9月8日(土曜日),午前10時(現地時間)から約30分間,APEC首脳会議に出席のためウラジオストクを訪問中の野田総理は,リー・シェンロン・シンガポール首相との間で,日・シンガポール首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1.総論
冒頭,野田総理から,地域の安定と繁栄について基本的利益や考え方を共有するシンガポールは,我が国にとって重要なパートナーである旨述べ,両首脳は,二国間関係の強化にとどまらず,地域の安定と繁栄に向けても,日・シンガポール両国で共に協力していくことで一致しました。
2.二国間関係
二国間関係については,野田総理から,シンガポールは地域の経済的なハブとして機能しており,多くの日本企業が地域の統括拠点を置いていることに触れ,両首脳は,ASEAN・インド等でのインフラ需要に関連して,両国の民間企業の連携を深め,経済面での協力を一層推進していくことで一致しました。
3.地域的協力
両首脳は,11月にプノンペンで行われるASEAN関連首脳会議に関し,良い成果が得られるよう日・シンガポール両国で連携していくことを確認しました。南シナ海をめぐる問題については,国際社会全体の関心事項であり,国連海洋法条約などの関連国際法を遵守することが重要であるとの認識を共有しました。また,来年の日・ASEAN交流40周年を通じ,中長期的な日・ASEAN間のパートナーシップを強化していくことで一致しました。
4.東アジア地域包括的経済連携(RCEP)
両首脳は,11月の交渉立ち上げに向けて共に協力していくことで一致し,リー首相から,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)について地域の統合と自由な貿易を促進するものとして期待が表明されました。