談話・コメント

外務報道官談話

国際刑事裁判所(ICC)によるルバンガ事件の判決言渡しについて

平成24年3月15日

  1. 3月14日(水曜日),国際刑事裁判所(ICC)第一審裁判部は,コンゴ民主共和国の事態について,国内武力紛争における戦争犯罪(児童兵の徴集若しくは編入又は敵対行為のための使用)につきトマ・ルバンガ・ディーロ(Mr. Thomas Lubanga Dyilo)被告人に対して有罪の判決を言い渡しました。
  2. 今般の判決は,2002年のICC発足以来,ICCが下した最初の判決であり,我が国としては,国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪に関し,不処罰を許さず,犯罪の発生を防止するとの観点から,ICCがその役割を果たしたことを評価します。
  3. 我が国は,国際社会における法の支配を推進するという立場から,唯一の常設的な国際刑事裁判機関であるICCの活動を重視しており,引き続き,ICCが,ICC規程に従い,最も重大な犯罪の訴追及び処罰を通じて,その役割を果たしていくことを期待します。

【参考1】コンゴ民主共和国の事態の経緯
 コンゴ民主共和国では1990年代初めより不安定な情勢が継続し,1999年以降,同国東部において土地及び天然資源の分配を巡る部族間の紛争が激化。特に2002年後半から2003年にかけて部族間での戦闘により,市民を巻き込んだ虐殺,人権侵害,難民が発生。これを受け,2004年3月,コンゴ民主共和国は,2002年7月1日以降に同国内で生じたICC規程上の犯罪に関する事態をICC検察官に付託。2004年6月,ICC検察官は同国の事態につき捜査開始を決定。

【参考2】ルバンガ事件の経緯
  1. 2006年2月,ICC予審裁判部は,戦争犯罪(児童兵の徴集若しくは編入又は敵対行為のための使用)の容疑で,コンゴ愛国同盟(UPC)及びコンゴ解放愛国軍(FPLC)の創設者で元FPLC最高司令官であるルバンガ被疑者に対する逮捕状を極秘に発付。2006年3月,コンゴ民主共和国は同被疑者をICCに引き渡した。
  2. 予審裁判部は,2006年11月~12月に公判前の犯罪事実の確認手続を実施し,2007年1月,(1)2002年9月初旬から2003年6月2日までの間に国際武力紛争において行われた戦争犯罪(児童兵の徴集若しくは編入又は敵対行為のための使用)及び(2)2003年6月2日から2003年8月13日までの間に国内武力紛争において行われた戦争犯罪(児童兵の徴集若しくは編集又は敵対行為のための使用)の犯罪事実を確認した。
  3. 2009年1月,第一審裁判部は,ルバンガ事件の公判手続(ICCで初めての公判手続)を開始した。第一審裁判部は,計204日間の審理において67名の証人の証言を聴取し,昨年8月の最終弁論をもって公判手続が終了。
  4. 2012年3月14日,第一審裁判部は,2002年9月から2003年6月までの間に国内武力紛争において行われた戦争犯罪(児童兵の徴集若しくは編入又は敵対行為のための使用)の犯罪事実につきルバンガ被告人に対して有罪の判決を言い渡した。
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