本11日(水曜日)午後8時05分から約20分間,玄葉光一郎外務大臣は,カンボジア王国首相府二国間会談室において,トンルン・シースリット ラオス副首相兼外務大臣(Dr. Thongloun Sisoulith,Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs)との間で外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1.二国間関係
玄葉外務大臣は,皇太子殿下の御訪問に際し,ラオスが国を挙げてお迎え頂いたことに謝意を述べるとともに,この半年でラオス首相が二度訪日し両国関係の進展をみたことを高く評価する旨述べました。また,近々,ラオスから被災地(福島,岩手,栃木)に来る予定の6頭のゾウを「日本・ラオス親善ゾウ(Japan-Lao Goodwill Elephant)」として大切にする旨伝えました。その上で,ラオスが主催する11月のASEM第9回首脳会合の成功に向け,引き続き協力することを伝えました。
これに対し,トンルン副首相兼外相は,両国にとり歴史的訪問となった皇太子殿下の御訪問によって両国友好親善関係が更に深まったとし,ASEM第9回首脳会議主催に際しての我が国支援に対する謝意を表明しました。
2.南シナ海
玄葉大臣から,南シナ海を巡る問題は,国際社会共通の関心事項であり,すべての関係国が国連海洋法条約を始めとする関連国際法を遵守し,対話を通じて問題を平和的に解決するべきである旨述べ,先方からは,内陸国ではあるが,海洋の秩序安定の観点から重要な問題であると認識している旨述べ,問題の平和的解決をしていくことが重要である旨述べました。
3.北朝鮮
玄葉大臣から,ラオスは北朝鮮との間で要人往来があるので,北朝鮮が六者会合共同声明等における自らのコミットメントを果たす意思を具体的行動によって示すことや,国際社会が一致して安保理決議を着実に実施する重要性を述べました。また拉致問題への対応についても,引き続きラオスの協力を得たい旨述べました。
先方からは,北朝鮮との要人の往来の機会に朝鮮半島の非核化等の諸問題に関するラオス側の考えを伝達しているとの説明があり,ARFの場をとらえて北朝鮮が多くの関係国の意見を聞くことを期待する旨述べました。