会談に外務省の方など日本政府の方は同席されているのか、まず、事実関係を教えてください。 

【山根副大臣】いろいろな情報等もお聞きをいたしております。今晩、お帰りになられるというように聞いておりまして、その内容については、鳩山元総理の方からお話なりがあるのだろうと承知をいたしているところでございますが、この鳩山元総理の訪問については、あくまでも個人の立場での訪問でありますので、私どもの方からこれについてコメントするということは、差し控えたいと思っております。
 ただ、私どもの方といたしましては、向こうでは、元総理の方は通訳も付けられたりいたしておりますけれども、現地では、私どもの大使の方が同席をさせていただいているという事実がございます。 

【朝日新聞 松村記者】現地のイラン放送というのでしょうか、国営系の放送で、鳩山さんはIAEAがイランなどの国に課しているのは二重基準ではないかというような発言をしたと伝えられていまして、これが事実だとすると、イランの核開発疑惑に理解を示したとも受け取られかねない発言ではないかと思うのですけれども、その辺りはどのように情報を得ていらっしゃいますでしょうか。

【山根副大臣】一つの発言は、大きな流れの中でのご発言だと思いますので、一部分をピックアップして見てみると少し誤解を生みますので、それらについては、全体の流れの中で理解するのがよろしいのだろうというように思っております。いずれにいたしましても、あくまでも、個人の訪問であることについて政府としてコメントを出すという立場にはないということをご理解いただきたいと思います。 

【朝日新聞 松村記者】鳩山さんが出国される前に、山根副大臣は直接、鳩山さんからお話、事情を聞かれていると思うのですけれども、そのときはどのようなご説明だったのでしょうか。あと、どのようなことを要請されたのでしょうか。

【山根副大臣】私も鳩山元総理とお目にかかりました。元総理との私の個人的な関係もございますので、率直にいろいろなお話もさせていただきました。鳩山元総理の、やはり、根底にあるお考えというもの、理想主義的なお考え方ということをよく私も承知をいたしているわけでありますけれども、私の現在の立場の中では、その理想を追う中で、現実的ないろいろな問題というものが惹起される可能性についてお話をさせていただきまして、このイランへの訪問については思いとどまっていただくようにお願いをしたところでございます。

【朝日新聞 松村記者】それに対しての反応を。

【山根副大臣】それに対しては、議員外交というものの重要性というものをお話をいただきました。私としては、またそれに対していろいろな議論をさせていただきましたけれども、これ以上、言及することは避けさせていただきたいと思います。

【北海道新聞 高橋記者】今の副大臣の発言を受けてですが、外務省としては、今回の鳩山さんの行動で、何を一番懸念というか、心配されているのかということと、確認ですが、現地で大使が同席していたというように聞こえたのですけれども、となると対外的には、日本以外の国は、元総理の個人の訪問と受け取らないと思うのですけれど、その辺はどのようにお考えでしょうか。

【山根副大臣】総理だけでなくても、日本国の国会議員が、それぞれの国の要人に会われる際には、これはそれなりに、大使館としても、通常対応するということにしているところでございますので、それに倣ったということでございます。

【北海道新聞 高橋記者】最初の質問ですが、外務省として、今回の鳩山さんの訪問で何が起きることを一番心配されているのでしょうか。

【山根副大臣】具体的にいくつかの事柄がございますけれども、これらについても率直にお話をさせていただきましたけれども、その内容については控えさせていただきたいと思います。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【NHK 広内記者】北朝鮮の「人工衛星」の発射に関連してですが、本日の政務三役会議でも話されたと思うのですが、外務省の対応・体制について、玄葉大臣はG8でいらっしゃらないわけですが、外務省としては、どのように臨まれるのかということと、発射した場合の本部の設置などについても、併せてご説明いただけますでしょうか。

【山根副大臣】発射が予告をされています12日から16日の7時から12時の間は副大臣のうち一名が外務省に詰めて、発射の際には即応体制を取ることとしております。特に12日及び13日は、玄葉大臣がG8の外相会議で外国に出張中でございますので、副大臣のいずれかが省内の対策・指揮をとりまして、また、安全保障会議等に対応することになると思います。
 また、このように本省詰めとなる副大臣以外の政務二役についても、発射の際は遅滞なく、外務省に参集できる体制を取るよう、大臣から指示があったところでございます。

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副大臣会見記録(平成24年4月5日(木曜日)16時30分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

【山口外務副大臣】私の方から特に冒頭に申し上げることはないのですけれども、今、北朝鮮がミサイルらしきものを発射するのを我々としても、どうしても止めたいと思うし、杉山局長が韓国、中国、米国といろいろずっと回って意見交換をして、擦り合わせをやっています。ロシアの外務次官とも電話協議をさせてもらいました。
 来週なり、どうなるかというところで我々も待機姿勢をとっていますけれども、あとは幾つかありますが、私の方からはその辺です。

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鳩山元総理のイラン訪問

【産経新聞 杉本記者】鳩山元総理のイラン訪問についてお伺いしたいのですけれども、まず、この時期にイランを訪問するということの受け止めと、あと、鳩山元総理が本日、1か月前ぐらいに野田総理に相談をして、野田総理からもその理解を得られていたというような説明をしているのですが、外務省としてこの事実、鳩山さんがイランに行くということを計画している事実を把握されたのは、いつのことになりますでしょうか。

