演説

伊藤外務副大臣演説

第16回OSCE外相理事会
伊藤副大臣ステートメント(仮訳)

平成20年12月5日

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(写真)

 議長及びご列席の皆様、
 まず本外相理事会の開催にあたり、本年を通じてストゥブ議長が発揮されているリーダーシップに改めて敬意を表するとともに、フィンランド政府の素晴らしいホスピタリティに感謝いたします。

 日本は、ユーラシア大陸の東においてOSCE地域と地理的に接しており、欧州の安全保障情勢は我が国にも大きな影響を与えてきました。現下のグローバルな安全保障上の課題が増している中、多くのOSCE参加国と共通の価値を有する日本は、OSCEと幅広い協力が可能です。

(欧州情勢と日本)

 例えば、日本はこれまでも長年にわたり、中・東欧の民主化、バルカンの安定化を支援してきましたが、こうした姿勢に変化はありません。現在の欧州安全保障上の最大の関心事の一つであるグルジアに関しては、ジュネーブにおけるプロセスにおいて全ての当事者がこの問題の平和的解決に向けて建設的な役割を果たすことが極めて重要と考えています。また、日本はグルジアに対して約2億ドルの支援を表明しました。グルジアが紛争被害から回復し、安定と発展の軌道に戻ることを期待しています。

(アジアの課題:北朝鮮)

 一方、アジアに目を向けると、この地域には重大な人権問題が今も残っています。とりわけ欧州にも被害が及んでいるとの証言がある北朝鮮の拉致問題を忘れるわけにはいきません。日本は、国際社会と連携しつつ、北朝鮮に対し、北朝鮮の人権状況の改善を通じた拉致問題の解決に向けた具体的行動を求めていきます。同時に、北朝鮮の核問題やミサイル問題は、まさに国際社会全体の安全に対する脅威です。2006年7月に北朝鮮がミサイル発射を行った際には、私は外務大臣政務官として国連安保理決議1695を採択する理事会に出席しました。私は、このような幅広い安全保障問題に対処するため、OSCEと日本が対話と協力を強化することが、国際社会の平和と安定に貢献するものと確信しています。日本はOSCEで最も歴史のあるパートナー国として、OSCEのアジアへの窓口として重要な役割を果たすことができます。

(中央アジア・コーカサス、アフガニスタンでの協力)

 更に、日本とOSCEの関係は、中央アジア・コーカサスやアフガニスタンにおける具体的な協力の段階へと進展しています。中央アジア・コーカサスでは、日本は本年アルメニア、グルジアのOSCE選挙監視ミッションに要員を派遣しており、今後も積極的にこうした協力を行う考えです。

 アフガニスタンは、来年大統領選挙が予定されており、重要な一年を迎えます。こうした中でOSCEによる同国への関与の強化を歓迎します。日本は引き続き、復興開発支援分野での様々な経験を生かし、民主的なアフガニスタンの平和と安定のため貢献していきます。また、日本はアフガニスタンの国境管理を含む様々な分野で、OSCEとの連携を検討していきたいと考えています。更に日本は国際社会のテロとの闘いを引き続き支援します。日本は、インド洋における海上でのテロ対策活動に従事しているOSCE参加国を含む各国の艦船に対して補給活動を行っています。こうした活動を延長する法案が現在国会で審議されており、日本政府としては、補給活動継続に向け最大限努力していきます。

(結語)

 日本は明年6月10~11日に、東京にて、OSCEとアジア・パートナー国との共催会議を主催します。日本は、戦後60年以上の間、経済復興を遂げただけでなく、アジアの発展と安定にも大きく貢献してきました。我が国は、アジアと欧州に共通する安全保障上の諸課題について議論をリードし、OSCEとともに国際社会に対し平和と安定の促進のために明確なメッセージを発信していきたいと考えています。

 最後に、OSCE及び各加盟国、並びにアジア・パートナー諸国と今後とも緊密に協力していくことを改めて表明いたします。ご静聴ありがとうございました。

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