韓国の教育制度は,日本と同じ6-3-3制で,日本の小学校にあたる初等学校と中学校が義務教育です。学期は毎年3月に始まり,翌年の2月に終わりますが,多くの学校では冬休みが長く,12月末から2月まで休みとなります。 韓国は日本以上に受験競争が激しいと言われており,多くの子どもたちが幼稚園や小学校の時から英語などの塾へ通います。高等学校では大学受験に向けて,正規の時間割が終わっても補習授業などで夜遅くまで生徒が勉強する姿が見られます。
ソウル市内にある中央高等学校は,1908年に創立された韓国でも最も伝統ある高校の一つです。伝統的で美しい校舎を持ち,「冬のソナタ」をはじめ,様々なTVドラマのロケ地として使われることもあります。
同校は,全校生徒約1000名の私立男子校で,一学年10クラス,1クラスは約35名となっています。教員数は70名。日本から見ると大規模な学校にも思えますが,ソウル市内では中規模の学校です。
学校は3月から新学期が始まり7月末までが一学期。約一ヶ月の夏休みを挟んで,8月末から12月末までが二学期です。その後生徒たちは2月末までの長い冬休みに入ります。
生徒たちの一日のスケジュールをみてみましょう。生徒は午前8時までに登校し,ここから午後4時頃,7時間目まで授業を受けます。その後は希望に応じて選択できる補習授業が午後8時頃まで開かれています。
もちろん勉強ばかりではありません。この学校の特色としてクラブ活動も盛んに行われており,加入率はほぼ100%。放課後,生徒たちは様々な運動部や文化部の活動に参加します。野球,サッカー,音楽,映画など幅広い分野で活動が行われています。
ほとんどの生徒が進学を希望しています。2年生から人文社会系と自然科学系のコースに分かれます。生徒たちは大変勉強熱心で,放課後の補習授業にも7割~8割の生徒が参加しています。さらに,塾に通ったり,夜10時半まで開いている学校の図書館で勉強したりする生徒もいるとのことです。
生徒たちの中で,最近流行っているのは,サッカーやK-POPスター,オンラインゲームなどなど。そしてなんと言っても’スマホ’。生徒のほとんどが既にスマホを持っているとのことですが,これでチャットをしたりすると授業に集中できなってしまうため,この学校では,朝の登校の際に学校が一旦預かり,下校時に返却することにしているそうです。
日本に対して関心を持っている生徒も多く,2年生の時に学ぶ第二外国語として日本語を学ぶ生徒が7割もいます。クラブの中に日本文化を研究するクラブもあるとのことです。
(2013年1月)