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世界の学校を見てみよう!

世界の学校を見てみよう
マレーシア(Malaysia

マレーシアの学校では今

マレーシアの学校制度

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校舎(教室棟。学校の名前と校章が掲げられています)

 マレーシアの学校制度は、初等教育6年、中等教育が5年(前期3年、後期2年)、大学予備教育1年~1年半となっています。

 マレーシアは多民族国家であるため、小学校段階では、国語であるマレー語を教授言語とする学校の他、中国語、タミル語による学校もあります。いずれの学校においてもマレー語は必修です。また、小学校、前期中等教育学校、後期中等教育学校の各終了時点、更には大学予備教育終了時点に国家統一試験が実施され、この成績に応じて、進学先が決定されます。

クアラルンプール・テクニック中等教育学校

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講堂に集まる生徒達(イスラム教徒であるため、男子生徒と女子生徒は左右に分かれて座っています。また、女子生徒はトゥドゥンと呼ばれるスカーフを頭にかぶっています)

 今回ご紹介するクアラルンプール・テクニック中等教育学校は、マレーシアの首都クアラルンプール市内にある学生数608人の男女共学校です。前期中等学校を終えた、日本では高校1年・2年にあたる生徒が通っており、全生徒の約80%が寮に住み、残りの約20%が自宅から通学しています。1クラスは約30人、授業は月曜から金曜の午前7時25分から午後2時40分までで、40分の授業が1日11コマあります。同校で英語を教えるリーラ先生によると、テクニックという校名にもあるとおり、同学校では英語や数学などの一般の科目の他、技術の授業があり、電気工学や機械工学などを教えているそうです。また、寮に生活している学生も多いことから、授業のない土曜日にも補習授業のため学校に来ているそうです。ちなみに、イスラム教が国教であるマレーシアでは、全ての学校に礼拝所があり、この学校にも男子寮と女子寮との中間に立派な礼拝所がありました。

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    男子寮(寮は男女で建物が分かれており、
    多くの生徒が寮で共同生活をしています)

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    教室の様子(取材に訪れた日は
    全生徒が講堂に集まっていて留守でした)

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インタビューに応じてくれたハキムさん(右から2番目)とニサさん(右から3番目)。彼らが着ているのは課外活動用の制服で、普段は別の制服を着ています。

 寮に住む男子生徒の一人ハキムさんによると、親から離れ、友達とともに自立した生活を送ることの出来る寮生活は充実しており、授業時間や休みの日は、勉強のほかに、マレーシアで最も盛んなスポーツの一つであるバトミントンをしたりして過ごしているそうです。週1回のクラブ活動では、ロボット制作クラブに所属して友人とともに小型ロボットの制作にチャレンジしています。学校から許可されている実家への帰省日は月2回、時々家族が恋しくなることもあるとのこと。昨年交換留学で日本に行ったハキムさんが一番印象に残っていることは、日本の高校での一日授業体験で、日本の学校生活と自分の学校生活の違いに驚いたと言っていました。 同じく寮生活を送る女子生徒の一人ニサさんも、昨年交換留学で広島県を訪問したそうです。ニサさんは、音楽が好きで放課後に学校のピアノを演奏しています。また、写真部に所属し、学校が毎年発刊している学校紹介本(全面カラー約250ページ)の編集長でもあります。高校卒業後は日本に留学するのが夢というニサさん。なぜ日本に興味を持ったのか聞いたところ、ジャニーズのファンでポップミュージックから日本への関心を持ち、色々調べるうちにますます日本が好きになったそうです。そばや寿司などの日本食も大好きで、家族と会う日には一緒に日本食料理屋にも行くそうです。

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    キャンティーン
    (飲み物や軽食が販売されています。
    なお、寮で生活する学生のための食堂は別にあります)

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    礼拝所(生徒はイスラム教徒であるため、
    学校には礼拝所が併設されています)

(平成24年10月)