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世界の学校を見てみよう!

アイスランド共和国
Republic of Iceland

アイスランドの学校では今

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校舎

 アイスランドの教育制度は10年間の初等教育(小中学校),4年間の中等教育(高校),3~6年間の高等教育(大学)に分けられます。義務教育である初等教育の就学年齢は6~16歳までです。義務教育期間中は一般的に,アイスランド語,数学,美術,工芸,家庭科,音楽,社会,自然科学,体育に加え,第6学年からはデンマーク語,第7学年からは英語を学びます。初等教育から高等教育にかけて,学校の大半は公立で,私立はほとんどありません。

 また,アイスランドには日本のような受験制度はありません。中等教育を受けたい人は,初等教育の時の成績と自分の希望に合わせて学校が決まります。そして,中等教育を修了すれば,自動的に高等教育を受ける権利が与えられます。そのためアイスランドでは,中等教育修了後すぐに大学へ入学せずに,アルバイトをしたり,旅行に行ったりする人も多く,大学では誰でも自分の好きな学部に入ることができ,自身の希望に合わせて柔軟に学部を変更することも可能です。

 今回取材したホフスタダ学校は,首都レイキャビク近郊のガルダバイル市に位置しています。1~7年生まで計464名の児童が学ぶ公立学校(初等教育)です。同校のモットーは「5V:Virðing(尊敬),Viska(英知),Vinnusemi(勤勉),Vellíðan(健全),Verkmennt(工芸)」です。子供たちは徒歩,自転車,バスまたは親の送り迎えでそれぞれ登校し,毎週月~金の朝8時半~14時頃まで授業を受けます。昼食については,給食かお弁当持参かを選ぶことができます。

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    「プログラミング」の授業風景
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    ストップ・モーション映像を制作中の生徒

 ここでは,同校の興味深い授業をいくつか紹介したいと思います。
 まずは「イノベーション・コンテスト」の準備授業です。「イノベーション・コンテスト」とは,年に一度アイスランド全土から子供たちが参加するコンテストで,子供たちが日常生活の中から問題点を見つけ出し,その解決策を提案するというものです。最優秀賞受賞者はアイスランド大統領から直々に賞が授与されます。そのコンテストにおいて,同校は参加率・受賞率共に全国一を誇っています。

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「イノベーション・コンテスト」の準備中
靴の中で靴下が脱げないようにする方法を考案している生徒

 次は「プログラミング」と「ビデオ制作」の授業です。両授業ともパソコンのソフトを使い,子供たちは様々な作品を作ります。「プログラミング」では空間にブロックで家や動物を形作る作業を行ったり,「ビデオ制作」ではストップ・モーション映像を制作していました。同校では元々,全学年で毎週1回40分のパソコン授業があり,高学年になると毎週1回80分のパソコン授業(ワード・エクセル等様々なソフトの使い方などを学ぶ)と毎週1回40分のタイプライティングの授業がさらに加わります。同校ではパソコン55台,i-Pad30台,電子黒板9つを所有し,校内ではwi-fiも利用できることから,ITの進み具合が革新的であることがうかがえます。

 その一方で,5つある教育方針の一つに「Verkmennt(工芸)」とあるように,手作業で物を作る大切さも忘れていません。校内の至るところに子供たちの美術作品が飾られており,訪問者の目を引きます。近年,同校では毎年リサイクル品を利用し,ランプを作るコンテストが開かれています。アイスランドでは冬場の日照時間が最短4時間となるため,暗く長い冬を楽しく過ごすのに最適なランプを子供たち自身が考え,実際に制作しています。

 最後になりましたが,同校では放課後の子供たちのケアも行き届いています。授業が終わった後,食堂でおやつを食べ,市が運営するバスに乗って,楽器を習いに行ったり,スポーツをしに行ったりすることができます。アイスランドでは共働きが多いため,同校では子供たちが退屈することなく両親の帰りを待つことができ,また両親も安心して働ける環境を整えています。

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    アイデア溢れるランプの作品
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    学校を案内してくれた先生と生徒たち

(2013年11月)