7月22日(木曜日)、ASEAN関連外相会合出席のためベトナムを訪問中の岡田克也外務大臣は、午後6時35分(ベトナム時間。日本時間は同日午後8時35分)から約30分間、クレーシ・パキスタン外相と会談を行ったところ、会談の概要は以下のとおりです。
- 冒頭、岡田大臣より、パキスタンで相次ぐテロ事件の犠牲者と遺族に対してお悔やみを述べるとともに、パキスタンが断固としてテロ掃討作戦を実施していることに敬意を表しました。
- 両外相は、日パキスタン二国間関係は非常に重要であるとの認識で一致し、クレーシ外相よりは、日本は必要な時に力になってくれる友人であり、グローバルな課題や地域的課題において建設的な役割を果たしている旨述べました。
- クレーシ大臣より、過去の大地震の際の我が国の支援に改めて謝意を表した後、我が国が昨年4月の支援国会合で表明した2年間で最大10億ドルの支援のうち、テロ対策支援を含め、これまで既に4.74億ドルの支援を実施していること、また他国に対してもコミットメントの実施を働きかけて頂いていることに感謝している旨述べました。岡田大臣からは、パキスタン政府自身が経済改革に迅速に取り組んでいくことへの期待を表明すると共に、反政府勢力掃討作戦に関連して、軍事作戦後の被災地域における復旧・再建、国内避難民(IDP)の帰還が大きな課題であり、パキスタンがオーナーシップを持って被災地域の安定に向けて取り組むことを期待する旨述べました。
- クレーシ外相より、パキスタン・フレンズ(FODP)会合につき、大変有意義なフォーラムであり、今後具体的な行動に移していきたい、10月14日、15日に開催される閣僚会合ではエネルギー分野での支援とマラカンド開発戦略につき議論したい旨述べたのに対して、岡田大臣からは、日本としても同会合で良い成果が達成されるよう協力していきたい、国会日程との関係があるが、適切なレベルでの参加を検討したい旨述べました。
- 国連安保理改革に関して、岡田大臣より、我が国は,安保理改革の早期実現を通じて常任理事国入りを果たしたいと考えており、パキスタンとは異なる立場であるが,建設的に協議していきたい旨述べたところ、クレーシ外相より、パキスタンの立場は変わらないが、今後議論を深めていきたい旨述べました。
- その他、岡田大臣より、先般の印パ外相会談の開催を歓迎し、今後とも、両国が信頼醸成のために対話を継続することを期待する旨述べた他、両外相は日・パキスタン経済関係、軍縮・不拡散問題等に関して意見交換を行いました。