総理大臣

日英首脳会談の概要

平成23年5月27日

 G8ドーヴィル・サミット会議出席のためフランスを訪問中の菅総理は,現地時間27日午前8時50分(日本時間27日15時50分)から9時24分(日本時間27日16時24分)までの34分間,キャメロン英国首相(The Rt. Hon. David CAMERON)との間で日英首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです(日本側:福山官房副長官,河相官房副長官補ほか,英側:ルウェリン首相主席補佐官,カンリフ首相補佐官,リケッツ国家安全保障担当首相補佐官ほか同席)。

  1. 冒頭発言
     菅総理から,震災に際する見舞いと支援に謝意を表明し,ケンブリッジ公同妃両殿下のご結婚に祝意を述べました。これに対し,キャメロン首相から,地震・津波・原発事故に際する同情の念が表明され,その文脈で,先方より3月24日に実施した日英電話首脳会談後,欧州理事会で日本支援のためにも日EU・EPA交渉をさらに進めるよう主張した旨述べる一方,日本に対しても非関税障壁に関し,一層の努力を求めました。
     菅総理から,28日の日EU定期首脳協議で,日EU・EPA交渉に向け前進すべく努力したい,英国の強力な支援に感謝する旨述べました。さらに,非関税措置に関しては,さらに努力するよう国内に指示している旨応答しました。
  2. エネルギー政策と原子力安全
     キャメロン首相から,ベディントン主席科学顧問が近日訪日する予定である,英国は,冷静かつ責任ある対応をとってきたが,これは日本を信頼しているからである旨述べました。
     これに対し,総理から主席科学顧問などの訪日の際には透明性をもって情報を提供し連携していきたい旨述べました。さらに,浜岡原発を停止した理由,「エネルギーの4本柱」の考え方につき,再度説明した上で,日本の復活・再生への決意を述べました。
     これに対し,キャメロン首相から,日本の復活を信じて疑わない,最近,在英国の日産,ホンダ等の工場を視察したが,日本経済の強さ,日英経済関係の深さを再認識した旨述べました。
  3. 国際社会における協力
    (1)中東情勢
     キャメロン首相より,リビアにおける日本の役割に対する期待が表明され,菅総理より,リビア情勢はまだ安定していないとの認識を表明した上で,国際社会と議論しながら協力していきたい旨述べました。
    (2)GAVIアライアンス
     キャメロン首相から,6月のGAVIアライアンス(ワクチンと予防接種のための世界同盟)増資会合に向けての日本の協力への期待が表明され,菅総理から,昨年のMDGs国連首脳会合で発表した「菅コミットメント」により必要な支援をしていきたい旨述べました。
  4. 日英関係
    (1)次期戦闘機
     キャメロン首相から,防衛省による次期戦闘機としてのユーロファイター調達への期待が表明され,菅総理から,検討したい旨応答しました。
    (2)ハーグ条約
     菅総理から,ハーグ条約締結に向けての国内準備状況を説明したのに対し,キャメロン首相から,検討の進捗を評価する旨述べました。
  5. 結び
     菅総理より,日英関係をさらに一段高めるべく,本年度キャメロン首相訪日を招請したのに対し,キャメロン首相はスケジュールの調整が必要だが,前向きに検討したい旨述べました。
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