福田総理大臣

胡錦濤国家主席との会談・夕食会(概要)

平成19年12月28日

 12月28日、中国訪問中の福田総理は、18時半より約30分、胡錦濤(コ・キントウ)中国国家主席と会談を行い、その後夕食会を約1時間30分行った。

1.会談

(1)胡主席の発言概要

 再会を嬉しく思う。訪中を歓迎。30年前に、トウ小平氏と福田総理の父上が平和友好条約を締結したが、同条約は日中関係の重要な政治的、法律的基礎を与えるもの。福田総理が2003年の日中関係の困難なときに毅然として訪中され、平和友好条約締結25周年行事に参加されたことを今でもよく覚えており深い感銘を受けた。特に就任以降、戦略的互恵関係を重視し、父上同様、日中友好事業に対し、大きな貢献をされたことを高く評価。今回の訪問では、戦略的互恵関係を推進し、日中関係の発展に必ず貢献されると確信。

(2)福田総理の発言概要

(イ)年末にも拘らず温かく歓迎頂き感謝。大変充実した一日であった。温総理、呉委員長と会談を行い、北京大学で若い人々と意見交換も行った。温総理との会談でも多くの点について意見が一致した。全てに一致することはありえないが、違いが小さくなってきたと考える。

(ロ)具体的提案もいくつか行った、最近、環境問題が大きく取り上げられており、自分(福田総理)から意見を述べ、日本としての協力について述べた。訪中前に環境に優しい製品の展示会が行われ、632社が参加。出品数も観客も多く、貴主席にも是非見て頂きたかった。例えば、日本では、ハイブリッド車を作っているが、電気冷蔵庫やTV等についても、これから作られるのは全て省エネタイプのものである。このような製品が続々と中国にも紹介されると思う。人間はその気になればいろいろ工夫できるもの、その気になるかどうかが重要。

(ハ)本日、温総理に提案したのは、省エネについて相談したり技術を紹介したりする場所を中国各地に作ること。環境問題についてよく相談し、協力を進めていきたい。

(3)胡主席の発言概要

(イ)温総理との会談で様々な共通認識に至ったことは喜ばしい。呉委員長とも、非常に良い会談を行われたと聞いている。また、北京大学ではすばらしいスピーチを行われた。両国の大学生に大きな反響があったと聞いており、とても嬉しく思う。福田総理は、たった一日で大きな成果を上げられたと思う。

(ロ)日中両国は、一衣帯水の隣国であり、二千年以上の両国国民の往来の歴史がある。新中国建設後、両国の古い先輩の指導者と有識者の努力により1972年国交正常化を成し遂げた。この35年には紆余曲折があったが、全体としては大きく前進してきた。

(ハ)両国の友好協力関係はかつてない成果を示している。去年の貿易額は2073億ドルで、1972年の200倍近くになり、往来は年間480万人で、1972年の500倍以上となっている。

(ニ)日中関係発展は、両国国民に幸福をもたらすのみならず、アジア、ひいては世界の安定と発展に重要な貢献。中国には、水を飲むときは井戸を掘った人を忘れないという言葉があるが、日中友好事業の発展のために心血をそそぎ、努力してきた古い指導者や各界の有識者をいつまでも偲び、忘れない。

(ホ)日中が仲良くすれば、両国国民に幸福をもたらし、関係が悪くなれば災いをもたらすという重要な歴史的教訓をいつまでも銘記していく。新世紀に至り、日中両国を巡る環境には大きな変化が現れているが、日中両国の重要性は、益々高まり、共通利益も拡大している。

(ヘ)日中関係の長期的で安定的な発展、善隣友好関係は、両国のみならず、地域及び世界にとって大きな意義と深い影響力を持つ。中国政府と自分(胡主席)は一貫して日中関係を非常に重視。福田総理の訪中、自分(胡主席)の訪日というチャンスをつかみ、平和友好条約締結30周年を記念し、三つの文書の原則を遵守し、歴史を鑑とし、未来に向かうという精神のもと、ともに努力して戦略的互恵関係を構築していきたい。

(ト)福田総理は、戦略的互恵関係の3つの柱を提起されたが、これを非常に重視しており、自分(胡主席)も同じ認識。日中の美しい未来を切り開くためともに努力したい。第一に、対話と協議を通じ相互理解と相互信頼を進め、特に敏感な問題を適切に処理したい。第二に、幅広い分野の様々なレベルで実務的協力を促進し、両国国民に実際的な利益をもたらすことが重要。第三に、民間往来、特に青少年交流を強化し、友好的感情を強化することが重要。双方の努力により、戦略的互恵関係を進め、新しい局面を開いていけると確信。

(チ)環境についての説明に感謝。自分(胡主席)も温総理も環境問題を非常に重視。全人類の幸福と世界の持続可能な発展につながるもの。各国の協力を進め適切に処理し解決する必要。

(リ)中国は、17回党大会で、科学的発展観を貫徹し、資源節約型の環境に優しい社会の建設という目標を明確に打ち出した。エネルギー・環境は、中国の経済、社会の発展の重要分野の一つ。福田総理から、世界をリードする日本の省エネ技術と環境対策の経験について紹介い頂いた。伝統的協力に加え、エネルギー環境、情報通信、金融、サービスの協力も進めたい。また、両国の企業間の協力には大きな潜在力と未来がある。

(4)福田総理の発言

 自分(福田総理)も同じ考え。これほど意見が一致することも珍しいと思う。これからが問題であり、お互いに努力したい。自分(福田総理)も努力する。協力をお願いしたい。

2.夕食会

(1)国内政策、胡主席訪日、総理の地方訪問、論語ブーム、道徳、少子化・一人っ子政策、農業、留学生、青少年交流と次から次へと話題を移しつつ、親密な雰囲気の中、行われた。

(2)本年6月、胡主席が、1984年の3千人訪中団のOB等200人を温かく歓迎されたことが話題となり、福田総理から、1985年に胡主席が率いて訪日した中国人青年団等のOB等200人を、胡主席訪日にあわせて招待したい旨表明。

(3)論語について、福田総理から、日本国内では論語ブームであり、改めて孔子の教えが学ばれている旨発言。胡主席から、中国でもブームであり盛り上がっており、様々な講座や解釈本が出ている旨説明。福田総理から、日本社会には非道徳的なものがでてきており、そういう中で論語ブームが起こっているという側面があると思う旨発言。胡主席から、中国には、最近、伝統的な文化に戻るという雰囲気がある旨紹介。

(4)胡主席の訪日について、福田総理より、桜の咲く頃と言ったが、最近桜の咲く時期がわからなくなってきている。胡主席が早めに訪日時期を決めれば、桜がそれにあわせて咲いてくれるであろう旨発言。胡主席より、(笑いながら)人間の意志が自然をかえるということかと発言。これに対し、福田総理より、まさに地球温暖化は人間が自然を変えている事例である旨発言。
 胡主席より、いずれにせよ、具体的日程については、できるだけ早くお知らせしたい旨発言。

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