外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 会談・訪問 小泉総理大臣
小泉総理大臣

ASEAN+3首脳会議での小泉総理の発言概要
(テーマ:より緊密な東アジア・パートナーシップの構築)

2001年11月5日

  1. 東アジア・ヴィジョン・グループ(EAVG)の報告書の検討
     金大統領のイニシアティブにより創設されたEAVG(注1)が、貴重な提言を首脳会議に提出したことを歓迎。今後、東アジア・スタディ・グループ(EASG)(注2)の検討が、地域協力に有益な貢献を行うことを確信。同作業の加速化を支持。
    注1 EAVGは13カ国有識者により構成。日本からは吉富勝アジア開発銀行研究所長、田中明彦東大教授が参加。)
    注2 EASGは13カ国外務省高官により構成。現在EAVG報告書を評価する作業を実施中であり、その結果を来年秋のカンボディアでのASEAN+3首脳会議に報告する予定。)

  2. ASEAN+3協力についての我が国の基本的立場
    (1) 総論:我が国は、ASEAN+3の幅広い分野の協力を強く支持。経済面の協力とともに、「国境を越える問題」、文化・教育面も重視。
     今朝の日中韓首脳会合では、3国の協力が、ASEAN+3協力にとっても重要であることが確認された。
     地域の発展のためには、域外国との協力関係が重要。域外諸国との協力も効果的に組み合わせ、開かれた地域協力を進めたい。

    (2) 貿易・投資・金融・エネルギー協力
     各国が抱える経済困難に立ち向かうためには、各国それぞれの国内改革が必要。そのような改革努力を、地域として応援すべき。
    (イ) 貿易・投資協力・WTO
     地域の貿易・投資関係の一層の緊密化のため、AFTA、AIA(注)等の進展は有益。我が国もASEANの努力を支援。
    :AFTA:ASEAN自由貿易地域、AIA:ASEAN投資地域)
     10月、日本はシンガポールとの経済連携協定交渉に実質合意した。その他諸国とも、経済関係の一層の緊密化を図っていきたい。
     ドーハでのWTO新ラウンド立ち上げは重要。新ラウンドは、途上国を含む各国の幅広い関心に応えるべきであり、貿易ルールの改善・強化にも取組むべき。
    (ロ) 通貨・金融協力
     我が国は97年の通貨・金融危機の際に積極的な支援を実施したが、更に「チェンマイ・イニシアティブ」の着実な実施(注)、「日・ASEAN金融技術支援基金」の創設等、鋭意金融協力を推進中。
    (注:二国間スワップ取極を4ヶ国(韓国、タイ、フィリピン及びマレイシア)と締結済。交渉中の中国を含め、更に各国との交渉を進めていく。)
    (ハ) エネルギー
     経済発展には備蓄等によるエネルギー安全保障の強化が重要。ASEAN+3での協力を進めるとの観点から、政府間での意見交換を活発化させるとともに、明年3月に我が国で「アジア・エネルギー安全保障セミナー」を開催することを提案したい。

    (3) インフラ、人材育成、IT
     ASEANの発展のため、「ASEAN統合イニシアティブ(IAI)」を含め、引き続きインフラ整備、人材育成等を積極的に支援。
    (イ) メコン地域開発
     7月に関係国に派遣した政府調査団の結果を踏まえ、今後我が国は、「第2メコン国際橋」等によりこれまでもADB等と協調しつつ支援してきた「東西回廊」の「東西経済回廊」への発展を重視。
     さらに、「アジア・ハイウェイ」でもあるホーチミン-プノンペン-バンコク道路の整備も、いわば「第2東西回廊」として支援していく考え。
    (ロ) IT
     東アジアの発展のためにIT活用は非常に重要。我が国は積極的に協力している。
     「IT包括的協力策」として、これまでに約12億ドルの支援(注1)を実施済であるほか、ASEAN+3経済閣僚会議のITプロジェクト(注2)を積極的に推進し、「e-ASEAN」への協力(注3)も種々実施中。また、IT協力推進のため「東アジアIT協力会議」を主催した。
    注1:アジアを含む世界全体に対するOOF及びODAによる支援の総額。)
    注2:「IT技術者のスキル標準の域内共通化」、「e-ラーニング」を推進。)
    注3:電子認証システム、貿易手続の電子化、IT関連法制度整備等に関する協力。)

    (4) 真の相互理解増進(文化・人的交流の推進)
     真の相互理解増進のためには、文化・人的交流が不可欠。今後とも、交流強化に尽力する。

  3. 地域の平和と安定の維持と推進
    (1) 地域情勢(朝鮮半島情勢)
     南北対話推進における金大統領のイニシアティヴを高く評価。日本としても南北対話を支持していく。

    (2) 国境を越える問題(海賊問題等)
     昨年の海賊対策国際会議や10月に日本が主催した「海賊対策アジア協力会議」の結果を踏まえ、具体的対策を更に推進するとともに、地域協力協定の作成を政府レベルで検討するための「政府専門家作業部会」の開催を提案したい。
     その他、薬物、感染症、女性・子供の搾取、国際組織犯罪対策、環境等の問題でも、地域協力を強化していきたい。

  4. 締めくくり発言
     ASEAN+3協力の強化に向けて、各国が一層努力を傾注すべきという点で意見の一致があったことは喜ばしい。
     9月の同時多発テロ等、国際社会は21世紀に入っても様々な困難に直面。
     このような困難に対し、我々は一致団結して取り組むべき。
     ASEAN+3協力の強化が、この地域のみならず世界の平和と繁栄の原動力となるよう、我が国も積極的に貢献する決意。

BACK


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省