
日・ハンガリー外相会談(概要)
平成23年6月6日
6月6日(月曜日)、第10回ASEM外相会合に参加するためブダペストを訪問した松本外務大臣は、午前8時30分過ぎから約30分間、ASEMホスト国・ハンガリーのマルトニ外相(H.E. Dr. MARTONYI János, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Hungary)と日・ハンガリー外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
なお会談後、両外相は、会談を総括する共同記者発表を行いました。
1 二国間関係全般
- (1)冒頭、松本大臣より、先月25日の日・ハンガリー首脳会談に続き、日・ハンガリー外相会談を実施できることを嬉しく思う、東日本大震災に際し貴国から温かいお見舞いと支援を頂いたことに対し改めて感謝する、体制転換を経てEU議長国及びASEM調整国として国際場裡で活躍されている貴国に敬意を表したい旨述べました。
- (2)これに対し、マルトニ外相より、東日本大震災における貴国の甚大な被害に対し改めてお悔やみ申し上げる、ハンガリー及び欧州は一般市民のレベルまで貴国への強い連帯の感情を有している旨述べました。
2 原子力エネルギー
- (1)マルトニ外相より、ハンガリーは原子力エネルギーを推進の立場にあり、貴国の事故の教訓を活かして、国際社会の原子力エネルギーの安全性を最大限高めることが重要であると考える旨述べ、EU内の原子力エネルギーをめぐる議論の現状等を説明しました。
- (2)これに対し、松本大臣より、福島第一原子力発電所事故を受けての現在の取り組みを説明し、判明する調査結果などは、今後とも国際社会に対して最大限透明性のある情報提供を行っていきたい旨述べました。
3 経済関係
- (1)マルトニ外相より、ハンガリーは日本企業の更なる投資を期待しており、特に再生可能エネルギーの分野で関係強化を図りたい、このためにも日・ハンガリー社会保障協定締結に向けた交渉を早く終えたい旨述べました。
- (2)これに対し、松本大臣より、経済関係を一層発展させていくためにも日EU・EPAは重要であり、EPAを前進させるよう緊密に連携していきたい、また、現在交渉中の社会保障協定についても早期合意を目指して共に努力していきたい旨述べました。
- (3)これを受けて、マルトニ外相より、日EU・EPA交渉開始に向け進めていくことをハンガリーは完全に支持しており、ハンガリー政府には、スコーピング作業を早く終える政治的同意がある旨述べました。
- (4)また両外相は、観光及び若者の交流の一層の拡大の重要性で意見が一致しました。
4 国際場裡での協力
- (1)アフガニスタン支援における連携
両外相は、ハンガリーが地方復興チーム(PRT)を指揮するアフガニスタン北東部バグラーン県において、草の根無償資金協力案件が実施されている現状を歓迎しました。
- (2)国連安保理改革
マルトニ外相は、現在の国連安保理は世界の現状を適切に反映しておらず改革が必要であり、ハンガリーは、日本の国連安保理常任理事国入りを支持する旨述べました。