岡田外務大臣

岡田外務大臣の北海道訪問(概要)

平成22年3月9日

  • (写真1)北方領土視察
    北方領土視察
  • (写真2)根室での元島民・返還運動関係者との対話
    根室での元島民・返還運動関係者との対話

 3月6日(土曜日)~7日(日曜日)、岡田外務大臣は、北海道を訪問し、「岡田外務大臣と語る 札幌」で講演を行ったほか、北海道知事、元島民・北方領土返還運動関係者及び北海道経済関係者と意見交換を行うとともに、納沙布岬から北方領土を視察したころ、概要以下のとおり。

1.北海道経済関係者との懇談会(札幌、3月6日)

(1)国際経済に関する課題やEPA交渉等について意見交換が行われた。

(2)岡田大臣から、本年6月に北海道で開催されるAPEC貿易担当大臣会合は、訪問する各国のメディア関係者や関係閣僚に対して札幌や北海道をPRするよい機会である旨述べ、地元関係者の協力を要請した。


2.「岡田外務大臣と語る 札幌」(札幌、3月6日)


3.高橋北海道知事との会談(札幌、3月6日)

(1)北方領土問題の解決に向けて、政府と北海道が一層連携を深めていくことを確認した。

(2)高橋知事から、北海道として、北方領土問題が一日も早く解決することを期待する旨述べるとともに、北海道としては、サハリン州や極東地方との地域間交流を積極的に行っていきたい旨の発言があった。

(3)これに対し、岡田大臣から概要以下のとおり述べた。

(イ)昨年12月、自分(大臣)は、ラヴロフ外相に対して、鳩山総理、メドヴェージェフ大統領そしてプーチン首相という「役者」が揃っているうちに、平和条約交渉を進めるべきである旨伝えた。

(ロ)ロシアは最近、太平洋国家としてアジア太平洋地域に関心を深めている。日本側として、政治と経済を車の両輪として動かしながら、領土問題の解決に向けて努力していきたい。経済分野における北海道の役割は重要であり、協力をお願いしたい。

(ハ)本年6月のAPEC貿易担当大臣会合では、協力をお願いしたい。

(4)1月30日に発生した漁船銃撃事案について、高橋知事から、捜査の結果、区域外操業であったことが判明したことを受け、再発防止の観点から監視体制及び指導の徹底を考えたいとの説明があった。これに対し、岡田大臣から、銃撃に対する抗議はロシア側に行っているが、同時に、一定の範囲を決めて操業を行うことにしている以上、ルールを守ることが最低限必要であり、その点は協力をお願いしたい旨述べた。

(5)また、高橋知事から、元島民の高齢化等にかんがみ、四島交流等の移動手段として航空機の利用が実現するよう、さらなる外交努力をお願いする旨の発言があった。


4.元島民及び北方領土返還運動関係者との対話(札幌、3月6日)

(1)岡田大臣から、日頃の返還運動や環境整備等に積極的に関わっていただいていることに対し謝意を表明するとともに、鳩山政権になって、昨年2度の首脳会談が行われ、メドヴェージェフ大統領と鳩山総理との間によい雰囲気が生まれており、自分たちの世代で北方領土問題を解決する意向が確認されている。両首脳の意向を受け、自分(大臣)としても、この問題について、鳩山政権の間に大きな前進を図るべく努力したい旨述べた。

(2)この後、参加者との間で率直な意見交換が行われた。


5.北方領土視察(根室、3月7日)

 納沙布岬から北方領土を視察し、その後、北方館及び「望郷の家」において、北方館館長から北方領土の歴史や日露間の交渉に関する経緯についての説明を聞いた。


6.元島民及び北方領土返還運動関係者との対話(根室、3月7日)

(1)岡田大臣から、日頃の返還運動や環境整備等に積極的に関わっていただいていることに謝意を表明するとともに、概要以下のとおり述べた。

(イ)先ほど北方領土をこの目で見て、北方領土がこんなに近いのかとの印象を持った。昨年末、自分(大臣)は、モスクワでラヴロフ外相他と会談したが、実際にこの目で見て臨場感を持って交渉に臨むべきであると感じ、この地を訪問した。

(ロ)昨年は、鳩山総理とメドヴェージェフ大統領との間で2度の首脳会談が行われた。自分(大臣)は、ニューヨークでの首脳会談に同席したが、いずれも前向きな雰囲気であり、自分たちの世代で北方領土問題を解決する意向が確認されている。本年は、両首脳の意向が反映されるべく具体的な交渉の中で努力していかなければならないと考えている。

(ハ)そのためにも本年は、昨年を上回るペースで首脳会談を行うことができればよいと思う。その中で、外務大臣その他の外務省の各レベルで具体的に交渉を進めることが我々の責任であり、本日、皆様のご意見をお聞きし、これを背景としてしっかりと交渉していきたい。

(2)この後、参加者との間で率直な意見交換が行われた。

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