安倍晋三元総理大臣は、1月26日(月曜日)から27日(火曜日)まで麻生総理大臣の特使としてサウジアラビアを訪問した。訪問中、サウジアラビア総合投資院が主催した第3回グローバル競争力フォーラムに出席し、基調講演を行ったほか、政府関係者等と会談を行ったところ、概要以下のとおり。
27日午前(現地時間)、安倍総理特使は第3回グローバル競争力フォーラムにおいて基調講演を行った。同総理特使は講演の中で、金融危機をうけた世界経済の現状に関する認識を述べた後、その対策のため、主要国による景気刺激策、金融安定化に向けた国際協調、中長期的な観点からの将来に向けた青写真の設定、の3つの視点が重要であるとして、それぞれの分野における我が国の取組を紹介した。また、日サウジアラビア関係に関し、両国間の産業協力、二国間経済協定交渉の進展等に触れつつ、二国間関係の強化の在り方につき述べた。講演後、参加者からの質疑に答え、国の近代化における人材育成の重要性等を強調した。
同フォーラムには、クレティエン元カナダ首相、マハティール元マレーシア首相等各国首脳経験者、カルロス・ゴーン日産CEO等も参加した。
27日午前(現地時間)、安倍総理特使は、ダッバーグ・サウジアラビア総合投資院総裁と会談し、麻生総理発アブドッラー国王宛の親書を手交した。会談では、安倍総理特使より、我が国のサウジアラビアに対する投資促進、中小企業政策協力、人材育成を柱とする産業協力の進展に触れたのに対し、ダッバーグ総裁より、中小企業政策等における日本のベストプラクティスを学びたい、日本企業の更なるサウジアラビア進出に向け努力していきたい旨述べ、引き続き両国間の経済関係を強化すべく互いに協力していくとの認識につき一致をみた。
26日夜(現地時間)、安倍総理特使は、アブドルアジーズ・ビン・アブドッラー王宮府顧問(殿下。アブドッラー国王4男)主催の夕食会において、同顧問と世界経済、原油価格を巡る情勢等につき意見交換を行った。また、27日、日サウジ協力の一環として、日本からの技術移転が行われているプラスチック加工高等研修所を視察した。