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世界の学校を見てみよう!

スペイン
Spain

スペインの学校では今


学校の校庭。子供たちはスペインの真っ青な空の下でのびのびと遊ぶことができます

 地域の特色を大切にするスペインでは,17の自治州が,国からある程度の自治を認められています。教育についても,スペイン全体の学校制度としては,初等教育,中等教育,高等学校,大学の6・4・2・4(6)制で,初等教育と中等教育の10年間が義務教育とされていますが,このような国の教育に関する法律を基本としながらも,各自治州が独自の教育制度を持っています。例えば,「サグラダ・ファミリア」という教会の建築で有名なガウディがいたスペイン第二の都市,バルセロナを中心とするカタルーニャ自治州では,スペイン語の他に,その土地ならではの「カタルーニャ語」でも授業が行われるよう定められています。

 首都があるマドリード州の公立学校の特徴は,なんと言っても多くの小学校や中学校で「バイリンガル教育」を行っていることです。それぞれの学校が,母国語であるスペイン語の他にフランス語や英語などの外国語を一つ選び,算数,スペイン語,スペイン文学以外の科目の授業を外国語で行っています。

 今回はスペインの首都,マドリードにあるロサ・ルクセンブルグ校を訪ねました。この学校では,スペイン語と英語の二言語で教育が行われています。


5月の「サン・イシドロ」のお祭りの様子。「チュラパ」という衣装がすてきです

 ロサ・ルクセンブルグ校は幼稚園と小学校が一緒になった男女共学の学校で,3才から12才の子ども達(6~12歳が小学生)が在籍しています。児童数は450人,平均して1クラスは25人,先生の人数は全体で24人と,マドリード市の学校としては小規模です。

 授業は月曜から金曜までの9時から12時,14時から16時の5時間で,お昼休みは2時間あります。スペイン人にとって昼ご飯はとても大切です。昼食の量が日本よりも多く,時間をかけてゆっくりと食べる習慣があるので,学校の昼休みも少し長くとってあります。

 最近ではスペインでも共働きの両親が多いので,PTAの協力で朝7時半から9時までの授業開始前,または午後16時から18時までの放課後教育が行われています。スケートや英語劇に加えて,柔道を習う生徒もいます。スペインでも柔道は体や心を鍛えたり,目上の人への礼儀を学ぶのに大変役立つと考えられており,広く普及しています。


クリスマスの劇の様子。写真左のように、スペインではイエス・キリストが生まれた時に東からやってきたとされる3人の王様の到着を祝う習慣があります。それに合わせて、1月5日に子供たちはプレゼントをもらいますが、日ごろの行いが悪いと石炭しかもらえません

 学校での活動で子供たちが一番楽しみにしているのが,学校行事です。クリスマスには英語の劇を作り,クリスマスソングを歌います。それが終わると一人一人が持ち寄ったクリスマスのお菓子を教室のみんなで食べます。また,5月のマドリードの守護聖人「サン・イシドロ」の日には,子どもたちは「チュラパ」という衣装を着て,「チョティス」という踊りを家族の前で踊ります。踊りの後は,みんなでドーナツとレモネードをいただきます。また,ハロウィーンなどの機会に合わせてそれぞれ思い思いの仮装をして登校することもあります。


スペインでは、多くの学校が一年が無事に終わったことをお祝いして学期末にゲーム大会を行います。学校中の生徒が赤と白に分かれて勝負を決めます

 スペインで日本を代表している「日本大使館」では,日本のことを知ってもらおうと,子供たちに日本文化を広める活動をしています。ロサ・ルクセンブルグ校では,紙芝居を使って「一寸法師」,「浦島太郎」,「鶴の恩返し」などの日本の昔話や,節分などの日本の慣習を紹介しました。その後,子供たちは自分たちで紙芝居を作り,日本をテーマにした文化週間で発表もしました。
大使館が最初にこの活動を行った当時は,日本と言えば多くの子どもたちにとって「ドラえもん」くらいしかイメージがわかず,他のアジアの国と勘違いしている子もいました。しかし,2回目の訪問では大使館のスタッフが教室に入ると「ハポン,ハポン(スペイン語で「日本」の意味)」の大合唱で迎えてくれました。これからも多くのスペイン人が「日本ファン」になってくれるように,活動を続けていきたいと思います。

(2015年7月)