主な要人の来日日程

ドゥアルテ・パラグアイ共和国大統領訪日に際する
日本・パラグアイ共同新聞発表

平成17年10月29日
於:京都

  1. ニカノル・ドゥアルテ・フルートス・パラグアイ共和国大統領は、夫人、ハイレベルの代表団とともに、2005年10月28日より日本国を公式訪問した。

< 二国間関係 >

(総論)

  1. 小泉純一郎日本国総理大臣とニカノル・ドゥアルテ・フルートス・パラグアイ共和国大統領との首脳会談において、両首脳は、両国間の伝統的な友好協力関係が、政治、経済、経済協力、文化の各分野において、順調に進展していることに満足の意を示した。日本国総理大臣は、昨年9月に中南米を訪問した際に発表した、日・中南米間の「協力」及び「交流」を柱とする「日・中南米 新パートナーシップ構想」に則り、日・パラグアイ関係を一層強化する意向を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。
  2. 日本国総理大臣は、パラグアイ共和国大統領の指導力の下、同国政府が、民主主義の強化、汚職撲滅及び財政・司法制度の改善等の諸改革を力強く推進し、併せ同国経済を安定に導く等の成果を挙げていることを高く評価した。また、パラグアイ共和国政府による一層の改革努力に対し期待を表明するとともに、改革努力を引続き支援していく旨述べた。これに対しパラグアイ共和国大統領は、諸改革の現状と見通しにつき説明するとともに、日本政府の支援に対し謝意を表明した。

(政治対話)

  1. 両首脳は、両国間における近年の要人往来の活性化に言及しつつ、継続的な政治対話が両国関係の包括的な発展のために果たす役割の重要性を確認した。この観点から、日本国総理大臣は、両国の国民を代表する議会・議員間の交流を促進したい意向を表明し、本年パラグアイ共和国上下両院において日本国との友好議員連盟が発足したことを歓迎するとともに、政治対話の強化、及びパラグアイ共和国大統領の推進する民主化・改革支援の観点より、パラグアイ若手政治指導者グループの招聘を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。

(経済)

  1. 両首脳は、二国間の経済関係の緊密化のために経済分野における協力が果たす役割の重要性について認識を共有し、二国間貿易・投資の拡大に向け、今後とも官民双方で取り組んでいくことで一致した。日本国総理大臣は、貿易拡大・投資誘致に向けたパラグアイ官民による努力を評価するとともに、日本企業による対パラグアイ投資拡大のためには、適切な投資環境の整備が肝要である旨強調した。
  2. また、日本国総理大臣は、パラグアイ共和国大統領の訪日に先立ち、10月28日にパラグアイ日本商工会議所他の主催により東京において「パラグアイ・ビジネスセミナー」が実施されたことを高く評価した。さらに、日本国がJETROを通じ行ってきた、パラグアイ輸出産業育成のための本邦における各種見本市への出展支援等の側面支援事業を今後も継続する意向を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。

(経済・技術協力)

  1. 日本国総理大臣は、日本国が、パラグアイ共和国の貧困削減及び持続的発展に向けた努力を支援すべく積極的に同国に対する経済協力を行ってきたことに言及し、パラグアイ共和国大統領はこれに対し感謝の意を表明した。また、日本国総理大臣は、両国間の政府開発援助(ODA)政策協議において確認された「農業」、「保健・医療」、「人的資源開発」、「環境」の4重点分野に即し、引続きパラグアイ共和国政府の努力を支援していく意向を表明した。
  2. 日本国総理大臣は、最近承認された一般プロジェクト無償資金協力「パラグアイ職業訓練教育施設拡充計画」に言及し、同計画の実施が、パラグアイ共和国における人的資源開発及び生産性の向上、また両国間友好関係の一層の強化に資することを期待した。パラグアイ共和国大統領は、11月の「アスンシオン大学病院移転・整備計画」の基本設計調査団派遣を歓迎し、1977年より実施されている日本国の無償資金協力がパラグアイ共和国の発展に多大な貢献をしていることを表明した。また、パラグアイ共和国の経済・社会状況の向上のため、地域住民の多様なニーズに対応する援助である草の根無償資金協力の更なる拡大が効果的であるとの認識で一致した。
  3. また、日本国総理大臣は、パラグアイ共和国政府が重視する経済基盤整備への支援として、安定的な電力供給に資する「イグアス水力発電所建設計画」に対する円借款を実施する用意がある旨述べるとともに、現在パラグアイ共和国内において実施されている円借款既往案件、「アスンシオン送配電網整備計画」、「全国道路整備計画(II)」及び「農業部門強化計画(II)」の順調な進捗に向けた努力を同国大統領に対し要請した。
     パラグアイ共和国大統領は、持続的な経済成長と生活環境改善に資する同発電所建設計画への日本国政府による協力に謝意を表明した。また、パラグアイ共和国政府として、同計画及び円借款既往案件を迅速且つ円滑に実施し、経済基盤整備を通じた持続的な経済成長に向けて一層努力することを約束する旨回答した。
  4. パラグアイ共和国大統領は、一般文化無償資金協力案件「国家観光庁音響・照明・視聴覚機材整備計画」を実施するとの日本の決定を歓迎し、両首脳は、右が両国間文化交流の更なる深化、及びパラグアイ共和国における観光分野の充実に寄与することへの期待を表明した。また、同国大統領よりは日本国政府が実施している文化無償協力に謝意を表明するとともに、右協力が同国の文化振興に非常に有益であることを強調しつつ、かかる協力の継続を希望する旨述べた。
  5. 両首脳は、両国間の技術協力を引続き積極的に行っていく必要性につき一致した。また、日本国総理大臣は、広域の開発課題に資するとの観点から、輸出品の包装技術や検査技術の向上、観光振興に係る技術協力をメルコスールを対象に推進していることを紹介し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。