【山口副大臣】鳩山元総理も不測の事態が起こらないようにということで、いろいろと心配されているのだと思います。米国としても、いろいろな手立てを講じていく中でイスラエル、あるいはイランという、今までのやりとりの中でそれがエスカレートしないようにというところはみんなが思っているのだと思います。
 例の六者協議、P5+ドイツ、そういうところの話までこぎ着けるかどうかとか、ずっとやってきたわけですけれども、そんな中で日本としてもイラン、あるいはイスラエルとの関係で、どういうようにできるだろうかということは大臣を中心にずっと我々も考えてきているところです。大臣から適切なタイミングで、適切なレベルでという言葉で言っていると思うのですけれども、そういうことは我々も考えているところです。
 そういう中で鳩山元総理、私はどういうように野田総理と話されたのかというのは正直、当事者でないから、それが1か月前だったのか、どういう状況だったのかというのはよくわかりませんけれども、外務省にはつい最近、話があったというところです。具体的にいつかというのは置いておいたにしても、そんなに昔から話があったのではなくて、つい最近話があったようです。
 私としては、今、与党でいるわけですから、個人ということであっても、調子悪いなというのは正直に思います。けれども、気持ちは非常に純粋で思っておられるわけだから、その辺はよくわかるのですが、だけれども、今、どうみんなでチームワークをとってエスカレートしないようにということですから、そこはどういうように最終的になるのかなと思っています。

【産経新聞 杉本記者】細かい話で恐縮ですが、昨日の時点で大臣は本日知ったとおっしゃられて、今の副大臣のご発言ですと、つい最近ということですが、昨日以前のお話なのでしょうか。できれば日付、どれぐらいのときに外務省に連絡があったかを教えていただいてもよろしいでしょうか。

【山口副大臣】大臣が全体を見る中でそうおっしゃっているわけですから、それはそういうことですね。私は必ずしもイランの直接の担当ではないのだけども、大臣がそうおっしゃっておられるということで受け止めていただいたら、どうでしょうか。

【毎日 横田記者】イランに関しては、今の国際社会、制裁を強めていく局面だと思いますが、日本もそれに共同歩調をとってということで、原油の削減もやっておられると思いますが、この時期に対話を目的に行かれることの外交上のデメリットというのは、どのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。

【山口副大臣】実際に、対話と圧力という言い方はよくありますから、そういう意味では、バランスを取りながらフィネスを効かせるというのは、大いにあり得ることだと思いますけれども。現実にいろいろな見方があると思うけれども、向こうとしても、いろいろなメッセージを出しているわけですから、そのメッセージを無視し切るのが本当にいいのかどうかという観点かもしれません。私には、どういうように鳩山元総理にメッセージが届いているのかわかりませんけれども、そういうように考えておられるのでしょう。
 外務省としたら、今イランだけに行くのがいいのかどうかとか、いろいろな議論があると思いますけれども、どちらにしても一番心配なのは、イランが暴発して、事態がエスカレートするということを心配してのことだと思いますから、気持ちとしてはよくわかります。
 制裁にしても、制裁だけで物事が解決するのではなくて、物事の本質というのは、イランの核開発が止まること、あるいは核の兵器製造に結びつかないこと、それが本質的なことですから、それがもしも可能になる一助であるのであれば、それは一つの考え方だと思います。

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米軍再編問題

【NHK 広内記者】普天間基地の補修費の関係ですけれども、8年間で200億円を超える額を米国が計画をしているという報道もありますが、その事実関係と、改めて、普天間基地の補修の必要性について考えをお願いします。

【山口副大臣】普天間は、私も先日、沖縄に行ったときに現場をずっと見ました。たしかに相当痛んでいるなと思います。また、米軍基地の話ですから、米軍がどのように費用の問題を処理するかというのが、本質的にあるはずです。数字の問題も含めて、まだ公表できるような状況ではないと思いますが、実際に、米軍がどういう範囲で負担をして、それは日本側との関係で、日米安保条約の枠内でどれだけ面倒を見れるのかというところは、また残るのではないでしょうか。
 あとは、大きな流れの中で言ったら、我々は普天間から辺野古にということを言っているわけですから、普天間にそのままずっといるのかというようにご心配される方もおられると思うので、その辺のことも調整しながらやっていきます。
 見たところ、ちょっと床が抜けそうな所とかありましたから、当面、必要な部分というところも相当あると思うので、それは別の答え方を関係なくて、必要な部分もあると思いますから、もしも必要であれば、日米安保条約の枠内で議論していくのでしょう。

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副大臣会見記録(平成24年4月2日(月曜日)17時15分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-第4回日本・メコン地域諸国首脳会議準備事務局の立ち上げ及びキャッチフレーズについて

【山根外務副大臣】本日付で、外務省は第4回日本・メコン地域諸国首脳会議の準備事務局を設置をいたします。この事務局は4月21日に東京で開催されます、第4回日本・メコン地域諸国首脳会議の設営・運営業務の全般を行うことになります。
 事務局長は、南部アジア部の新美参事官が務めます。日本とメコン地域諸国との関係は、第1回の首脳会議以降、大きく進展してまいりました。今回の首脳会議では、今後も、日本・メコン協力を着実に実施するため、2015年までの新たな協力の柱を策定する予定でございます。
 また、政府は今回の会議のキャッチフレーズを「つながる、ひろがる、メコンの和」と決定したところであります。

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ミャンマー情勢

 【NHK 吉岡記者】そのメコンに関連していますが、ミャンマーですけれども、日曜日に補選が行われています。正式な結果発表はまだとは思いますが、日本政府としてどういうように今後の政権を見ていらっしゃるかという受け止めをお願いいたします。

【山根副大臣】45選挙区で補欠選挙が行われました。我が国から3名の選挙の監視員を派遣いたしておりますが、大きな混乱もなく平穏に行われたという認識を持っているところでございます。今後、この選挙の結果が民主化の一層な発展、そして、国民の和解が更に進むということを期待いたしているところでございます。

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