麻生総理大臣

日中首脳会談(概要及び評価)

平成20年10月24日

1.日程概要

 胡錦濤国家主席との会談、温家宝総理との会談、日中刑事共助条約の批准書交換及び日中領事協定の署名への立ち会い、日中平和友好条約締結30周年記念レセプションへの出席

2.評価

(1)麻生総理として初めて訪中。初の首脳会談を実施し、「戦略的互恵関係」の推進を確認。中国側からは日中関係を発展させていくことについて、麻生総理への期待感が示された。

(2)電話会談等を活用した頻繁かつタイムリーな意思疎通を行うことで、首脳間の個人的信頼関係を構築していくことで一致。

(3)現下の国際経済・金融情勢に対する日中両国の役割につき、共通認識を発信。

(4)30周年記念レセプションにおいて、麻生総理より、「日中関係についての、私の所信表明」と題するスピーチを行い、日中関係について思いの丈を率直に語った。

3.胡錦濤国家主席との会談及び温家宝総理との会談

(1)日中関係

(イ)日中関係総論、首脳間の頻繁かつタイムリーな意思疎通

 双方は「戦略的互恵関係」の推進を確認。麻生総理より、国際社会が直面する問題について、両国首脳が頻繁かつタイムリーに意見交換を行うことが重要である旨を指摘し、電話会談の積極的な活用を提案。温総理は、「ホットライン」を積極的に活用していきたいと応じた。

(ロ)国際経済・金融情勢と日中の役割

 以下の共通の認識に至った。

(a)現下の国際経済・金融情勢に対応するため、これまでの国際的な取組も踏まえて国際社会が協調して対応していく。

(b)経済の安定と繁栄が取り戻されるため、日中両国とも、国際的取組に貢献する。

(c)また、中長期的観点から、アジア地域各国の金融システムをより強固にするため、必要かつ適切なマクロ経済手段を講じながら、安定的・自律的な経済成長を実現していく。

(d)来月の国際金融サミットでの協力や中長期的な観点から、チェンマイ・イニシアティブ、アジア債券市場育成イニシアティブ等の推進は重要。

(e)第二回ハイレベル経済対話を活用していく。

(ハ)環境問題

 麻生総理から、我が国が9月末に行った実効的な次期枠組みについての具体案の提案について、中国側による前向きな検討を求めた。

(ニ)日中韓首脳会議

 麻生総理から、年内に我が国で日中韓首脳会議を開催したいので貴国の協力を得たい旨発言した。これに対し、先方から、支持が示された。

(ホ)交流事業

 麻生総理から、信頼関係の構築、国民感情の改善が重要であるとして、本年既に3000名以上の青少年の相互交流が実施されており、来年以降も着実に交流を継続し、国民レベルの相互理解を深めたい旨指摘、また、日中中堅幹部交流も着実に進んでいる旨述べた。これに対して、胡主席からも、人的・文化的交流を強化したい旨述べた。

(ヘ)「食の安全」

 麻生総理から、「食の安全」に対する消費者の不安・不信にしっかり目を向け、日中両国で協力してこれを取り除くことが急務であるとの立場から、中国による取組を求めた。これに対して、温総理から中国政府として責任を負う、日本との協力を強化したいと述べた。

(ト)東シナ海での協力

 麻生総理から、日中のウィンウィンの関係を象徴する案件でもあり、既に政治的合意は既に成り立っているので、これを実施に移すための交渉を早期に開始するよう促した。これに対して、温総理から、日中間の政治的合意は「戦略的互恵関係」の重要な進展である、引き続き、事務レベルで意思疎通させたいとの発言があった。

(チ)刑事・領事分野での協力の強化

 温家宝総理との会談の後、麻生総理と温家宝総理の見守る中、日中刑事共助条約の批准書交換と日中領事協定の署名が宮本在中国大使と胡正躍外交部部長助理との間で行われた。

(2)北朝鮮

 麻生総理より、(イ)朝鮮半島の非核化実現のために検証は重要。六者間で、実効的な検証の具体的枠組みに合意したい。中国側のリーダーシップを期待する。(ロ)我が国は、核問題と拉致問題を含む日朝関係の双方を共に前進させる方針。(ハ)拉致問題で実質的な進展が得られるよう、北朝鮮に対し働きかけて欲しい、旨述べた。

 これに対し、温総理より、六者会合の議長国として、関係各者との意思疎通を強化し、早期に第二段階の全面的な履行が行われるよう協力したい、日本との意思疎通していきたい旨述べるとともに、日朝関係が改善し、それを通じて日本が関心を有する拉致問題も解決されることを望んでいる旨述べた。

(3)台湾

 温家宝総理から、台湾問題についてのこれまでの日本側の対応を評価する、今後も慎重に対応してもらいたいと述べるところがあった。

4.日中平和友好条約締結30周年記念レセプション出席

 麻生総理は胡錦濤国家主席と共に中日友好協会主催の記念レセプションに出席。挨拶の中で、重要なのは、日中「共益」であり、「友好」というお題目よりも、切磋琢磨して協力していくことこそ真の「戦略的互恵関係」である旨述べた(麻生総理挨拶)。

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