外務大臣

玄葉外務大臣のインド訪問(概要)

平成24年4月30日

  • (写真)第6回外相間戦略対話
    第6回外相間戦略対話
  • (写真)第1回閣僚級経済対話
    第1回閣僚級経済対話
  • (写真)シン首相表敬
    シン首相表敬

 玄葉外務大臣は29日(日曜日)から30日(月曜日)にかけてインドを訪問し,第6回日・インド外相間戦略対話及び第1回閣僚級経済対話を実施した他,シン首相表敬を行ったところ,概要は以下のとおり。

1.第6回外相間戦略対話

 4月30日(月曜日)10時35分(現地時間)から約80分間,インド訪問中の玄葉外務大臣はクリシュナ・インド外相との間で,第6回日インド外相間戦略対話を行ったところ,概要以下の通り。

(注:日インド外相間戦略対話は,2007年以降,毎年日インド交互に実施されており,昨年は10月に東京で実施。)

  1. (1)両外相は,第6回外相間戦略対話及び同日行われる第1回閣僚級経済対話の実施を通じて日インド関係を更なる高みに持っていくことで一致。次官級2+2対話の早期実現を希望。また,先月実施された第2回日米印協議で有意義な議論が行われたとして評価。今後とも年次首脳会合をはじめとするこれらの対話を通じ,戦略的グローバル・パートナーシップを一層強化していくことで一致。
  2. (2)玄葉大臣から,海上保安庁とインド沿岸警備隊との間で訓練が実施されている他,ソマリア沖・アデン湾での海賊対処での協力が行われており,また,本年には海上自衛隊とインド海軍との間でに二国間海上訓練が行われることなどに言及しつつ,日インド間の海上安全保障での協力は着実に深化していると述べた。両外相は,日インド間の海洋における協力を更に発展させるため,海上安全保障を中心に広く海洋の問題を扱う事務レベルの「海洋に関する対話」の立ち上げで一致した。
  3. (3)玄葉大臣から,東アジア首脳会議(EAS)を,地域の共通理念や海洋等に関する具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムに発展させたい旨述べ,EAS参加国を含めた海洋に関する拡大フォーラムについても両外相は引き続き協力することで一致した。
  4. (4)両外相は,いわゆるサイバー攻撃は国家の安全保障にも関わる重要な問題であるとして,今後,サイバー空間の安定的利用の確保のため,両国が国際行動規範案の議論等において協力することで一致するとともに,日インド間でサイバーに関する二国間協議を立ち上げること合意した。
  5. (5)玄葉大臣から,安全な宇宙空間の利用確保のため国際的規範作りが必要として,両外相は宇宙分野において緊密に協力することで一致した。
  6. (6)日インド原子力協定交渉については,両外相は,双方にとって満足のいく合意を得られるよう,協定交渉を進展させていくことを再確認。玄葉大臣から,日本の核軍縮・不拡散に対する強い思いへの理解を要請した。
  7. (7)レアアースの共同開発については,両外相は,早期実現を図ることで一致した。
  8. (8)北朝鮮について,玄葉大臣より,いわゆる人工衛星と称するミサイル発射に関しては安保理決議の明確な違反であり,これを非難する強力な安保理議長声明が出されたことを評価するとともに,両外相は,北朝鮮に対し更なる挑発行為の自制を強く求めることで一致した。
  9. (9)このほか,両外相間で,ミャンマー,スリランカ,アフガニスタン等の地域情勢や国連安保理改革につき意見交換が行われた。

2.第1回閣僚級経済対話

 4月30日(月曜日)12時10分から15時15分(途中共同記者会見を含む)(現地時間),インド訪問中の玄葉外務大臣(議長)が枝野経産大臣,自見金融担当大臣,松崎総務副大臣,五十嵐財務副大臣,奥田国交副大臣,高山環境大臣政務官とともに第1回日インド閣僚級経済対話に出席したところ,概要以下のとおり。(インド側からはクリシュナ外相(議長),アーメド人的資源開発兼外務担当閣外相,ムニヤッパ鉄道閣外相,アシュワニ・クマール計画・科学技術・地球科学担当閣外相,シンディア商工担当閣外相その他財務省からミッタル金融サービス担当次官,マタイ外務次官,カントDMIC開発公社(DMICDC)代表他各省次官が出席。)

