中学校での様子
東南アジアに位置する小さな国,シンガポール。中華系,マレー系,インド系など様々な人が生活しており,とてもグローバルなところです。さて,この国の学校教育は小学校6年間,中学校4~5年間,その後は大学進学を希望する生徒向けに設けられた大学進学課程2~3年間を経て大学へ進む場合と,ポリテクニックとよばれる専門的な知識や技術を習得するための学校へ進む場合などがあります。現在は小学校のみが義務教育になっていますが,ほぼすべての子供たちは中学校へ進学しています。シンガポールの学校教育は,生徒が自分のペースで将来の可能性を最大限に育むことを目指しています。
中学校授業の様子
シンガポールでは,1966年に2言語教育政策が導入され,現在シンガポールの学校では英語で授業が行われています。一方でシンガポールは様々な異なる民族の人たちが生活していることから,それぞれの民族のアイデンティティを尊重するために,それぞれの母語(華人系は中国語,マレー系はマレー語,インド系はタミル語など)を第2言語として学べるようになっています。そのためほとんどのシンガポール人は,英語だけでなく,母語である中国語,マレー語やタミル語を話すことができます。小学校卒業後は,第3言語として日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語を学ぶ機会が与えられることもあります。
中学生の課外活動 フェンシング
中学校の生徒たちは放課後や休みの日には,音楽,芸術,スポーツなどの課外活動を楽しんでいます。例えば,サッカーやバスケットボールなど人気のある競技に加え,アルティメット(フリスビー),フェンシング,ダンス,ロボット研究など様々なクラブが活動をしており,学校同士の大会や交流も行われています。こういった活動を通じて,生徒はリーダーシップを磨いたり,社会性を学んでいます。またシンガポールの生徒はコミュニティでボランティアをすることも求められており,忙しいながらも充実した毎日を過ごしています。
このような学校生活を通じ,生徒たちは急速な世界の変化についていくために必要な創造性や自信と尊敬,責任,正直さ,調和といった多民族,多文化社会での重要な価値観を育んでいます。
(2014年6月)