本1日午後5時から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,来日中のヤイ・ベナン大統領(H.E.Dr. Boni YAYI, President of the Republic of Benin)と総理官邸において会談したところ,概要は以下のとおりです。日本側から,世耕内閣官房副長官ほかが,ベナン側から,スマヌウ中等教育・技術職業訓練・再教育・青年統合大臣,ゾマホン駐日大使ほかが同席しました。なお,ヤイ大統領から安倍総理に対して,ファーストネームで呼び合う関係になりたいとの提案があり,和やかな雰囲気の中で会談は行われました。また,同時間,安倍総理夫人は,ドゥ・スザ・ヤイ・ベナン大統領夫人と懇談し,ベナンにおける医療・保健・教育事情などについて意見交換しました。
- 冒頭
- (1)安倍総理から,近年のアフリカは「躍動の大陸」であり,第5回アフリカ開発会議(TICADⅤ)においては,アフリカの「成長と質の向上」を目指し,日・アフリカ双方の発展と繁栄を実現したい旨述べました。
- (2)ヤイ大統領からは,東日本大震災の犠牲者及びアルジェリアにおけるテロ事件の日本人犠牲者へのお悔やみの言葉が述べられました。
- TICAD Ⅴ
- (1)安倍総理から,ヤイ大統領が昨年1年間アフリカ連合議長として発揮したリーダーシップに敬意を表し,その経験を活かし,TICAD Ⅴの成功に向け協力願いたい旨述べました。
- (2)ヤイ大統領は,20年前に開始したTICADプロセスを日本が継続していることを評価し,6月のTICAD Ⅴに喜んで参加する,他のアフリカ首脳にも参加を呼びかけたい旨述べました。また,新しいアフリカにとって平和・安定・治安,民主的制度・ガバナンス・透明性が重要であり,日本は新しいアフリカと富・資源を共に活用していくべきであるとし,TICAD Ⅴにおいては農業・食糧安全保障,若者の失業問題,環境・気候変動対策,地域経済統合,教育,保健といった課題を取り上げるべきだと述べました。
- 二国間関係
- (1)安倍総理から,ベナンがアフリカにおける民主主義のモデル国であり続けていることを評価するとし,日本はベナン国民の生活改善に貢献する持続的成長及び貧困削減のための支援を行っていく旨述べました。
- (2)ヤイ大統領から,日本の支援に対する謝意が表明され,両首脳は,今後の経済協力の可能性について議論しました。
- 国際場裡における協力
- (1)安倍総理から,在アルジェリア邦人に対するテロ事件を断固非難する旨を表明するとともに,サヘル地域の安定は,国際社会全体の喫緊の課題であり,日本は引き続き国際社会と連携してテロとの闘いに取り組む決意である旨述べました。また,東アジア情勢に関する日本の立場を説明し,ベナン側の理解と支持を要請しました。
- (2)これに対し,ヤイ大統領は,安倍総理の説明に理解を示しました。また,安保理改革の問題に関し,日本の安保理常任理事国入りを支持するとし,更に2015年安保理非常任理事国選挙での日本支持も表明しました。