演説

伴野外務副大臣演説

「日本・中央アジア経済フォーラム」伴野副大臣基調スピーチ

2011年7月

英語ロシア語(PDF)

1.冒頭発言

 「日本・中央アジア経済フォーラム」の開催に当たり,外務省を代表し,本経済フォーラムへの出席のため遠方より来日された中央アジア各国からの参加者の方々を心から歓迎いたします。また,ご多忙の中,出席を快諾いただいた日本側参加者の皆様に深く感謝申し上げます。

 3月11日,我が国は未曾有の震災に見舞われました。今月20日にはウズベキスタンとキルギスの国境地帯でも強い地震があったと聞いており,被災された方々に対し心からのお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災の経験を通じ,私(伴野副大臣)は次の三つのことを痛感いたしました。

 第一に,人は「生かされている」ということです。日本は今後,自然に対抗して災害そのものを封じ込めようといった考えから,安全措置を二重三重の構えで講じ,災害の影響に対する強靱さを高めるという「減災」へと発想を転換していきます。

 第二に,人は一人では生きていけないということ,どんな国でも,一国だけでは生きて行けず,互いに助け合い,繋がっていかなければならないということです。そして生きるための助け合いは,国の垣根を越えるということです。中央アジア諸国をはじめとする国際社会の皆様から多大な支援をいただいた際,多くの方々から,「日本のこれまでの支援に対するお返し」であるとして,支援と連帯が示されたことに日本国民は大変感動しております。

 第三に,ピンチをチャンスに変えることの大切さです。震災後,日本の産業は大きな被害を被りましたが,今後,日本は災害経験を踏まえたまったく新しいモデル社会を創ってまいります。

2.我が国にとっての中央アジアの重要性

 私は,我が国にとっての中央アジアの重要性は次の3点にあると考えます。

 第一に,地政学的観点からこの地域がもつ戦略的重要性です。ユーラシア大陸を東西南北に結ぶクロスロードに位置する中央アジアが開かれた地域として安定的に発展していくことは,ユーラシアの安定のために極めて重要です。

 第ニに,中央アジアに存在する石油,天然ガス,ウラン,レアアース等の豊富な天然資源は,我が国にとり大変重要です。

 第三に,中央アジアが,1)アフガニスタンの安定化,2)テロ・イスラム過激主義の拡大防止,3)麻薬取引の取締,といった現在国際社会が直面している喫緊の課題に対処していく上での鍵を握る地域であることです。

 本日のフォーラムでは,このような重要性を持つ中央アジア諸国と我が国との貿易・投資関係を一層活発化していくための方策について活発な議論を行っていきたいと考えております。

3.「日本・中央アジア経済フォーラム」のポイント

 本日の「日本・中央アジア経済フォーラム」は,2004年に立ち上げられた「中央アジア+日本」対話の枠組を利用して,日本と中央アジアとの経済交流の促進に向けた議論を行おうとする試みです。

 本日,皆様に特に活発に議論していただきたいポイントは次の3点です。

 第一に,中央アジア地域全体をいかに経済的に発展させていくかという課題です。

 第二に,どのようにすれば中央アジアが外国資本にとってより魅力的な共通市場として発展していくことができるかという課題です。

 第三に,どのようにすれば日本企業が中央アジアの経済発展に貢献して行けるかという課題です。

 これらの問題意識はまさに,「中央アジア+日本」対話の趣旨,すなわち,中央アジア諸国が地域共通の課題に共同で対処し,地域内協力を推進していくこと,そしてそういった動きを日本が「触媒」として支援していくという考え方を反映したものです。

 本日の議論の成果は「議長総括」という形でとりまとめ,本年秋に東京で開催予定の「中央アジア+日本」対話の高級実務者会合(SOM)において更に議論を深めた上で,明年に開催予定の第4回外相会合における成果へと繋げて行きたいと考えております。

4.結語

 本日,こうした重要な課題について自由闊達な意見交換が行われることを期待し,私の挨拶とさせていただきます。ご清聴有難うございました。



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