談話・コメント

外務報道官談話

バーレーンにおける独立調査委員会報告書の提出について

平成23年11月25日

1. 11月23日(水曜日),バーレーンにおける独立調査委員会が,本年2月及び3月のデモに対する政府の対応に関する報告書をハマド国王に提出するとともに公表したことを歓迎します。

2. ハマド国王が,同様な事件を二度と起こさないとの決意を表明した上で,政府によるワーキンググループを結成し,報告書の提言を早急に検討する旨述べたことに注目しています。

3. 我が国としては,バーレーン政府が同報告書の提言を速やかに実施し,同国の改革が実質的に進展することを期待します。

  【参考1】独立調査委員会
  • 主に本年2月から3月にかけてバーレーンで発生したデモへの政府の対応における人権侵害事案を調査する委員会で,7月1日(金曜日)の勅令により設置。5人の国際的に著名な国際人権法専門家から構成される同委員会は同国政府から独立して如何なる干渉も受けずに事案調査を実施。調査結果とそれに基づく提言を報告書にまとめ,11月23日(水曜日),ハマド国王に提出するとともに公表。
  • 報告書は,政府当局によるデモ参加者等の不当逮捕や拘留者への拷問,過度の武力行使・破壊行為等を認定し,政府側責任者の処罰や有罪判決を受けた被告らに対する刑の見直し,法執行機関の改革等を提言。これに対し国王は,当該諸事件を二度と起こさないとの決意を示すとともに,政府によるワーキンググループを結成し,報告書の提言について早急に検討する旨言及。
  【参考2】バーレーン情勢
  • 本年2月13日(日曜日)から,シーア派国民を中心に改革を求める反政府デモが発生し治安部隊との衝突が多発。3月15日(火曜日)に国家安全事態(非常事態)宣言が発出(6月1日(水曜日)に解除)。以降,治安は改善傾向にあるが,シーア派地区を中心に抗議活動が散発的に発生。独立調査委員会報告書によれば,デモ隊と治安部隊との衝突で35人死亡。
  • 幅広い層の国民が様々な問題の解決策を話し合うため,ハマド国王の呼びかけにより,7月2日(土曜日)~28日(木曜日)に国民対話を実施。国王は,同対話での合意事項の実施に必要な手続きを行政府及び立法府に指示。
  • 9月24日(土曜日)及び10月1日(土曜日),本年2月に発生した反政府デモに対する政府の対応に抗議してのシーア派政治団体「ウィファーク」所属下院議員全員の辞職により空席となっていた18議席(総議席数:40)を決める下院補欠選挙実施。シーア派は大幅議席減(18議席→8議席)。

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