
日本・パレスチナ首脳会談
平成22年2月8日
- 本8日(月曜日)18時00分より18時45分頃まで、鳩山総理とアッバース大統領による会談、その後、共同記者発表をはさんで、20時10分頃まで夕食会が行われました。
- 会談において、鳩山総理より、中東和平は中東地域及び世界の平和と安定にとり非常に重要な問題と考えており、イスラエルとの共存を目指すアッバース大統領の和平路線を高く評価している旨述べました。また、総理は、我が国が中東の多くの国と基本的に友好的な関係を持っているとの立場から、米国等国際社会と連携しつつ中東和平のために役割を果たしていきたい旨述べました。
- これに対し、アッバース大統領より、広島を訪問し、被爆の歴史を視察したことにより、問題は交渉、平和的手段によって解決しなくてはならない、また、核兵器を含む大量破壊兵器を廃絶しなくてはならないとの思いをより強くした旨述べました。また、同大統領は、我が国によるパレスチナへの政治的・経済的支持に感謝している、10億ドルにのぼる経済的支援は和平への大きな貢献である旨述べるとともに、日本が推進する「平和と繁栄の回廊/ジェリコ農産業団地構想」は大変重要であり、これをパレスチナが有するヨルダン渓谷開発計画(死海の観光開発及びジェリコ北方の都市開発)へと拡大していく可能性を提案しました。さらに、同大統領は、米国のミッチェル中東和平特使による仲介努力やパレスチナ内部の状況と中東和平の現状について詳細に説明しました。
- これに対し、鳩山総理より、アッバース大統領の広島訪問を高く評価するとともに核廃絶のために努力していきたい旨述べました。また、総理より、中東和平プロセスに関し、ロードマップの実施が大変重要であり、イスラエルが東エルサレムを含む西岸における入植活動の完全凍結や東エルサレムにおけるパレスチナ人住居破壊の再発防止を求める旨、また、パレスチナ側においてもイスラエルに対する全ての暴力の停止を継続するよう求めました。更に、同総理より、パレスチナの経済発展のため「平和と繁栄の回廊/ジェリコ農産業団地構想」を進めていきたい旨述べると共に、パレスチナ側のヨルダン渓谷開発計画について引き続き協議していきたい旨述べました。
- 鳩山総理より、ユドヨノ・インドネシア大統領と中東和平のための協力について話をしたが、日本が東アジア諸国とともにパレスチナ国家建設を支持し、中東和平に貢献していくことを考えている旨述べました。両首脳は、この構想について、連絡を取り合っていく考えを共有しました。
- 共同記者発表後の夕食会では、イランの核問題、パレスチナ内部の情勢、アラブ和平イニシアティブを含むイスラエルとアラブ諸国の関係等について意見交換が行われると共に、パレスチナ側からヨルダン渓谷開発計画に関する詳細な説明がありました。