リガ文化学校全景
ラトビアにおける義務教育は、日本の小学校、中学校にあたる1年生から9年生まで9年間です。この期間に生徒が学ぶ学校は「基礎学校」と呼ばれ、1年生から6年生までの「第1段階」と、7年生から9年生までの「第2段階」に分けられます。10年生から12年生までが学ぶ「中等学校」は、日本の高校に当たり、大学や専門学校といった高等教育機関への進学を希望する生徒が学んでいます。「基礎学校」、「中等学校」での教育が「一般教育」と呼ばれるのに対して、高等教育機関での教育は「高等教育」と呼ばれます。
絵画コンクールでの表彰式の様子(小学生)
「一般教育」を行う公立の学校は全国に約900校あり、大半の学校ではラトビア語で授業が行われています。ラトビアには歴史的な背景からロシア語系住民も多く、ラトビア語とロシア語の両方を理解する生徒も多いため、ラトビア語とロシア語で授業を行う学校や、ロシア語で授業を行う学校もあります。
着物体験(高校生)
ラトビアは高緯度に位置しているため、夏季は夜11時頃まで明るいのに対して、冬季は日照時間が短くなり、朝9時頃にようやく明るくなり、夕方4時頃には暗くなります。学校は朝8時から1時間目の授業が始まるため、生徒たちは、冬季は辺りがまだ真っ暗な中を登校します。摂氏-30度になると休校になりますが、日照時間が短い上に、寒くて長い冬の間は、生徒はあまり元気がないそうです。長い冬が終わると、生徒はもちろんのこと、先生も一気に元気になり、学科に関係なく、数学や倫理の授業でも屋外での授業が増えるそうです。
ラトビアの学校は6月~8月に長い夏休みがあります。その間、宿題は一切出ないそうです。短い夏を満喫するために、勉強からも解放されてリラックスできます。
リガ市にある「リガ文化学校」は、2001年度の学校再編により日本語文化学校とサルカンダウガワ小中学校の統合により設立された小中高の一貫校で、「一般教育」で日本語が学べる唯一の公立学校です。小・中学部(1年~9年生)と高等部(10年~12年生)があり、全部で700余名の生徒たちが通っています。高等部では「言語コース」と「一般コース」に分かれており、「言語コース」では、第一外国語から第三外国語まで選択できます。日本語は中国語、アラビア語とともに第三外国語となっており(第一外国語は英語、第二外国語はフランス語とスペイン語)、現在10年生から12年生までの約80名が日本語を勉強しています。日本語コースの生徒は、仏教の講義、日本の伝統的な「あそび」体験、コスプレカフェや漫画ワークショップなどの実施、そして、日本国大使館主催の文化行事に積極的に参加する等して、日本への関心や理解を深めています。日本については、「とてもキレイな国」「日本人はみんな優しい」「アニメやマンガが面白い」など、とても好印象です。生徒の中には、高校卒業後に日本で学びたいと考えている生徒もいるそうです。
(2013年6月)