  1. (1)本対話では,インフラ開発としてデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC),チェンナイ・バンガロール間の統合開発マスタープラン,貨物専用鉄道計画(DFC),高速鉄道計画構想,レアアース,包括的経済連携協定(CEPA)のフォローアップ,ビジネス環境整備として情報通信技術(ICT),金融分野,エネルギー・環境分野での協力等について協議。
  2. (2)DMICについては,枝野大臣から,両首脳のエンドース案件であるグジャラート州 の海水淡水化案件について本年3月,共同開発についての合意の署名がなされたことを紹介。また,インフラ整備と併せてインドの国家製造業政策への支援を行うことを説明。昨年末の野田総理のインド訪問時に合意のあった日本側が45億ドルの貢献を行うファシリティを有効に活用し,日本企業による投資を促進するための金融規制緩和措置については,インド側から,インド政府部内に既に設置されている協議メカニズムにおいて,早期に前向きな回答を出すべく精力的に検討しているとの説明があった。
  3. (3)チェンナイ・バンガロール間包括的統合マスタープランについては,玄葉大臣,枝野大臣,奥田副大臣から,インド南部に進出する日本企業数が大幅に増加しており,インド各地の日本企業関係者から要望のある,道路,港,電力,工業用水等のインフラ整備についての改善について求めたところ,問題の解決に向けて具体的な成果を出すべく双方で協力することについて認識の一致を見た。また,昨年末の首脳会談において合意されたチェンナイ・バンガロール間の包括的統合マスタープランについての日本の協力については,関係者間で作業し,本年のシン首相の訪日までに進展をはかることとなった。
  4. (4)貨物専用鉄道建設計画(DFC)については,インド側から双方のフェーズについて,2017年3月までの完成を目指して早期に進めたいとして現状の説明があった。高速鉄道計画構想については,日本側から野田総理のインド訪問後のフォローアップとして,前田国土交通大臣のインド訪問と,同訪問の際に実施された高速鉄道に関するセミナーの成果について紹介した。クリシュナ外相はじめインド側からは,日本の新幹線技術の導入に高い関心が示された。
  5. (5)レアアースについては,できるだけ早期の交渉の決着と,所定の手続きを経ての共同事業の開始を双方で目指すことについて一致した。
  6. (6)日インド包括的経済連携協定(CEPA)のフォローアップとして,玄葉大臣から,協定の下で設置されるビジネス環境整備小委委員会が今後開催される予定であり,小委員会を通じて,現在限定的な貿易の拡大のため両国で緊密に協力していきたい旨述べ,枝野大臣から,日インドCEPAは東アジアの経済統合に向けた重要な一歩であるとの認識が示された。
  7. (7)ビジネス環境整備として,日本側から情報通信技術(ICT)分野,金融分野における課題についてインド側に提起。ICTでは,インドにおける電子機器に関する国内製品優遇政策や通信事業者のネットワークセキュリティの規制等についてインド側の適切な措置を求めた他,金融分野では,かねてより要請してきた邦銀の都市部への支店開設や保険分野における規制緩和の要請等を行った。
  8. (8)エネルギー・環境分野については,玄葉大臣,高山政務官から,気候変動分野において第17回気候変動枠組み条約締約国会議 (COP17)の成果も踏まえ両国で連携していくこと,また生物多様性については,インドは本年10月に開催される生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)のホスト国であり,我が国はCOP10の議長国として協力していくことを日本側から伝達。エネルギーについては,枝野大臣から,アルワリヤ国会計画委員会副委員長との間で同日に実施した第5回エネルギー対話について説明した。また,二国間オフセット・クレジット制度における協力について両国で更に協議していくことで一致した。

3.シン首相表敬

 30日(月曜日)17時35分から約40分間,玄葉外務大臣は枝野経済産業大臣,自見金融担当大臣,松崎総務副大臣,五十嵐財務副大臣,奥田国土交通副大臣,高山環境大臣政務官とともにシン首相表敬を行ったところ,概要以下のとおり。

  1. (1)シン首相から,閣僚級経済対話は2010年に首相間で開催に合意したものであり,今回,玄葉大臣と共に強力なメンバーが来られたことに感謝の意が示されるとともに,経済関係は二国間関係の基礎であり,ダイナミックな経済関係は,二国間関係全体を前進させることとなると考えると述べた。
  2. (2)玄葉大臣から,今回の訪問で第6回外相間戦略対話と第1回閣僚級経済対話を実施し,前者については海洋に関する対話及びサイバー・セキュリティに関する対話の立ち上げで一致した旨,また,日インド関係は大きな潜在力を有するが,首脳間の年次訪問をはじめとするこれらの対話がその潜在力の蓋を開けることにつながる旨述べた。
  3. (3)各省の大臣,副大臣,政務官からそれぞれ経済,金融等につき発言があった。
  4. (4)日本側表敬者とシン首相は,日本とインドとの戦略的グローバル・パートナーシップの潜在性,二国間のみならず地域・グローバルな課題についての協力関係をさらに深化させるべきであること,また,本年のシン首相の訪日までに具体的成果を上げる努力が双方にとって必要であるということで一致した。

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