平成19年11月20日
11月20日14時25分から14時55分にかけて、シンガポール(シャングリラホテル内会議室)において、高村外務大臣とキエム・ベトナム副首相兼外相との間で日越外相会談が開催されたところ、概要以下のとおりです。
双方は、来週からのチエット国家主席の国賓訪日が日越関係の中で極めて重要であり、訪日の成功に向けて万全の準備をしていくことで一致した。
高村大臣より、カントー橋崩落事故の犠牲者とご遺族に対し、改めて哀悼の意を表するとともに、円借款事業で多数の犠牲者が出たことは遺憾であると述べ、原因究明に可能な限り協力するとともに再発防止に努力したい旨の発言があった。これに対して、キエム副首相より、弔意の表明に感謝が表明されるとともに、日本政府の本件への対応を高く評価しているとの発言があった。
高村大臣より、日本はメコン地域を経済協力の重点地域とし、今年度より3年間、貴国をはじめとする地域のODAを拡充するとした上で、明年1月に東京で開催する日メコン外相会議の成功に向け協力したいと述べた。キエム副首相より、これまでの日本のODA、特に南北高速道路、南北高速鉄道、ホアラックハイテクパークの3プロジェクトは、日越友好協力の象徴であるとして、日本の支援に謝意が示された。
双方より、明年の日越外交関係樹立35周年を通じて、両国の友好が益々深まることへの期待が示された。
高村大臣より、明年よりベトナムが国連安保理非常任理事国入りすることにつき祝意を表明し、ベトナムの我が国の常任理事国入り及び2008年安保理非常任理事国選挙に対する力強い支持に謝意を表明した。
高村大臣より、ベトナムと北朝鮮は首脳の相互訪問を行うなど関係が緊密化しているところ、拉致問題を含む日朝関係が進展するよう側面支援をお願いしたいと述べた。キエム副首相より、最近の越朝要人の相互訪問の概要等について説明を行った上で、拉致は国際法及び人道に反する行為であり、ベトナムとして受け入れることはできない旨の発言があった。