演説

中曽根外務大臣演説

TICAD IVフォローアップ・シンポジウムにおける
中曽根外務大臣政策スピーチ
「平和を創出する~日-アフリカのパートナーシップ」
(骨子)

平成21年3月11日

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1.はじめに

 30年前のアフリカとの初めての出会い。急速な経済発展と魅力的な資源で注目を集めるアフリカ。アフリカでの出来事(ソマリア沖の海賊問題など)は日本国民の生命や財産の安全にも影響。

2.アフリカにおける日本の貢献

 TICADプロセス等を通じて、アフリカ開発に大きな実績。閣僚級フォローアップ会合を3月21-22日にボツワナで開催。
 アフリカの平和と安定についても、日本は人道支援、復興支援等には実績あり。しかし、平和構築の初期段階における貢献(紛争解決、和平合意達成・実施)はまだ緒についたばかり。

3.紛争の終結、和平の達成のための積極的関与

 停戦・和平合意の形成プロセスにおける日本の貢献への期待が高まる。ダルフール問題やソマリア問題について、日本として、紛争終結、和平達成のために関係諸国と協働していく。
 安保理メンバーとして、アフリカの平和と安定に関する安保理における議論にも一層積極的に参画。

4.和平合意の実施のための積極的関与

 スーダンにおける元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)に日本は他国に先駆け支援を実施、国際社会の取組を強力に牽引。今後、和平合意の実施により積極的に関与。

5.アフリカ自身の平和維持能力強化支援の拡充

 現在アフリカで活動中の国連PKOミッションにアフリカから多くの要員が参加しているが、アフリカ諸国の平和維持能力はまだ不十分(装備、要員の資質等)。
 我が国は昨年からアフリカの5つのPKO訓練センターへの支援を実施。資金面の支援に加えて、自衛官、文民を講師として派遣。今後も、このようなアフリカの平和維持能力強化のための支援を積極的に実施する。

6.日本の人的貢献の強化

 PKO要員をはじめとする平和構築のための人的貢献の強化が必要。現在スーダンで、国連機関職員として32人、NGO職員として26人の邦人が活躍。こうした平和構築の最前線に立つ邦人を今後、一人でも多く輩出したい。

7.おわりに

 アフリカの平和と安定の確保は、覚悟と決意のいる国際社会の大事業。我が国は復興・開発分野における経験、知恵、実績を携え、これからは平和を創出する段階を含む、平和構築のあらゆる段階において取組を強化していく。日本としてできることを最大限追求していきたい。シンポジウムの議論から多くの示唆が得られることを期待。

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