12月28日(金曜日)午後5時(日本時間)から約20分間,安倍晋三内閣総理大臣とウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン・ロシア大統領(Putin, Vladimir Vladimirovich, President of the Russian Federation)との間で日露首脳電話会談が行われたところ,概要以下のとおり。
- 冒頭,プーチン大統領から安倍総理就任に対し祝辞の表明があり,安倍総理からは謝意を表した。プーチン大統領から,2006年,2007年のハノイAPEC,シドニーAPEC,ハイリゲンダムG8サミットでそれぞれバイの会談を行ったことを暖かく思い出している旨言及があるなど,会談は和やかな雰囲気で行われた。
- 安倍総理から,ロシアとの関係を重視しており,日露関係は最も可能性に富んだ二国間関係の一つであり,そしてその発展を政策の最優先課題の一つと考えている旨述べた。また,アジア太平洋地域の戦略環境が大きく変化する中で,日露関係の強化は,両国の利益に合致するだけではなく,地域の安定にとっても重要であり,安全保障,極東・シベリア地域を含む互恵的な経済協力等あらゆる分野でプーチン大統領と協力していきたいと伝えた。プーチン大統領からは,政治対話の活発化,貿易高の増加,エネルギー協力の進展等にそれぞれかなり具体的な言及があり,今後の二国間関係の発展に向けた総理の意欲を高く評価するとの発言があった。
- 安倍総理からは,プーチン大統領が12月20日の記者会見で,領土問題に関して建設的な対話を行う意向であると発言したことについて,高く評価した上で,日露間の最大の懸案である北方領土問題の最終的解決に向け,プーチン大統領とともに双方受け入れ可能な解決策を見い出すべく努力したい旨述べた。これに対し,プーチン大統領は,平和条約に関する作業をより活発化するよう両国の外務省に指示を出す必要がある旨述べた。
- プーチン大統領から,安倍総理への訪露招請があった。本年12月を目処として既に前政権で調整されてきた総理大臣の訪露日程については仕切り直すこととし,両首脳は2013年のしかるべきタイミングでの総理訪露を調整していくことで一致した。
- 安倍総理から,森元総理がプーチン大統領との再会を楽しみにしている旨伝えたのに対し,プーチン大統領からは古くからの親友である森元総理との再会を楽しみにしているとのやりとりがあった。
- 安倍総理から北朝鮮のミサイル発射問題及び拉致問題についての理解を求めたのに対し,プーチン大統領より,日本の懸念を理解する旨述べた。