外務省: 日米外相会談(概要)

岸田外務大臣

日米外相会談(概要)

平成25年2月22日

  • (写真)日米外相会談-1
  • (写真)日米外相会談-2

 岸田外務大臣はワシントンにおいて,22日(金曜日)午後3時45分から約1時間10分間,ケリー米国務長官と会談したところ,概要以下のとおり(米側:ルース駐日米国大使,ヌーランド報道官,ユン国務次官補代行他,日本側:佐々江駐米大使,横井外務報道官他同席)。

1.日米関係

(1)ケリー長官の訪日招請

 岸田大臣から,ケリー長官の訪日を招請したのに対し,ケリー長官より早期に日本を含むアジア諸国を訪問したいとの発言があった。

(2)安全保障 

 首脳会談における指示を受け,両大臣は,「2+2」会合も活用し,ガイドラインの見直し等の検討を含めて幅広い分野での安全保障・防衛協力をフォローアップしていくことで意見が一致した。

 普天間飛行場の移設について,両大臣は,首脳会談でのやりとりを踏まえて,引き続き外交当局間でも意思疎通をしていくことを確認した。また,岸田大臣より,先週末,自ら沖縄を訪問したことに触れ,嘉手納以南の土地の返還計画を早期に策定していくことが重要であるとして,米側の協力を要請した。

(3)宇宙・サイバー協力 

 岸田大臣からは,宇宙・サイバー協力は,安全保障,経済のいずれにも関わる重要な協力分野と述べ,両大臣は近く包括的対話を立ち上げることを歓迎した。

 宇宙について,両大臣は,宇宙状況監視協力取極の交渉の加速化で一致した。

 サイバーについて,岸田大臣から,インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話の枠組の中で,情報共有,研究開発協力が進んでいる旨を述べ,両大臣は日米間の協力を深めていくことで一致した。

(4)青少年交流

 岸田大臣から,青少年交流は数十年先を見据えた日米関係の基盤となるものであり,今般,日米間で約5000人規模の青少年交流事業を立ち上げることとした旨紹介し,米国と協力して,有意義な事業にしていきたい旨述べた。これに対し,ケリー長官から,昨今,日本から米国への留学生数が減少している点に言及しつつ,青少年交流について日本と協力していきたい旨述べた。

(5)子の親権(ハーグ条約) 

 ケリー長官からの提起を受け,岸田大臣から,ハーグ条約及び条約実施法について与党プロセスが終了したことに言及し,早期に国会へ提出し,承認が得られるよう最優先で取り組んでいく旨説明した。これに対し,ケリー長官から歓迎の意が表明された。

2.アジア太平洋地域情勢

(1)日中関係

 岸田大臣より,日本としては,日中関係を大局的な観点から戦略的互恵の関係にしていくとの考え方を説明し,その上で,尖閣諸島をめぐる日本政府の立場について米側の理解と日米同盟への揺るぎないコミットメントを要請した。

 また,岸田大臣より,米国政府が,尖閣諸島は日米安保条約の適用対象である,日本の施政を害しようとするいかなる一方的行為にも反対するとの立場を表明していることについて感謝を述べたのに対し,ケリー長官は,安保条約の適用についての米国の揺るぎないコミットメントを確認するとともに,尖閣諸島を巡る問題に対し日本が自制的に対応していることを評価すると発言した。

(2)北朝鮮

 岸田大臣より,昨今のミサイル発射,今月の核実験といった挑発行為は極めて遺憾である,これ以上の挑発行為を許すことはできない旨述べた。また,岸田大臣から,首脳会談での議論をフォローアップする観点から,日米韓が従来にも増して一致結束して対応すべきである,国連安保理における制裁決議の採択に向けた米国のリーダーシップを評価し,引き続き協力していきたい旨述べた。これに対し,ケリー長官からは,岸田大臣の懸念を共有する旨述べ,国連などを通じて引き続き日米で協力する,日米韓の協力を一層強めていくとの反応があった。

 拉致問題について,岸田大臣から,現政権で解決するとの安倍政権の決意を説明し,米国の理解と支持に感謝し,引き続きの協力を要請した。

3.グローバルな課題

(1)中東和平

 ケリー長官から,近く行われる予定の自身の中東歴訪を通じて,中東和平を活性化させていきたい,その文脈で日本の関与や協力を期待している旨発言があった。

 岸田大臣から,中東和平について,和平プロセスの停滞を懸念している,イスラエル,パレスチナの双方に早期の直接交渉再開を求める,それに影響を及ぼすような行動を自制するよう働きかけていくことが大事である旨述べた。また,パレスチナの厳しい財政状況を緩和するために,近く財政支援を含む約4000万ドルを追加的に供与することを計画している旨述べた。

(2)シリア

 岸田大臣から,シリアにおける人道状況の悪化,地域全体への波及を非常に懸念している,市民の犠牲を省みないアサド大統領は国際社会の信頼を失っており,道を譲るべきである旨述べた。また,岸田大臣から,国際社会の圧力を強めるため,昨年日本は制裁ワーキンググループを東京で開催した,今後6500万ドル相当の追加的な人道支援を行うことも計画している,アサド政権後のシリアが混乱に陥らないよう,反体制派の組織化活動を支援し,その他の復興支援を進めるなど,日米で緊密に連携していきたい旨説明した。

(3)マリ情勢

 ケリー長官から,日本が1億2000万ドル相応の支援を計画していることを評価するとの発言があった。岸田大臣は,米国がAFISMAに対する多大な貢献をしていることについて評価する旨発言した。

(4)テロ対策協力

 岸田大臣から,日米両国の犠牲者が出たアルジェリアの事件を踏まえ,今後米国が主導する多国間の枠組みであるグローバル・テロ対策フォーラムや日米テロ対策協議を通じて,この地域の国々への支援について協力していくことを提案し,ケリー長官との間で連絡を取り合うことで一致した。


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