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田中外務大臣の私的懇談会の開催
(第三回会合の概要)


1.日時

11月5日(月)11時から13時

2.場所

外務省 大臣接見室

3.出席者

有識者(五十音順)
  • グレゴリー クラーク 多摩大学名誉学長
  • 黒柳徹子 女優・ユニセフ親善大使
  • 小林 節 慶応義塾大学教授
  • 田原総一朗 ジャーナリスト
  • 中根千枝 東京大学名誉教授・学士院会員
  • 山口二郎 北海道大学教授
  • 横田洋三 中央大学教授

外務省

  • 田中眞紀子 外務大臣
  • 谷内正太郎 総合外交政策局長(進行役)


4.テーマ

本日の会合は、前回に引き続き、米国における同時多発テロ事件への対応を中心に議論が行われた。

5.議論の概要

出席者から出された主な意見は以下の通り。

  • テロ特措法が成立し、日本も米国の軍事行動に対する支援に踏み出したが、日本がイニシアティブをとり、現に紛争の被害に遭っている人々に対し何ができるか、非軍事面で具体的にどういう貢献ができるのかについての議論を提起すべきである。アフガニスタン周辺国、パレスチナ等現地に直接赴き、何ができるかを検討すべきである。

  • よど号事件の時、福田総理が「人の命は地球より重い」と言ったように、テロへの対応に関して、日本は例外的な国である。また、戦後の日本では国家を研究する学者がいない。日本は、独自の立場をとろうと考えていないのではないか。国家としての対応、日本独自の外交、国家戦略を持つべきである。

  • 米国が自衛権の行使、NATOが集団的自衛権の行使として軍事行動を行うとしているが、日本は、どういう目的、どういう政策の下で米国に協力するのかにつき国会でも議論すべきである。

  • 国際社会においてテロについての統一的な定義はない。但し、このことと今回のような明らかなテロ行為撲滅のための闘いは分けて論じなければならず、安易な相対化は良くない。

  • アフガニスタンにおける貧困には、国境線の設定の仕方など歴史的な背景もある。

  • どさくさに憲法、集団的自衛権を論じるべきではないと言う意見もあるが、日本では、今まで、安全保障の議論が行われていない。こういう緊急事態こそ、憲法問題、集団的自衛権の問題を議論する好機会でもある。

  • 国際場裡で日本外交の姿勢を問われており、国家として日本がどういう価値を見いだそうとしているのか、日本からのメッセージを発することが期待されている。

  • 米国等の軍事行動では、民間の犠牲者が出るのを最小限に押さえるべきである。また、現在、民間人犠牲者への支援について何も検討されておらず、今後考える必要がある。誤爆への非難もあるが、軍事行動がが長引くことが一番困る。このまま軍事行動が続けば、アフガニスタンでは、100万人以上が餓死するとも言われている。

  • 周辺国に流出した難民のみならず、アフガニスタン国内避難民も問題も深刻である。国内避難民への支援をもっと行うべきである。ユニセフ等国際機関は、毛布、水などの物資、はしか、破傷風のワクチンなどの医薬品などの援助を既に実施している。

  • 今回の事件は、先例のないテロであり、50年以上前の国連憲章、日本の憲法を厳格に解釈することは無意味である。国連決議など、国連を中心とする有効なテロ対策を講じていくことが重要であり、その中で、日本なりの意味づけ、日本にどういう貢献ができるのかを考えて行くべきである。

  • テロをパレスチナ問題と結びつける人がいるが、アラブ諸国における最大の問題は宗教ではなく、貧困である。日本は貧困の問題と長期的に取り組むべきである。但し、テロへの対応をどうするかという問題と構造的問題は一緒に議論しては解決しない、別々に議論すべきとの意見もある。

  • 日本は、オウム事件、岡本公三など赤軍の事件、ペルー日本大使公邸占拠事件、JICA職員殺害事件、ルクソール事件、タジキスタンの秋野政務官殺害事件、等々様々なテロ事件に関わってきている。もっとテロ問題を深刻に受け止めて然るべきである。

  • ODAが10%削減されたが、為替の変動を加味すると実際には20%の削減となる。今回のように先例のないテロへの対応が迫られている場合など緊急事態の場合は、従来の枠で捉えることなく柔軟に考える必要がある。アフガン特別枠などを設けるなどの工夫をするのも一案である。そうすることにより、テロへの対応に関する日本から世界へメッセージがよりはっきりしたものとなる。但し、ODAの削減自体は人員のやりくり、中味の厳選等ODAの効率性を向上させるためには好都合であるとの面もある。

  • 海外にODAで派遣された若い人たちが、日本に帰って復職できないという問題が指摘されている(看護婦など)。青年海外協力隊に参加したいが、日本に帰ってからのことが心配で行けないという人も多い。企業でも、海外に人を出すと定員が余っていると見られるようである。NGO等現場を知っている若い人を多用することが重要でああり、ODAに貢献した人が日本へ帰ってからも復職できるような制度(例えば企業に1%の協力定員)を作ってはどうか。


6.次回会合

次回は、12月10日(月)に開催される予定。


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