11月9日、午前10時より午後5時まで、「日本・アラブ・イスラム・ジャーナリスト会議」が開催された。会議は、公開シンポジウム形式で開催され、パネリストとして、日本、アラブ・イスラム諸国より5名のジャーナリストが招待された。また、在京関係国大使を含め、約110人の聴衆が参加した。
今次会議では、「日本とアラブ・イスラム諸国の相互イメージの歪みを克服するためのメディアの役割」をテーマの下、長時間にわたり、活発な議論が行われた。
会議では、日本とアラブ・イスラム世界では、お互いに関する情報量が少ないこと、このため互いに対する関心が低く、親しみを覚えにくい状況にあるなどの指摘がなされた。また、両地域における互いの報道については、欧米等のメディアからの情報への依存度が高いこと、視聴者・読者をひきつけるためのエキゾチック、センセーショナルな報道、歴史・背景が複雑すぎることに起因する表面的な報道、ステレオタイプの認識に基づく報道に偏っていること、このため誤解や偏見に結びつきやすいことなど、様々な意見が出された。
これを受けて、事件・事故などの報道のみならず、普通の人々の日常の生活、歴史、文化、宗教、伝統的価値観の違いなど様々な側面を紹介するような、多面的かつバランスのとれた報道の必要性、相互の直接報道のための特派員の派遣、情報交換などメディア間の協力、ジャーナリスト同士の組織作りなど、様々な提案がなされた。
会議では、パネリストだけでなく、在京関係国大使をはじめ、多くの聴衆からも熱心な意見が出され、幅広い活発な議論となった。
相互に抱くイメージは、正しい相互理解に大きく影響すると考えられ、この点についてメディアが果たす役割はきわめて重要である。今回の会議の結果が、両者間の正しい相互理解の一助となることが期待される。
<主催>外務省
<後援>読売新聞社
<日時・会場>
平成17年11月9日(水曜日) 10時~17時
日本プレスセンタービル10階大ホール
<テーマ>
「日本とアラブ・イスラム諸国の相互イメージの歪みを克服するためのメディアの役割」
<プログラム>
10時00分~12時00分 第1セッション
「日本とアラブ諸国はお互いを正しく理解してきたか」
13時30分~15時00分 第2セッション
「アラブ・イスラム諸国における対日理解、日本における対アラブ・イスラム諸国理解」
15時30分~17時00分 第3セッション
「相互理解を深める方策・ジャーナリストの役割」
<使用言語> 英語(日本語同時通訳つき)
<議長・パネリスト>