談話・コメント

中曽根外務大臣談話

ミャンマー情勢(アウン・サン・スー・チー女史に対する判決・自宅軟禁措置)

平成21年8月11日
  1. 今般、インセイン刑務所特別法廷においてアウン・サン・スー・チー女史に対し3年の労働を伴う禁固刑判決が下される一方で、ミャンマー政府は記者会見を行い、同女史を1年半の自宅軟禁にすることを発表しました。我が国としては、ミャンマー政府に対し、国際社会の声を踏まえ適切に対応するよう働きかけを行ってきたにもかかわらず、このような判決が出されたことは極めて残念であり、ミャンマー政府の今般の措置には留意しますが、スー・チー女史が置かれている現状は極めて遺憾です。
  2. 我が国としては、スー・チー女史を含むすべての政治犯の速やかな解放とすべての関係者を含む形での民主化プロセスの進展をミャンマー政府に対して累次にわたり働きかけています。また、7月初旬に同国を訪問した潘基文国連事務総長からもすべての政治犯の解放を働きかけています。我が国としては、ミャンマー政府がこのような国際社会の考えを真摯に受け止め、民主化に向けて前向きに対応することを強く期待します。

【参考】

 11日、ヤンゴン市内のインセイン刑務所内に設置されている特別法廷において、アウン・サン・スー・チー女史に対し、国家防御法第22条(下記注)に違反したとして3年の労働を伴う禁固刑の判決が下された。右判決の直後にマウン・ウー内務大臣が裁判を傍聴していた外交団・プレスへの会見を行い、「ミャンマー政府は、同女史に対する労働を伴う禁固刑の期間を2分の1に減刑の上、その期間を政府の規則に従い自宅で生活させることとする。」旨発表した。

(注)国家防御法第22条には「制限命令若しくは禁止命令に反対する、違反する又は背く行為を行った者は、3年から5年の禁固刑若しくは5000チャットの罰金又は双方の刑罰に処する。」と規定されており、スー・チー女史は、本年5月3日に米国人が同女史宅に侵入したことに関し、同人を住居に入れたこと、及び当局に通報しなかったことが同条に規定する制限命令に違反するとして訴追されていた。

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