スクールカラーである赤と緑に彩られた,オンズロー高校の校舎
ニュージーランドの学校教育は,初等教育の小学校(Primary School) 6年(5歳~10歳・Year1~6),中等教育の中学校(Intermediate School/Middle School) 2年(11歳~12歳・Year7~8),高校(Secondary School/College/High School) 5年(13歳~17歳・Year9~13)からなっています。義務教育は6歳~16歳ですが,5歳になると小学校への入学が許可されるため,ほとんどの子供達は5歳の誕生日の翌日から小学校に入学します。児童,生徒は個別に入学するため,ニュージーランドの学校では入学式がありません。南半球に位置するニュージーランドの学校は,日本とは季節が逆で,夏休みが終わる1月下旬から1学期が始まり,12月中旬に4学期が終わります。学期と学期の間は2週間ほどの休み(School Holiday)があります。11年生から年に一度,全国統一学力試験(The National Certificate of Educational Achievement (NCEA))を受験します。レベルは1~3まであり,レベル3の評価により進学する大学が決まります。
オンズロー高校の正面玄関
ニュージーランドの首都ウェリントンの中心から車で約20分の場所に,今回ご紹介するオンズロー高校(Onslow College)はあります。全校生徒は,9年生から13年生まで合わせて約1200名,教師約70名の比較的規模の大きい共学の公立高校です。
この学校では,9年生と10年生の生徒をジュニア,11年生から13年生をシニアと呼びます。制服はなく,生徒一人一人の人格をとても尊重しているのがこの学校の特徴です。また重要な校内イベントには生徒が必ず関わるなど,日頃から生徒の行動力を高める教育に重点がおかれています。
授業は月曜日から金曜日の週5日行われ,午前8時45分に始まり(火曜日だけ午前8時30分から),午後3時10分に終わります。1時限60分の授業を,ジュニアは5時間,シニアは4~5時間受けます。教科は,ジュニアでは数学,国語,体育,理科,社会が必修となっていますが,シニアになると,必修科目はほとんど無く,ほとんどが選択科目となります。日本の学校と比較して,Media Studies(メディア学)・Café Cuisine (カフェの料理)・Maori Language (マオリ語)・Poutama (マオリパフォーマンス)・Art History (美術史)・Photography (写真)・Gate Way (就業体験)などユニークな科目があります。
オンズロー高校の図書室
放課後になると,各種スポーツをしたり,友達と遊んだり,アルバイトに出かけたりなどして過ごす生徒がいる一方で,まっすぐ家に帰り,コンピューターゲームをしたり,好きな音楽を聴いたり,絵を描いたりして,その過ごし方は千差万別です。 多くの生徒は携帯電話を持っており,友人とメールを交換したり,フェイスブックなどのソーシャルネットワークを通じて,多くの友人と交流を楽しんでいます。
週末は,家族と一緒に過ごしたり,友人と映画を観に行ったりします。夏休みには,家族と海や山に出かけたり,バーベキューパーティなどを開いて,アウトドアでの時間を思いっきり楽しんでいます。
日本への旅行経験があるなしにかかわらず,日本の漫画やアニメは大人気です。日本の高校へ2週間短期留学したことのあるシニアのトレイスさんに日本についての感想を聞くと,「日本は様々な伝統文化,お祭りやイベント,食文化,最新技術などが日々の生活に溶け込んでいて,ニュージーランドとは別世界だった」とのことでした。
(2012年12月)