田中外務大臣の私的懇談会の開催
(第五回会合の概要)
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1.日時
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1月16日12時30分~14時
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2.場所
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外務省 大臣接見室
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3.出席者
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●有識者(五十音順)
- 黒柳徹子 女優・ユニセフ親善大使
- 小林節 慶応義塾大学教授
- 白柳誠一 カトリック枢機卿
- 中根千枝 東京大学名誉教授・学士院会員
- 山口二郎 北海道大学教授
- 横田洋三 中央大学教授
● 外務省
- 田中眞紀子 外務大臣
- 谷内正太郎 総合外交政策局長(進行役)
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4.テーマ
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中根千枝東大名誉教授より『民族と「民族問題」』についてプレゼンテーションが行われ、関連して民族紛争、テロ、アフガン復興支援問題などについて意見交換が行われた。
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5.議論の概要
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出席者から出された主な意見は以下の通り。
- 複数の民族が一つの社会を形成する場合、特定の民族で構成されるのではない安定した支配層ができると、社会の成熟度が高くなる。そうした支配層ができていないと紛争が起こりやすい。現に、紛争が起きているところでは、社会全体を支配し多民族で構成する「上層」が出来ていないところが多く、逆に、多民族、多言語で構成される「上層」がきちんとできているところでは、紛争が起きても、社会が成熟しているため、それ程大きな心配はない。
- 社会の安定はトップ・エリート層の形成に大きく依存する。その意味でアフガニスタンでもタリバーンが入れ替わっただけではまた同じことが起こる可能性があり、それだけでは不十分である。特定の民族が支配層を独占しないようにすること、また、公平な教育の実施、、良いリーダーを育成することなどが重要である。
- 1960年代に非植民地化の動きが起こったときに「民族自決権」が強調された。国連憲章でも言及がある。このように国際法の分野では進んでいるとされている「民族自決権」であるが、これを全ての基礎にすることには問題があるようである。すなわち、「民族自決権」が強調され過ぎると摩擦や紛争を助長する面がある。歴史的に植民地解放の文脈に限定されて理解されてきたことにも一因があり、もう少し慎重に考えた方がよいかもしれない。
- 異民族同士でうまくやっていても、植民政策の過程で「民族自決権」が政治的に利用されてきた例や、世界的に民族紛争と理解されていても、当事者同士はそうでないと思っている例もある。
- 宗教は政治的野心に利用されやすい。テロは、宗教の対立ではなく、極く一部のものが政治的目的を、宗教の名を借りて不当に実現しようとするもの。日本ではこれまで一般にイスラム教についての知識があまりなかったが、今回のテロ事件を機にイスラム教について勉強した人も多い。イスラム教は、本来的に平和を愛し、人の命を尊ぶものであり、先般のテロには大多数の心あるイスラム教関係者も強く反発している。
- 宗教は大きな力を持っており、その意味で宗教間の対話は国際社会の平和と安定のために重要な役割を果たしうる。
- 宗教の違いもよりもむしろ貧困が大きな問題である。貧困があると政治的野心に利用されやすい。アフガンでも、国民の半分が栄養失調の状態であり、貧困が大きな原因となってタリバン支配を生んできた。
- アフガニスタンの復興については、地雷の処理、水、教育、医療など今すぐ必要な人道支援や復興支援を詰めるとともに、いつまでも国際社会に頼ることのないように、アフガニスタンが自立していくのための道筋を考えることが重要である。10年ぐらいの間に自立できるようなプログラムを作る必要がある。
- アフガニスタンを良く知らずして復興は考えられない。その意味で、近隣の国はアフガニスタンを良く知っており、復興のために周辺国の声を聞くことが重要。アフガニスタン復興支援国際会議は、近隣国のプレゼンテーションを良く聞く絶好の機会である。
- 人類がいる限り闘争は存在する。問題は武器なくしては自分を守れないような状況であり、アフガニスタンではこのような状況からの脱出が急務である。これは、人間の安全保障の問題である。そのために、強力な国際協力によってアフガニスタンの治安維持体制を早急に確立することが重要である。また、政治的仕組みを早急に固め、国の体を守ることが重要である。政治的空白を作ると人間の安全保障も守れなくなる。
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6.次回会合
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次回会合は2月25日(月)に開催する予定である。
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