(写真提供:内閣広報室)
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本11日(水曜日)午後6時半から約30分間,野田佳彦内閣総理大臣は,総理官邸において,公式実務訪問賓客として来日中のハマド・ビン・イーサ・アル・ハリーファ・バーレーン国王陛下(H.M.King Hamad bin Isa Al-Khalifa, King of the Kingdom of Bahrain)と会談しました。引き続き,野田総理大臣とハマド国王は,両国外務省間の政策協議に関する覚書及び両国防衛当局間の防衛交流に関する覚書の署名に立ち会い,その後,野田総理大臣は,同国王を招いて夕食会を開催したところ,概要は以下のとおりです。なお,日本側から,齋藤内閣官房副長官(会談のみ),長浜内閣官房副長官(夕食会のみ),山根外務副大臣,中根経済産業大臣政務官,長島総理補佐官,角駐バーレーン大使ほか,バーレーン側から,ムハンマド副首相ほか関係閣僚等が同席しました。
- 二国間関係
(1)冒頭,野田総理大臣から,本年は日バーレーン外交関係樹立40周年であり,バーレーンとの関係を幅広い分野で重層的に発展させたい旨述べました。これに対し,ハマド国王は,日バーレーン関係40周年を契機に両国関係をあらゆる分野で強化したい旨述べました。
(2)双方は,両国外務省間の政策協議に関する覚書及び両国防衛当局間の防衛交流に関する覚書を基礎とし,政策協議を進め,また,政治・安全保障分野での対話・協力を拡充することで一致しました。
(3)野田総理大臣から,国民対話の実施や独立調査委員会の提言実行に関するフォローアップ委員会の最終報告書の提出を歓迎する,透明性と言論の自由が確保された形での具体的かつ目に見える改革の進捗を期待する旨述べました。これに対し,ハマド国王は,独立調査委員会の提言実行に関するフォローアップ委員会の報告は実行していく,日本の経験からも学びたい旨述べました。また,双方は,政策協議等の場を活用して人権についての議論を開始することで一致しました。
(4)野田総理大臣から,新設した日バーレーン経済交流協会が両国の経済関係を更に強化することを期待する,バーレーンで検討中の製油所,地球観測衛星について,日本企業が有する高い技術を活用いただきたい旨述べたところ,ハマド国王は,自分は日本製品のファンである旨述べた上で,特に製油所について日本の協力を得たい旨述べました。また,双方は,バーレーンの製造活動の拡大に向けた協力を進めることで一致しました。
(5)野田総理大臣から,日GCC(湾岸協力理事会)FTA交渉を2012年中に再開したい,交渉再開に向け,バーレーンのGCC内でのイニシアティブに期待する旨述べ,同席のファハロ工業・商業大臣より,GCCとして優先的に交渉を進める国の中で日本がトップに入るのは間違いない旨述べました。
(6)野田総理大臣から,東日本大震災から一年を経て日本の復興は着実に進展している,震災後にバーレーンでとられている日本産食品の輸入規制について我が国の状況に見合った見直し・緩和をお願いしたい旨述べたところ,同席のファハロ工業・商業大臣より,輸入規制についてはバーレーンとしてGCC横並びでの措置を適用してきたが,この規制も近く解かれる見通しである旨述べました。
(7)野田総理大臣から,近く,北朝鮮は「人工衛星」と称するミサイルの発射を予定しているが,これは日本にとっての安全保障上の脅威であり,明白な安保理決議違反である,発射が強行されれば安保理等国際社会がしっかりとしたメッセージを出す必要がある旨述べ,ハマド国王より,バーレーンは日本を支持する旨述べました。 - 地域情勢
会談に引き続いての夕食会においては,サッカー等の話題を交え,和やかな雰囲気の中で,野田総理大臣とハマド国王は,シリア情勢,中東・北アフリカ情勢等について率直な意見交換を行いました。