麻生総理大臣

麻生総理の訪中(概要)

平成21年5月1日

 麻生総理は、4月29日、30日の日程で中国(北京)を公式訪問し、人民大会堂において、胡錦濤国家主席(30日16時15分から約55分間)及び温家宝国務院総理(29日17時10分から約2時間20分間)との間でそれぞれ首脳会談を行った(今次訪中の成果をとりまとめた資料別添参照)。

 また、北京滞在中、麻生総理は、北京日本文化センター、首都鋼鉄を視察するとともに、「日中次世代ビジネス・リーダーとの集い」に出席し、講演を行った。

1.胡錦濤国家主席、温家宝総理との首脳会談

(1)日中関係全般

(イ)総論

 麻生総理より、ハイレベルの往来が続いていることを評価。日中両国は、大局観を忘れることなく、個々の問題を適切に処理しつつ、「戦略的互恵関係」を育てていくべきである旨指摘。双方は、本年も様々な機会にハイレベルでの意思疎通を継続していくことを確認。

 胡主席及び温総理より、歓迎の意が表されるとともに、温総理から、日中関係は最も重要な二国間関係の一つであるとしつつ、日中関係の更なる発展のために政治的相互信頼が大切であり、そのために両国は努力していかねばならない旨述べた。

 また、中国側から、歴史問題は適切に処理し、戦略的互恵関係を発展させたい趣旨述べたのに対し、麻生総理から、我が国としての従来の立場に変わりはない旨述べた。

(ロ)新型インフルエンザ問題

 日中間で情報交換や予防措置等協力を行っていく必要があることで一致。特に麻生総理からは、問題は深刻であり、日中両国は充分協力する必要がある旨述べたのに対し、胡主席からは、中国政府としてもこの問題を非常に重視しており、感染防止措置を含め最大限の措置をとっている、日中は隣国として協力していける旨述べた。

(2)日中協力の強化と課題

(イ)経済・ビジネス分野での対話・協力

(a)日中ハイレベル経済対話

 第二回日中ハイレベル経済対話を6月7日(日曜日)に東京において開催することで一致。昨年胡主席訪日時に合意した70項目協力案件が、着実に進展している中、特に経済部分にかかる進展については同対話において具体的にレビューすることとなった。

(b)世界経済回復のためのアジアに対する貢献

麻生総理から、1)貿易金融支援、2)チェンマイ・イニシアティブのマルチ化、3)ADB一般増資の早期実施が重要である旨及び実体経済面では、成長力強化と内需拡大に取り組む必要がある旨述べた。また、我が国としてのアジア貢献策を紹介した。

 胡主席からは、日中両国は金融危機への対応といったグローバルな挑戦への対応における協力に重点を置くべきであり、ASEAN+3等での協力を強化させたい旨述べた。温総理からは、アジアがいち早く経済危機から脱するために、日中両国は協力して努力すべきであり、チェンマイ・イニシアティブのマルチ化、アジア債券市場の推進の必要性等について述べた。

(c)日中次世代リーダー対話

 麻生総理から、重要性を増す日中関係を、将来の世代にわたって更に発展させる礎を築くために、日中次世代リーダー対話の立ち上げを提唱。胡主席及び温家宝総理の賛同を得た。

(d)情報通信技術(ICT)での協力

 麻生総理から、ICT分野において新たな日中間の協力が進展することを歓迎し、来月の鳩山総務大臣の訪中において具体的成果を期待する旨述べた。温家宝総理もこれを歓迎した。

(e)国際金融情勢

 麻生総理より、我が国の国内経済政策を紹介しつつ、ロンドン・サミットの合意を踏まえ、経済回復に向けた国際的な協力の必要性を指摘。温総理からも同様の発言があり、双方は、緊密に協力を進めていくことを確認するとともに、保護主義抑止等で一致した。

(f)IT製品に対する強制認証制度

 麻生総理から、温総理に対し、中国によるIT製品に対する強制認証制度について、再考を促した。

(ロ)環境、エネルギー・気候変動問題での協力

 麻生総理から、気候変動問題に関し、次期枠組みへの中国の責任ある参加を慫慂するとともに、石炭、水、大気、廃棄物リサイクル等を重点分野とする「日中環境・省エネ総合協力プラン」を新たにスタートさせることを提唱した。併せて、この分野での日中間での間断なき対話を強化していくこととなった。

(ハ)交流の推進と相互理解

 年間4000名規模の青少年交流、今後3年間で1500名規模の教員交流等の積極的推進を確認。文化・知的分野での交流等を一層積極的に展開・支援していくこととなった。

 また、麻生総理より、日中間の相互往来促進として本年7月より、中国国民の個人観光を開始することを表明し、温総理はこれを歓迎した。羽田・北京間での定期チャーター便が、本年10月から開設されることでも一致した。東京五輪開催についても中国の支持を求めた。

(ニ)食の安全、東シナ海資源開発、核軍縮

(a)食の安全について、麻生総理から、我が国消費者の不安を伝え、ギョウザ問題の早期真相究明を求めた。温総理からは、刑事事件として関係当局も懸命に努力している、日中間の協力を強化し、一日も早く決着させたい旨述べた。

(b)東シナ海資源開発について、麻生総理から、国際約束締結交渉の早期開始に向け、温総理の指導力発揮を求めた。温総理からは、事務レベルで意思疎通させていきたい旨述べた。

(c)麻生総理より、核軍縮について、中国の協力を要請した。中国側からは、中国は一貫して核廃絶を訴えており、国際的な軍縮を支持してきている、今後も核軍縮に向けて積極的に努力していく等の立場を述べた。

(3)北朝鮮

 麻生総理から、北朝鮮は強く反発しているが、抑制した対応をとることが重要である、我が国として、北朝鮮の非核化を進めていく上で、六者会合が最も現実的な枠組みと考えており、議長国の中国に重要な役割を果たして欲しい旨述べた。また、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現できれば、地域の平和と安定のために大きな意味を有する旨述べ、中国側の引き続きの協力を求めた。

 中国側からは、六者会合を通じて朝鮮半島の非核化を実現したい、この問題は非常に複雑であるが、関係各国は、冷静に対応していくことが大事であり、また、粘り強く自信を持って問題を克服していきたい、対話と協議を通じて六者会合の進展をはかり、朝鮮半島の非核化を実現したい等述べた。

2.視察等

(1)国際交流基金北京日本文化センター

 29日午後、麻生総理は、同センターを視察し、国際漫画賞受賞者との懇談、映画「非誠勿擾」の監督との懇談等を行った。

(2)晩餐会

 29日夜、温総理主催晩餐会が人民大会堂で行われ、その場で、麻生総理から温総理に対し、中国語版の「省エネ・新エネ国際展開技術集」を手渡した。

(3)首都鋼鉄(コークス乾式消火設備モデルプラント)

 30日午前、麻生総理は、日本の技術・資金拠出により設置され、環境改善・エネルギー効率化を実現した好例として同プラントを訪れ、プラントの運転室等を視察した。

(4)日中次世代ビジネス・リーダーとの集い

 30日昼、麻生総理は、日本青年会議所及び中華全国青年連合会関係者等を招待したレセプションに参加し、「日中次世代リーダーに送る私の応援歌」と題する講演を行った。

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