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世界の学校を見てみよう!

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イタリア共和国
Republic of Italy

イタリアの学校では今

教育制度

(写真1)学校の正門に立つジョヴァンナ・マッゼイ副校長

学校の正門に立つ
ジョヴァンナ・マッゼイ副校長

イタリアの学校制度は,小学校5学年(6歳~10歳),中学校3学年(11歳~13歳),高校5学年(14歳~18歳)となっています。EU諸国の動きにならい,2006年から義務教育は10年間,16歳まで引き上げられました。

ピステッリ小学校の毎日

(写真2)楽しい給食の時間

楽しい給食の時間

(写真3)新鮮な夏野菜をつかった夏メニュー

新鮮な夏野菜をつかった夏メニュー

ローマ中心部にあるピステッリ総合学校は,ローマ市が運営する幼稚園,小学校及び中学校が一体となった教育施設で,イタリアの国営放送RAIの本社などがあるプラティという活気ある地区にあります。

今回ご紹介するのは,そのうち児童総数約1,000人のピステッリ小学校です。各学年1クラス20~25名,8クラスという編成です。

ピステッリ小学校の子供たちは月曜~金曜,8時半~16時半まで授業を受けます。ただし,午後の授業については選択制になっています。毎日午後の授業を受けるのは,保護者が希望を出した4クラスの子供たちのみで,他のクラスの子供たちは週に2回だけ午後の授業があります。毎日午後の授業を受ける子どもは宿題が無しか,あるいは午後が休みの子供たちに比べて宿題の量が少なくなっています。

(写真4)校庭の脇にある畑では,子供たちが世話をしている野菜やハーブが元気に育っていました

校庭の脇にある畑では,子供たちが世話をしている野菜やハーブが元気に育っていました

授業時間が多い科目は国語と算数です。理系の授業では,校庭の小さな畑で野菜やハーブを育てています。また,最近は「学校のための宝石」というプロジェクトが発足し,記者,作家,美術家,医者,弁護士など専門性の高い職業を持つ保護者が,ボランティアでワークショップ授業を開催しています。体育は,週に1時限のみですが,スポーツ団体と協力し,校外に出て,一年生はテニス,2年生はフェンシング,3年生はラグビー,4・5年生はバレーボールなど様々なスポーツにチャレンジできるようになっています。

午後の授業を受ける子供たちは給食を食べます。献立は夏と冬にそれぞれメニューを作ることになっています。献立は,保護者の代表や栄養専門家で構成する委員会で決定され,ローマ市の役員が監督をしています。私たちが訪れた時期は「夏メニュー」が提供されており,新鮮なトマトを始めとする夏野菜をふんだんに取り入れた献立になっているということでした。子供たちは美味しそうにパスタやサラダを食べていて,お替わりの行列に並ぶ子供も沢山いました。日本の学校と違い,給食の時間は,専任の給食スタッフが盛りつけ,配膳,片付けを行います。

学校の登下校は必ず保護者やベビーシッターが付き添います。副校長のマッゼイ先生のお話では,最近では校内の休憩時間も必ず先生が子供たちの側についているようになってきているようです。子供たちの放課後や休日の過ごし方は,スポーツ,ゲームなど,日本の小学生と変わらないようです。また,テレビの影響でしょうか,多くの子供たちが日本のアニメや漫画の大ファンです。

文化プロジェクトを通じて世界を開く

ピステッリ小学校の特徴は,そのユニークな「文化プロジェクト」を通じて,子供たちの興味とやる気を引き出していることです。

たとえば,今年で4回目を迎えた「本のフェスタ(本一冊,バラ一本!)」では,毎年その年のテーマに従って,各クラスごとに「巨大な本」の2ページを作成します。過去に作成された本の中には,日本について子供たちが調べたページもありました。「巨大な本」のイベントの日には,保護者が来校し,学校の図書館に本を一冊寄付して,その代わりに子供たちが作った造花を受け取ります。この寄付を通じて,図書館の蔵書は今では2,000冊近くになりました。このプロジェクトは実は4月23日に,女性が男性からバラの花を受け取り,代わりに小説や詩を贈るというスペインカタルーニャ地方の「サン・ジョルディの日」の習慣からヒントを得たそうです。

ピステッリ小学校では毎年「映画祭」も行われます。先生と専門家の指導により1・2年生は短いコマーシャル作品を,3~5年生はショート映画を実際に撮影して作成し,コンクールが行われます。

この小学校はこのような活発な文化プロジェクトが評判を呼び,大人気です。国営放送によるイタリア教育省の番組にも登場しているため,有名校になっています。マッゼイ先生の話では,入学にあたっては,周辺地域に居住している家庭,あるいは保護者の勤務先が周辺にある家庭が優先されるとのことです。

(写真5)「本のフェスタ」に発表される「巨大な本」。今年のテーマは音楽。

「本のフェスタ」に発表される「巨大な本」。今年のテーマは音楽。

(写真6)このページはヴェルデイ作曲『椿姫』が取り上げられている。

このページはヴェルデイ作曲
『椿姫』が取り上げられている。

(写真7)日本の着物について子供たちが書いた「巨大な本」の1ページ。

日本の着物について子供たちが書いた
「巨大な本」の1ページ。

(2013年7月)