町村外務大臣

APEC閣僚会議における日中外相会談(概要)

平成19年9月6日

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 APEC閣僚会議出席のためオーストラリア・シドニーを訪問中の町村外務大臣は、楊 潔チ(ヨウ・ケツチ)中国外交部長と、約1時間20分、日中外相会談を開催したところ概要以下のとおり。

1.日中関係全般

(1)楊部長より、両国の良好な発展を維持していくのが両国の外交当局の使命である、町村大臣と個人的友情も築いていきたい旨述べたのに対し、町村大臣より、戦略的互恵関係というすばらしい言葉があるが、この言葉の精神の下、楊部長と率直に意見交換を行っていきたい旨述べた。

(2)また、双方は、日中文化・スポーツ交流年、華商大会、日中ハイレベル経済対話に言及しつつ、国交正常化35周年を通じ、交流を活性化させていくことの重要性で一致した。

2.要人往来

(1)楊部長より、賈慶林(カ・ケイリン)中国人民政治協商会議全国委員会主席の訪日が豊かな成果を収めるよう密接に協力していきたい旨述べ、町村大臣は同主席の訪日を歓迎する旨述べた。

(2)また、楊部長より、安倍総理の年内の訪中、胡錦濤主席の来年の訪日の重要性について言及があり、両国で十分準備を行い、大きな成果を収められるようにしたい旨の言及があった。

(3)更に楊部長より、町村大臣の訪中を招請し、町村大臣は、前向きに検討したい旨応答。町村大臣よりも、楊部長の早期訪日を招請し、楊部長より感謝の意を述べつつ早期に訪日できる時期を見つけたい旨述べた。

3.東シナ海資源開発問題

(1)双方は、9月21日に北京にて第10回東シナ海等に関する日中協議を開催することで一致。

(2)町村大臣より、共同開発の成否は戦略的互恵関係構築の重要なポイントであるある旨述べたのに対し、楊部長からは、中国側としても本件を重視しており、東シナ海を平和・協力・友好の海にしたいと心から望んでいる、前向きな態度で協議を行い、意見の食い違いを縮小し、解決に持って行きたい旨述べた。

4.環境・気候変動

(1)町村大臣より、「美しい星50」に言及しつつ、全ての主要排出国が参加する2013年以降の実効的な国際的枠組み構築の重要性を指摘し、中国が努力していることは理解している、安倍総理と胡錦濤主席との間でも協力を強化することで一致しており、今後、温総理訪日時に作成した環境保護協力に関する共同声明を基に、協議を継続していきたい旨発言。

(2)これに対し、楊部長より、12月のバリ島でのCOP13が実質的成果を挙げるよう日本とも協力していきたい、気候変動の分野を日中協力の新たなハイライトとしていきたい、省エネ、エネルギー効率化、代替エネルギーの分野等日中協力の分野は幅広い旨発言。また、楊部長は、共通だが差異のある責任の原則に言及し、互いに相手の立場に立って話し合っていけば、共通点は見つかる旨述べた。

5.国連安保理改革

(1)町村大臣より、安保理改革は我が国外交の最重要課題の一つである、早期改革実現のため、中国の積極的な態度を期待する旨発言。

(2)楊部長からは、国連改革には、十分な協議を行い、メンバー国が受け入れられる方策を見つける必要がある、日本が国際社会で一層大きな建設的役割を果たすことを望んでいる、日本との対話を強化していきたい旨述べた。

6.安全保障分野

(1)町村大臣より、先日の曹剛川(ソウ・ゴウセン)国防部長訪日が海軍艦艇の訪日等防衛当局間の交流について成果を収めたことに言及し、中国の軍事の透明性向上を望む旨述べた。また、町村大臣より、中国による国連軍備登録制度への復帰及び国連軍事支出報告制度への参加を透明性向上のための第一歩として評価する旨述べた。

(2)これに対し、楊部長より、曹国防部長の訪日により、安保分野での相互理解が進展し喜ばしい、透明性については、語句自体はそもそも相対的なものであるが、中国は大きな努力を払っている、今後日本を含む各国と意見交換をしていきたい旨述べた。

7.刑事司法分野における協力

 双方は、日中刑事共助条約締結交渉が実質合意に至ったことを歓迎した。また、双方は、日中受刑者移送条約及び犯罪人引渡条約の締結に関する事項についての協議を引き続き推進することで一致した。

8.台湾

(1)楊部長より、重大で敏感な問題として、台湾海峡を巡る状況が極めて複雑であり、日本の台湾による国連加盟を支持できないとの立場表明を評価しつつ、戦略的互恵関係の立場からも、地域の平和と安定の見地からも、日本が台湾独立勢力に活動の場所を与え、間違ったメッセージを送ることのないようにしてほしいとの要請があった。

(2)これに対し、町村大臣より、我が国の台湾に関する立場は、日中共同声明にあるとおり、日本政府としては、このような我が国の基本的立場を踏まえれば、国連への台湾加盟は支持できない旨述べ、平和的解決、そのための対話の早期再開を強く希望する、いずれかの側によるいかなる一方的な現状変更の試みも支持できない旨発言。

(3)楊部長より、中国は平和統一の努力をしており、如何なる分裂も容認できない旨述べた。

9.北朝鮮

(1)町村大臣より、中国の六者会合議長国としての役割に感謝し、日本としては、非核化と同時に日朝関係を前進させたく、拉致問題をはじめとする懸案事項と共に、北朝鮮が関心を有する「不幸な過去」の清算に取り組む考えである旨述べた。

(2)これに対し、楊部長よりも、日朝作業部会の進展への期待が表明され、非核化については日中間で密接に協力していきたい旨述べた。また、楊部長より、5つの作業部会に言及しつつ、六者会合が順調に開催され、前向きな成果を挙げることが重要である旨述べた。

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