談話・コメント

外務報道官談話

ミャンマー情勢(総選挙の実施)

平成22年11月7日

  1. 本7日(日曜日),1990年以来20年振りのミャンマーの総選挙が実施されました。我が国は,先般の日メコン首脳会議,日ミャンマー外相会談等を含め,これまで累次にわたりミャンマー政府に対し自由・公正で開かれた選挙を実施するよう働きかけてきました。その観点から,我が国は、アウン・サン・スー・チー女史の早期釈放やスー・チー女史及びNLDとの実質的対話の実施を働きかけてきました。それにもかかわらず,こうした期待が選挙実施に至るまで実現しなかったことは,誠に残念です。

  2. 我が国は,今後、ミャンマー政府が,政治犯の釈放を進めること等により,今般の総選挙をより一層開かれたミャンマーへの出発点とするよう期待し、また,法の支配に基づく文民による責任ある政府への移行,基本的人権と自由の尊重及び幅広い国民参加に基づく経済・社会発展につながるよう関係者と実質的な対話を実施することを期待します。我が国は、このようなプロセスを期待しつつ,同総選挙の結果及びその後の進展を見極める考えです。

【参考】

  1. 総選挙は,国民代表院(下院)330議席(他に,選挙によらない軍人代表議席が110),民族代表院(上院)168議席(他に,選挙によらない軍人代表議席が56),地域・州議会665議席(他に,選挙によらない軍人代表議席が約220)について行われた。

  2. 選挙には,政府閣僚等が結成した連邦連帯開発党(USDP),アウン・サン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)からの離党者が結成した国民民主勢力(NDF),少数民族系のシャン民族民主党(SNDP)など計37政党が参加した。

  3. 自宅軟禁中のアウン・サン・スー・チー女史及び刑務所に収監されている政治犯は,本年3月に制定された選挙関連法の規定により,選挙に参加する権利を与えられなかった。

  4. 選挙結果の発表日時は,現時点において公表されていない。

  5. ミャンマーの新憲法の規定によれば,国会は総選挙後90日以内に召集されなければならない旨規定されている。

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