(移住者・日系人)

  1. 両首脳は、パラグアイに渡った日本人移住者及び日系人が、パラグアイ共和国の発展と進歩に大きく貢献していることを高く評価した。
  2. 日本国総理大臣は、これら移住者・日系人がこれまでにパラグアイ共和国の官民により温かく迎えられ同国社会に受け入れられてきたことに謝意を表明するとともに、パラグアイ共和国大統領に対し引続きこれらの者に対する温かな支援を要請した。
     パラグアイ共和国大統領は、これら移住者・日系人はパラグアイ国民の評価・敬意の対象となっているとして、パラグアイ社会への貢献に満足と感謝の意を示しつつ、引続き同国政府として支援を行っていきたい旨述べた。
  3. 両首脳は、明2006年に日本人のパラグアイ移住が70周年の佳節を迎えることを歓迎し、今後とも日本人移住者・日系人が日・パラグアイ間の重要な架け橋として両国友好関係に寄与することを期待した。

(文化・人的交流)

  1. 両首脳は、両国民の信頼と相互理解の促進のため、文化・人的交流の重要性につき認識を共有した。
     両首脳は、「日本文化月間」等の文化交流事業や、留学生交流、国際協力機構(JICA)、国際交流基金等の各種スキームを通じた両国間の広範な人的交流が未来の両国関係の土台を築くものであるものとして歓迎するとともに、かかる交流を維持、発展させていくべきとの認識で一致した。

< 国際的な諸問題 >

(国際場裡における協力)

  1. 両首脳は、21世紀の国際社会の平和と安全、繁栄を脅かす諸問題の効果的な解決のため、国際社会が協調することの重要性を強調するとともに、両国が国際場裡における対話と協力を強化する意図を確認した。
  2. 両首脳は、国連の実効性及び信頼性を強化するため、安保理改革を含む国連システムの包括的な改革を推進する意思を共有し、その必要性を強調した。安保理に関し、両首脳は、常任・非常任議席双方の拡大の必要性を確認した。パラグアイ共和国大統領は、日本国の安保理常任理事国入りに対し改めて支持を表明し、日本国総理大臣は、右支持を感謝するとともに、パラグアイ共和国がG4枠組み決議案の共同提案国に名を連ねたことに謝意を表明した。また、両首脳は、今次国連総会会期中の出来る限り早期の安保理改革の実現のために、今後引続き両国間で協力していくことで一致した。
  3. 両首脳は、本年2月の京都議定書発効を歓迎しつつ、環境問題に協力して取り組むとの決意を再確認した。右に関連し、両首脳は、京都議定書中に規定されたクリーン開発メカニズム(CDM)に関し、国際協力銀行とパラグアイ環境庁が締結を検討している業務協力協定に言及し、CDMに係る両国の協力が一層進むことを期待した。
     また、両首脳は、「人間の安全保障」の理念を推進すること、及び、国際社会が一致して核不拡散条約(NPT)を礎とする国際的な軍縮・不拡散体制の強化に取り組むことが必要であるとの認識で一致した。特に、本年9月21日-23日に開催された「包括的核実験禁止条約」発効会議における両国の右発効に向けた努力を強調した。
     さらに、両首脳は、多角的貿易体制の強化のために、WTOドーハ開発アジェンダ(DDA)が重要であることを認識し、本年12月の香港閣僚会議に向け、両国政府が一層努力していくことを確認した。

(地域統合)

  1. 両首脳は、現在米州で展開されている地域統合の活発な動きに関して意見交換を行った。その際、パラグアイ共和国大統領は、本年6月にパラグアイで開催された第28回南米南部共同市場(メルコスール)首脳会議において、統合強化に向けた明確な政治意志が確認された点につき特に言及した。日本国総理大臣は、右会合における構造的格差是正の推進、競争力強化、社会的連携の促進、特に小規模経済を利しメルコスールの機構強化につながるメルコスール構造的格差是正基金(FOCEM)の設立に注目している旨表明した。

(FEALAC)

  1. 両首脳は、地域間協力を一層緊密化するために、東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)の果たす役割について認識が一致した。日本国総理大臣は、日本がFEALACにおいて主導的な役割を果たしていくため、アジア側副調整国に就任したと述べ、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎するとともに、同フォーラムを通じて東アジアと一層の協力を進めたいとの意向を表明した。

< 結び >

  1. 両首脳は、2006年の日本人パラグアイ移住70周年を一つの契機として、両国間の友好協力関係を一層強化していく意思を改めて確認した。会談の終わりに、パラグアイ共和国大統領は、今般の公式訪問に際しての日本国政府・国民による厚遇について感謝の意を表した。
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