平成24年5月21日
5月20日(日曜日),NATO首脳会合関連会合へ出席のためシカゴを訪問中の玄葉外務大臣は,現地時間16時05分(日本時間21日(月曜日)06時05分頃)から約55分間,ファビウス外務大臣(H.E. Mr.Laurent FABIUS, Minister of Foreign Affairs of the French Republic)と会談したところ,概要は以下のとおりです。
玄葉外務大臣より,ファビウス外相就任を祝福し,本年2月にオランド大統領候補(当時)の名代として会談したことにも触れつつ,新たな日仏協力の可能性を開拓していけるよう共に取り組んでいきたい旨述べました。これに対し,ファビウス外相は謝意を表明しつつ,再会を喜んでいる旨述べました。
また,ファビウス外相より,日仏関係をこれまで最高の水準に高めたいとの意向が再三示され,両者で協力してこれを実現すべく,本年の後半を念頭に,外相間戦略対話を実施する方向で検討することで一致しました。
玄葉大臣より,欧州の努力を前提として日本はこれまでもEFSF債の購入やIMFへの貢献などで協力してきたし,今後も協力していく用意がある旨述べました。これに対し,ファビウス外相より,日本の貢献に感謝する,財政再建のためには成長も同時に必要であり,ECBの役割等成長のためのツールについても新たに考えていく必要がある旨述べました。
玄葉大臣より,仏新政権が成立したこともあり,日EU双方の成長に資するEPAにつき,より前向きな大局的判断を求めました。これに対してファビウス外相より,基本的問題はないが,担当大臣と協議し,しっかり検討していきたい旨述べました。
玄葉大臣より,仏新政権の原子力政策および同分野における日仏協力の可能性につき意見を求めました。これに対しファビウス外相より,仏原子力政策については,2025年までに依存度を50%に下げるとの方針に変更はなく,向こう五年の間に一つ廃炉する,日仏両国はお互いに高い技術水準にあり原子力のみならず,省エネも含めエネルギー協力を実施していけると考える旨述べました。
玄葉大臣より,東京会合への参加および資金的貢献を要請したところ,ファビウス外相より,アフガニスタンと本年一月,今後の協力のあり方について協定を署名した,支援の数字はまだ出していないが,7月の東京会合をも念頭に検討していきたい旨述べました。
両者で,圧力と対話の必要性につき一致しました。玄葉大臣より,EU3+3とイラン間の協議の進展を期待する,保険・再保険に対する例外措置の延長等の配慮を求めたところ,ファビウス外相より,日本側の懸念に対する理解が示されました。