
日英共同声明(骨子)
- 未来のための枠組み -
(全文日本語仮訳・英語)
安倍総理とブレア英国首相は、2007年1月9日、ロンドンにおいて、初の首脳会談を行い、概要以下の共同声明を発表した。
1.日英関係総論
日英関係は最良の状態にあり、広範な分野で協力が進展。日英両国は、基本的価値と、国際的な諸課題について視点を共有する戦略的パートナー。日本がG8議長国を務める2008年までの2年間は、日英関係を一層進展させる特段の機会。
2.対話の枠組みの強化
日英首脳は、両国間の協力の進捗状況の検討及び更なる進展のため、毎年会談する。さらに、主要な閣僚等が定期的な意見交換の枠組みを設定することを奨励する。
3.国際的安全保障の増進
- イラク、アフガニスタン、中東和平問題等において緊密な協力を継続。
- 拉致問題の迅速な解決を北朝鮮に働きかけ。ミサイル発射や核実験等、最近の朝鮮半島情勢に重大な懸念。北朝鮮を巡る諸問題に共同で対処。
- イランの核問題に深刻な懸念。国際社会が求める前向きの道筋に従うようイランに要請。
- 対テロ対話の強化、NPT運用検討プロセスや拡散に対する安全保障構想(PSI)での協力、平和支援活動の協力強化、武器貿易条約(ATT)構想等安全保障分野における協力強化。英国は、NATOとの緊密な関係構築に係る日本の努力を歓迎。
- 国連改革を継続。安全保障理事会の早期の改革実現に協力。英国は日本の安保理常任理事国入りを引き続き支持。安保理での議論について緊密に協力。
4.気候変動
2005年のG8グレンイーグルズ・サミットにおいて開始された気候変動に関する対話について、日本がG8議長国として2008年に報告を受けることを視野に入れて協力を強化。
5.国際開発
貧困への対処と安全保障の促進における開発援助の重要性を認識し、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けて協力、援助協調を継続。2005年のG8グレンイーグルズ・サミットにおける開発援助に関する約束の実現を決意。英国は2008年に日本で開催されるTICAD IVの成功を支援するため日本と協調。
6.科学・技術・イノべーション
- 気候変動、エネルギー技術、生命科学の分野等における共同研究を強化する。
- 学術研究機関と民間の間の知識の共有を日英共同で促進する。