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総論:我が国は、ASEAN+3の幅広い分野の協力を強く支持。経済面の協力とともに、「国境を越える問題」、文化・教育面も重視。
今朝の日中韓首脳会合では、3国の協力が、ASEAN+3協力にとっても重要であることが確認された。
地域の発展のためには、域外国との協力関係が重要。域外諸国との協力も効果的に組み合わせ、開かれた地域協力を進めたい。
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貿易・投資・金融・エネルギー協力
各国が抱える経済困難に立ち向かうためには、各国それぞれの国内改革が必要。そのような改革努力を、地域として応援すべき。
(イ) |
貿易・投資協力・WTO
地域の貿易・投資関係の一層の緊密化のため、AFTA、AIA(注)等の進展は有益。我が国もASEANの努力を支援。
(注:AFTA:ASEAN自由貿易地域、AIA:ASEAN投資地域)
10月、日本はシンガポールとの経済連携協定交渉に実質合意した。その他諸国とも、経済関係の一層の緊密化を図っていきたい。
ドーハでのWTO新ラウンド立ち上げは重要。新ラウンドは、途上国を含む各国の幅広い関心に応えるべきであり、貿易ルールの改善・強化にも取組むべき。 |
(ロ) |
通貨・金融協力
我が国は97年の通貨・金融危機の際に積極的な支援を実施したが、更に「チェンマイ・イニシアティブ」の着実な実施(注)、「日・ASEAN金融技術支援基金」の創設等、鋭意金融協力を推進中。
(注:二国間スワップ取極を4ヶ国(韓国、タイ、フィリピン及びマレイシア)と締結済。交渉中の中国を含め、更に各国との交渉を進めていく。) |
(ハ) |
エネルギー
経済発展には備蓄等によるエネルギー安全保障の強化が重要。ASEAN+3での協力を進めるとの観点から、政府間での意見交換を活発化させるとともに、明年3月に我が国で「アジア・エネルギー安全保障セミナー」を開催することを提案したい。 |
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(3) |
インフラ、人材育成、IT
ASEANの発展のため、「ASEAN統合イニシアティブ(IAI)」を含め、引き続きインフラ整備、人材育成等を積極的に支援。
(イ) |
メコン地域開発
7月に関係国に派遣した政府調査団の結果を踏まえ、今後我が国は、「第2メコン国際橋」等によりこれまでもADB等と協調しつつ支援してきた「東西回廊」の「東西経済回廊」への発展を重視。
さらに、「アジア・ハイウェイ」でもあるホーチミン-プノンペン-バンコク道路の整備も、いわば「第2東西回廊」として支援していく考え。 |
(ロ) |
IT
東アジアの発展のためにIT活用は非常に重要。我が国は積極的に協力している。
「IT包括的協力策」として、これまでに約12億ドルの支援(注1)を実施済であるほか、ASEAN+3経済閣僚会議のITプロジェクト(注2)を積極的に推進し、「e-ASEAN」への協力(注3)も種々実施中。また、IT協力推進のため「東アジアIT協力会議」を主催した。
(注1:アジアを含む世界全体に対するOOF及びODAによる支援の総額。)
(注2:「IT技術者のスキル標準の域内共通化」、「e-ラーニング」を推進。)
(注3:電子認証システム、貿易手続の電子化、IT関連法制度整備等に関する協力。)
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真の相互理解増進(文化・人的交流の推進)
真の相互理解増進のためには、文化・人的交流が不可欠。今後とも、交流強化に尽力する。 |